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張本人

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「ちゃんと答えろ、嘘だってすぐにわかるだろ」

「自分ですよ…。なんで信じてくれないんですか?」

「…わかった。お前がそう言うなら誰にやられたか調べてもいいよな?」

そう言うとクロウさんは部屋を出て行こうとしている。
堪らず私はすぐに引き止め、ちゃんと言うから探すのはやめてくれとお願いする。

すぐに足を止め、私の方へと戻ってきて、じゃあ誰にされたんだと問い詰められる。

「…り、リリィさんです」

私は観念し、刺したのはリリィさんであると白状した。

「リリィだと…。なぜお前が刺されないといけないんだ。理由があるだろう、隠さずに言え!」

少しの間黙り、なんて言おうか考えていた。
ナルビアに行った事も言わないといけないし、何よりセレスさんの事を伝えないと私が刺された動機がわからないのではないかと思ったからだ。

「どうした、早く言ってくれ」

「わかりました。でも、パーティーはどうするんですか?今、クロウさんがいないのは流石にまずいではないですか?」

「俺がいても、お前がいないのではおかしいだろうが…。それにそんな傷をみせられて会場に戻れるとでも思っているのか?」

「すみません…」

「理由だけ教えてくれ。そうしたら俺はとりあえず戻る。お前がいなくなった理由は慣れない場所で体調を崩したとでも言っておく。
さぁ…早く言ってくれ」

この傷では出れない私を気遣ってか、嘘をつき庇ってくれると言う。

もう正直に言うべきだなと思って、ナルビアに行った事、そしてセレスさんに好意を持たれ、迫られたことを告げた。

すると、やはり嫌だったんだろう…。
顔が徐々に赤くなっていく様を見ると怒りがこみ上げているんだとわかる。

「セレス…アランと言い、つくづく俺の邪魔をするな。
本当に何もされていないんだな?」

コクン…と私は頷くが、気持ちは言って良かったんだろうかと言う事ばかり気にしていた。

すると、医師を呼びに行っていたセレスさんが部屋へと戻ってきてしまった…。
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