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絶体絶命

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「やめて!?」

私は鬼気迫るリリィさんに圧倒され動くことが出来なかった。

「あんたなんか死ねば良いんだ~!?」

大声を上げナイフを私の左腕に刺した…。
感じた事がない痛みがすぐに私を襲い、悲鳴を上げ、私は座り込んだ。
青いドレスはみるみる赤く染まり、その範囲を広げていく。
必死に傷口を押さえるが血が止まる気配なんて無い。

「あぁあああ~……」

左腕をギュッと押さえながら、意識だけは失わないように耐えた。
でも…

「手元が狂った…腕なんかじゃない…次こそ…」

「や…やめて…お願い…」

「次こそ…」

私の頼みなんて聞いちゃいなかった。
今すぐにでも手を上げようとしているリリィさんはもう正気では無かった。
あるのは私への殺意だけ…。

ゆっくり私に近づき、ナイフを顔の前に突きつけ、聞いてくる。

「顔?胸?手?足?どこがいいの?」

「いや…いやだ…もうやめて…リリィさんお願い…こんな事しても…」

「うるさいわね!私の人生をメチャクチャにしたのはあなた!?
だから責任取って死んで…。そうしたらまた私はセレスと一緒になれる。それで丸く収まる。
そうでしょ!?」

コクコク…と頷き同意するが死にたくなんかない。

「じゃあ、頷いた事だし、そろそろ…」

リリィさんは私の前に膝をつき、顔を見てくる。
そして首にナイフを押し付けてくるとツー…と血が出てきた。

「横に振ればあなたは死ぬ。恐い?死ぬのが」

「はい…怖いです…凄い怖いです…」

「でしょうね。でも、私はやる…」

ゆっくりとナイフを横にズラしだす…。
痛みが少しずつ強くなってきて、苦悶の顔見せる私にリリィさんは笑い出した。

「良い顔ね。何かいい残す事ある?」

「…ごめんなさい」
 
今は謝るしか出来なかった…。
頭を下げたいけど下げれる状況にないから、何度も何度も謝った。
謝り続けてもリリィさんは首からナイフを離すことは無く、次第に首にグッと押し付け、もうダメだ…と
諦めかけた。

だけど…

「誰かいるの?」

半開きの状態だった扉を不審に思い、誰かが開け入ってきた。
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