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今はただ帰路を目指すべき
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ナルビアを出て少しすると私は手綱を引き、速度を緩ました。
追手が来る気配も無く少し胸を撫で下ろす。
しかし、クロウリーはもう少しナルビアから離れるのを提案する。
『あまり振り返るな、いざって時に逃げられなくなるぞ?それに、あいつならほっといても来る。
…今、そんなに会いたいのか?』
「そうじゃないけど…」
周りに何もない大地にポツンと佇み、ナルビアの方を少し眺めていた。
時折吹く風は私の体に容赦なく当たり過ぎていく。
雨に濡れた髪や服は乾かさずそのままだったので寒さからブルッと身震いをしてしまう。
「寒い…」
『こんなとこにいるべきじゃない、帰るぞ』
クロウリーはローツェに向けて歩み出した。
それでも私はまたナルビアの方を振り返っていた。
セレスさんが側にいて欲しい訳でも無いが、ただ1人でいるのが心寂しく感じていた。
そんな時、目を凝らすとナルビアからこちらに向けて砂埃を上げ、向かってくる何かに気付く。
「なんだろう…?」
段々と砂埃と共にその姿が大きくなっていく。
すぐに分かった。
セレスさんだ…。
「あやかさん!…良かった。追いついた。早く離れた方が良い。追いかけるのを必死に止めようとしたけど邪魔が入って無理だった…」
「邪魔?」
「…リリィだ。僕の事も捕まえようとしてる」
「なんでセレスさんを?」
「…腹いせだろうね。婚約破棄したことに対して」
少しだけ俯き、目を閉じたセレスさんは今までの事を思い返しているようにも見えた。
そんな様子を見て私は申し訳なさを感じた。
私が居なければこの人はリリィさんと結ばれていたはずだ。
それなのに…。
「帰りましょう、セレスさん」
「あやかさん、昨日の事だけど…」
「…やめましょう、その話は。もう気にしてません。
早く帰らないともっと状況悪くなりますよ」
私はそう話し、クロウリーを走らせた。
その後をセレスさんはゆっくりと追いかけて来る。
追手が来る気配も無く少し胸を撫で下ろす。
しかし、クロウリーはもう少しナルビアから離れるのを提案する。
『あまり振り返るな、いざって時に逃げられなくなるぞ?それに、あいつならほっといても来る。
…今、そんなに会いたいのか?』
「そうじゃないけど…」
周りに何もない大地にポツンと佇み、ナルビアの方を少し眺めていた。
時折吹く風は私の体に容赦なく当たり過ぎていく。
雨に濡れた髪や服は乾かさずそのままだったので寒さからブルッと身震いをしてしまう。
「寒い…」
『こんなとこにいるべきじゃない、帰るぞ』
クロウリーはローツェに向けて歩み出した。
それでも私はまたナルビアの方を振り返っていた。
セレスさんが側にいて欲しい訳でも無いが、ただ1人でいるのが心寂しく感じていた。
そんな時、目を凝らすとナルビアからこちらに向けて砂埃を上げ、向かってくる何かに気付く。
「なんだろう…?」
段々と砂埃と共にその姿が大きくなっていく。
すぐに分かった。
セレスさんだ…。
「あやかさん!…良かった。追いついた。早く離れた方が良い。追いかけるのを必死に止めようとしたけど邪魔が入って無理だった…」
「邪魔?」
「…リリィだ。僕の事も捕まえようとしてる」
「なんでセレスさんを?」
「…腹いせだろうね。婚約破棄したことに対して」
少しだけ俯き、目を閉じたセレスさんは今までの事を思い返しているようにも見えた。
そんな様子を見て私は申し訳なさを感じた。
私が居なければこの人はリリィさんと結ばれていたはずだ。
それなのに…。
「帰りましょう、セレスさん」
「あやかさん、昨日の事だけど…」
「…やめましょう、その話は。もう気にしてません。
早く帰らないともっと状況悪くなりますよ」
私はそう話し、クロウリーを走らせた。
その後をセレスさんはゆっくりと追いかけて来る。
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