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門の外へ

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「どうかした?」

「いえ…何も!」

そっか…この世界では移動手段は馬だから乗り慣れているよな、と改めて考えた。
普段が車や電車などといった私の生活では馬なんて見るだけしかないから…。

『怖気ついたか?今ならやめれるんじゃないか?』

クロウリーの一言が私の心を揺さぶる…。
確かに今ならまだやめる事は可能かもしれない。
しかし、せっかく誘ってくれて、さらには服まで…と考えると二の足を踏んでしまった。

「あやかさん。あの門出たら馬に乗るよ」

見るとこの世界に来て最初に入れてもらった門が見えてきた。
あの外には街がある。
ここまできたらもう行くしかない、と意を決した。

「はいっ」

やれやれと言った顔を見せるクロウリーだったが、本当は少し嬉しかったみたいで…。


門を抜け、ヒラリと馬に跨るセレスさん。
だが、私はそんな華麗には乗れない。

『分かってる…待ってな』

首を下げゆっくりと乗る…本来はこんな乗り方されたら馬も嫌だろう。
しかし、私にはこれしか出来ない。

「大丈夫、あやかさん?ゆっくり行くからついて来てね」

セレスさんはゆっくりとセレスティを歩かせ、街の中に行く。私もそれに続きクロウリーに歩いてもらった。
だが、何故か直ぐに足を止めた。

「どうしたの?」

『あんた、頭はいいのか…?前隠していただろう?周りにバレたら変な噂が立つが?』

「あっ…」

私は忘れていた。
屋敷では不問にされていたが、街では私のこの髪色は居ないことを。
それをクロウリーはちゃんと覚えていてくれていた。

肩に掛けてあったストールを取り、頭に巻いた。
体に羽織るものであったため、少し不恰好で大きすぎるがいまはそんな事を言ってられない。

「ありがとう、クロウリー…忘れていたよ」

『礼はいい、行くぞ』

再び歩みを進めらセレスさんを追いかけていく。

途中途中で街の様子など前回出来なかった見て回る事をしながら街の外に出る門へと歩く。

「門でたら少し走るからね」

走る…大丈夫だろうか…?
今はただゆっくりと歩くだけだから恐怖も速さもないから良いが、門に近づくに連れドキドキとし始めた。

「セレス様!…またリリィ様に会いにいくのですか?」

「いや~、今日は違うよ」

チラッと私を見る。
門兵は私のことを覚えていた。

「なっ!お前、なにクロウ様の馬に乗ってるんだ!降りろ!?」

当然だと思える叱責を受ける。
いくらセレスさんが良いと言っても周りから見たら事情を知らないのだから。

「何やってる、早くしろ!?」

持っている槍を私に突きつけ、いまにも刺そうとしてくる。

その時…

セレスティを立ち上がらせ門兵を威嚇するセレスさんがいた。
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