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セレスティ

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「ところで…何処にいく予定なんですか?」

「あ、あぁ…王宮の外だよ。あやかさん、外行った事ないでしょ?色々案内するよ」

言われてみれば王宮の外といったら初めてこの世界に来た時にクロウさんに拾われ、この屋敷に来る間しか知らなかった。

屋敷を出てついて行くと馬房に向かっているみたいだった。

「馬房…?馬、乗るんですか?」

「そうだよ、歩きだと遠いし、さすがに行けない距離だからね」

馬じゃないといけない場所…果たして何処に向かう気なんだろうか?
少しだけ不安にもなるし、なにより馬はほとんどと言っていいほど乗れない。

そんな不安を持ちながら、馬房に行く。
久しぶりに来た馬房。そこにはあの馬もいた。

『あんたか、久しぶりだな。今日は奴はいないのか?』

「クロウリー…」

何故か少しだけウルッとしてしまい、目に涙が溜まっていた。
そして、私はゆっくりとクロウリーに近づき、首筋を撫でた。

撫でていると馬房を管理する人が私に近づいてきた。

「あぁ、あなたはクロウ様と一緒にいた…失礼、名乗っていませんでしたね。ミハエルと申します。
この馬房を任されています」

「あっ、私はあやかといいます」

お互いに名乗った後は直ぐに頭を下げ合っていた。

「今日はクロウ様ではなくセレス様とご一緒なんですね。どちらか行かれますか?」

「今日は僕と外に行こうと。僕の馬、元気?」

「僕の馬?…セレスさんもいるんですか?」

「兄から聞いてませんか?僕達、王子は名前を冠にした馬がいると」

「そういえば…じゃあセレスさんの馬はなんて…」

そう言うとミハエルさんが奥の馬房へと案内してくれセレスさんに共について行った。
そこには他とは違い、目を奪われるような白馬がいた。

「うわぁ、本当に白馬っているんだ…漫画の世界みたい」

「珍しいでしょ、女の子だよ。僕も直ぐ気に入ってこの子にしたんだ~、名前はセレスティと言うよ」

「セレスティ…」

セレスさんは近づき顔や鼻筋を撫でたりしている。
私もこんな綺麗な白馬は見た事ないから恐る恐る近づいていった。

『あなた、初顔ね?宜しく』

セレスティに話しかけられ、撫でるセレスさんから私の方に顔をスリスリと寄せてきた。
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