43 / 120
好かれている?
しおりを挟む
「分かりました」
私の返事に反応し、セレスさんは急に顔を上げた。
「それは仲良くなっても良い、って事?」
コクンと私は首を縦に振る。
それを見たセレスさんには立ち上がり両手を上に上げ、ガッツポーズをし始めた。
そんなに嬉しい事なんだろうか…?
『鈍いわね…そろそろ気付いたら?』
いつの間にかベッドにアッシュは移動していた。
「気付くって何が?」
『はぁ…確信したわ。あなた、嘘ついたわね?誰とも付き合った事ないでしょ。白状しなさい!』
「何いってんだか…」
完全にバレたな…と思っているが顔には出さず平静を装って対応を心がけた。
今はセレスさんの方が大事なのでアッシュの事はそこそこに話を切り上げた。
「食べた?」
「あ、はい」
「じゃあ行こうか!…アッシュ、留守番しといてね」
どうやらセレスさんはアッシュを連れて行く気は無いみたいだ。
でも考えたらそうだよなぁ…と思う。
猫を連れてデートってないような。
運んできたお盆に食器を乗せ、私達は部屋を出た。
セレスさんは鼻歌交じりに廊下を歩く。
とてもご機嫌のようだ…私といるのがそんなに嬉しいんだろうか?
たまにチラリと私を見てくる。
卑しく見てくるわけでないが、チラチラと…。
「あの、私に何か付いてますか?」
「えっ!いや、何も!」
あれ…いまさらだけど…アッシュが言う好かれてるって、この人に?
途中メイドと鉢合わせになり、食器を持つセレスさんに気付いたメイドは慌てて言う。
「セレス様!片付けは私達がしますから早く渡してください!」
セレスさんからお盆を取り上げ、すぐに私達の視界から消えていった…。
「別に良いのに…」
ボソッと言うが、もうメイドはいない。
そして、再びカリファさんの元へと歩き出す。
「あやかさんって動物と話せるんですよね?どんな動物でも?そうなら羨ましいなぁ…アッシュと話してみたいんだよ~」
「アッシュ、ですか?辞めた方が良いですよ。見た目以上に厄介と言うか…」
『悪かったわね、厄介で!』
「アッシュ!…なんでいるの?」
「ははっ、ついて来てしまったかぁ。いいよ、一緒にあやかさんと外行こう」
セレスさんはアッシュを抱くと、一緒にカリファさんの元へと行く事にした。
私からしたら複雑な感じだったが…。
コンコンッ
「どうぞー」
「お邪魔するよ、カリファ」
「あら、珍しい。セレス様。それにあなたは…あれから大丈夫だった?」
私は咄嗟にシーッ!と喋らないで!と合図を出していた。
何故すぐにそうしたかは分からなかったが、無意識に体が行動していた。
(なんか言ってくるかな?)
私は恐る恐るセレスさんを見るが、空気を読んだのかセレスさんはその事には触れず、カリファさんに私に合う服は無いかを尋ねていた。
私の返事に反応し、セレスさんは急に顔を上げた。
「それは仲良くなっても良い、って事?」
コクンと私は首を縦に振る。
それを見たセレスさんには立ち上がり両手を上に上げ、ガッツポーズをし始めた。
そんなに嬉しい事なんだろうか…?
『鈍いわね…そろそろ気付いたら?』
いつの間にかベッドにアッシュは移動していた。
「気付くって何が?」
『はぁ…確信したわ。あなた、嘘ついたわね?誰とも付き合った事ないでしょ。白状しなさい!』
「何いってんだか…」
完全にバレたな…と思っているが顔には出さず平静を装って対応を心がけた。
今はセレスさんの方が大事なのでアッシュの事はそこそこに話を切り上げた。
「食べた?」
「あ、はい」
「じゃあ行こうか!…アッシュ、留守番しといてね」
どうやらセレスさんはアッシュを連れて行く気は無いみたいだ。
でも考えたらそうだよなぁ…と思う。
猫を連れてデートってないような。
運んできたお盆に食器を乗せ、私達は部屋を出た。
セレスさんは鼻歌交じりに廊下を歩く。
とてもご機嫌のようだ…私といるのがそんなに嬉しいんだろうか?
たまにチラリと私を見てくる。
卑しく見てくるわけでないが、チラチラと…。
「あの、私に何か付いてますか?」
「えっ!いや、何も!」
あれ…いまさらだけど…アッシュが言う好かれてるって、この人に?
途中メイドと鉢合わせになり、食器を持つセレスさんに気付いたメイドは慌てて言う。
「セレス様!片付けは私達がしますから早く渡してください!」
セレスさんからお盆を取り上げ、すぐに私達の視界から消えていった…。
「別に良いのに…」
ボソッと言うが、もうメイドはいない。
そして、再びカリファさんの元へと歩き出す。
「あやかさんって動物と話せるんですよね?どんな動物でも?そうなら羨ましいなぁ…アッシュと話してみたいんだよ~」
「アッシュ、ですか?辞めた方が良いですよ。見た目以上に厄介と言うか…」
『悪かったわね、厄介で!』
「アッシュ!…なんでいるの?」
「ははっ、ついて来てしまったかぁ。いいよ、一緒にあやかさんと外行こう」
セレスさんはアッシュを抱くと、一緒にカリファさんの元へと行く事にした。
私からしたら複雑な感じだったが…。
コンコンッ
「どうぞー」
「お邪魔するよ、カリファ」
「あら、珍しい。セレス様。それにあなたは…あれから大丈夫だった?」
私は咄嗟にシーッ!と喋らないで!と合図を出していた。
何故すぐにそうしたかは分からなかったが、無意識に体が行動していた。
(なんか言ってくるかな?)
私は恐る恐るセレスさんを見るが、空気を読んだのかセレスさんはその事には触れず、カリファさんに私に合う服は無いかを尋ねていた。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
逆襲のグレイス〜意地悪な公爵令息と結婚なんて絶対にお断りなので、やり返して婚約破棄を目指します〜
シアノ
恋愛
伯爵令嬢のグレイスに婚約が決まった。しかしその相手は幼い頃にグレイスに意地悪をしたいじめっ子、公爵令息のレオンだったのだ。レオンと結婚したら一生いじめられると誤解したグレイスは、レオンに直談判して「今までの分をやり返して、俺がグレイスを嫌いになったら婚約破棄をする」という約束を取り付ける。やり返すことにしたグレイスだが、レオンは妙に優しくて……なんだか溺愛されているような……?
嫌われるためにレオンとデートをしたり、初恋の人に再会してしまったり、さらには事件が没発して──
さてさてグレイスの婚約は果たしてどうなるか。
勘違いと鈍感が重なったすれ違い溺愛ラブ。
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる