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戻った現実世界

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ベットに潜り込んだ私は横になりながら今の日本は何時なんだろうか、また、クロを一人ぼっちにしてしまい寂しい思いをさせてないかを悶々と考えてしまった。

(ダメダメ…考えたら寝れなくなる…)

だけど、やはり考えしまい、頭はより冴えていく。

「あー!もう!?」

ベットの中で大声を上げ、こんな自分が嫌になってきた。頭を抱え、ブンブンと振る。

「早く帰りたいよぉ…」

うっすらと目に涙を浮かべ、時間が経って自然と寝れるのを願った。
しかし、そんな私の期待に反して部屋の扉が開く。
開く音は気づいたが私はベットから出ようとはしなかった。
来た人が誰だかなんとなく分かったからだ。

「あやか!飯だ。お腹空いてるだろう、遠慮なく食べろ!」

広すぎる部屋に響くクロウさんの声。
反応しない私に焦ったのか、部屋の中をキョロキョロし始めた。

「…おい?何処だ?」

「声が大きい…寝れないじゃん…」

私はベットの中で小声で呟く。お腹を空かせた私にご飯を持ってきてくれたのはありがたかったが、今はお腹より元の世界に戻るのが願いだ。

ツカツカと広い部屋の中で身を隠してそうな場所を歩き、私を探している。

ガチャ…ガチャ…

クローゼットやトイレと言った場所を開けていく。

「ちっ、何処だ?まさか、部屋から出たか?」

すぐに分かりそうなベットを探そうとせず、部屋を後にしていった。

(まさか、ココを探さないなんて…。意外とバ…)

そんな事よりこのチャンスを逃したら勿体ないと思い、キツく目を瞑った。


※※※


「………っ」


誰かが私を呼ぶ声がする。

『もう朝だよ?いいの?』

(こ…この感じは…)

私は急いでベットに掛かる布団を払い除けた!
そこには見慣れた家具や風景、そして…。

『遅刻するよ?』

「クロォォォォォォォォォォ!?」

私はクロをすぐに抱きしめ、現実世界に戻ってきた事を喜んだ。
急に抱きしめられたクロはかなり嫌そうで、前足の肉球がプニュと私の顔に刺さった。
でも、痛くない。むしろ何回もプニュプニュして欲しかった。

「良かったぁ、戻った、戻ったよ!クロ!?」

『戻った?ずっと寝てたよ?』

「うんうん。やっぱり夢かぁ、そうだよね!」

クロとは少し会話が噛み合わないが、気にしない。
でも壁に掛かる時計を見て、私は現実をよりリアルに感じた。

「ヤバッ!遅刻する~!」

私は顔も洗わず、ご飯も食べず、クロにも餌を与えずに家を出ていった。

しかし、私は気付いてなかった…。
頭には白い布を付けたままだって事を…。

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