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街から王宮へ

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馬はゆっくりと街を歩き、私はこの街の生活風景を見ていた。
ある人は通路で行商している、またある人は芸を見せ、見る人を楽しませたりと様々だった。

「なんか…日本みたい」

ボソッと私は呟き、少しだけ似ている部分がある街を見ていた。
それより今頃家では居なくなった私をクロは寂しくしていないかと心配してしまった。

「日本ってなんだ?」
『どんな所だ、日本って』

人と馬が同時に話しかけてきて、私は盛大に笑ってしまった。

「あははは!同時に聞くかな、普通」

「何がおかしい?教えろ」
『教えてくれ、色々知りたい』

私はゆっくり歩く道中、二人?に日本について色々と話していった。
街並みや人々の格好、移動する手段などこの国では無い事柄を色々と教えていった。

「なるほどな…『くるま』と言うのが移動手段か、ははっ。ならお前はもう用無しだな、クロウリー」

「クロウリー?…ってこの馬の名前ですか?」

「言ってなかったか?俺みたいな王子が乗る馬には名前を冠にした名前を馬に付けるんだ、凄いだろ!」

「はぁ…クロウリー…」

得意げに言い満足気なクロウさんだったが、馬は納得いってる様子では無かった。

『けっ、ダセェ名前だよな?もっと俺らしい名前つけろって言うんだ…あんた、付けてくれよ?』

「わたし!?」

ビックリして大声を上げてしまい、街の人にジロジロと見られてしまった。

「なんだ、誰に話してるんだ?」

「いえ…見られてるので…早く王宮に行って貰えませんか?」

不思議そうにみるクロウさんをなだめ、腹を蹴り街を駆け足に進ませた。

そして…

街から離れ、一際立派な屋敷…王宮に着いた。
よく本やテレビで見かける様な煌びやかな雰囲気があり、全容は把握出来ない程であった。
王宮へはまた門があり、街に入るよりは厳重そうに何人もの兵が居た。
手には剣や槍を手に街行く人に睨みを効かせている様だった。

「クロウ王子!遅かったですね、どちらまで?」

また街から入る時と同じ質問をされ、不機嫌さを露わにしていた。

「お前らはそれしか聞かないのか?」

「は?」

「まぁ、いい…通せ」

門兵達に吐き捨て、門を開ける様に命令した。

「いや…その女は何ですか?部外者は王子の連れだからと簡単には入れれません。お前、まず馬を降りろ」
 
降りろと言われても、高く怖くて降りれなかった。

「何してる、聞こえないのか?!」

槍を持った兵が私を囲み、今にも槍で突こうとしてくる。

『まずは降りないと殺されるぞ…ほら』

クロウリーは首を下げ、滑り台の様な格好にしてくれ私はゆっくりと滑りながら降りた…。
降りてから周りを見るとやはり槍を構え私をジロジロと見る。
門兵の偉い人だろうか、囲む兵をかき分け私に近づいてきた。

「とりあえず調べさせてもらうが…まずはその頭の布を取ってくれないか?」

黒髪の私を見たらどんな事を言われりするかわからないが、ゆっくりと三角巾を外した。
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