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第1話 神託なんて関係ない
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『神託によって選ばれし勇者よ。仲間を集め、世界に猛威をふるう闇の魔王を…』
「アイツ連れてっていい?」
『ちょ、待って、神託してるんですね、今』
「んなこと、どうでもいいよ、それより連れて行けないの?連れて行けるの、どっち?」
神々しい雰囲気を醸し出しながら、大仰に発言する目の前の存在に、皆が圧倒され恐れ平伏す中、その存在感を全く気にすることなく、ただ1人、青年は真っ直ぐに前を見据えて普通に言葉を続ける。
『あ、いや、出来れば違う人をー』
「じゃ、世界なんて滅びろ、俺とアイツ以外消えてなくなれ☆むしろその方が俺には好都ご」
『いや、ちょっと、待って。君、世界を救うんだよ?勇者に選ばれてるんだよ?』
「え、別に、勇者に興味無いし。アイツ以外の存在、どうでもいいし。連れて行けないなら世界なんてどうでもい…」
『良いですー!連れてって良いですーー!!!』
「よっしゃ、神公認だぜ!」
父さんに母さん、それにアイツの父さんと母さん町長やら偉い人やらに呼ばれて囲まれて言われた衝撃の一言。
うん。
何かね。
何となくね。
嫌な予感はしてた。
あぁ、してたとも!
「という訳だから、お前はハルトと旅に出て来ておくれ」
「いーやーだーぁー!!!!!!」
ーーー そんなこんなで、私と病み勇者(変態)の魔王討伐旅は幕をあげたのでした。
「ねぇ、フィン。お腹空いた」
「……知らないよ」
「よし、食べよう!うん、そうしよう!」
そう言った目の前のコイツは、「んーッ」とキス顔で迫ってくる。
「うわっ」
ブンッ、と魔法使いの職を手に入れた時に作った杖を思い切り目の前の変態に向けて振りかざす。
無意識に放った炎魔法は、目の前の勇者然をした男にはちっとも当たらない。
「ッチ」
舌打ちをする私を見てもなお、コイツは「フィンちゃーん」と手を伸ばしてくる。
「……キモい!マジでキモい!」
「んなこと言ってぇー。俺のこと大好きなクセにぃー」
「誰がいつ言ったのよ!そんなこと!」
絡み付いてくる腕を払いながら言えば、私の腕を掴んだまま、コイツはこてん、と首を傾げる。
「昨晩、夢の中で何百回も?」
ポッと顔を赤らめながら言う辺りも腹立たしい。
そして、気になることはただ1つ。
(それよりも何よりも夢の中の私、何してんの?!!!)
「もう嫌ぁ!こんな幼馴染みー!!!」
そう、目の前の変態、じゃなかった神託によって勇者になった男と、私は幼馴染みで、コイツは本当に正真正銘の変態なのである。
あぁ、神様、いや、ダメだ。
神みたいなやつがコイツ指名したんだった。
もういいや、この街の憲兵さんでも、誰でもいい。
誰か、本当に!お願いだから、今すぐにこいつを逮捕してください。
一番古い記憶にあるのは、小さな頃。
まだお隣の仲良しな男の子、という印象だったけれど。
「フィンちゃーん!」
「ハルくん!」
幼馴染みのハルトの姿を見つけて駆け寄った私は、見事にすっ転び、痛みに涙を流した。
そして、そんな私の流れる涙を拭こうと、目の前の少年がポケットから、シマシマの布を取り出す。
「ほら、泣き止んで、フィンちゃん」
「っえぐ、あ、りがとう…っ」
グス、と差し出された布で目元を拭えば、ふと、妙に見たことのある布だな、と気がつく。
「………これ」
涙を拭いた布を広げてみれば、そこにあったのは、私の
「………これ、ぱん、」
「…………あれ?間違えて持って来ちゃったのかなー」
「…そっかぁ!」
しゅばっと手元から消えた私のパンツは、瞬く間にコイツのズボンのポケットに仕舞われた。
にっこりと笑うコイツに騙されたあの頃の私は疑うことも無かった。
「今なら言える。あの頃の私、あそこでコイツの息の根を仕留めとけよ、と………」
んぐぐぐぐぐっ、と近づいてくる変態を押し退けながらボヤけば、「何の話さ?」とふいに腕の力が弱まる。
「あんたに散々騙されて来たって話よ!」
「心外だなぁ!こんなに、深く愛してるのは俺くらいだろう!!」
ブンッと大きく腕を広げながら言うコイツの身振り手振りは、まるで演劇を見せられているみたいだ。
「…………それが」
ぷるぷるぷる、と私の握った拳が揺れる。
「気持ち悪いって言ってんだー!バカやろーーー!!!」
「げほォっ」
私が放った右ストレートのパンチは、変態の左頬に華麗にクリティカルヒットした。
「さて、進むわよ、ほら」
全力で拳を喰らわせたはずなのに、ハルトの頬は、ほんの少し赤くなるくらいで済んでいて、思わずチッ、と小さく舌打ちを打ち、少しでも先に進もうと歩き始める。
「フィン」
「何?」
ふいに、いつもよりも少し低い声を出したハルトに名を呼ばれると同時にふいに引き寄せられる。
目の前に広がるのは、もう見慣れてきたこの旅の服を着たハルトの肩で、突然のハルトの行動に、心拍数が跳ね上がる。
「ちょ、何してッ」
急激に頬に熱が集まるのがハッキリと分かるけれど、それを自覚したのと同時に、大きく動いたハルトの片腕と、ザシュッ、と何かが斬られる音と風が、耳に届く。
「フィンは大人しく俺に護られれば良いの」
ググ、と引き寄せられた私の耳に響くのは、いつもとは違う真剣なハルトの声。
ドサッ、と鈍い音があたりに響きおずおずと振り向いた私の背後には、背をハルトの刀で斬られ、大きく深い斬り傷が致命傷となり息絶えたモンスターを見て、タラリ、と嫌な冷や汗が流れた。
「あ、りがとう……」
自分よりも数倍大きな身体を持ったモンスターの亡骸を見て言葉が詰まる。
そんな私を見て柔らかく笑ったハルトの顔は、昔から変わらない。
けれど。
「お礼のチューッ」
「変わったわ………!!!変態なほうに……!!!」
グイーッとせめてもの抵抗としてハルトの顔に手を押し付けて顔をそらすものの、 グググッ、と引き寄せられた身体はビクともしない。
「いい加減にっ!」
「っあーーッ??!!!」
「な、何っ何なの?!」
いい加減にしろ!と声を出しかけたその時、突然、誰かの大声が周囲に響き渡る。
ビクゥッ!と、肩が大きくあがり、私は目の前にあったハルトの服を、思わず強く握りしめる。
「オレの獲物が倒されてるぅー?!!」
その声に、後ろを振り向けば、今さっき、ハルトが倒したばかりのモンスターの傍で、大きな剣を持った青年が、悲愴な、けれど驚きの表情を浮かべて立ち尽くしている。
「あ、そっか。モンスターを倒して賞金を…………」
町に居た頃は、父さんと母さんが営むお店で、生計を立てて暮らしていたけれど、今、私とハルトは、世界を旅し始めたばかりだ。
旅を始める時の一つに、これからの収入について町長達から説明されたけれど、その一つが、モンスター退治、だった気がする。
ハルトが倒したモンスターの亡骸を見て、ショックを受けている、ということは、きっと、あの青年も、私達と同じように、モンスター退治で収入を得ているに違いない、と私は判断し、「ハル」と目の前の幼馴染の名前を口にしかけた、その瞬間。
「アイツ滅す!!!」
「は?!え、ちょっ?!」
そう言って、目の色を変えた幼馴染が、モンスターの傍で肩を落としている見知らぬ青年へと猛ダッシュで駆け出して行った。
「アイツ連れてっていい?」
『ちょ、待って、神託してるんですね、今』
「んなこと、どうでもいいよ、それより連れて行けないの?連れて行けるの、どっち?」
神々しい雰囲気を醸し出しながら、大仰に発言する目の前の存在に、皆が圧倒され恐れ平伏す中、その存在感を全く気にすることなく、ただ1人、青年は真っ直ぐに前を見据えて普通に言葉を続ける。
『あ、いや、出来れば違う人をー』
「じゃ、世界なんて滅びろ、俺とアイツ以外消えてなくなれ☆むしろその方が俺には好都ご」
『いや、ちょっと、待って。君、世界を救うんだよ?勇者に選ばれてるんだよ?』
「え、別に、勇者に興味無いし。アイツ以外の存在、どうでもいいし。連れて行けないなら世界なんてどうでもい…」
『良いですー!連れてって良いですーー!!!』
「よっしゃ、神公認だぜ!」
父さんに母さん、それにアイツの父さんと母さん町長やら偉い人やらに呼ばれて囲まれて言われた衝撃の一言。
うん。
何かね。
何となくね。
嫌な予感はしてた。
あぁ、してたとも!
「という訳だから、お前はハルトと旅に出て来ておくれ」
「いーやーだーぁー!!!!!!」
ーーー そんなこんなで、私と病み勇者(変態)の魔王討伐旅は幕をあげたのでした。
「ねぇ、フィン。お腹空いた」
「……知らないよ」
「よし、食べよう!うん、そうしよう!」
そう言った目の前のコイツは、「んーッ」とキス顔で迫ってくる。
「うわっ」
ブンッ、と魔法使いの職を手に入れた時に作った杖を思い切り目の前の変態に向けて振りかざす。
無意識に放った炎魔法は、目の前の勇者然をした男にはちっとも当たらない。
「ッチ」
舌打ちをする私を見てもなお、コイツは「フィンちゃーん」と手を伸ばしてくる。
「……キモい!マジでキモい!」
「んなこと言ってぇー。俺のこと大好きなクセにぃー」
「誰がいつ言ったのよ!そんなこと!」
絡み付いてくる腕を払いながら言えば、私の腕を掴んだまま、コイツはこてん、と首を傾げる。
「昨晩、夢の中で何百回も?」
ポッと顔を赤らめながら言う辺りも腹立たしい。
そして、気になることはただ1つ。
(それよりも何よりも夢の中の私、何してんの?!!!)
「もう嫌ぁ!こんな幼馴染みー!!!」
そう、目の前の変態、じゃなかった神託によって勇者になった男と、私は幼馴染みで、コイツは本当に正真正銘の変態なのである。
あぁ、神様、いや、ダメだ。
神みたいなやつがコイツ指名したんだった。
もういいや、この街の憲兵さんでも、誰でもいい。
誰か、本当に!お願いだから、今すぐにこいつを逮捕してください。
一番古い記憶にあるのは、小さな頃。
まだお隣の仲良しな男の子、という印象だったけれど。
「フィンちゃーん!」
「ハルくん!」
幼馴染みのハルトの姿を見つけて駆け寄った私は、見事にすっ転び、痛みに涙を流した。
そして、そんな私の流れる涙を拭こうと、目の前の少年がポケットから、シマシマの布を取り出す。
「ほら、泣き止んで、フィンちゃん」
「っえぐ、あ、りがとう…っ」
グス、と差し出された布で目元を拭えば、ふと、妙に見たことのある布だな、と気がつく。
「………これ」
涙を拭いた布を広げてみれば、そこにあったのは、私の
「………これ、ぱん、」
「…………あれ?間違えて持って来ちゃったのかなー」
「…そっかぁ!」
しゅばっと手元から消えた私のパンツは、瞬く間にコイツのズボンのポケットに仕舞われた。
にっこりと笑うコイツに騙されたあの頃の私は疑うことも無かった。
「今なら言える。あの頃の私、あそこでコイツの息の根を仕留めとけよ、と………」
んぐぐぐぐぐっ、と近づいてくる変態を押し退けながらボヤけば、「何の話さ?」とふいに腕の力が弱まる。
「あんたに散々騙されて来たって話よ!」
「心外だなぁ!こんなに、深く愛してるのは俺くらいだろう!!」
ブンッと大きく腕を広げながら言うコイツの身振り手振りは、まるで演劇を見せられているみたいだ。
「…………それが」
ぷるぷるぷる、と私の握った拳が揺れる。
「気持ち悪いって言ってんだー!バカやろーーー!!!」
「げほォっ」
私が放った右ストレートのパンチは、変態の左頬に華麗にクリティカルヒットした。
「さて、進むわよ、ほら」
全力で拳を喰らわせたはずなのに、ハルトの頬は、ほんの少し赤くなるくらいで済んでいて、思わずチッ、と小さく舌打ちを打ち、少しでも先に進もうと歩き始める。
「フィン」
「何?」
ふいに、いつもよりも少し低い声を出したハルトに名を呼ばれると同時にふいに引き寄せられる。
目の前に広がるのは、もう見慣れてきたこの旅の服を着たハルトの肩で、突然のハルトの行動に、心拍数が跳ね上がる。
「ちょ、何してッ」
急激に頬に熱が集まるのがハッキリと分かるけれど、それを自覚したのと同時に、大きく動いたハルトの片腕と、ザシュッ、と何かが斬られる音と風が、耳に届く。
「フィンは大人しく俺に護られれば良いの」
ググ、と引き寄せられた私の耳に響くのは、いつもとは違う真剣なハルトの声。
ドサッ、と鈍い音があたりに響きおずおずと振り向いた私の背後には、背をハルトの刀で斬られ、大きく深い斬り傷が致命傷となり息絶えたモンスターを見て、タラリ、と嫌な冷や汗が流れた。
「あ、りがとう……」
自分よりも数倍大きな身体を持ったモンスターの亡骸を見て言葉が詰まる。
そんな私を見て柔らかく笑ったハルトの顔は、昔から変わらない。
けれど。
「お礼のチューッ」
「変わったわ………!!!変態なほうに……!!!」
グイーッとせめてもの抵抗としてハルトの顔に手を押し付けて顔をそらすものの、 グググッ、と引き寄せられた身体はビクともしない。
「いい加減にっ!」
「っあーーッ??!!!」
「な、何っ何なの?!」
いい加減にしろ!と声を出しかけたその時、突然、誰かの大声が周囲に響き渡る。
ビクゥッ!と、肩が大きくあがり、私は目の前にあったハルトの服を、思わず強く握りしめる。
「オレの獲物が倒されてるぅー?!!」
その声に、後ろを振り向けば、今さっき、ハルトが倒したばかりのモンスターの傍で、大きな剣を持った青年が、悲愴な、けれど驚きの表情を浮かべて立ち尽くしている。
「あ、そっか。モンスターを倒して賞金を…………」
町に居た頃は、父さんと母さんが営むお店で、生計を立てて暮らしていたけれど、今、私とハルトは、世界を旅し始めたばかりだ。
旅を始める時の一つに、これからの収入について町長達から説明されたけれど、その一つが、モンスター退治、だった気がする。
ハルトが倒したモンスターの亡骸を見て、ショックを受けている、ということは、きっと、あの青年も、私達と同じように、モンスター退治で収入を得ているに違いない、と私は判断し、「ハル」と目の前の幼馴染の名前を口にしかけた、その瞬間。
「アイツ滅す!!!」
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