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僕の婚約者は、サリア・ハーマン公爵令嬢です

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 僕が六歳になった頃、まだ三歳のサリアが婚約者として王宮に連れてこられた。

 婚約者と言っても、僕たちにはまだよく分かってはいなくて、でもさらさらしたプラチナブロンドの髪と零れ落ちるんじゃないかと思ってしまうような大きなターコイズブルーの瞳を持った、サリア・ハーマン公爵令嬢はふくふくとした頬を真っ赤に染めた、それはそれは可愛らしい女の子だった。

「初めまちて、サリア・ハーマンこうちゃくれいじょう、三しゃいです」

 そう言って母親に連れられて僕の前に来たサリアは、カーテシーのつもりなのだろう、左足をちょこんと後ろに引いて、スカートの両端を摘まんでこくりと小首を傾げてにこりと笑う。

 うん、まだ三歳なんだよね。

 拙い、と言ってしまえばそれまでなのだろう。
 たぶん母親のを見て覚えたのだろうな、というのが僕でもわかってしまうカーテシーに、僕は微笑ましく思ったけれど、王妃である母上はどうやら心を撃ち抜かれてしまったようだ。

「まあ、まあ、なんて可愛らしいの! まだ三歳なのに、きちんとご挨拶が出来て素晴らしいわ!」

 もう今にも抱き着いてしまいそうな勢いで母上は前のめりになっている。

 母上が褒めたからだろう。サリアは、ニコニコと満面の笑顔を浮かべて、隣りにいる母親を見上げた。

「……上手にご挨拶ができたわね、でも、カーテシーの練習はもう少し大きくなってからにしましょうか」

 隣にいるサリアの母親ーーハーマン公爵夫人は、微笑みながらもカーテシーはまだまだよ、とサリアに伝えている。その瞬間、満面に浮かんでいた笑顔はさっと消え去り、サリアはしょんもりと下を向いてしまった。

 ああ、なんて素直な女の子なんだろう。

 そのあまりにも急激に変化したサリアの感情の動きに、僕は感動すら覚えてしまった。なぜなら王族である僕たちは、すでに教育の一環として感情をコントロールしろと教えられている。

 王族は確かにこの国のトップに君臨しているけれど、それを支えている貴族たちの中には良からぬ思いを抱えている者もいるかもしれないからだ。

 感情をコントロールするという事は、相手に弱みを見せないということ。付け入る隙を作らないということだ。

 三つ年上のアルディス兄上は、その感情のコントロールが苦手で気に入らない事があるとすぐに物にあたる。

 アルディス兄上付きの侍従やメイドなどは、高価なツボや絵を壊されないかと日々、戦々恐々としているらしい。もう九歳になるのだから、少しは落ち着けばいいのに、とは思うが、こればっかりは本人の資質もあるらしいから仕方がない。

 もちろん王位継承権第一位であるディリア第一王女殿下はそんな事はなかった。アルディス兄上とは一つしか違わないのに、私はまだ国政に携われないから、今できることを頑張るだけよ、と言いながら勉強や馬術、剣の稽古に励んでいる。

 僕もそんな姉上が大好きだから、毎日、勉強も剣の稽古も頑張っている。馬術だけはまだ早いからと、馬場をポニーに乗って歩くことしかさせて貰えていないのが、僕の目下の不満だ。けれど、もちろん不満に思っていることは顔には出さない。

「ここに居るのが第二王子のルディアスよ、六歳になったわ」
「初めましてサリア嬢、僕が第二王子のルディアスです」

 王妃からの紹介に、僕は椅子から立ち上がって右手を胸に当て、ほんのわずかに会釈をした。

「るでぃ、あ、す、おーじ?」
「ん? 言い難いのかな? だったらルディって呼んでもいいよ」

 さっきまで随分としょんぼりしていたのに、ちゃんと前を向いて僕の目を見つめて名前を聞いてくれるサリア嬢に、僕は微笑んだ。
 だって、さっきだって自分の名前はちゃんと言えたけれど、公爵令嬢がこうちゃくれいじょうになっていたしね。僕の婚約者であるなら、別に愛称で呼んでもらってに大丈夫でしょう。

 現に、母上は僕たちの会話をニコニコ顔で聞いている。

「ハーマン公爵夫人、あなたもお座りになって」

 そう言って椅子を勧めた母上に、ハーマン公爵夫人は軽く会釈をして侍女に引いて貰った椅子に腰を卸した。そうなるとサリアも椅子に座って貰わなくてはならない。

「さあ、サリア嬢、こちらの椅子にどうぞ」

 僕たちも使っていた子供用の椅子(座面が高くなっているから、食事の時にも食べづらくなくていいんだよね)を引けば、侍女がサリアの身体を持ち上げて座らせてくれた。

 そうか、身体が小さいし、女の子の場合はドレスを着ているから、よじ登ったりとかはできないんだ。

 椅子を引いてあげるところまでは思いついたけれど、さすがにそこまでには思い至らなくて、思わずサリアを椅子に座らせた侍女を見つめてしまう。サリアもサリアで椅子に座らせてもらったからだろう、侍女に向かって、「ありがとう」とお礼を言っていた。

「ありがとう、助かったよ」

 だから僕も侍女にお礼を言う。だって、僕だけだったらサリアはなんでよじ登らないのかと、暫く眺めてしまっていただろうし、そんな間抜けな様を母上に見られたら、下手したら扇子でパシリとやられていたかもしれないからだ。

「いえ、大した事はしておりませんので、でも、ありがとうございます」

 サリアと僕からお礼を言われたからだろうか、いつもは無表情な王妃の侍女が、ほんの僅かではあるが照れたような笑みを浮かべている。それがなんだか僕には新鮮に見えた。

 普段から父上も母上も姉上も、誰かに何かをして貰ったらお礼を言っている。それは僕も真似しているから同じではあるのだけれど。それでも礼を言われた彼らがどんな表情をしているかなんて、見ていてもしなかったのだな、と思い知らされる。

 もしかしたら僕の侍従やメイドたちも、僕がお礼を言った時に喜んでくれているのだろうか。

 喜んでくれてたらいい、そう思ってちらりと背後をみれば、そこには僕付きの侍従がちゃんと控えてくれていた。

「お飲み物はどうなさいますか?」

 母上とハーマン公爵夫人には、すでに紅茶の準備がされている。けれど僕とサリアには紅茶はまだそれほど美味しいとは思えないと分かっているのだ。僕の侍従は丁寧にそう聞いてくれた。

「ねえ、サリア嬢、いちごは好き?」
「いちご! は、だいしゅきです!」

 僕が聞いた途端、ぱあっとまた表情を明るく変化させたサリア嬢に、僕は笑ってしまいそうになる。

「じゃあ、いちごにミルクを入れた甘いジュースを用意してもらおうか」
「いちごにみるくを入れるのでしゅか? あまいのでしゅか?」

 サリアは、どうやらさ行の言葉が苦手なようだ。たぶん、さっきの「るでぃ、あ、す、おーじ」と呼んだ時に変に区切れてしまったのは、きっと「す」をちゃんと発音しようとしたからだろう。

「うん、甘くて美味しいんだよ。じゃあ、いちごみるくを二つお願いね」

 僕の侍従に飲み物をお願いすれば、侍従はにこりと笑ってくれた。

 うん、やっぱりにこりと笑って僕のお願いを聞いてくれる彼はいつもと同じだけれど、ほんの少しだけ嬉しそうに見えたのは僕の気のせいなのかな。気のせいじゃないといいな、なんて僕は思いながらサリア嬢の方を向く。

「ねえ、サリア嬢、僕の名前を呼んでみて?」
「おーじのおなまえ? るでぃあしゅ、んん、るでぃあ、すおーじ」

 なんだかサリアの言葉を聞いていると「おーじ」までが名前になっているように聞こえた。

「僕の名前はルディアスだよ、サリア嬢は僕の婚約者だから、サリア嬢だけは僕のことをルディって呼んでいいんだよ」

 だから僕はもう一度名前を強調してみる。ついでに愛称で呼んでもらうことも忘れない。

「うん、るでぃしゃま」

 ああ、もう、どうしよう。

 隣で僕たちの会話を聞いて、かわいいわ~と悶えている母上の声が聞こえたが、僕は僕でサリア嬢が可愛くて仕方なくて。もう、ずっとるでぃしゃま、って呼んでもらおうかな、なんて思ってしまった。







「ルディ様、どうなさったのです?」

 ふと、そんな事を思い出した僕は、さらさらのプラチナブロンドの髪を両サイドだけ編み込みにし、零れ落ちそうなほど大きなターコイズブルーの瞳が綺麗なアーモンド型になったサリアを見つめた。

 僕たちの出会いから四年が経ち、サリアもしっかりと喋れるようになった。今ではもう、るでぃしゃま、なんて呼んではくれない。

 七歳になったサリアは、ちょっとおしゃまな女の子にはなったけれど、それでも僕の可愛い婚約者であることは代わりがなかった。

「サリアは可愛いなぁ、と思って」

 僕がそんな事を言えば、ほら。途端に顔を真っ赤にして、照れて言葉が出なくなってしまうんだ。

 でも、今日はちょっとだけ不機嫌で。さっきから僕はなんで不機嫌なんだろうと探って入るのだけれど、これも王子妃教育の成果なのか、最近のサリアは感情を隠すのが上手になってきているんだ。

 だけど僕は、僕の前だけはサリアに感情を隠して欲しくない。

「もう、ルディ様、揶揄わないでくださいまし」

 僕はそう思っているのに、サリアはするりとかわそうとするから、今度は直球で聞いてみた。

「だって今日のサリアは不機嫌なんだもの、気になるでしょ」
「……むう、自分でも理不尽な事を考えているな、と思っただけですもの」
「何が理不尽なの? 妃教育で何か言われたの?」

 ぷうっと頬を膨らませて、さっきまでの淑女の仮面が剥がれたサリアに、僕は目を眇めた。もし妃教育で何か理不尽な事をされただとか、言われたりしたとかだったら、僕は断固抗議するよ? だって僕の婚約者のことだもの。

「ら、来週からルディ様、学院の初等部に通われますでしょう?」

 ん? と思ってサリアをまじまじと見る。するとサリアは少しだけ目を泳がせながら、紅茶のカップに手を伸ばした。

「ルディ様だけ学院に通われて、私はタウンハウスにいるしかできないなんて理不尽ですわ。だから私、色々調べましたの。そうしたらスキップで入学できるとあったのです」

 紅茶を一口飲んだサリアは、観念したように話し出した。

「だから私、スキップで入学試験を受けたいと、学院の方にお願いしましたの。そうしたら七歳では認められないのですって」

 まあ、確かに、学院の初等部の入学年齢は十歳からとなっている。

 高位貴族の場合は、五歳くらいから家庭教師をつけて勉学に励んでいる事が大半だ。だから十歳の初等部入学時には、既にだいたいの基本科目は学び終わっている、なんてこともよくある話しではある。だからこそ、少し早めに入学できるようにとスキップで入学試験が受けられる事になっているのだ。

 実際、僕も基本科目以上のものも既に習得済みで、初等部に通うのは、いわゆる貴族との付き合いを学ぶために重きを置いていると言ってもいいくらいで。

 できることなら、サリアといる時間が減るから初等部には行きたくないのだけれど。そうも言えないのが王子のつらいところでもあるわけで。

「でしたらスキップ制度の利用は、九歳からとでも書いておけばいいのです。せっかく私、ルディ様と一緒に初等部に通えるかと思いましたのに」
「サリア、一緒に初等部に通いたかったの?」
「初等部だけではありませんわ、中等部も高等部も一緒に通えるではありませんの。でも今のままでは一緒に通うどころか、私が初等部に入学したらルディ様は中等部入学ですし、私が中等部に入学したらルディ様は高等部入学ですし、私が高等部に入学した時にはルディ様はご卒業なさってますのよ」

 言われてみればその通りだった。初等部、中等部、高等部とそれぞれ三年間の計九年間を過ごす場所ではあるのだが、年が三つ違えば、敷地は同じでも学舎は別になってしまう。

 だからこそ今年、サリアはスキップで入学したかったのだ。そしてそれが叶わないからこそ、また来週からその初等部に僕が通い始めてしまうからこその、不機嫌というわけか。

「そしたらね、サリア。九歳になったらスキップで入学しておいで。そして次は11歳の時に中等部へのスキップを受ける。そうすれば、僕たちは学年は違うけれど、一緒に通うことは出来るよ」

 僕もスキップ制度には興味があったから調べたんだ。九年間も学院に通って、もし僕へのメリットがあまりなかった場合、少しでも早く卒業できる方法はないかと思って。そうしたら、一学年上がるためのスキップ試験は随時受けられる事になっていたんだ。

「本当ですの?」
「本当だよ、僕もスキップ制度に興味があってね、一学年上に上がるだけなら毎年受けることができるんだ。サリアが九歳で初等部に入学してきたら、一年間だけ一緒に通えるでしょ。で次に三年生になる年にスキップ試験を受ければ、中等部に進める。そうしたら一学年違いだから二年間一緒に通えるね」

 僕がそう説明すれば、サリアはそのターコイズブルーの瞳を輝かせた。普段はちょっと落ち着いた色味に見えるそれも、今はきらきらと輝いてまるで宝石のように見える。

「中等部の三年生になる年にまたスキップ試験を受ければ、高等部では三年間一緒に通えますわ!」

 まるで簡単な事のようにサリアは言うけれど、試験は学年が上がるごとに大変になると聞いている。

「簡単な事ではないかもしれないよ?」
「それでも、ですわ! だってルディ様は恰好いいんですもの、一人で学院になんて通われたら、いつ他の虫がつくか気が気でありませんの」

 え? 虫がつくことが心配なの? これだけ僕はサリアの事が大好きなのに。

「僕、浮気なんてしないよ?」
「当たり前ですの! ルディ様はそんな不誠実な方ではありませんもの。でも、周りの女の子たちはルディ様を絶対放っておきませんわ! だから変なのに食べられたりしないように私が側にいなくてはいけませんの!」

 そう言って力説するサリアだけれども、これはたぶん意味が分かっていないんだろうな、と僕は思う。

 だって、どう考えても虫が付くとか、食べられるとか、性的な意味を指しているよね。でもサリアはまだ七歳で、いくら少しばかりおしゃまさんでも、口にしている言葉の意味を理解していない時が多々あるんだ。

 それはもちろん母上とか、母上の侍女とか、そこら辺の人たちがね、面白がって教えているようなんだけれども。そろそろいい加減にしてと言わないといけないだろうか。

「ねえ、サリア。来週からは週末しか会えなくなってしまうから」

 僕はそう言いながら椅子から立ち上がる。そして、そっとサリアの側に寄って、まだ椅子に座ったままのサリアの頭にチュッと軽いキスを落とした。

「だから、もうちょっと甘えさせて?」

 そうして僕が微笑めば、サリアは音が出てしまいそうなほど顔を真っ赤に染める。そんなサリアの椅子を引いて腕を取れば、サリアは黙って従ってくれた。

 もちろん僕の優秀な侍従たちは、既にサリアの視界からは外れた位置に全員移動済みだ。見られていると分かったらサリアは絶対に甘えさせてくれないからね、そういう事は侍従たちの方が良く理解している。

 そしてサリアをさりげなくお姫様抱っこして、椅子に座りなおせば恥ずかしそうにしながらも、サリアは僕の胸の辺りに顔をうずめてスリスリしてくれるんだ。

 そんなサリアを僕はぎゅっと抱きしめれば、お化粧も香水もつけていないはずのサリアから、甘いなんともいえないかぐわしい香りがする。

 本当は学院なんてさっさと卒業してしまいたいのだけれど、サリアががんばって追いかけてくれるというから、僕は我慢して九年間学院に通うよ。だからね、サリア、早く大人になって、もっと、もっと僕を甘やかしてね。


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 ふと頭に浮かんできたので勢いだけ書きました!
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