ネトゲ女子は社長の求愛を拒む

椿蛍

文字の大きさ
上 下
15 / 21

15 勝負の終わり ※R-18

しおりを挟む

抱いた髪からはいい香りがした。
なんの香りだろう、と熱に浮かされたような頭でそんなことを考えていた。
直真なおさださんの部屋に入ると、すぐに寝室に連れてこられた。
少し怒っていたのもあったと思う。
機嫌はちょっと悪かったけれど、体を抱きしめると、その怒りは薄れたのがわかった。
仕返しなのか、しつこいくらいに指と舌が体を這いまわり、息が乱れるまで、下腹部には触れずに体を愛でた。
なんて、ひどいことをするんだろうと思うほどに焦らし、苦しさのあまり、頭をきつく抱いていた。
ちょうど胸のあたりに顔があり、舌がちろちろと突起を舐めあげるたび、下腹部がじんっとして、仕方ない。
「やっ…もぅっ…」
「少しでも理性があると、すぐに抵抗するからな」
「…っ!」
つぷ、と舌がようやく蜜壺に入れられた時には蜜がこぼれ、したたっていた。
「まだ触れてなかったのにこんなに濡れてるぞ」
じゅ、と音を立て吸い上げると恥ずかしくて、仕方ない。
「それ、やっ!」
指でぐちゅっと中をかき混ぜられると、腰が浮き、甘い疼きに体がしびれた。
「はっ……あっ!」
指が二本になり、くちゅくちゅと音を立てて前後に動かされると、苦しいのに擦られる度に脚から力が抜けていき、湧き上がる快楽で声を抑えることができなかった。
「あぁ…、あっ、ああっ」
何度か、小さく痙攣し、達すると、それでもまだ指は体を追い立てた。
「ふっあっ、あっ」
もう無理、と思った瞬間、ずるりと指が抜かれ、熱をそのままに悪魔のように笑った。
「あ…」
「どうしてほしい」
「…こ、んなっ…ぅア」
前の突起をぐりっと指で押さえつけ、ひくんっと入り口が震えた。
「言わないと、ずっとこのままだからな」
指で転がして、苦しそうに喘ぐ姿を愉しんで、太ももに垂れた蜜を舌で舐める。
「ひあぅ」
「まだ、ここに欲しくないか?」
ぐるりと中をかき混ぜられるとおかしくなりそうなくらいに気持ちがいい。
「あっ……いじ…わるしないで…」
余裕たっぷりな顔に反撃しようと、かぶっと肩を噛んだ。
「っ!」
顔をしかめたのは一瞬で、熱っぽい顔でこっちを見た。
「お前っ…本当になにするか…」
わからないな、という声が消えて、代わりに熱くたぎった固いものが入り口に添えられ、性急に中へ一気に埋め込まれた。
「あっ…うっ!」
痛みに身を強張らせると、苦し気な声で直真さんが言った。
「悪いのはっ…お前だからな…」
ゆっくりと動きだし、中をこすりあげた。
「あっ、ひっ、うっ」
一度に与えられた衝撃に混乱して、涙がこぼれた。
痛みと甘い刺激に体がどうにかなってしまいそうだった。
「こっちが優しくするつもりが…」
体を揺さぶられ、激しく貫かれ、声がかき消された。
じゅぶじゅぶと絡まり合う音に体が反応し、淫らな気分にされてしまう。
深くまで貫かれたとき、頭が真っ白になった。
「あ…あっ…」
意識が完全に落ちる前、優しい声で直真さんは言った。
「愛している、有里」
蕩けてしまいそうな熱い唇で口づけをし、それに答えることができずに意識を失った。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


朝になり、一緒にお風呂に入りたいというので、渋々入った。
そこでも、体をぴったりと寄せて離してくれなかった。
意外と寂しがりやなのかもしれない。
一階のコンシェルジュに朝食を直真さんが頼んでくれた。
これが、金持ちか…と思いながら、届けられた朝食を眺めた。
「それで、お前の負けだよな」
サラダのトマトを刺して勝ち誇った顔で直真さんは言った。
なんか、ムカつく。
「違います。勝負に勝って、試合に負けただけですから」
「またわけのわからないことを…!」
「だから、引き分けでいいです」
「お前が決めるのかよ!」
ふわふわのオムレツを食べながら、言った。
「お願いがあるんです」
「なんだよ」
命令は嫌いって言ってたけど。知ったことではない。
「私以外の女の人に触れないで」
飲みかけたコーヒーを置き、直真さんは笑った。
「馬鹿か。昨日の夜に言えよ。―――わかった」
そして、照れたように目を伏せたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

溺婚

明日葉
恋愛
 香月絢佳、37歳、独身。晩婚化が進んでいるとはいえ、さすがにもう、無理かなぁ、と残念には思うが焦る気にもならず。まあ、恋愛体質じゃないし、と。  以前階段落ちから助けてくれたイケメンに、馴染みの店で再会するものの、この状況では向こうの印象がよろしいはずもないしと期待もしなかったのだが。  イケメン、天羽疾矢はどうやら絢佳に惹かれてしまったようで。 「歳も歳だし、とりあえず試してみたら?こわいの?」と、挑発されればつい、売り言葉に買い言葉。  何がどうしてこうなった?  平凡に生きたい、でもま、老後に1人は嫌だなぁ、くらいに構えた恋愛偏差値最底辺の絢佳と、こう見えて仕事人間のイケメン疾矢。振り回しているのは果たしてどっちで、振り回されてるのは、果たしてどっち?

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

溺愛社長の欲求からは逃れられない

鳴宮鶉子
恋愛
溺愛社長の欲求からは逃れられない

処理中です...