21 / 26
21 後悔を消して ※R- 18
しおりを挟む
――なぜ、そう思ったかわからない。
「……要人? どうしたの? 泣いてるの?」
眠っていた私を後ろから抱き締める手に気づき、ぼんやりした目で振り返る。
要人は何も言わず、私の髪に顔を埋めたまま動かない。
だから、どんな表情をしているのか、わからなかった。
要人の手から伝わる必死さに、要人が泣いている気がしたのだ。
「泣いてない」
「そうよね……」
要人の吐く息が、首にかかり、こそばゆい。
私の香りと要人の香りが混ざり合い、心地よい二人の感触を味わう。
眠りを誘うはずの香りだけど、要人の力のこもる手が、眠らせてはくれなかった。
「志茉」
「なに?」
「抱いていいか?」
これは、あの日のやり直しだと気づいた。
私以上に、要人の後悔は強かったのかもしれない――私が悪かったのに。
でも、この後悔をここで終わらせたい。
お互いの後悔を消して、前へ進むために、私はうなずいた。
「……うん」
手の緊張が解け、要人と私は顔を見合わせた。
ウォールライトの淡い光が、私たちの微笑む表情を映し、穏やかな空気が流れる。
こうやって、微笑みを交わし、要人と抱き合える日が来るなんて、思っていなかった。
今、私たちは心の中に、同じ未来を描いている。
「絶対、幸せにする」
「今までも要人は、私を幸せにしてきたでしょ?」
「それじゃあ、今よりも、ずっと幸せに」
未来の約束をして、優しいキスを目蓋に、頬に、唇に落として、要人はゆっくり体を撫でる。
大切なものを扱うように、優しく。
「要人」
これが、あの日のやり直しなら、こうするのが、きっと正しい。
要人の頬を両手で包み、私からキスをした。
「……志茉」
泣きそうな顔をしていた要人は、色々な感情が混ざり合った複雑な表情を浮かべていた。
「私も要人を幸せにしたい」
要人は暗い所から、明るい所へ出てきたかのように、眩しげに目を細めた。
「俺が求める幸せは、志茉がいる場所だ」
心の奥深くにある要人の孤独に触れた気がした。
ずっと飢え、欲していたものを得るように、要人は黙って、私の肌の上に、赤い印をひとつ残す。
そして、またひとつ。
衣服を剥ぎ取り、体のラインをなぞり、順番に自分ものである証を刻んでいく。
「か……なめ……」
要人がつける痕が増えるほど、私の体の熱も増していく。
激しさを隠した唇と指で、焦らし、徐々に追い詰める。
肩から腕へ、腰に手をやり、脚に手が触れられ、その手に反応してしまう。
私の快楽を引き出すために、そういう触れ方をしているのだろうか――ただ撫でられているだけなのに、もどかしさから、体の熱がくすぶり、甘く高い声が漏れそうになる。
シーツを握り、堪えていると、不意打ちのようにして、耳へ熱い息がかかった。
「……っ!」
「声、出していいんだぞ?」
「あ……やぁ……」
耳元で囁く言葉と同時に、息がかかり、体の奥に潜む甘い疼きが強くなり、理性を奪っていく。
「志茉が望むなら、なんでも与えてやる」
「あ……」
要人の低い声が頭の中まで届き、その腕にしがみついた。
淡い刺激だけを与え、焦らし、耳たぶを甘く噛む。舌が耳の形をなぞり、声だけを上げさせた。
「ん……あ……」
肝心なところには触れずに繰り返す愛撫。その愛撫が、もどかしく、膝を閉じようとした私の脚を掴んで、内腿へキスをする。
私に見せつけるようにして、赤い印をつけた要人は悪い顔で笑った。
「か、なめ……」
その美しい笑みにぞくりとして、感情が煽られる。
抵抗しようとした私に気づき、要人の指は肌の上を滑り、柔らかな双丘を撫で、敏感な突起を舌が押しつぶす。
緩やかな刺激だけを与えられていた私の体は、その刺激を強く感じ、身を悶えさせた。
繰り返し、舌から与える刺激に息を乱す。
「あ……、だ……め……」
私だけが乱され、要人はまだ冷静―――冷静なままに見えた。
「志茉。どうしてほしい?」
余裕の表情が悔しい。
でも、顔を見て、私は要人がなにを求めているのか気づいた。
一度も私の唇に、要人からキスをしていない。
「……ずるい」
「ん? なにが?」
恨めしい顔をした私に、要人は嬉しそうに笑う。
どんな顔をしても要人は、私が要人を見ると、こうやって笑うのだ。
私の視界に、自分だけがいることに喜んでいるのを私は知っている。
「志茉。もっと欲しいなら、ねだっていいんだぞ?」
――なんて、悪い顔。
ねだっているのは、要人なのに、本当にずるい。
至近距離で見る要人の瞳は、熱っぽく潤み、綺麗な顔に色気が滲む。
その顔を崩したくて、要人の首に手を回し、わずかに乱れた呼吸にの上に、自分の唇を重ねて、キスをする。
「志……茉……」
うっとりするような声の次にやってきたのは、激しいキス。
要人は覆いかぶさり、私をシーツに押さえつけると、顎を掴み、何度も深くまでキスをする。
「まっ……て……く……るし……」
制止の声すら消して、要人は私の口をこじ開け、舌を絡め、噛みつくような猛獣のキス。
角度を変え、奥まで、隅まで食らい尽くし、お互いの粘膜が擦れ合う淫らな音が響く。
理性が消えてしまうのが怖くて、要人の腕を強く掴んで、顔を背けると、要人が追って口を塞ぐ。
「ふっ……あ……」
「志茉は強情だな」
「そんな……ことっ……あっ……」
要人は一瞬だけ離した唇を再び、自分の唇で埋めた。
残る理性をことごとく奪ってしまうつもりでいるのか、要人は脚の付け根に指が触れさせた。
「んぅ……」
唇で塞がれた口からは、くぐもった声しか出ず、要人は私の熱く潤んだ中へ指を滑り込ませた。
すでに体は熱を帯び、疼く体の快楽は、抵抗をはぎ取り、緩やかに動く指を甘く感じていた。
要人が望むように、体は溶け、こぼれる蜜の音が、理性を崩す。
「志茉、意識を飛ばさないようにな?」
「なに……言って……あ……あぁ……」
両脚を抱えられ、太ももに蜜がしたたり、ぬるりとした感触を感じた。
要人が与えた快楽によって、私の思考が鈍くなっているとはいえ、脚を開かされた格好は恥ずかしい。
その羞恥心を消すように、要人が指で敏感な前を嬲り、自分だけを欲しがらせ、頭の中真っ白にさせた。
ただ私の中にあるのは、要人だけ。
浅い部分に埋められた要人の熱い塊が、奥まで込められ、体がのけ反った。
内臓をえぐるような深い繋がりが苦しく口を開け、呼吸をする。
「ひ……あ……」
シーツを掴み、その衝撃に耐えていると、要人は私の手にキスをした。
「狭いから、きついかもしれない」
「……う……ん……。要人が……苦しくないように……して……」
「志茉」
「んっ……!?」
なぜか、要人は呆れた顔をし、自分の唇で口を塞ぐ。
深いキスをされながら、ゆるゆると奥を突かれ、揺さぶられる。体も唇も、余すことなく繋がり、どちらのものがわからない水音が聞こえてくる。
「俺を煽ったからな。志茉、覚悟しておけよ」
唇を離し、要人は濡れた唇を舌で舐め、私を見下ろす。
その宣戦布告に、私は怯えた。
「あ、煽っ……? ひっ……あっ!」
脚を抱え直し、引き抜いたかと思ったら、一気に埋め込んだ。
頭の中が真っ白になり、目の前がちかちかと点滅する。
「あ……あぁ……」
達したのだとわかったけれど、要人はそれでやめてくれるわけがなかった。
激しく突き上げ、達したばかりの痺れた体に、新しい熱を誘い、頭がおかしくなりそうな快楽を与えた。
逃げられないように、腰をしっかり掴まれて、重く深く、体を攻め続ける。
汗が落ちても、冷たいとは思わないくらい体は熱を持つ。
「……っ! あっ……あぁっ……」
シーツから離れた手を要人が握る。
繋がった手を見つめたかと思うと、深くに押し込み、自分の存在を私の体に刻み付け、熱いものを吐き出した――快感が体を支配し、爪先がシーツを蹴る。
「ひっ……あっ……!」
「志茉……っ……」
快楽の波に溺れかけた私の顎を掴み、喘ぐ口を塞ぎ、まだ足りないというように、私を食らう。
これは、数年分の想いが積もった分のキス。繰り返されるキスで、再び、私の中で硬さを取り戻し、要人はぺろりと唇を舐めた。
「かっ……要人……ま、待って……まだ」
体が痺れ、力が入らず、息を整える私に、要人は微笑んだ。
汗で濡れた肌に、手を添え、首を横に振る。
「待ちすぎて……俺は、志茉だけを……」
要人はゆっくり引き抜くと、角度を変え、一気に押し込んだ。
「んぅ……」
甘い吐息と声が口から漏れ、仰け反った。
要人は動きを止め、耳元に言葉を残す。
「志茉だけを愛してる」
――それは、愛の告白より重い。
私だけがすべてだと言われたような気がした。
「だから、俺から離れられないようにしないとな」
もう、何度も絶頂を迎え、動けないのに、なおも要人は私に快楽を与え、体を支配する。
「かな……め……、要人……」
言葉にならず、名前しか呼べなくなるまで抱き尽くされて、最後は意識が途切れた。
要人の愛は、重くて深くて――二人の境を消してしまうほどの熱。
ずっと潜めていた熱で、私を溶かし、誰よりも近い存在になったのだった。
「……要人? どうしたの? 泣いてるの?」
眠っていた私を後ろから抱き締める手に気づき、ぼんやりした目で振り返る。
要人は何も言わず、私の髪に顔を埋めたまま動かない。
だから、どんな表情をしているのか、わからなかった。
要人の手から伝わる必死さに、要人が泣いている気がしたのだ。
「泣いてない」
「そうよね……」
要人の吐く息が、首にかかり、こそばゆい。
私の香りと要人の香りが混ざり合い、心地よい二人の感触を味わう。
眠りを誘うはずの香りだけど、要人の力のこもる手が、眠らせてはくれなかった。
「志茉」
「なに?」
「抱いていいか?」
これは、あの日のやり直しだと気づいた。
私以上に、要人の後悔は強かったのかもしれない――私が悪かったのに。
でも、この後悔をここで終わらせたい。
お互いの後悔を消して、前へ進むために、私はうなずいた。
「……うん」
手の緊張が解け、要人と私は顔を見合わせた。
ウォールライトの淡い光が、私たちの微笑む表情を映し、穏やかな空気が流れる。
こうやって、微笑みを交わし、要人と抱き合える日が来るなんて、思っていなかった。
今、私たちは心の中に、同じ未来を描いている。
「絶対、幸せにする」
「今までも要人は、私を幸せにしてきたでしょ?」
「それじゃあ、今よりも、ずっと幸せに」
未来の約束をして、優しいキスを目蓋に、頬に、唇に落として、要人はゆっくり体を撫でる。
大切なものを扱うように、優しく。
「要人」
これが、あの日のやり直しなら、こうするのが、きっと正しい。
要人の頬を両手で包み、私からキスをした。
「……志茉」
泣きそうな顔をしていた要人は、色々な感情が混ざり合った複雑な表情を浮かべていた。
「私も要人を幸せにしたい」
要人は暗い所から、明るい所へ出てきたかのように、眩しげに目を細めた。
「俺が求める幸せは、志茉がいる場所だ」
心の奥深くにある要人の孤独に触れた気がした。
ずっと飢え、欲していたものを得るように、要人は黙って、私の肌の上に、赤い印をひとつ残す。
そして、またひとつ。
衣服を剥ぎ取り、体のラインをなぞり、順番に自分ものである証を刻んでいく。
「か……なめ……」
要人がつける痕が増えるほど、私の体の熱も増していく。
激しさを隠した唇と指で、焦らし、徐々に追い詰める。
肩から腕へ、腰に手をやり、脚に手が触れられ、その手に反応してしまう。
私の快楽を引き出すために、そういう触れ方をしているのだろうか――ただ撫でられているだけなのに、もどかしさから、体の熱がくすぶり、甘く高い声が漏れそうになる。
シーツを握り、堪えていると、不意打ちのようにして、耳へ熱い息がかかった。
「……っ!」
「声、出していいんだぞ?」
「あ……やぁ……」
耳元で囁く言葉と同時に、息がかかり、体の奥に潜む甘い疼きが強くなり、理性を奪っていく。
「志茉が望むなら、なんでも与えてやる」
「あ……」
要人の低い声が頭の中まで届き、その腕にしがみついた。
淡い刺激だけを与え、焦らし、耳たぶを甘く噛む。舌が耳の形をなぞり、声だけを上げさせた。
「ん……あ……」
肝心なところには触れずに繰り返す愛撫。その愛撫が、もどかしく、膝を閉じようとした私の脚を掴んで、内腿へキスをする。
私に見せつけるようにして、赤い印をつけた要人は悪い顔で笑った。
「か、なめ……」
その美しい笑みにぞくりとして、感情が煽られる。
抵抗しようとした私に気づき、要人の指は肌の上を滑り、柔らかな双丘を撫で、敏感な突起を舌が押しつぶす。
緩やかな刺激だけを与えられていた私の体は、その刺激を強く感じ、身を悶えさせた。
繰り返し、舌から与える刺激に息を乱す。
「あ……、だ……め……」
私だけが乱され、要人はまだ冷静―――冷静なままに見えた。
「志茉。どうしてほしい?」
余裕の表情が悔しい。
でも、顔を見て、私は要人がなにを求めているのか気づいた。
一度も私の唇に、要人からキスをしていない。
「……ずるい」
「ん? なにが?」
恨めしい顔をした私に、要人は嬉しそうに笑う。
どんな顔をしても要人は、私が要人を見ると、こうやって笑うのだ。
私の視界に、自分だけがいることに喜んでいるのを私は知っている。
「志茉。もっと欲しいなら、ねだっていいんだぞ?」
――なんて、悪い顔。
ねだっているのは、要人なのに、本当にずるい。
至近距離で見る要人の瞳は、熱っぽく潤み、綺麗な顔に色気が滲む。
その顔を崩したくて、要人の首に手を回し、わずかに乱れた呼吸にの上に、自分の唇を重ねて、キスをする。
「志……茉……」
うっとりするような声の次にやってきたのは、激しいキス。
要人は覆いかぶさり、私をシーツに押さえつけると、顎を掴み、何度も深くまでキスをする。
「まっ……て……く……るし……」
制止の声すら消して、要人は私の口をこじ開け、舌を絡め、噛みつくような猛獣のキス。
角度を変え、奥まで、隅まで食らい尽くし、お互いの粘膜が擦れ合う淫らな音が響く。
理性が消えてしまうのが怖くて、要人の腕を強く掴んで、顔を背けると、要人が追って口を塞ぐ。
「ふっ……あ……」
「志茉は強情だな」
「そんな……ことっ……あっ……」
要人は一瞬だけ離した唇を再び、自分の唇で埋めた。
残る理性をことごとく奪ってしまうつもりでいるのか、要人は脚の付け根に指が触れさせた。
「んぅ……」
唇で塞がれた口からは、くぐもった声しか出ず、要人は私の熱く潤んだ中へ指を滑り込ませた。
すでに体は熱を帯び、疼く体の快楽は、抵抗をはぎ取り、緩やかに動く指を甘く感じていた。
要人が望むように、体は溶け、こぼれる蜜の音が、理性を崩す。
「志茉、意識を飛ばさないようにな?」
「なに……言って……あ……あぁ……」
両脚を抱えられ、太ももに蜜がしたたり、ぬるりとした感触を感じた。
要人が与えた快楽によって、私の思考が鈍くなっているとはいえ、脚を開かされた格好は恥ずかしい。
その羞恥心を消すように、要人が指で敏感な前を嬲り、自分だけを欲しがらせ、頭の中真っ白にさせた。
ただ私の中にあるのは、要人だけ。
浅い部分に埋められた要人の熱い塊が、奥まで込められ、体がのけ反った。
内臓をえぐるような深い繋がりが苦しく口を開け、呼吸をする。
「ひ……あ……」
シーツを掴み、その衝撃に耐えていると、要人は私の手にキスをした。
「狭いから、きついかもしれない」
「……う……ん……。要人が……苦しくないように……して……」
「志茉」
「んっ……!?」
なぜか、要人は呆れた顔をし、自分の唇で口を塞ぐ。
深いキスをされながら、ゆるゆると奥を突かれ、揺さぶられる。体も唇も、余すことなく繋がり、どちらのものがわからない水音が聞こえてくる。
「俺を煽ったからな。志茉、覚悟しておけよ」
唇を離し、要人は濡れた唇を舌で舐め、私を見下ろす。
その宣戦布告に、私は怯えた。
「あ、煽っ……? ひっ……あっ!」
脚を抱え直し、引き抜いたかと思ったら、一気に埋め込んだ。
頭の中が真っ白になり、目の前がちかちかと点滅する。
「あ……あぁ……」
達したのだとわかったけれど、要人はそれでやめてくれるわけがなかった。
激しく突き上げ、達したばかりの痺れた体に、新しい熱を誘い、頭がおかしくなりそうな快楽を与えた。
逃げられないように、腰をしっかり掴まれて、重く深く、体を攻め続ける。
汗が落ちても、冷たいとは思わないくらい体は熱を持つ。
「……っ! あっ……あぁっ……」
シーツから離れた手を要人が握る。
繋がった手を見つめたかと思うと、深くに押し込み、自分の存在を私の体に刻み付け、熱いものを吐き出した――快感が体を支配し、爪先がシーツを蹴る。
「ひっ……あっ……!」
「志茉……っ……」
快楽の波に溺れかけた私の顎を掴み、喘ぐ口を塞ぎ、まだ足りないというように、私を食らう。
これは、数年分の想いが積もった分のキス。繰り返されるキスで、再び、私の中で硬さを取り戻し、要人はぺろりと唇を舐めた。
「かっ……要人……ま、待って……まだ」
体が痺れ、力が入らず、息を整える私に、要人は微笑んだ。
汗で濡れた肌に、手を添え、首を横に振る。
「待ちすぎて……俺は、志茉だけを……」
要人はゆっくり引き抜くと、角度を変え、一気に押し込んだ。
「んぅ……」
甘い吐息と声が口から漏れ、仰け反った。
要人は動きを止め、耳元に言葉を残す。
「志茉だけを愛してる」
――それは、愛の告白より重い。
私だけがすべてだと言われたような気がした。
「だから、俺から離れられないようにしないとな」
もう、何度も絶頂を迎え、動けないのに、なおも要人は私に快楽を与え、体を支配する。
「かな……め……、要人……」
言葉にならず、名前しか呼べなくなるまで抱き尽くされて、最後は意識が途切れた。
要人の愛は、重くて深くて――二人の境を消してしまうほどの熱。
ずっと潜めていた熱で、私を溶かし、誰よりも近い存在になったのだった。
22
お気に入りに追加
1,605
あなたにおすすめの小説
私はお世話係じゃありません!
椿蛍
恋愛
幼い頃から、私、島田桜帆(しまださほ)は倉永夏向(くらながかなた)の面倒をみてきた。
幼馴染みの夏向は気づくと、天才と呼ばれ、ハッカーとしての腕を買われて時任(ときとう)グループの副社長になっていた!
けれど、日常生活能力は成長していなかった。
放って置くと干からびて、ミイラになっちゃうんじゃない?ってくらいに何もできない。
きっと神様は人としての能力値の振り方を間違えたに違いない。
幼馴染みとして、そんな夏向の面倒を見てきたけど、夏向を好きだという会社の秘書の女の子が現れた。
もうお世話係はおしまいよね?
★視点切り替えあります。
★R-18には※R-18をつけます。
★飛ばして読むことも可能です。
★時任シリーズ第2弾
森でオッサンに拾って貰いました。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。
ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。
政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
椿蛍
恋愛
★2022.1.23改稿完了しました。
母が亡くなり、身寄りがないと思っていた私、井垣朱加里(いがきあかり)はまさか父がお金持ちの社長だったなんて知らなかった。
引き取られた先には継母とその娘がいた。
私を引き取ったのは気難しい祖父の世話をさせるためだった。
けれど、冷たい家族の中で祖父だけは優しく、病気の祖父が亡くなるまではこの家にいようと決めた。
優しかった祖父が亡くなり、財産を遺してくれた。
それだけじゃない、祖父は遺言として結婚相手まで決めていた。
相手は『王子様』と名高い白河財閥の三男白河壱都(しらかわいちと)。
彼は裏表のあるくせ者で、こんな男が私の結婚相手!?
父と継母は財産を奪われたと怒り狂うし、異母妹は婚約者を盗られたと言うし。
私が全てを奪ったと、完全に悪者にされてしまった。
どうしたらいいの!?
・視点切り替えあります。
・R-18には※R-18マークをつけます。
・飛ばして読むことも可能です。
若き社長は婚約者の姉を溺愛する
椿蛍
恋愛
★宮ノ入シリーズ第1弾
【注意】改稿のため、一部非公開になります。(2023.5~)
継母と異母妹は前妻の子である姉の美桜を家政婦として扱っていた。
家を出ようとしても継母の実家の力で住む場所も決めることができず、友達は嫌がらせを受けてしまい、美桜は自分から自然と距離を置いた。
28歳になっても家から出してはくれず、黙々と家事をこなしていた。
23歳になった妹には見合い話がたくさんくるにも関わらず、美桜にはお見合い話はこない。
妹の梨沙は自慢げにお見合い話を美桜に見せつけていた。
欲しいのはそんなものではなく、自由なのに―――美桜はそれをなんの感情もなく見つめていた。
けれど、そんな美桜に一つだけ見合い話が持ち込まれた。
【初出】2020.8.3
御曹司はまだ恋を知らない
椿蛍
恋愛
家政婦紹介所に登録している桑江夏乃子(くわえかのこ)は高辻財閥の高辻家に派遣されることになった。
派遣された当日、高辻グループの御曹司であり、跡取り息子の高辻恭士(たかつじきょうじ)が婚約者らしき女性とキスをしている現場を目撃するが、その場で別れてしまう。
恭士はその冷たい態度と毒のある性格で婚約者が決まっても別れてしまうらしい。
夏乃子には恭士がそんな冷たい人間には思えず、接しているうちに二人は親しくなるが、心配した高辻の両親は恭士に新しい婚約者を探す。
そして、恭士は告げられる。
『愛がなくても高辻に相応しい人間と結婚しろ』と。
※R-18には『R-18』マークをつけます。
※とばして読むことも可能です。
★私の婚約者には好きな人がいる スピンオフ作品。兄の恭士編です。
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる