キーナの魔法

小笠原慎二

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アディとナト

洗脳を解け

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黒髪、黒い瞳の少年は、ナトと名乗った。
キーナが掻い摘まんで事情を説明する間に、テルディアス達も警戒しながら焚き火の周りに腰を下ろす。

「え?」

一連の話を聞き、ナトが驚いた声を上げた。

「じゃ、あなたが、あの…」

とテルディアスを見つめる。

「知ってるの?」

その様子にキーナが尋ねる。

「あいつらが話してるのを聞いたことがあります。あの方の元から逃げ出した唯一のお人形って…」

(人形…)

人を人形呼ばわりかよ、と内心突っ込むテルディアス。

「本当にすいませんでした!」

はぐれ闇の仲間では無かったと知り、ナトが頭を下げた。

「いいから、いいから」

(よくないっ!)

キーナの言葉にやはり心の中で突っ込むテルディアス。
例え反論した所で、キーナはテルディアスの意見など聞かないだろうので、黙っておく。
少しムカつくが。

「で、ナトは? はぐれ闇なの?」

はぐれ闇の意味もおぼろげなキーナがナトに尋ねる。

「いえ、違います。僕は、闇の宮に向かっていたんです」

ナトがこれまでのことを話し始めた。
力が発現したこと。
掟に従い、宮に向かっていたこと。
途中で幼馴染みのアディが追いかけて来てしまったこと。
そのまま一緒に行ってしまったこと。
そうしたら道のりの途中で、アディが光の力を発現してしまったこと。
説得したものの、アディはナトと行くと言って聞かず、とりあえず二人で闇の宮に向かったこと。
その途中ではぐれ闇に捕まり、引き離されてしまったこと。
そして、アディがはぐれ闇達に洗脳されてしまったこと…。

「なんとか助けようとしたんですけど…、僕の力では難しくて…」

ナトが悔しそうに顔を歪める。

「そしてあいつら、アディの洗脳が終わったから、僕たちの村を破壊しに行こうって話してるのを聞いて、なんとかして止めなくちゃって思って。先回りしようとしたんですけど、僕、そんなに力がある方では無いので…。ここまでなんとか来たんですけど、気を失ってしまって…」
「ナトの村はもうここから近いの?」
「あ、はい。そこの山を抜ければすぐです」

山というほど高くは無いが、丘と言うほど低くもない山を指さす。

「よし! 行こう!」

キーナがすっくと立ち上がった。

(((やっぱり…)))

テルディアス達が一様に同じことを思った。

「そんな! 御子様のお手を煩わすわけには…」

ナトが慌てて止めるが、

「いいから、いいから! 困った時はお互い様でしょ!」

と、満面の笑顔で答えた。

「だってさ」
「頑張れよ」

メリンダとサーガが後は頼むとばかりに、テルディアスの肩に手を置いた。

「おい…」

俺一人に押しつけるなと、テルディアスが二人を睨み付けた。
ま、どうせ一緒には行くのだけどね。













暗くなり始めた街道を急ぐ。
有り難いことに、道はさほどきついものではなかった。

「そこを越えればすぐです」

ナトが指さす。
丁度山の上に差し掛かった辺りだ。
ほとんど駆け足でそこへ辿り着くと、

「!」

熱風が5人に襲いかかった。

「うわ!」
「きゃ!」

眼下を見下ろすと、丁度谷になっている所が全て、炎に包まれていた。

「村が…」

村があったであろう場所には、炎が踊っている。
そこにあったであろう物は、考えるまでもないだろう。
異質な気配を感じ、ナトが空を見上げた。
宙空に、少し光を放ちながら浮かんでいる少女。

「アディ!」

他の4人も空を見上げた。
仄かな光を放ちながら、軽くウェーブのかかった髪の少女が虚ろな表情で浮かんでいた。

「アディ!」

ナトが走り出す。

「アディ!!」

ナトが手を上げる。

「 」

アディの口が軽く動いた。

「え?」

なんと言っているのかは分からなかった。
次の瞬間、

キュン!

光の矢が地面に向けて放たれた。

「きゃ!」

衝撃波を受けて転がるメリンダ。
キーナはテルディアスに庇われたので無事だった。

「な、何?! 今の!」

頭を抱えながら起き上がるメリンダ。

「光の者の攻撃だろ」

当たり前のように答えるテルディアス。
一応メリンダさんの心配もしてあげて?と思うキーナだった。




「ったくよう…」

光の矢が降った後には小さなクレーター。
その横に転がるサーガとナト。
間一髪、サーガがナトを抱えて転がったので、ナトに直撃は免れたのだ。

「洗脳されてるって言ったのはお前だろ?」
「あ、はい…」

何を真っ正面から突っ込んでるんだと注意するサーガ。
相手は正気では無いのだから。




「来るぞ、下がってろ!」

テルディアスがキーナ達を後ろに前に出る。

「僕もがぁ」
「分かったわ」

メリンダがキーナの口を塞ぎ、ズルズルと後ろに引き摺っていく。
賢明な判断だろう。

「メリンダ、あの火、どうにかなるか?」
「! まっかせなさいって!」
「よし」

それだけ言うと、テルディアスは走り出した。

「メリンダさん!」

やっとこ自分の口を塞いでいたメリンダの手を押しのけるが、

「キーナちゃん!」

メリンダの声に圧倒される。

「戦いはプロに任せて、あたし達はあたし達にできることするのよ!」

と、もの凄い形相でキーナに語りかける。
その顔には行かせるものかとはっきり書いてある。

「は、はい…」

これは逆らえないと、観念したキーナだった。

「でも、できることって…」

なんでしょう?と考え込む。

「とりあえず、今はあの火を、どうにかするわよ」

メリンダを包む空気が、熱を持ったような気がした。









「来るぞ」
「アディ…」

どうすればいいのか分からず、ただ空を見上げるナト。

「いいか、俺達が隙を作る。その間にお前が洗脳を解け!」
「え?!」

隙を作る?どうやって?それに…、

「そ、そんな…、僕…」
「いいな!」

サーガの厳しい目に睨まれ、ナトが俯く。

「ぼ、僕…、僕には…」









アディを包む光がいっそう強くなったかと思うと、破裂したかのように、光の力が地面に向かって降り注いだ。
その光の雨の中を、素早く避けながら近づくテルディアス。
サーガも走り出す。

「あ!」

ナトが気付いた時には、既にサーガも雨の中。

「はっ!」

光の力が一筋、ナトに向かってくる。

「うわあ!」

咄嗟に結界を張り、やり過ごす。

(こんなもの、避けることができるなんて…)

その早さと衝撃に、唖然となる。
そしてその力の雨の中を、平然と進んで行く二人。
ナトは新たに結界を張りながら、二人から目が離せなかった。












離れた場所からの制御は少し難しい。
メリンダが村の方を見ながら、徐々に徐々に、炎を小さくしていた。

「は!」

上空から力の一筋が迫るのが分かった。

「キーナちゃん!」
「にゅ!」

咄嗟にキーナを庇い、結界を張る。
その大きな胸に押しつぶされるキーナ。
鼻と口が埋まり、危うく窒息しそうになった。

キュド!

光の矢が結界を抜け、突き刺さった。

「…メリンダさん?」

なかなか動かないメリンダを、キーナがなんとか隙間を見つけて声を掛ける。

「ぜ、全部は…、防げなかった…みたい…」

メリンダがゆっくりと体をどかす。
だが、キーナの横に力なく横たわってしまう。

「メリンダさん?!」

よく見ると、お腹の辺りが黒く変色している。

「大丈夫! 僕が…」

治すから!という前に、力の一筋がまた向かってきている事に気付く。

「地(ウル)!」

咄嗟に結界を張る。

ギャゴ!

凄まじい音を立て、結界が壊れた。

(たった一撃で、結界が壊された…!)

四大精霊の中で、地の力が一番防御力が高い。
余程の格上の火の攻撃でなければ、地の結界を一撃で破ることは難しい。
さすがは光の力ということか。
驚いている間に、また光の矢が降ってきた。
慌てて結界を張る。
また壊された。

(僕も、僕が、光の力を自在に使えれば…)

これだけ色々な事があったというのに、何故かキーナは未だに光の力を自在に操ることができなかった。
多分ではあるけれど、それはあの人、姿も名前も分からない、あの人がいないからだと思う。

(だー! 今はそれどころじゃないー!)

考えている暇はない。
後から後から、光の矢が降ってくる。

(とにかく、結界を二重にも三重にも張りまくって張りまくって張りまくって…)

バキン! ガキン! ドキン!

嫌がらせのように次々と結界が壊されていく。

「うにゃ~! いい加減、メリンダさんを治させ――!!」

頭にきたキーナが叫んでも、光の矢は止まらなかった。













テルディアスが掌に水の力を集める。

「水連弾(クアレダム)!」

水の弾を上空のアディに向かって打ち込む。
水の弾、思いっきり投げつければ、それなりに威力は出るが、今回は少し威力を押さえた物。

「あ…」

水の弾がアディの顔にビチャビチャと当たり、アディが目を瞑る。
そう、これはただの目隠しだ。
それを見て、サーガが飛ぶ。
風の力を両手でそれぞれ圧縮させ、それを思いっきりアディに叩きつける。
空気の圧力で押さえ込まれ、アディが身動き取れなくなる。

「今だ! やれ! 早く!」

地上で呆然と見上げるナトに向かって怒鳴る。

「あ…」

少し躊躇していたナトだったが、

「はい!」

意を決し、空間を跳んで、アディの側に姿を現す。

「アディ!」

闇の触手を伸ばし、念のためアディの体を固定する。

「今、助けるから!」

触手を介し、ナトがアディの意識へと同調し始めた。














「あれれ~。どこに行ったかと思ったら、あのボウヤこんな所で参戦してるよ」

少し隔てた空間の中で、黒髪の少年が、宙に浮かぶ球を見つめていた。

「まあ」

その横で爪の手入れをする黒髪の女性。

「しかも、僕の術を解こうとしてるみたい」

とけらけらと笑う。

「あ~ら、それは残念ね」

女性が仕上げた爪を見ながら言った。

「格上の者がかけた術を格下の者が解こうなんて…」
「無理に決まってるのに」

少年がニヤリと笑った。













「アディ!」

意識に同調していくナト。

「アディ!」

アディの意識下、白い空間の真ん中に、黒いドームのようなものがポツンとあった。
そこへと走り寄る。

「くそっ! くそっ!」

ドームの壁は厚く、叩いても蹴ってもびくともしない。

「だめだ…、僕じゃ…、僕の力じゃ…」

うなだれるナト。

「これ以上は…」

ここまでしか来れない。
この先にはいけない。
どんな術式が組まれているのかも読めない。
これ以上は無理だ…。
ナトが諦めかけた。







キーナもテルディアスもサーガも、外からその様子を眺めていた。









ドクン

何かがナトの体に入ってきた気がした。

「? なんだ?」

今の感覚は一体何だったのだろう?とナトが体を見回すが、特に何もない。
だが、気付く。
目の前にあったドーム、壁にしか見えなかった物が、きちんとした術式のものに見え始めていた。

「分かる…、分かるぞ!」

ナトはその術式を手に取り、力任せに引きちぎる。
その奥にある物も、そのまた奥にある物も…。

「アディ!」

引きちぎりながら、ナトは奥へと進んでいった。













「ん?」

自分の施した術式が、何故か破られていくのを感じる。
黒髪の少年が首を傾げた。














「アディ!」

目の前にある術式を引きちぎる。
その奥にあるのも引きちぎる。
少しずつ少しずつ、ナトが穴を広げていく。

「アディー!」
「ナ…ト」

小さく声が聞こえた。

「アディ…? ア…」

ナトの意識が術式から逸れた。
途端、術式がナトに襲いかかった。

「うわあああ!」
「ナ…ト」

また、小さく声が聞こえた。

「アディ!」

ナトの体に術式がまとわりつく。
そのまま身動きが取れなくなり、ドームの外へと飛ばされてしまう。

「ア、アディー!」

ナトは強制的に意識の同調も断ち切られた。
















ズバ!

「うわ!」

アディを縛り付けていた闇の触手もまた、消されてしまう。
無表情のまま、アディがナトを見つめる。

「ア…」

アディがナトに向けて、手を上げた。

「アディ…」
「バカっ! 避けろ!」

すんでの所でサーガがナトの体を抱えた。
ナトの体があった場所を、光の矢がすり抜けていった。

「ぐ…」

そのまま二人は地上へと落ちて行く。












「まぬけめ!」

テルディアスが風の力を集める。

「風巻(カウギリ)!」

サーガ達に向けて、落下防止の魔法を放つ。
地面に向けて真っ逆さまに落ちていた二人の体がフワリと浮き上がり、少し乱暴に地面に落ちた。

「あてて…、あ、すいません。また、助けてもらって…」

術の反動か、少しぼーっとしていたナトが、サーガに目を向ける。

「! サーガさん!」
「う…ぐ」

サーガが呻き声を零す。
その左足の脛の肉が、ごっそりと消えてしまっていた。

「大丈夫ですか?!」

骨が見えそうなまでに削れた部分から、血が溢れ出している。

「今、治しますから!」

そう言って患部に手をかざすが、

「待て! お前は備えろ…」
「え?」

サーガが上空を指さす。

「また来る…」

見上げてみれば、またアディの纏う光が強くなり始めていた。

「アディ…」
「こんくらい自分で治す…」
「は、はい!」

ナトがいつ来てもいいように、結界の準備を始める。

(くっそ! 肉ごと持ってかれてやがる! 動けねぇ!)

風の力では、それほど治癒の効果は高くない。
出血を止めるだけで精一杯だろう。
ナトに治してもらえれば有り難いが、ナトには防御に専念してもらわなければ、動けない自分はあの光の雨を避けることができない。
唇を噛みしめた時、

《おい、まぬけ》

テルディアスの声がした。
一応連携を取るために、風の魔法を仕込んでいたのではあるが、

《どうせ聞こえているのだろう? まぬけ》
「るせ~、ミドリ野郎…。何の用だ…」

こんな状況でなければ絶対に聞きたくない奴の声だ。

《洗脳は解けるのか?》
「!」
《解けんと言うならば、俺がる》

カチャリと、腰の剣を取る音がした。

「ち」

本気だ。
剣士のくせに、キーナ以外のこととなると、テルディアスはいたって冷酷だ。
というか、今までキーナの前では人を切ることさえ隠していたのに、やはりそれほど事態は切迫していると言うことか。

「おい、ボウズ」
「はい」

アディを見上げていたナトが振り向く。

「あの子の洗脳は、解けそうなのか?」

ナトが固まる。
俯いて、少ししてから、

「その…」
「もしダメだなんつったら、あのマント野郎があの子を殺すぜ?」

見れば、木陰に隠れ、テルディアスがこちらを睨んでいた。
その鋭い視線に気圧されるナト。
殺す。
その本気度が分かった。

「大丈夫です! やれます! いや…、やります!」

ナトが力強く言い放った。

「おうともよ」

サーガがニヤリと笑いかける。

「てなこったミドリ野郎」
《いいだろう。ならば、あれを地に落とせ》
「あん?」

見上げれば、光が膨らんでいた。

《地に落としたら俺が地(ウル)で縛り付ける。宙で術をかけるより、幾分やりやすくなるだろう?》
「な~るへそ」

先程と同じように、光が地上へと降り注いだ。

「うわ!」

ナトが結界を張り、サーガも守る。
















「にゃわ!」

キーナも慌てて結界を張った。

「うにゃ~!」

また結界を張って張って張って張ってと張りまくる。

「キ、キーナちゃん…。ありがと。大分楽よ…」

メリンダが、未だに少し青い顔をして言った。

「メリンダさん!」

キーナの手に力が籠もった。















サーガがゆっくりと身を起こす。

「ボウズ、これから奴と俺であの子を地に縛り付ける。そしたらすかさず行け!」
「はい!」

ナトが力強くうなずいた。

(くそ! 動けねぇ!)

なんとか止血はできた。
しかし左足はもう使い物にならない。

(歩くのは無理だが、飛ぶくらいなら…)

足で地面を蹴ることはできない。
サーガが風の力を集め始めた。















降りしきる光の雨の中を、テルディアスはこともなげに避けて行く。
そして掌に火の力を集める。

(攻撃は単調、軌道は単純…)

多少鍛えていれば、避けられない物でもない。

「行くぞ! 火巻(イラギリ)!」

アディに向かって炎の渦が巻き起こった。
これもただの目隠しだ。
渦の中で、アディが慌て始める。

「あ…」

熱い上に周りが見えない。
攻撃はもちろん中断される。
その隙を狙い、サーガが集めていた風の力を地面に叩きつけ、空へと飛び上がった。

「うわ!」

突然の突風に飛ばされかけるナト。

「なんなんだ? 今の突風…」

不思議に思いながらも、空を見上げる。
アディが炎の渦をなかば無理矢理、力ずくで解除する。
その上に、人影があった。

「よう、お嬢さん」

その人影、サーガがアディに話しかけた。
アディが上を向く。

「ちょいと下で、俺達と、いいことしようぜ」

そう言うと、上空に集めて圧縮していた空気を、アディに向かって振り下ろす。
圧縮された空気が、アディの背にのしかかった。

「あ…」

アディが抵抗する。

「痛くはしないわよん」

口調とは裏腹に、必死の形相で、サーガがなおも空気を圧縮し、アディの背に下ろす。
ズリズリと地上へ近づいていく。
アディもなんとか踏ん張ろうとするが、更に重さを増していく空気に耐えられず、とうとう地面に押しつけられる。

「う…!」

必死に這い出ようともがくが、不意にその手の動きが止められた。
木の根がアディの腕を、体を、足を固定していく。
そして地面が持ち上がり、さらにアディの体を固めていく。
最終的に、アディは小さな丘の上に、首だけ出している状態となった。

少し離れた所で、大きく息をするテルディアスの姿。
さすがにここまで大きな力を使うと、疲れるのだ。

「す、すごい…」

二人の力を見て、ナトが声を上げた。

(僕も…)

きっと前を見据え、アディに向かって駆け出す。

「あ…」

まったく動けなくなったアディが、なおも動こうと必死にもがいている。

「アディ!」

ナトが駆け寄り、アディの顔を両手で優しく包み込む。

「アディ、今、助ける!」

繋がりを少しでも強くするために、ナトはアディのおでこに自分のおでこをくっつけた。
そしてまた、意識を同調させていった。
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