キーナの魔法

小笠原慎二

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赤い髪の女編

赤い髪の女

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『我らの力は滅びの力。
 故に悪用されれば、世界を滅ぼすこともあり得る。
 だからこそ外に出る事はならぬ。
 お主ならば分かるであろう?
 次代の候補として選ばれたお主なら、余計に分かってしまうであろう?
 のう、メリンダ。
 我らの力の重みが。
 故に外に出ることはならぬ。
 良いな、メリンダ。
 決してならぬぞ・・・』





















「メリンダ姐さーん!」

14、5と思われる少女が路地裏を走ってくる。

「チャカ」
「チャカじゃないか」

そこに立っていた3人の女のうち、背の高い少し厳い女と、青い髪を束ねた女が振り向いた。

「チャカ?」
「姐さん!」

少女が3人の側まで走り寄ってきた。
赤いウェーブがかった髪を腰まで垂らした女が振り向いた。

「どうしたの? そんなに急いで」

少女の顔は明るく輝いていた。

「ありがとう! 全部姐さんのおかげ!」

と赤い髪の女に抱きつく。

「ちょ、どうしたのよ」

少女に抱きつかれ少しよろめく。
興奮気味の少女を落ち着かせると、少女は顔を赤らんだ頬を両手で包み込む。

「パトゥーがとうとうあたしに・・・結婚してくれって・・・」

と照れながら報告する。

「やったじゃない!」
「良かったわね!」
「おめでとう!」
「えへ・・・」

薄暗い路地が一瞬華やいだようだった。

「それでね、もう今日から立たなくていいって・・・」

それを聞いて、赤い髪の女は嬉しそうに目を細めた。

「本当に、良かったわね。チャカ」
「うん・・・、あたし、この仕事から抜けられる日が来るなんて・・・思ってもみなかった・・・」
「チャカ・・・」

喜びからか、今までの苦しさからか、少女はしばらく泣き続けた。













「幸せになるのよ」
「うん、ありがとう」

泣きはらした目をしながらも、嬉しそうに笑って、少女はまた駆けていった。
青い髪を束ねた女も嬉しそうにその姿を見送る。

「あたしらもすぐ仲間入りするさ」

と陽気に笑う。

「それにはまず、相手がいないとね」

背の高い女が溜息を吐いた。

「あら? カーヴィラ、あなたはコダさんがいるでしょ?」

赤い髪の女の言葉に、背の高い女が顔を赤くする。

「あ、あれは、その、あの、・・・」
「いい男がいるなら早くくっついちゃいなさいよ」
「め、メリンダこそ・・・」

と言いかけてハッとなる。

(き、禁句・・・)

慌てて口を押さえるが・・・、

「あたし? あたしは本当に相手を探さないとね・・・」

赤い髪の女の周りに黒いオーラが立ち上る。
思わず後退る二人。

(メリンダに合う男なんているのかしら?)

と密かに思ってしまったりして。
バレたら殺されるかも。

「あら? あの男」

赤い髪の女が道行く人混みの中を進む、フードの男を見つけた。

「どこ?」
「あのフードの?」

なにやらキョロキョロと辺りを見回しながら歩いている。
何かを探しているのだろうか?

「あれは絶対にいい男だわ!」

赤い髪の女が自信たっぷりに言い張る。

(またいい男の臭いを嗅ぎつけたのか・・・)

二人は感心する。
赤い髪の女が、顔が隠れていてもいい男と言うと、本当にいい男(見た目は)なのだから凄い特技だ。

「決めたわ! あたしの今夜のお客♪」

と鼻歌ルンルンになる。

(相変わらず客を選り好みするなぁ・・・)

客など選べる商売ではないのだけれども、この女だけは選り好みが激しい。
それでもそれなりに食べていけるほど人気があったりするのだから、かなり凄い技術を持っているのだろう。と感心。

「それじゃ、二人共、頑張ってね」

と意気揚々にフードの男に向かって近づいていった。
残された二人。
呆れながらも、まあ、彼女だしね。と納得している。

「カーヴィラ」
「ん?」
「結婚、待ってもらってるんでしょ? メリンダのために」

背の高い女がギクリとなる。

「い、いつ・・・、知って・・・」
「何人かはもう知ってるわよ。でもそれを知ったら、メリンダが悲しむわよ。
 さっさと結婚しちゃったら?」
「でも・・・、ね・・・」
「カーヴィラの言いたいことは分かるわ。
 メリンダがこの街に来てから、みんな安心して暮らせるようになって、
 あたしら娼婦もちゃんと商売できて、しっかり稼げるようになった。
 何もかもメリンダのおかげで平和に暮らせるようになった・・・」
「そう、だからこそ、・・・だからこそ、その、メリンダを差し置いてなんて、自分だけなんて・・・」
「気持ちは分かるわ。だけど、それでメリンダは納得しないわよ」

背の高い女がしょんぼりとなった。
青い髪を束ねた女は、励ますように軽くその背中を叩いた。



















フードの男が人混みの中を、辺りを見回しながら歩いて行く。
その後ろに足早に近づいていく赤い髪の女。

「ちょいと、お兄さん」

その肩に手を乗せる。
フードの男が振り向いた。
マスクまでしていて、長い前髪まで邪魔しているので、顔がハッキリ見えないが、その眼光は鋭く、どことなく気品に満ちたオーラがある。

「何かお探し?」
「ああ・・・」

困った体で男が息を吐く。

「連れとはぐれてな・・・」
「そうなの」
(ち、連れがいたか・・・)

心の中で舌打ち。
もう一人いたりすると、断られることもあるので。
まあ、なんだったらその連れも一緒になどとも考える。

「もしなんなら、あたしと少し、遊んでいかない?」

と、大きな胸を強調しながらしなだれかかる。
普通の男なら、ここで垂涎もので、強調された胸の谷間を覗いてくるものなのだが、フードの男は違った。
体を強ばらせ、体を離そうとしてくる。
そこは腕の?見せ所。
掴んだ獲物は離しません。

「い、いや、遠慮する・・・」

と怖々体を離そうとする男にずいずいと体を押しつける。

「あら、少しくらいいいじゃない」
「いや、連れを探さないと・・・」

となおも離そうと頑張る。
そこで必殺、

「サービスするわよん」

と思いっきりその胸板に大きい胸を押しつける。
これで感じない男はいないだろう。
ところがどっこい、

「いや、俺はいらない・・・」

と肩を掴んで引っぺがした。

(そうとう堅いわねこの男。でも逃がすもんですか)

逃げられれば逃げられるほど燃えてくるというもの。
しかもまだそのフードの下の素顔さえ見ていない。
絶対にいい男なのだから、是非見てみたい!
なので、

「しょうがないわね」

一度引くことにした。
あからさまにほっとする男。

「別の・・・」

油断した男の腕を掴む。

「場所に移動して話しましょう♪」
「ちょ、ちょっと待て!」

言うが早いか、路地裏目指して歩き出す。
油断していた男は引っ張られるがままに、路地裏へと引きずり込まれていった。


















壁際に追い詰められた男。
それに迫る赤い髪の女。
立場逆でない?というツッコミは置いといて。

「さて、ここなら・・・」

チラリと胸元アピール。

「ゆっくりと・・・」

チラリと太腿アピール。

「お話しできるわね」

と男に絡みつく。
当たる胸元、絡む太腿。
これで感じない男はいないハズ!
フードの男も体を固くしている。

「ちょ、俺は・・・、こんなことをしてる場合じゃ・・・」

なおも逃れようともがく男。

「あらん? 野暮ね。これだけのことをされて何も感じないの?」

むにゅんとさらに押しつける。

「ああ・・・」

顔を背けながら男が答える。
感じてるなこいつ。
ここまでくれば、大抵の男は陥落する。
それでもしないとなると・・・。

「まさか・・・、男色家?」
「違う!」

鋭い返しだった。
余程男色家という言葉を嫌っているのか?

「だったらそれを証明してよ」

さらに体を絡ませ、

「か・ら・だ・で」

と迫る。
男は少し思案し、切り出す。

「本当に俺に抱かれたいと思うのか?」

とおかしな事を言い出した。
なにか不自然さを感じた物の、やっとその気になったかと思い、

「うふ、お兄さんいい男そうだから、満足できなかったら安くしてもいいわよ」

とにこやかに答える。

「これでも?」

男がフードとマスクを取った。
その下から現われた顔は、青緑の肌、銀の髪、尖った耳。

「な・・・、だ、ダー・・・」
「騒ぐな」

男が女の口を塞ぎ、壁にドンと押しつける。

「静かにしろ。別に取って食ったりしない。騒がなければ何もしない。いいな?」

凄んだ声で睨まれ、女は頷くことしかできない。
男がゆっくりと手を放す。
女は度胸が据わってでもいるのか、騒ぐこともなく、逃げることもなかった。
ダーディンを反対に睨み付け、

「この街へは何しに?」

と尋ねた。
男はマスクとフードを元のように直す。

「別に。ただ通りかかっただけだ。一晩泊まったら明日には出て行く。
 だがもし、お前が騒ぐようなら、この街の人間を皆殺しにする」
「!」
「騒がなければ何もしない。分かったな?」

念を押すように言うと、男は足早にその場を立ち去っていった。
残された女はしばらくその後ろ姿を眺めていた。

(ダーディン・・・。初めて見たけど・・・)

ヨロリと壁に寄りかかる。

(いい男・・・)

顔だけはな!!

(じゃなくて! 何しに来たのかしら? 何もしないなんて言ってたけど、信用ならないわ。
 もしこの街で何かするようなら、容赦しない・・・)

女の目が人混みを歩いて行く男を睨み付ける。
相変わらずキョロキョロと、何かを探すように歩いている。

たたたっ

女の目の前を、一人の少年《・・》が走って行った。
旅装束の12、3位の男の子・・・

(あの男の子・・・)

女がその少年《・・》に目を奪われる。

(かわいい~~~。2、3年後が楽しみ~~~♪)

それしか頭にないんかい!!

少年《・・》が器用に人混みを掻き分け、走って行く。

(そういえば、連れを探してるって・・・)

女が先程のダーディンの言葉を思い出していた時、その少年《・・》が地を蹴り、飛んだ。
女がギョッとなる。

「テル見―――っけ!」
「ガ」

見事な後ろからのフライングアタック。

ずっでん!

と土埃を上げながら転がる二人。
倒れた男の背に跨がり、平気の平左のけろっとした少年《・・》。

「どこ行ってたの? 探したんよ? 迷子になったらだめだよ?」

ダーディンの方は、下敷きにされた体を起こしながら、

「迷子は・・・、お前だ―――!」
「にゃは」

道ばたで説教が始まった。
道行く人は呆れ、笑いながら通り過ぎて行く。
しかし、そんな二人を青い顔をして見ている路地裏の赤い髪の女。

(あの子・・・、何者?! ていうか、ダーディンの連れって、あの可愛い男の子・・・?!)

ここまで読んできてくれている読者の皆様ならもうお気づきとは思うが、ツッコミはひとまず置いときます。

(は! そうか! ダーディンの非常食ね! 
 だからこの街の人間には手を出さないって・・・。
 あんないたいけな可愛い男の子・・・を騙して連れ歩いて、
 いざとなったら、食べる気なんだわ! 
 そうはさせるもんですか!!)

二人の後を付いて行くと、一軒の建物に入っていく。

(バッカスの宿屋ね)

どうやら一晩泊まるというのは本当のようだ。

(明日には街を出るって言ってたから・・・、助け出すには今夜しかない!)

女は意を決し、その場を後にした。
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