キーナの魔法

小笠原慎二

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キーナのバイト

女に見える

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ズリズリと木に背を預けながら立ち上がる。
突然のことで不覚をついた。
体のあちこちを風で切られ、ついでに吹き飛ばされた時に、うまく体勢を整えられなかった。

「このくらいも躱せないとは、人の身の限界か? 買いかぶり過ぎたな」

ニヤリと口を歪ませる。
ここまでだなと確信して。
だが、

「地縛(ウルバル)!」

テルディアスが魔法を繰り出す。
ザザザザと木の根が伸び、グリスタを捕まえる。

「ウギャアオウ!」

グリスタが叫んだ。
逃げようとするが、木の根はしっかりとグリスタを巻き込んでその場に留める。

「このために魔力を練っていたからな。避けられるものも避けられなかっただけだ」

平然と言い放つ。

「貴様! なぜ私の性質を風だと・・・?!」

妖魔にも実は性質がある。
地の性質を持つもの。
水の性質を持つもの。
風の性質を持つもの。
火の性質を持つものも存在するのかもしれないが、それは確認されていない。
多いのは地の性質のもの。
これはあちこちで見られる。
水も多く、水辺に多い。
風は珍しく、今回のように知恵が付くようなものになると、地に偽装しているものもいたりする。
このグリスタが今まで退治できなかったのも、対地の戦法で戦っていたせいかもしれない。
まあ、講釈はこれくらいにして。

「ただお前とやり合っていただけだと思っていたのか? 性質を探る為に色々試していたに決まっているだろう」
「!」

テルディアスは妖魔と戦った経験がある。
それこそ何十、何百と。
それ故に知っていた。
妖魔にもそれぞれ性質があり、戦い方を間違えると命取りになることを。

「おのれ――!!」

グリスタが叫んだ。

「地・・・」

テルディアスの剣が鈍く光り出す。




















「ちかりた・・・」

床に座り、もへ~っとベッドに顎を預けて、キーナが独りごちる。
反対側から見れば、見事に生首が乗っているように見えるだろう。
よくやったなそんな遊び。

「テル・・・、まだ来ない・・・」

一日くるくるとよく働いた。
食材が切れていつもより早い閉店となったが、なかなか客が帰ろうとせず、お店を閉めるのにも苦労した。
何より着慣れないスカートにちょっとストレスを感じていたりして。
キーナはズボン派なのです。

「今、何してるんかな?」

顎を乗せたまま窓を見ると、綺麗な星空が見えた。

「早く帰って来ないかな」

信じている。
必ず迎えに来てくれると信じている。
だがしかし、心配であることも事実だ。
信じていても。

「一人は、寂しいよ・・・」

昨夜に続き今日も一人で寝る。
離れた部屋に女将さん達がいるとはいえ、キーナは寂しかった。
テルディアスの気配を傍に感じられないことが、とても寂しかった。





















夜が明けて、街に活気が戻ってくる。
その中をフードを被った人物が足早に通り過ぎていく。

(手続きに手間取った)

顔を見せられないこととか、本当に一人で退治したこととか、色々説明するのが大変だった。
なんとか誤魔化せる所は誤魔化し(そのせいで時間がかかったのだけど)、なんとか賞金を手に入れてキーナの待つあの飯屋へ向かっていた。
ふと見ると、道の先に行列ができている。

(なんだ? あれは?)

よく見ればあの飯屋ではないか。
しかも並んでいる客は全員男で、皆一様に店の中を覗き込んでいる。
なんだか変な光景だ。

(こんなに盛況だったか?)

不思議に思いながら、テルディアスは戸口の所にいる男に声をかける。

「ちょっと、通してくれ」
「あん?」

睨まれた。

「何言ってんだ、順番守れよ」
「いや、その、俺は・・・」

客ではないのだけれど、どう説明したら分かってくれるだろう。
と、テルディアスの耳に男達の会話が聞こえてきた。

「かわいいなぁ。キーナちゃん」

・・・・・

(かわいいなぁ? キーナちゃん?)

聞き慣れない単語を聞いて、思考回路が凍る。

「あの笑顔がいいよな」
「あの脚線美もたまらん」
「見えそうで見えないスカートが絶妙!」
「今日こそプロポーズする!」

なんだかよく分からないが、テルディアスは頭に血が上っていくのが感じられた。

「おい」

先程の男に声をかける。

「なんだよ。だから順番・・・」
「そこをどけ」

テルディアスから発せられる鋭い殺気に、男は気圧され、

「ハイ・・・」

素直にそこをどいた。



















扉を開くと、カロカロと音が鳴り響いた。

「はーい! いらっしゃ・・・」

と笑顔で言いかけ、キーナが止まる。
キーナのその姿を見たテルディアスは、

(な、なんつー格好!)

とギョッとなるが、

(というか、キーナ?)

あまりの変わりように、別人ではないのかと疑ってしまう。

「テルゥ!」

うん、その呼び方はキーナだ。
安心するテル君。
駆け寄ってくるキーナ。
ところが短いスカートがひらりと揺れて、男達の視線が不可侵領域に集まる。
それに気付くテルディアス。
それに気付かないキーナ。

「おっかえりー!」

といつものように飛びついて来た。
テルディアス慌ててマントで隠す。
が、キーナの勢いに呑まれ、後ろに一緒にズッデ~ン。

(こいつは、学習せんのか!)

多分してない。
倒れた拍子にテルディアスの胸板で鼻を打ったキーナ。

「あてて・・・」

と痛がる。
それくらい予想しろよ。

「キーナ、お前な。スカートだということを忘れてるだろ」

キーナが思い出し、ばっと後ろを確認する。
が、マントが守ってくれていました。

「あ、ありがとお、テル・・・」
「まったく、お前は毎度毎度・・・」

とテルディアスの説教が始まりかけた時、

「よう、何かと思ったら、帰ってきたのか!」

主人が顔を出して来た。
その後から女将さんも顔を出し、

「まあ! 帰ってきたのね!」
「ああ」

テルディアスには、何故か二人がちょっと物珍しそうな顔をしているような気がした。

「とにかく二人共、奥に来て!」

女将さんが呼んだ。
とたんに店中からブーイングが上がる。

キーナちゃーん
その男はなんだー!
なんで奥にー!

などのヤジを、

「うるさい!」

の一言で女将さんが片付けて、三人は奥に入っていった。




















テーブルの上にもらってきた賞金の袋を置く。
かなりの量が入っている。

「これがその金だ」

その大きな袋を見て、

「本当に退治してきたのね・・・」

と女将さんが呟いた。
キーナはつんつんしている。

「当たり前だろう」

テルディアスにとってはそれほどの敵ではなかった。

「迷惑をかけた。倍額で支払いを・・・」
「あら、いいわよ。そんなに気を使わなくて」
「だが・・・」

テルディアスからしてみれば、一度は食い逃げを算段してしまったこともあるし、キーナを二日間預かってもらったこともあるし、それなりに払って終わりにさせたかったのだが・・・。

「この子のおかげで十分稼がせてもらったし、おまけに楽しかったし」

とキーナに抱きつきながら、本当に楽しそうに答えた。

「にゃ?」

キーナは言われたことをただ一生懸命にこなしていただけなのにと思ったが。

「この子の稼ぎだけで十分おつりが出るわよ」

なにせ昨日の売り上げが、一月分を越えるくらいの稼ぎになったのだ。
今日もこの分だと、昨日の売り上げを超えるかもしれなかった。
食材がもてばの話だが。

「そのお金はあんたらの今後の為に使いなさい。うちはもう十分だから」

女将さんがにっこりと微笑む。
テルディアスとキーナのことを考えて言ってくれているのだろうことは分かるけれども。

(俺は何の為にグリスタ退治に行ったんだっけ?)

テルディアスは疑問が沸いてくるのを止めることができなかった。

「おーい、そろそろ限界だー!」

主人の声が響いてきた。

「はいはい! 今行くわ!」

女将さんが答える。
そして、キーナに向き直り、その両手をガシッと掴むと、

「キーナちゃん、お願いがあるんだけど」
「何?」
「今日一日だけお店を手伝ってくれない?」

テルディアスがずっこけた。

「おい、ちょっとまて・・・」

もう十分だと言うならキーナを働かせる必要はないじゃないか!と言いたかったのだが、

「うん、いいよ」

とキーナがにっこり答えたのを見て、テルディアスはも一度ずっこけた。
そして隅っこで、

(俺は一体何の為に・・・)

と落ち込んだ。
まあ、世の中そんなもんだよ、テル君。


















キーナが部屋へ案内する。
ベッドが一つ置いてある。
キーナが寝かせてもらっていた部屋だという。

「じゃ、テルはここで待っててね。寝ててもいいよ」

疲れてるのだろうと気を使っている。
だが、いくら何でもさすがにそこには寝られない。
ので、とりあえず座った。

「何か飲む? それとも食べる?」
「いや・・・」
「何かあったら言ってね! 何でもするよ!」
「ああ・・・」

ここ二日の間に覚えた事を、テルディアスの為に使える事が嬉しくてしょうがないようだ。

「じゃ、僕お店手伝ってくるから」

特に何もないなら、お店に行かねばと方向転換した時、

「キーナ」

とテルディアスが呼んだ。

「何?」

シュタッっと素早くテルディアスの前に膝立ちになる。
その素早さにビビるテルディアス。

「い、いや、その・・・、悪かったな・・・」
「何が?」
「だから、その、色々・・・」
「色々?」
「そんな格好させて、仕事させたりとか・・・。帰ってくるのにも、時間がかかった・・・」

一応気にしているのだ。

「なあんだ、そんなこと!」

キーナは気にしていないようだ。

「大丈夫大丈夫。この仕事結構楽しいんだよ!」

楽しんでいた。

「そうか・・・」

良かったのか、悪かったのか。

「それに、テルのこと信じてたもん。必ずグリスタ退治して、帰ってくるって」

キーナの笑顔に一瞬見惚れてしまう。
次の瞬間視線を外し、口元に手を当て、顔を隠す。

(こいつは・・・)

絶対赤面している。
顔が熱を持っているのが分かった。
なんとか気持ちを落ち着けて、キーナに向き直る。

「この頭は?」
「女将さんがね~、やってくれたんだよ」
「そうか・・・」

左手を伸ばし、キーナの付け毛を手に取る。
感触は本物の毛と変わらない。
というか、毛でできてるんだったか?
その辺りの事情は詳しくない。
自然とその手を口元に持っていく。
髪にキスでもするかのように。
キーナと目が合う。
その顔はいつもと同じキーナのもの。
だが、

(髪型が、違うせいか、いつもと違って、女に見える・・・)

しばし二人は無言で見つめ合った。
テルディアスの視線がいつもよりも熱くて、目が離せないキーナ。
それでもなんだか照れくさくなって、

「に、似合う?」

と気持ち上体をテルディアスからつつつと離す。

「ああ・・・。女に見える・・・」


・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・


二人が再び無言で固まった。
だが先程とは違い、妙な緊張感が走る。
テルディアスが冷や汗をダリダリ流す。
キーナの顔は怒りに染められている。

「それって喜ぶべき?」

汗がダリダリダリ。

「その・・・あの・・・え・・・と・・・」
「どーーーーーーせ! 僕は男の子にしか見えないよーだ!」

ゆらりと立ち上がり、へ!と息を吐くと、

「お店手伝ってくる!」

と、がに股でドスドスと部屋を出て行った。
後に残ったのは冷や汗ダリダリのテル君。

(アホか・・・。何言ってんだ俺は・・・)

おもっくそ自分の発言を後悔しましたとさ。
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