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記憶喪失編
お姉ちゃん
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「はぁっ、はぁっ、ふぅ~」
走り疲れてキーナの足が止まる。
(あ~びっくりした。いきなり人のことキーナって呼んでどこかに連れてこーとするんだもん。あげくにお姉ちゃん人身売買の人にされちゃうし。あの人の妄想にしてはちょっとリアル過ぎたな~。う~ん・・・)
姉と名乗る人物の話も、今の風変わりな男の人の話も、どちらも真実味がある。
だがしかし、記憶がないのでどちらが真実なのかもよく分からない。
(僕・・・、誰なんだろう・・・)
早く思い出して自由に走り回りたかった。
姉だと名乗る人物は、頭を打ったのだから大人しく寝ていなさい!と自分を部屋に閉じ込めておこうとする。
なので、いない隙にこうやって黙って散歩に出て、何か記憶の手掛かりになるものはないかと探し歩いているのだ。
そろそろと自分の部屋(と言われた部屋)の窓の所に戻ってくる。
窓から中の様子を探るが、まだ帰ってきてはいないようだった。
するりと窓から入り込み、急いで着替える。
(記憶を取り戻せばいろいろ分かることだけど、でもお姉ちゃん、僕に記憶戻って欲しくなさそうなんだよね。だから人買い云々て、否定できなかったんだけど・・・。それは絶対に違うと思うけど・・・。う~ん、わっかんない)
ベッドの中へ入って準備ばっちこい!と思ったその時、
ガッチャン!
ガチャガチャ!
バタ、バッタン!
と玄関の方からもんのすんごい騒がしい音が。
「なんにゃあ?!」
慌てて玄関の方へ走っていく。
「お姉ちゃん! お帰り! 何かあったの?!」
「今そこで、ダーディン、に襲われたのよ・・・」
そう言っているお姉ちゃんの顔は真っ青だった。
余程あわくって逃げてきたのか、息が切れている。
「いきなり羽交い締めにされて、『キーナじゃない』って・・・、どういう意味かしら?」
お姉ちゃんは魔法の心得があるので、それでなんとか振り切って逃げてきたらしい。
「生きて帰れたのは幸運だったわ~」
とほっとため息。
(キーナって・・・、さっきの?)
「お姉ちゃん、ダーディンて何?」
「ああ、そうね。フロウは忘れてるんだったわね」
そう言ってお姉ちゃんはダーディンについて説明し始める。
・青緑の肌
・尖った耳
・銀色の髪
ウクルナ山脈の向こうにいると言われている、冷酷な食人鬼であると。
(えええええ~~~・・・)
じゃあ、さっき会ったあの人は・・・。
「ダーディンを見つけたらすぐに逃げなさい! じゃないとあなたの命が危ないからね! 明日にでも村の人達に行って山狩りしないと! あ、夕飯できるまで休んでていいわよ~」
心の中の動揺を悟られまいと、有り難く大人しく部屋に引っ込む。
バタンと扉を閉めて、
(ぼ、僕、凄い人とお話ししてたのね~~~)
自分の状況に唖然となるが、
(でも、そんな風には見えなかったし・・・、それに・・・、凄く優しい瞳をしてた・・・)
人を食べるような雰囲気を持っていなかったし、暴力的には見えなかった。
どちらかというと寂しそうな感じで、親とはぐれた狼の子供のような・・・。
気品があるというか、気高い感じがした。それでいて人にあまり懐かないような感じで。
でも自分に見せていた表情は、とてもリラックスしていたような。
まあ、話の仕方はちょっと強引ではあったけど。
ベッドに座って考える。
(なんだろ・・・。ちょっと怖い感じはしたけど、もう一度会って、話がしたい)
あの時はいきなり色々言われて頭が混乱してしまったけど、自分のことを知っているような雰囲気だったし、人違いかもしれないけれど、何か手掛かりになるようなものを持っているかもしれない。
もう一度会って冷静に話をすれば、何かが分かるかもしれない。
キーナは明日もう一度散歩(という名の脱走)をしようと心に決めた。
その部屋の外に、うずくまる人影。
(ここにいたか・・・。気が動転していたとはいえ、服が似てると言うだけで違う女を捕まえてしまうとは・・・)
年格好も全く違うのに、遠目から見て同じような服装をしていたので、思わず捕まえてしまった。
抱きついてみれば、背も高いし髪も長い。全く違う人物だった。
慌てて逃げ出したのだが、一発火球を食らってしまった。
それで我に返って、その似た服を着た女の後を追っていくと、この家に着いたのだった。
裏に回って覗いてみると、ちょうどキーナが部屋に入ってきた所だった。
(おかげで居場所は分かったが・・・)
自分でもバカな行動をしたと反省。
とにかく様子を見ることにした。
一夜明けて朝になり、お姉ちゃんはまた村に用があるのでお出かけ。
「いい? フロウ。外はダーディンがいるのだから今日は軽い散歩も駄目よ?! 分かったわね?! 私は村のみんなにダーディンの事を報せてくるから」
「うん。分かってる。行ってらっしゃい」
大人しくお姉ちゃんが出かけていくのを見送る。
バタンと扉が閉まったのを確認すると、いそいで自分の部屋に戻る。
ささっと着替えてバスケットを持って、またもや窓からチョロリっと出て行く。
そのまま森の中を走って、昨日ダーディンに会ったと思われる付近に来て足を止める。
そこで考えた。
(む? そーいえば、なんて呼べばいいんだ?)
名前を聞いてない。
(う~ん・・・)
仕方ないので、
「ダ、ダーディンさ~ん・・・」
これで出てくるかしら?と思っていると、
「何故来た?」
とすぐ後ろの木の陰から声が。
振り返ると、いましたいました。昨日のダーディンさんです。
「ダーディンの事を聞いたんだろ?」
なんとなく昨日よりもトゲトゲした雰囲気を発している。
やっぱりちょっと怒っているのだろうか?
「き、聞いたけど、そんな悪い人には見えなかったから」
キーナは正直に答えた。
ダーディンさんは思いました。
(アホかこいつ・・・)
食人鬼と聞いたのに、「悪い人に見えなかったから」という理由で近づいてくるなんて。
もしこれで本物だったら、どうぞ食べてくださいと言っているようなものだ。
「それに、食べ物持ってきたし!」
そう言ってずずいっと目の前にバスケットを掲げてみせる。
「お腹いっぱいになれば人間も食べないでしょ?」
ダーディンて雑食性なんだろうか?
テルディアスは頭を抱えた。
とりあえず座って、お腹が減っているのも事実だし、持ってきた食料を有り難くいただく。
「会えて良かったぁ。昨日あんな帰り方したから怒ってるかと思った」
「別に・・・」
怒ってはいない。怒っては。
「僕、本当に何も分かんなくて、どうしたらいいのかよく分からなくて。ずっと引っかかってる事があって、どうしても思い出したくて・・・。なんなのかは分からないけど、とても、大切な事だった気がして」
何か大切なことを忘れてる。とても大切な事だったはずなのに。
それが思い出せないのが悔しい。
記憶の手掛かりになる物もなくてとても悔しいのだ。
「でもお姉ちゃんは、無理に思い出さなくてもいいって・・・。なんだか、僕に思い出して欲しくないみたいで。ぼくがその、キーナって人なのか、フロウなのかよく分からないけど。お願い! 何でもいいから、知ってること教えて!」
思い出したい。大切な事を。
その手掛かりになるかもしれない人が、(人じゃないかもしれないけど)目の前にいるのだから。
テルディアスは少し俯いて考えた。
「お前は・・・、いや、キーナは、無鉄砲で無頓着で何を考えてるのかよく分からなくて、破天荒で天真爛漫で手に負えない奴だった。人を落とし穴に落とすし」
キーナが目を泳がせる。
なんかごめんなさいという感じがしたので。
「なんか、聞いてると無茶苦茶だね」
「事実だ」
きっぱりざっくり言い切られました。
なんとも言い様がないキーナ。
モグモグと食べ続けるテルディアス。
「でも、なんか僕らしい」
「?」
「お姉ちゃんの話だと、フロウは内気で人見知りで体が弱くて、外で遊ぶよりも家で本を読んでいるのが好きな子だったって。僕、自分がそんなに大人しい子だとは思えなくて」
そうだよね。そんな子が窓から脱走なんてするわけないよね。
「本読むのは嫌いじゃない気がするけど、それよりも外で暴れてる方が好きだった気がするのよね」
(暴れるって・・・)
外で遊ぶのではなく?
「だからお姉ちゃんの話にはなんか矛盾を感じてて。お姉ちゃん、僕に嘘ついてる気がしてて・・・。でも人買いとかそう言うのじゃないのよ! 一番大事な核心的なことを、話したくないって言うか、僕に知られたくないみたいで・・・」
お姉ちゃんは何かを隠してる。
その違和感がなんだか嫌だった。
思い出せばそれもなくなるかと思ったのだ。
「だから僕、思い出したいの。お姉ちゃんには迷惑かけっぱなしだから。早く記憶を取り戻して、僕にできることがあるならしたいの!」
頭を打って記憶をなくして、その手当もその後のことも、面倒をみてくれたお姉ちゃん。
何かを隠してはいるみたいだけど、自分を大事に思ってくれているのもよく分かる。
だから早く思い出したいのだ。
胸に引っかかっている大事なことも。
テルディアスはなんとも言えない顔をして聞いていた。
目の前の少女が、自分のことを思い出さないという事実に、思いの外ショックを受けている自分を宥めながら。
走り疲れてキーナの足が止まる。
(あ~びっくりした。いきなり人のことキーナって呼んでどこかに連れてこーとするんだもん。あげくにお姉ちゃん人身売買の人にされちゃうし。あの人の妄想にしてはちょっとリアル過ぎたな~。う~ん・・・)
姉と名乗る人物の話も、今の風変わりな男の人の話も、どちらも真実味がある。
だがしかし、記憶がないのでどちらが真実なのかもよく分からない。
(僕・・・、誰なんだろう・・・)
早く思い出して自由に走り回りたかった。
姉だと名乗る人物は、頭を打ったのだから大人しく寝ていなさい!と自分を部屋に閉じ込めておこうとする。
なので、いない隙にこうやって黙って散歩に出て、何か記憶の手掛かりになるものはないかと探し歩いているのだ。
そろそろと自分の部屋(と言われた部屋)の窓の所に戻ってくる。
窓から中の様子を探るが、まだ帰ってきてはいないようだった。
するりと窓から入り込み、急いで着替える。
(記憶を取り戻せばいろいろ分かることだけど、でもお姉ちゃん、僕に記憶戻って欲しくなさそうなんだよね。だから人買い云々て、否定できなかったんだけど・・・。それは絶対に違うと思うけど・・・。う~ん、わっかんない)
ベッドの中へ入って準備ばっちこい!と思ったその時、
ガッチャン!
ガチャガチャ!
バタ、バッタン!
と玄関の方からもんのすんごい騒がしい音が。
「なんにゃあ?!」
慌てて玄関の方へ走っていく。
「お姉ちゃん! お帰り! 何かあったの?!」
「今そこで、ダーディン、に襲われたのよ・・・」
そう言っているお姉ちゃんの顔は真っ青だった。
余程あわくって逃げてきたのか、息が切れている。
「いきなり羽交い締めにされて、『キーナじゃない』って・・・、どういう意味かしら?」
お姉ちゃんは魔法の心得があるので、それでなんとか振り切って逃げてきたらしい。
「生きて帰れたのは幸運だったわ~」
とほっとため息。
(キーナって・・・、さっきの?)
「お姉ちゃん、ダーディンて何?」
「ああ、そうね。フロウは忘れてるんだったわね」
そう言ってお姉ちゃんはダーディンについて説明し始める。
・青緑の肌
・尖った耳
・銀色の髪
ウクルナ山脈の向こうにいると言われている、冷酷な食人鬼であると。
(えええええ~~~・・・)
じゃあ、さっき会ったあの人は・・・。
「ダーディンを見つけたらすぐに逃げなさい! じゃないとあなたの命が危ないからね! 明日にでも村の人達に行って山狩りしないと! あ、夕飯できるまで休んでていいわよ~」
心の中の動揺を悟られまいと、有り難く大人しく部屋に引っ込む。
バタンと扉を閉めて、
(ぼ、僕、凄い人とお話ししてたのね~~~)
自分の状況に唖然となるが、
(でも、そんな風には見えなかったし・・・、それに・・・、凄く優しい瞳をしてた・・・)
人を食べるような雰囲気を持っていなかったし、暴力的には見えなかった。
どちらかというと寂しそうな感じで、親とはぐれた狼の子供のような・・・。
気品があるというか、気高い感じがした。それでいて人にあまり懐かないような感じで。
でも自分に見せていた表情は、とてもリラックスしていたような。
まあ、話の仕方はちょっと強引ではあったけど。
ベッドに座って考える。
(なんだろ・・・。ちょっと怖い感じはしたけど、もう一度会って、話がしたい)
あの時はいきなり色々言われて頭が混乱してしまったけど、自分のことを知っているような雰囲気だったし、人違いかもしれないけれど、何か手掛かりになるようなものを持っているかもしれない。
もう一度会って冷静に話をすれば、何かが分かるかもしれない。
キーナは明日もう一度散歩(という名の脱走)をしようと心に決めた。
その部屋の外に、うずくまる人影。
(ここにいたか・・・。気が動転していたとはいえ、服が似てると言うだけで違う女を捕まえてしまうとは・・・)
年格好も全く違うのに、遠目から見て同じような服装をしていたので、思わず捕まえてしまった。
抱きついてみれば、背も高いし髪も長い。全く違う人物だった。
慌てて逃げ出したのだが、一発火球を食らってしまった。
それで我に返って、その似た服を着た女の後を追っていくと、この家に着いたのだった。
裏に回って覗いてみると、ちょうどキーナが部屋に入ってきた所だった。
(おかげで居場所は分かったが・・・)
自分でもバカな行動をしたと反省。
とにかく様子を見ることにした。
一夜明けて朝になり、お姉ちゃんはまた村に用があるのでお出かけ。
「いい? フロウ。外はダーディンがいるのだから今日は軽い散歩も駄目よ?! 分かったわね?! 私は村のみんなにダーディンの事を報せてくるから」
「うん。分かってる。行ってらっしゃい」
大人しくお姉ちゃんが出かけていくのを見送る。
バタンと扉が閉まったのを確認すると、いそいで自分の部屋に戻る。
ささっと着替えてバスケットを持って、またもや窓からチョロリっと出て行く。
そのまま森の中を走って、昨日ダーディンに会ったと思われる付近に来て足を止める。
そこで考えた。
(む? そーいえば、なんて呼べばいいんだ?)
名前を聞いてない。
(う~ん・・・)
仕方ないので、
「ダ、ダーディンさ~ん・・・」
これで出てくるかしら?と思っていると、
「何故来た?」
とすぐ後ろの木の陰から声が。
振り返ると、いましたいました。昨日のダーディンさんです。
「ダーディンの事を聞いたんだろ?」
なんとなく昨日よりもトゲトゲした雰囲気を発している。
やっぱりちょっと怒っているのだろうか?
「き、聞いたけど、そんな悪い人には見えなかったから」
キーナは正直に答えた。
ダーディンさんは思いました。
(アホかこいつ・・・)
食人鬼と聞いたのに、「悪い人に見えなかったから」という理由で近づいてくるなんて。
もしこれで本物だったら、どうぞ食べてくださいと言っているようなものだ。
「それに、食べ物持ってきたし!」
そう言ってずずいっと目の前にバスケットを掲げてみせる。
「お腹いっぱいになれば人間も食べないでしょ?」
ダーディンて雑食性なんだろうか?
テルディアスは頭を抱えた。
とりあえず座って、お腹が減っているのも事実だし、持ってきた食料を有り難くいただく。
「会えて良かったぁ。昨日あんな帰り方したから怒ってるかと思った」
「別に・・・」
怒ってはいない。怒っては。
「僕、本当に何も分かんなくて、どうしたらいいのかよく分からなくて。ずっと引っかかってる事があって、どうしても思い出したくて・・・。なんなのかは分からないけど、とても、大切な事だった気がして」
何か大切なことを忘れてる。とても大切な事だったはずなのに。
それが思い出せないのが悔しい。
記憶の手掛かりになる物もなくてとても悔しいのだ。
「でもお姉ちゃんは、無理に思い出さなくてもいいって・・・。なんだか、僕に思い出して欲しくないみたいで。ぼくがその、キーナって人なのか、フロウなのかよく分からないけど。お願い! 何でもいいから、知ってること教えて!」
思い出したい。大切な事を。
その手掛かりになるかもしれない人が、(人じゃないかもしれないけど)目の前にいるのだから。
テルディアスは少し俯いて考えた。
「お前は・・・、いや、キーナは、無鉄砲で無頓着で何を考えてるのかよく分からなくて、破天荒で天真爛漫で手に負えない奴だった。人を落とし穴に落とすし」
キーナが目を泳がせる。
なんかごめんなさいという感じがしたので。
「なんか、聞いてると無茶苦茶だね」
「事実だ」
きっぱりざっくり言い切られました。
なんとも言い様がないキーナ。
モグモグと食べ続けるテルディアス。
「でも、なんか僕らしい」
「?」
「お姉ちゃんの話だと、フロウは内気で人見知りで体が弱くて、外で遊ぶよりも家で本を読んでいるのが好きな子だったって。僕、自分がそんなに大人しい子だとは思えなくて」
そうだよね。そんな子が窓から脱走なんてするわけないよね。
「本読むのは嫌いじゃない気がするけど、それよりも外で暴れてる方が好きだった気がするのよね」
(暴れるって・・・)
外で遊ぶのではなく?
「だからお姉ちゃんの話にはなんか矛盾を感じてて。お姉ちゃん、僕に嘘ついてる気がしてて・・・。でも人買いとかそう言うのじゃないのよ! 一番大事な核心的なことを、話したくないって言うか、僕に知られたくないみたいで・・・」
お姉ちゃんは何かを隠してる。
その違和感がなんだか嫌だった。
思い出せばそれもなくなるかと思ったのだ。
「だから僕、思い出したいの。お姉ちゃんには迷惑かけっぱなしだから。早く記憶を取り戻して、僕にできることがあるならしたいの!」
頭を打って記憶をなくして、その手当もその後のことも、面倒をみてくれたお姉ちゃん。
何かを隠してはいるみたいだけど、自分を大事に思ってくれているのもよく分かる。
だから早く思い出したいのだ。
胸に引っかかっている大事なことも。
テルディアスはなんとも言えない顔をして聞いていた。
目の前の少女が、自分のことを思い出さないという事実に、思いの外ショックを受けている自分を宥めながら。
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