47 / 296
ちょっと寄り道編
ちょっと寄り道
しおりを挟む
連れが一応女だということもあり、野宿は辛かろうと宿屋に泊まる。
もちろん部屋は別々。
自分のことを周りに知られないように、きちんと施錠し、念の為結界を張って寝る。
だのに…。
目覚めると、なぜか腕の中にこげ茶色の頭が…。
どうやって?
静かな朝に、テルディアスの悲鳴がこだました。
むすっとした仏頂面で歩くテルディアス。
まあ当然と言えば当然だろう。
「テル~、なんで怒ってるの~?」
元凶たる能天気娘は何も分かっちゃいない。
「久しぶりに一緒に寝たかっただけじゃん」
一応こいつ14です。
キーナの言葉にビシリっと怒りマークの浮かぶテル君。
ギロリっとキーナを睨み付けるが、暖簾に腕押し。
何故睨まれているのかも理解できないキーナには、あまり効き目はなかった。
諦めて溜息をつく。
(結界は張られたまま。鍵もしてあった。どうやって入ってきたんだ? …の前に、隣にこいつが入ってきたことに、何故気づかないんだ俺は?!)
頭を抱えて座り込んでしまうテル君。
「テル?」
一応心配して声をかけるキーナ。
お前が元凶だっつーに。
「顔色悪いよ?」
だからお前が元凶だ。
スタスタスタと街道を順調に進んでいく二人。
水の都はまだまだ遠い。
ふと木立が途切れ、珍しく花畑が広がっていた。
色とりどりの花、花、花。
「おおっ!」
キーナが歓声を上げた。
「お花畑~♪」
小さい花、大きい花、中くらいの花。
赤、青、黄色に白、ピンク。
花好きな者にはまさに天国とも言えるべき光景が広がっていた。
そしてまあ、例に洩れず、キーナも一応女の子なので、花が好きだった。
「摘んでもいい?」
と振り向いたその顔には、摘むぞ、と書いてあった。
(摘む気満々だろ…)
ここで拒否してもきっと面倒くさいことになる、と察知したテル君は、大人しくキーナの要望を聞き入れた。
ほんの少しの間ならよい、と。
「わーい!!」
街道の結界から出るのは危険が伴う。
まあ前にも説明したが、妖魔に襲われる確率が高くなるのだ。
そんなことを知っているのか知らないのか、はたまた理解していないのか。
軽々と結界を飛び越えて、キーナは花の野に駆けだした。
テルディアスも大人しくキーナの後に続いた。
抗議しても無駄だと分かっているからかな?
足を踏み入れて、テルディアスはその花畑の空気の清々しさに驚いた。
(珍しいな…、魔の気配がない…。聖域か?)
聖域。
自然に作られた結界域とでもいうのか。
その場所には魔たるものは近づくことさえできない場所。
(昔はこれがあちこちにあったらしいが、考えられんな)
人が住む町などは、そんな聖域の名残らしいとかなんとか。
昔はもっと妖魔が少なかったらしい。
何故妖魔が増えてきているのかは、さすがにテル君も知らない。
「テル~、フードとマスク取っちゃったら? 誰もいないんだし。暑苦しくない?」
花を摘むことに精を出していたキーナが、テルディアスを見上げて言った。
(暑苦しい…。まあそうではあるが…)
素直にフードとマスクを取るテルディアス。
やはりなければない方がありがたい。
どうせ街道を行き来する物好きもそう滅多にいるものでもないし、少し陰になっているところにいれば、見られる心配もないだろう。
そして少し街道から見えないところに腰を下ろすテル君。
その間にもキーナはまるで忍者のように、あちこち花畑を移動している。
「女ってやつは…」
テルディアスが呟いた。
(あいつもそうだったな…)
少し昔を思い出した。
「はい」
差し出されたのは百合のような少し大きめの白い花だった。
花に疎いテルディアスにはその花の名前は分からなかった。
「なんだ? これは?」
「お花よ!」
摘んで来た当人のティアが叫ぶ。
「おばさまによ。綺麗だから摘んで来たの!」
テルディアスは至極迷惑そうな顔。
「2、3日で枯れるだろう」
「ちゃんと水を変えればもっと持つわよ!」
ティアがテルディアスの腕に花を押し付けた。
もっと迷惑そうな顔。
「おばさまはご病気で滅多に外に出られないのよ! 綺麗な花を持っていけば、少しは元気が出るでしょ!」
と力説。
だが…、
「枯れる様を見て、余計にしおれないか?」
テルディアスは真剣に質問した。
「…テルディアス、もう少し女心ってものを勉強したほうがいいわよ」
目の前の朴念仁に向かって、ティアは忠告した。
ほんとにこいつはまるで女心ってものを分かろうとしないのだから…。
ティアが溜息をついた。
その花を持っていったら、母も喜んでいた。
綺麗だと儚く笑いながら。
その後その花がどうなったかは、テルディアスは覚えていなかった。
パサリ。
頭の上で何かの音。
「花冠~!」
いつの間にかキーナが隣にいた。
器用に編まれた花冠が、頭に乗せられていた。
キーナも自分の頭に花冠を乗せた。
「おそろい。うまいっしょ?」
あの短時間で二つも作り上げたらしい。
器用な。
「小さい頃よく作ってたんだ~。いやあ懐かしい」
作者も小さい頃はシロツメクサの花冠作ってました。
それは置いといて。
と、花畑の中から、ピョコン、と小さな顔が飛び出した。
白い毛に覆われた長い耳の持ち主…。
「う?」
そう、長い耳といえば、
「うっさぎ~~~!!!!」
と叫びながら、器用に四つん這いでウサギを追いかけ始めた!
ずべっ
ずっこけるテル君。
どこの世界に四つん這いで追いかける女がいるか!
ここに。
しかも何気に早い。
ウサギに負けじ劣らじ、四つん這いで走る姿は…
「人間か?」
と呟きたくなるのも仕方ない。
ウサギの方が一枚上手だったらしく、花や草の影を移動して、キーナの目から逃れた。
見失ったキーナが花畑を眺めまわしている。
「まったく、キーナといると退屈しないというか…」
(自分がダーディンであるということを忘れそうになる…)
「とったーーー!」
キーナの勝どきがあがった。
どうやらウサギは逃げ切ることができなかったらしい。
「テルテル~! 見て見て! 捕まえた~!」
(器用な…)
野生のウサギを素手で捕るとは…いよいよ、人間か?
だいたい捕まえてどうする気なのだろう。
と考えたその時、キーナが何かに気づいたように動きを止めた。
ウサギにも違う緊張感が走った。
辺りを見渡すと、手の中のウサギを解き放つ。
「逃げて!」
言われずともとばかりにその場から逃げだすウサギ。
異常に気付いたテルディアスが立ち上がったと同時に、花畑の真ん中辺りから、黒いものが噴き出してきた!
光を、命を飲み込む闇のもの。
「ドールか?! 聖域に侵入して来たのか?!」
「いいえ、力が弱まっているの…」
そう呟いたキーナは、いつもと違うなんだか大人びたような気配を漂わせていて…。
「キーナ?」
「テルっ! とにかくあれを退治しないと!」
「あ、ああ!」
気のせいだったのか?
一瞬大人びたような気がしたが?
今はそんなことを考えている暇はなかった。
吹き出てきた闇の妖魔は、次第に形を整え、周りにある命を喰わんと、触手を伸ばし始める。
「火・球!」
キーナが火の玉を作り出し、ドールに向かって放つ。
見事命中し、頭と思われる部分が地面に落ちる。
「火・斬!」
テルディアスの放った火の刃は、ドールを真っ二つに割り斬った。
これだけの痛手を受ければ、普通のドールならば倒せるはずであった。
普通のものなれば。
もちろん部屋は別々。
自分のことを周りに知られないように、きちんと施錠し、念の為結界を張って寝る。
だのに…。
目覚めると、なぜか腕の中にこげ茶色の頭が…。
どうやって?
静かな朝に、テルディアスの悲鳴がこだました。
むすっとした仏頂面で歩くテルディアス。
まあ当然と言えば当然だろう。
「テル~、なんで怒ってるの~?」
元凶たる能天気娘は何も分かっちゃいない。
「久しぶりに一緒に寝たかっただけじゃん」
一応こいつ14です。
キーナの言葉にビシリっと怒りマークの浮かぶテル君。
ギロリっとキーナを睨み付けるが、暖簾に腕押し。
何故睨まれているのかも理解できないキーナには、あまり効き目はなかった。
諦めて溜息をつく。
(結界は張られたまま。鍵もしてあった。どうやって入ってきたんだ? …の前に、隣にこいつが入ってきたことに、何故気づかないんだ俺は?!)
頭を抱えて座り込んでしまうテル君。
「テル?」
一応心配して声をかけるキーナ。
お前が元凶だっつーに。
「顔色悪いよ?」
だからお前が元凶だ。
スタスタスタと街道を順調に進んでいく二人。
水の都はまだまだ遠い。
ふと木立が途切れ、珍しく花畑が広がっていた。
色とりどりの花、花、花。
「おおっ!」
キーナが歓声を上げた。
「お花畑~♪」
小さい花、大きい花、中くらいの花。
赤、青、黄色に白、ピンク。
花好きな者にはまさに天国とも言えるべき光景が広がっていた。
そしてまあ、例に洩れず、キーナも一応女の子なので、花が好きだった。
「摘んでもいい?」
と振り向いたその顔には、摘むぞ、と書いてあった。
(摘む気満々だろ…)
ここで拒否してもきっと面倒くさいことになる、と察知したテル君は、大人しくキーナの要望を聞き入れた。
ほんの少しの間ならよい、と。
「わーい!!」
街道の結界から出るのは危険が伴う。
まあ前にも説明したが、妖魔に襲われる確率が高くなるのだ。
そんなことを知っているのか知らないのか、はたまた理解していないのか。
軽々と結界を飛び越えて、キーナは花の野に駆けだした。
テルディアスも大人しくキーナの後に続いた。
抗議しても無駄だと分かっているからかな?
足を踏み入れて、テルディアスはその花畑の空気の清々しさに驚いた。
(珍しいな…、魔の気配がない…。聖域か?)
聖域。
自然に作られた結界域とでもいうのか。
その場所には魔たるものは近づくことさえできない場所。
(昔はこれがあちこちにあったらしいが、考えられんな)
人が住む町などは、そんな聖域の名残らしいとかなんとか。
昔はもっと妖魔が少なかったらしい。
何故妖魔が増えてきているのかは、さすがにテル君も知らない。
「テル~、フードとマスク取っちゃったら? 誰もいないんだし。暑苦しくない?」
花を摘むことに精を出していたキーナが、テルディアスを見上げて言った。
(暑苦しい…。まあそうではあるが…)
素直にフードとマスクを取るテルディアス。
やはりなければない方がありがたい。
どうせ街道を行き来する物好きもそう滅多にいるものでもないし、少し陰になっているところにいれば、見られる心配もないだろう。
そして少し街道から見えないところに腰を下ろすテル君。
その間にもキーナはまるで忍者のように、あちこち花畑を移動している。
「女ってやつは…」
テルディアスが呟いた。
(あいつもそうだったな…)
少し昔を思い出した。
「はい」
差し出されたのは百合のような少し大きめの白い花だった。
花に疎いテルディアスにはその花の名前は分からなかった。
「なんだ? これは?」
「お花よ!」
摘んで来た当人のティアが叫ぶ。
「おばさまによ。綺麗だから摘んで来たの!」
テルディアスは至極迷惑そうな顔。
「2、3日で枯れるだろう」
「ちゃんと水を変えればもっと持つわよ!」
ティアがテルディアスの腕に花を押し付けた。
もっと迷惑そうな顔。
「おばさまはご病気で滅多に外に出られないのよ! 綺麗な花を持っていけば、少しは元気が出るでしょ!」
と力説。
だが…、
「枯れる様を見て、余計にしおれないか?」
テルディアスは真剣に質問した。
「…テルディアス、もう少し女心ってものを勉強したほうがいいわよ」
目の前の朴念仁に向かって、ティアは忠告した。
ほんとにこいつはまるで女心ってものを分かろうとしないのだから…。
ティアが溜息をついた。
その花を持っていったら、母も喜んでいた。
綺麗だと儚く笑いながら。
その後その花がどうなったかは、テルディアスは覚えていなかった。
パサリ。
頭の上で何かの音。
「花冠~!」
いつの間にかキーナが隣にいた。
器用に編まれた花冠が、頭に乗せられていた。
キーナも自分の頭に花冠を乗せた。
「おそろい。うまいっしょ?」
あの短時間で二つも作り上げたらしい。
器用な。
「小さい頃よく作ってたんだ~。いやあ懐かしい」
作者も小さい頃はシロツメクサの花冠作ってました。
それは置いといて。
と、花畑の中から、ピョコン、と小さな顔が飛び出した。
白い毛に覆われた長い耳の持ち主…。
「う?」
そう、長い耳といえば、
「うっさぎ~~~!!!!」
と叫びながら、器用に四つん這いでウサギを追いかけ始めた!
ずべっ
ずっこけるテル君。
どこの世界に四つん這いで追いかける女がいるか!
ここに。
しかも何気に早い。
ウサギに負けじ劣らじ、四つん這いで走る姿は…
「人間か?」
と呟きたくなるのも仕方ない。
ウサギの方が一枚上手だったらしく、花や草の影を移動して、キーナの目から逃れた。
見失ったキーナが花畑を眺めまわしている。
「まったく、キーナといると退屈しないというか…」
(自分がダーディンであるということを忘れそうになる…)
「とったーーー!」
キーナの勝どきがあがった。
どうやらウサギは逃げ切ることができなかったらしい。
「テルテル~! 見て見て! 捕まえた~!」
(器用な…)
野生のウサギを素手で捕るとは…いよいよ、人間か?
だいたい捕まえてどうする気なのだろう。
と考えたその時、キーナが何かに気づいたように動きを止めた。
ウサギにも違う緊張感が走った。
辺りを見渡すと、手の中のウサギを解き放つ。
「逃げて!」
言われずともとばかりにその場から逃げだすウサギ。
異常に気付いたテルディアスが立ち上がったと同時に、花畑の真ん中辺りから、黒いものが噴き出してきた!
光を、命を飲み込む闇のもの。
「ドールか?! 聖域に侵入して来たのか?!」
「いいえ、力が弱まっているの…」
そう呟いたキーナは、いつもと違うなんだか大人びたような気配を漂わせていて…。
「キーナ?」
「テルっ! とにかくあれを退治しないと!」
「あ、ああ!」
気のせいだったのか?
一瞬大人びたような気がしたが?
今はそんなことを考えている暇はなかった。
吹き出てきた闇の妖魔は、次第に形を整え、周りにある命を喰わんと、触手を伸ばし始める。
「火・球!」
キーナが火の玉を作り出し、ドールに向かって放つ。
見事命中し、頭と思われる部分が地面に落ちる。
「火・斬!」
テルディアスの放った火の刃は、ドールを真っ二つに割り斬った。
これだけの痛手を受ければ、普通のドールならば倒せるはずであった。
普通のものなれば。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる