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第1章

嵐の予感④

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「え、一緒に寝るんですか??」

「なにを驚いている?」

当たり前だろうと言う顔で私を見るアルガード様。

「アルガード様!何故そのような汚らしい女と・・・!」

女の子がそう言った瞬間、ビュッと冷たい風が通り抜ける。

「汚らしい・・・?それは、誰のことを言っているのだ?」

「ひっ・・・!!」

ビュオッと風が吹き荒れる。

風はアルガード様の周囲から巻き起こっているようで、徐々に強くなっていく。

私はただその光景を唖然として見ていることしか出来ない。

「答えろ。」

「そ、それは・・・その・・・」

女の子は顔を真っ青にして、額からは冷や汗を流している。

「早く答えろ。」

アルガード様は答えない女の子に痺れを切らしたのか、少しずつ近づいていき、額に手を添えた。

ダメ…!

「ア、アルガード様!」

と、背中からぎゅっと抱きつく。

私の短い腕では全然足りないけど、今はどうにかして止めないと。

「一緒に寝てくれないんですか?」

と、声をかける。

アルガード様の周りの空気が一瞬でピシッと凍りついた。

あれ?

失敗ですか??
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