異世界に転生したはずなのに、こうなるんですね

第1章

どうやら歓迎されてはいないようです。④

延々と続いていた光景が、漸く終わりを迎えた。

執事さんの登場によって……。

「お嬢様は、どのようなドレスがお好みなのでしょうか？」

「え、えっと……」

「この屋敷にあったドレスは先程お持ちしたもので最後にございます。」

「あの……。」

「お食事の準備はもう出来ております。あとは、お嬢様に着替えていただくだけでございます。」

「は、はぁ……。」

「ですが、お気に召すドレスがなかったようでしたので、どういったものがお好きなのかと思いまして。今回はこちらに着替えて頂いてよろしいでしょうか？」

そう言って渡されたドレスは淡い紫。

私にドレスを渡すと、執事さんたちはまた部屋の外に出て行ってしまった。

たしかに綺麗だとは思う。作った人が細かいところまでこだわっているのがよくわかる。

だけど、それとこれとは話が違う。気にいるか気に入らないからなんて話ではないのだ。私が今一番困っているのは、

「どうやって着るの？」

それだけなのだ。