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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
閑話 「ゾンビに堕ちた男』その6
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ううう??
・・・・・・・・・・・苦しい??
これは一体??
息が出来ない?何でだ?!
『大地の力、天空の力、大海原の力、そして緑の力よ!
アリーセに力を貸して下さい!』
何だ?誰の声だ?
『2人を助けて!「創世の陣!」』
創世の陣?何の事だ?
うお?!何だ?!目の前が緑色に染まる?!
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・
「オギャーオギャーオギャーオギャー」
「やりました!泣きましたよ!!」
うおおお???何だ?一体何が起こっているんだ?!
これは・・・転生した・・・のか?しかし今まで違い人が大勢いる??
「元気の良い男の子ですよ」
何も見えないが女性に抱き抱えられてるのが分かる・・・
???何だ?意識が遠く・・・なって行く??・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「アラン君、元気でしたかー?シーナお姉様ですよー」
???私は一体今まで何を???
それに、この美しい女性は私の姉・・・なのか?
「どうしました?アラン君?」
そうか・・・思い出した、この人はシーナ姉上だ。
うう、ダメだ・・・・・・・・・・・また意識が遠のく・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「アラン殿下?どうなされた?集中が乱れてますぞ?」
「え?!」
また意識が飛んだ・・・・・のか?
「剣の稽古の時は集中しないと怪我をしますぞ?」
目の前に居るのは・・・・・・・・・クルーゼ?!
「・・・・・・・・・・・・いや・・・・・何これ?どうなってるの??」
「?大丈夫ですか?アラン殿下?」
「いや何でクルーゼが目の前に居るの?」
うう?!また・・・・・・・意識が飛ぶ?・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「う?」
「アラン様?!大丈夫ですか?!」
再び目を覚ましたらやけに豪華なベッドに寝かされていた私・・・
そして年配のメイドさんらしき人が涙目で私の事を見ていた。
「剣技の鍛錬中に意識を失い3日間眠ったままで・・・
私はもう・・・心配で心配で・・・・・・ううううう」
訳が分からずボーとする、今回の転生は明らかに今までとは違う。
何と言うか記憶があやふやと言うか・・・
記憶と言うよりは「思い出す」と言うべきか・・・
私の名前は「アラン」だ、それは間違いないし何の違和感もない。
しかしこの記憶は何なんだ?
徐々にアランの記憶とトマスの記憶が完成に融合していき私は愕然とする。
「アラン?!目を覚ましたのですね?!大丈夫ですか?!」
部屋に飛び込んで来た女性は・・・今度は鮮明に思い出せる。
「ラーナ姉君・・・」
「アラン・・・酷い顔色です・・・何がありました?
アランに良くない者が居るのならば姉上が今からその不届き者を成敗しますよ?」
そう言って物騒な物言いをしながらも私の頬を優しく撫でてくれるラーナ姉君。
「だ・・・大丈夫です、ラーナ姉君。もう何ともありません・・・」
酷い顔色・・・そうだね確かに今は血の気が引いているよ・・・
アラン・フォン・ピアツェンツェア・・・私は「王族」として転生したんだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「人喰いの罪」を持つ男が王族なんてタチが悪い冗談だよね?
ラーナ姉君が部屋から出て行くとすぐに母上が部屋に入って来て、泣きながら私の事を抱きしめてくれた・・・
「アラン・・・目を覚ましてくれて本当に良かった・・・」
泣いている母上を抱きしめ返して、
「ご心配をおかけしました、もう大丈夫です母上・・・」
と返すと・・・
母上はキョトンとして・・・
「あら?「母上」ですか?「お母様」では無いんですね?」
と首を傾げた。
ああー!しまった!つい昔の口調で話してしまった!
そう言えば私はかなりの甘えん坊だった!
「うふふふふ、そうですね、いつまでも子供じゃいられませんモノね」
そう言って母上は笑いながら私の頬にキスをしてくれた。
そこからが大変だった・・・
すぐに父上が駆け付けてくれて、ファニー母上も駆け付けてくれて、ロミオ兄上も駆け付けてくれて、何故か遠いヴィアール辺境伯領にいるシーナ姉上も駆け付けてくれた。
そうか・・・私は家族から凄く愛されているんだな・・・
「人喰いの罪」を持つ私なんかを・・・
そんな事を考えながらボーとしていたら窓からヒョイとクルーゼが入って来た。
「いや・・・見つかると怒られるぜ?クルーゼ」
「見つかるヘマはしねえよ、お前も知ってんだろ?なあ「トマス」よ」
「そうか・・・そうだったな・・・
って、お前いつから私が「トマス」だって気付いていたんだ?」
「ん?産まれた時からだぜ?
何十年も一緒に世界中を旅してたんだ、赤ん坊でも一目見りゃお前の「魂」がトマスだって分かったさ」
「何で今まで何も言ってくれなかったんだ?」
「お前の記憶が不安定だったからな、自分で思い出すまで待ってたんだよ。
で?どうよ?どうせまだ、くだらねぇ事で悩んでんだろ?」
前世の時から何一つ変わってないクルーゼに苦笑いをして、
「・・・「人喰いの罪」は・・・まあ、今更仕方ないと思っている。
でもこんな私が王族で良いのかな?とは思っている」
「別に良いんじゃね?怠けねえでやる事をちゃんとやればな。
だから真面目過ぎるお前なら良い王族になれると思うけどな俺は。
ちゃんと王族をやるってんなら俺はまた、お前に力を貸すぜ?」
「それなんだけどな・・・」
私は今後、自分がどう動こうと思っているのかをクルーゼに話しをした・・・
話しを聞き終えるとクルーゼは珍しく・・・いや50年近く一緒にいたが初めてと言える椅子に座り頭を抱えると言う行動に出た・・・そんなに変な事かな?
「いや・・・トマス・・・アラン殿下よ」
「何だ?」
「それは絶対に止めた方が良い・・・」
「そうかな?ピアツェンツェア王国にも利益があると思うんだけど・・・」
「いや・・・確かにまぁ・・・別に変な事じゃないと思うが・・・
相手が・・・なぁ・・・絶対に問題を起こすぞ?」
「クルーゼは「女神様」の事知ってんの?」
「知ってる何も「俺の師匠」だっての・・・そして師匠は「女神様」では断じて無い!」
「そうかなぁ、私的には女神様なんだけどなぁ」
「騙されるなアラン殿下!師匠はトラブルメーカーとしては超一流なんだ。
ラーデンブルク公国へ「大使」として赴くのは止めた方が良い」
あのクルーゼがここまで止めるとは思わなかった・・・
でも自分が国に出来る手段と言えば「ラーデンブルク公国への大使」として活動するのが1番国益になると思うんだよな・・・
後は単純に「イリス様」を私が一方的に神格化しているだけだけどね。
「クルーゼも一緒にラーデンブルク公国へ行ってくれれば何とかなるんじゃね?」
「うぐう!!そう来たか!!本当に面倒臭え事を言い出したなぁお前は・・・」
「まあ自分が勝手にそう思っているだけだから誰の許可も貰ってないけどね」
「なんかそうなる未来が見えるのは俺の気のせいか?」
「クルーゼだって師匠に会えるんだから良くね?」
「たまに会うには良いんだよ、でも毎日師匠に付き合うのは大変なんだよ!」
また頭を抱えたクルーゼを見て私はニヤリと笑い、
「細かい事は考えんなよ」と、今まで言われた事をクルーゼにお返しした。
そして女王イリスがピアツェンツェア王国に条約締結を行う為に来国した日の晩餐会の時に「大使」の事を父上に打診して大騒ぎになるのだ。
その事についてはいずれまた語ろう。
区切りが良いのでゾンビに堕ちて「人喰い」になってしまった男の物語はここで一旦終わる事にしよう。
☆
ここで一旦「龍騎士イリス」はお休みします^^
と思ったのですが第3章の1話目が完成しましたので明日投下してお休みします。
「魔法世界の解説者・完全版」が投稿開始しましたら是非読んでやって下さい^^)/
一応、「カクヨミ」で試験投稿をもう開始してますのでチラ見して下さると嬉しいです。
・・・・・・・・・・・苦しい??
これは一体??
息が出来ない?何でだ?!
『大地の力、天空の力、大海原の力、そして緑の力よ!
アリーセに力を貸して下さい!』
何だ?誰の声だ?
『2人を助けて!「創世の陣!」』
創世の陣?何の事だ?
うお?!何だ?!目の前が緑色に染まる?!
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・
「オギャーオギャーオギャーオギャー」
「やりました!泣きましたよ!!」
うおおお???何だ?一体何が起こっているんだ?!
これは・・・転生した・・・のか?しかし今まで違い人が大勢いる??
「元気の良い男の子ですよ」
何も見えないが女性に抱き抱えられてるのが分かる・・・
???何だ?意識が遠く・・・なって行く??・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「アラン君、元気でしたかー?シーナお姉様ですよー」
???私は一体今まで何を???
それに、この美しい女性は私の姉・・・なのか?
「どうしました?アラン君?」
そうか・・・思い出した、この人はシーナ姉上だ。
うう、ダメだ・・・・・・・・・・・また意識が遠のく・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「アラン殿下?どうなされた?集中が乱れてますぞ?」
「え?!」
また意識が飛んだ・・・・・のか?
「剣の稽古の時は集中しないと怪我をしますぞ?」
目の前に居るのは・・・・・・・・・クルーゼ?!
「・・・・・・・・・・・・いや・・・・・何これ?どうなってるの??」
「?大丈夫ですか?アラン殿下?」
「いや何でクルーゼが目の前に居るの?」
うう?!また・・・・・・・意識が飛ぶ?・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「う?」
「アラン様?!大丈夫ですか?!」
再び目を覚ましたらやけに豪華なベッドに寝かされていた私・・・
そして年配のメイドさんらしき人が涙目で私の事を見ていた。
「剣技の鍛錬中に意識を失い3日間眠ったままで・・・
私はもう・・・心配で心配で・・・・・・ううううう」
訳が分からずボーとする、今回の転生は明らかに今までとは違う。
何と言うか記憶があやふやと言うか・・・
記憶と言うよりは「思い出す」と言うべきか・・・
私の名前は「アラン」だ、それは間違いないし何の違和感もない。
しかしこの記憶は何なんだ?
徐々にアランの記憶とトマスの記憶が完成に融合していき私は愕然とする。
「アラン?!目を覚ましたのですね?!大丈夫ですか?!」
部屋に飛び込んで来た女性は・・・今度は鮮明に思い出せる。
「ラーナ姉君・・・」
「アラン・・・酷い顔色です・・・何がありました?
アランに良くない者が居るのならば姉上が今からその不届き者を成敗しますよ?」
そう言って物騒な物言いをしながらも私の頬を優しく撫でてくれるラーナ姉君。
「だ・・・大丈夫です、ラーナ姉君。もう何ともありません・・・」
酷い顔色・・・そうだね確かに今は血の気が引いているよ・・・
アラン・フォン・ピアツェンツェア・・・私は「王族」として転生したんだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嘘だろ?
「人喰いの罪」を持つ男が王族なんてタチが悪い冗談だよね?
ラーナ姉君が部屋から出て行くとすぐに母上が部屋に入って来て、泣きながら私の事を抱きしめてくれた・・・
「アラン・・・目を覚ましてくれて本当に良かった・・・」
泣いている母上を抱きしめ返して、
「ご心配をおかけしました、もう大丈夫です母上・・・」
と返すと・・・
母上はキョトンとして・・・
「あら?「母上」ですか?「お母様」では無いんですね?」
と首を傾げた。
ああー!しまった!つい昔の口調で話してしまった!
そう言えば私はかなりの甘えん坊だった!
「うふふふふ、そうですね、いつまでも子供じゃいられませんモノね」
そう言って母上は笑いながら私の頬にキスをしてくれた。
そこからが大変だった・・・
すぐに父上が駆け付けてくれて、ファニー母上も駆け付けてくれて、ロミオ兄上も駆け付けてくれて、何故か遠いヴィアール辺境伯領にいるシーナ姉上も駆け付けてくれた。
そうか・・・私は家族から凄く愛されているんだな・・・
「人喰いの罪」を持つ私なんかを・・・
そんな事を考えながらボーとしていたら窓からヒョイとクルーゼが入って来た。
「いや・・・見つかると怒られるぜ?クルーゼ」
「見つかるヘマはしねえよ、お前も知ってんだろ?なあ「トマス」よ」
「そうか・・・そうだったな・・・
って、お前いつから私が「トマス」だって気付いていたんだ?」
「ん?産まれた時からだぜ?
何十年も一緒に世界中を旅してたんだ、赤ん坊でも一目見りゃお前の「魂」がトマスだって分かったさ」
「何で今まで何も言ってくれなかったんだ?」
「お前の記憶が不安定だったからな、自分で思い出すまで待ってたんだよ。
で?どうよ?どうせまだ、くだらねぇ事で悩んでんだろ?」
前世の時から何一つ変わってないクルーゼに苦笑いをして、
「・・・「人喰いの罪」は・・・まあ、今更仕方ないと思っている。
でもこんな私が王族で良いのかな?とは思っている」
「別に良いんじゃね?怠けねえでやる事をちゃんとやればな。
だから真面目過ぎるお前なら良い王族になれると思うけどな俺は。
ちゃんと王族をやるってんなら俺はまた、お前に力を貸すぜ?」
「それなんだけどな・・・」
私は今後、自分がどう動こうと思っているのかをクルーゼに話しをした・・・
話しを聞き終えるとクルーゼは珍しく・・・いや50年近く一緒にいたが初めてと言える椅子に座り頭を抱えると言う行動に出た・・・そんなに変な事かな?
「いや・・・トマス・・・アラン殿下よ」
「何だ?」
「それは絶対に止めた方が良い・・・」
「そうかな?ピアツェンツェア王国にも利益があると思うんだけど・・・」
「いや・・・確かにまぁ・・・別に変な事じゃないと思うが・・・
相手が・・・なぁ・・・絶対に問題を起こすぞ?」
「クルーゼは「女神様」の事知ってんの?」
「知ってる何も「俺の師匠」だっての・・・そして師匠は「女神様」では断じて無い!」
「そうかなぁ、私的には女神様なんだけどなぁ」
「騙されるなアラン殿下!師匠はトラブルメーカーとしては超一流なんだ。
ラーデンブルク公国へ「大使」として赴くのは止めた方が良い」
あのクルーゼがここまで止めるとは思わなかった・・・
でも自分が国に出来る手段と言えば「ラーデンブルク公国への大使」として活動するのが1番国益になると思うんだよな・・・
後は単純に「イリス様」を私が一方的に神格化しているだけだけどね。
「クルーゼも一緒にラーデンブルク公国へ行ってくれれば何とかなるんじゃね?」
「うぐう!!そう来たか!!本当に面倒臭え事を言い出したなぁお前は・・・」
「まあ自分が勝手にそう思っているだけだから誰の許可も貰ってないけどね」
「なんかそうなる未来が見えるのは俺の気のせいか?」
「クルーゼだって師匠に会えるんだから良くね?」
「たまに会うには良いんだよ、でも毎日師匠に付き合うのは大変なんだよ!」
また頭を抱えたクルーゼを見て私はニヤリと笑い、
「細かい事は考えんなよ」と、今まで言われた事をクルーゼにお返しした。
そして女王イリスがピアツェンツェア王国に条約締結を行う為に来国した日の晩餐会の時に「大使」の事を父上に打診して大騒ぎになるのだ。
その事についてはいずれまた語ろう。
区切りが良いのでゾンビに堕ちて「人喰い」になってしまった男の物語はここで一旦終わる事にしよう。
☆
ここで一旦「龍騎士イリス」はお休みします^^
と思ったのですが第3章の1話目が完成しましたので明日投下してお休みします。
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