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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
72話 「死霊の軍団」その4
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ドオオオオオオオンンン!!ゴオオオオオオンン!!
次々に爆発する25個の爆弾!
防御力など皆無に等しいゾンビ達を木っ端微塵に吹き飛ばす!
霊体を縛る触媒である己の肉体を失った魂達がドンドンと黄泉の国へと送られる。
黄泉の国から何者かのよる強力な干渉がゾンビ達に対してある様子だ。
考えられるのは死者の王「ワイトキング」の干渉だろう。
・・・・・ぶっちゃると現在神界にて絶賛行方不明中の神様、冥王ハーデスの干渉だ。
死者への冒涜を神が黙って見過ごす訳が無いのだ。
{ムウウウ?!コレハ・・・魔法ナノカ?!ウオオ?!エエイ!!セッカクノ魂ガ!!
オノレ!ワイトキング!毎度毎度、俺ノ邪魔ヲシオッテ!!}
魔力の気配が全く無いのに続く爆発現象に混乱するネクロマンサー。
主が混乱して操作されているゾンビ達の動きがおかしくなる。
同じ所をグルグル回るゾンビ、お互いに何回もぶつかるゾンビ達、ジッと動かないゾンビなど多種多様な不規則な行動を取り始めた。
{ヌ?!コレハイカン!}急いで魔力を高めて再度の統率を図るネクロマンサー。
そしてこの行動はイリスの影から周囲を見ている魔王バルドルの索敵に引っかかる。
《イリスよ、ネクロマンサーを見つけたぞ》
「え?!本当?!でかしたよ!バルドルさん!」
《死霊使役の術式も見えた、解読するから少し待っておれ》
「了解したよ!」
《イリス?誰と話しているの?》
「誰とも話して無いよ?」
《え~?「バルドルさん」って聞こえたんだけどなぁ?》
一応、魔王バルドルの「影見」の事は秘密事項なので誰にも話していないイリス。
スキルを使えば他国の重要会議など覗きたい放題なのは問題しか無いからだ。
もっとも中ランクの光系統の結界で「影見」は簡単に遮断出来るので相手にバレると使えなく技ではある。
そしてイリスの様に便利な索敵装置として使う手もある。
索敵の協力を魔王バルドルと契約した際に、
「お風呂とか覗かないでよ?」たまには女の子らしい事を言うイリスに・・・
《儂は妻にしか発情せんから安心せい》と答えたバルドル。
ちなみにイリスから契約の証として「イリスダンジョンレストラン1年間無料券」なる物を差し出した。
完全に職権濫用である。
そして魔王バルドルも奥さんとの食事でレストランを使用しまくっている。
こちらも職権濫用である。
しかし実際に魔王バルドルは「影見」を悪用して相手のプライベート空間を覗いた事は無い。
バレると奥さんに捨てられるからなのは言うまでもない。
《それに影見の力の根源の「月の精霊王」は女性だからのう。
妙な使い方をすれば即座に影見は切られるであろうな》
「へー、月の精霊王?」
《うむ、「月の精霊王」は、この世界の出産も司っておるからイリスもいずれ世話になる事もあるだろうな》
「私が出産?・・・うーん?全然想像付かないけど月の精霊王様に「その時はよろしくお願いします」って伝えておいて下さい」
《うむ、・・・なんなら良い男を紹介するか?》
実はバルドルはお見合いの魔王様でもあるのだ、仲人は一種の趣味なのだ。
「え?!真魔族の男性?・・・うーん?興味は有るけど、まだ恋愛とか分かんないや」
《そうか、その気になったらいつでも言うが良い》
この時の魔王バルドルは、まさかイリスがこの後1000年以上も男性と付き合う事が無いとは夢にも思っていなかったのだ。
さて、話しを戦闘に戻そう。
投下した25発の爆弾の内、信管不良で1発は不発だったが24発は見事に爆発した。
「うーん?爆弾毎に威力に結構ムラが有る?」
《多分、硫黄と硝石の配合の問題じゃ無いかな?
・・・それよりイリス、皆んな爆弾を落としたがっているよ?》
イリスが後ろを見ると後続の龍騎士達の「早く爆弾を落とさせろ~」の声が聞こえそうな圧力を感じた。
そんな龍騎士達を見てイリスはニヤリと笑い。
「総員全力爆撃開始!!狙いは各員に任せる!!」
「持って来た爆弾を全部落としちゃいな」命令を下した。
《ちょーーーーー?!》イリスの命令にエリカが待ったをかけようとするも・・・
「了解!!行くぞおおおおおおお!!!」
ウオオオオオオオーーーー!!!と雄叫びを上げる龍騎士達。
もうマッドサイエンティスト共の事を誰にも止められないのだ。
《ああーーーー?!480発!!1億2千万円(相当)の予算がぁーーーー?!》
ここまで爆弾を集める予算繰りにめっちゃ苦労したエリカが悲鳴を上げる!
予算確保にまた各省庁巡業マラソンが確定したエリカ。
「うおおおお!!ここだぁーー投下!!」
日々の訓練で誤差5m以内まで投下ポイントを絞れる様になった龍騎士達は見事に爆弾を投下して行く。
ゴオオオオオオンン!!!ドオオオオオオオンンン!!!
各小隊毎にゾンビ密集地点への爆撃が開始された。
{エエイ?!コノ攻撃ハ一体何ナンダ?!魔法障壁ガ全ク効カンデハナイカ!!}
残念ネクロマンサー、そこは「対物理障壁」が必要なのだよ。
そしてネクロマンシーの術式の解析を終えた魔王バルドル。
ズドオオオオオオンンン!!ゴオオン!!ゴオオオオオオンン!!!
《イリスよ!聞こえるか?!術式の解析が終わった!
ネクロマンサーを倒せば術は解ける!遠慮なく奴を倒してしまえ!
しかしゾンビ達は全て始末せんと猛毒がこの地を汚染するぞ!》
「猛毒って何?!どう言う事さ?!」
ドン!ドオオオオオオオンンン!!ゴオオンン!!!
《ネクロマンサーの奴、ゾンビ達を瘴気の発生源にして、この地を猛毒で汚染させて魂の狩場にしようと企んでおる!
ゾンビから出ている液体はその為の魔法の薬物じゃ》
バルドルから説明でイリスの中で何かが切れた・・・
「・・・・・・・・ほう?大地の汚染・・・ねぇ」
何をすればハイエルフの逆鱗に触れるか?それは大地と森を穢す事だ。
ハイエルフとしての本能によりイリスの中で憤怒の炎が点火された。
ネクロマンサーは怒らせてはならない奴を本気で激怒させてしまったのだ。
爆弾で吹っ飛ばすのは良いの?と聞かれると「焼き畑」にもなるからOKなのだ。
「うふふふ・・・バルドルさん・・・ネクロマンサーの位置を教えて?
変な物ばら撒いてくれたお礼に極大魔法をプレゼントするわ」
《イリス?!なんか背中に凄い魔力の渦を感じるんですけど?!》
バゴオオオンンン!!ズドオオオンン!!ゴオオオオンンン!!
《ネクロマンサーの奴はまた「隠蔽」を使って隠れおったが、正面右に有る林の中じゃ》
「聞こえたエリカ?林に向かうよ」
ズドガアアアアンン!!ゴオオオオオオンン!!ゴオオオオオオンン!!
イリスとバルドルがそんな会話をしている間も龍騎士達の猛爆は続いていた。
《OK~、でも爆弾を全部、ゾンビ達に落としてからね?》
割り切りの良いエリカは既に予算を度外視する事にしたのだ。
どうせなら華麗に爆撃しようそうしようと気合いが入る。
「じゃあ広範囲にばら撒いちゃってエリカ!」
エリカはゾンビ密集率が高い場所を見つけると、
《お試しで少し魔法で手を加えちゃおうかな?》そう言って翼を大きく開いてホバリングを始める。
「何をするの?」
《爆風を風の魔法で更に拡散させると効果が上がるかも?と思ってね》
エリカは試し撃ちに爆弾を一個投下させる。
《あれを「突風」の魔法で包むと?》落下中の爆弾が緑色の魔力オーラを放つ。
ズドン!!爆弾が地面に突き刺さり信管が作動して・・・
ズドオオオオオオオオンンン!!!ゴオオオオオオオオオオオ!!!!!
爆風が「突風」の魔法と一体化して炎の竜巻を起こした?!
その竜巻の爆心地にいたゾンビ達が竜巻に巻き込まれて蓋を開けて作動させてしまったミキサーの様に周囲にばら撒かれて、黒煙を吹きながら周囲の岩や地面に激突してバラバラになった?!
《これ・・・ヤバくね?》自分でやっておいてドン引きするエリカ。
今回はゾンビ相手だから良いが人間相手だと相当エグい絵面が展開されただろう。
「ま・・・まあ・・・対人戦の時は最後の手段、切り札として残しておこうよ?
でも今回はめっちゃ有効だから全部やっちゃって!」
エリカの科学と魔法が融合した必殺技、「ファイヤー・トルネード」の完成だ!
次々に爆発する25個の爆弾!
防御力など皆無に等しいゾンビ達を木っ端微塵に吹き飛ばす!
霊体を縛る触媒である己の肉体を失った魂達がドンドンと黄泉の国へと送られる。
黄泉の国から何者かのよる強力な干渉がゾンビ達に対してある様子だ。
考えられるのは死者の王「ワイトキング」の干渉だろう。
・・・・・ぶっちゃると現在神界にて絶賛行方不明中の神様、冥王ハーデスの干渉だ。
死者への冒涜を神が黙って見過ごす訳が無いのだ。
{ムウウウ?!コレハ・・・魔法ナノカ?!ウオオ?!エエイ!!セッカクノ魂ガ!!
オノレ!ワイトキング!毎度毎度、俺ノ邪魔ヲシオッテ!!}
魔力の気配が全く無いのに続く爆発現象に混乱するネクロマンサー。
主が混乱して操作されているゾンビ達の動きがおかしくなる。
同じ所をグルグル回るゾンビ、お互いに何回もぶつかるゾンビ達、ジッと動かないゾンビなど多種多様な不規則な行動を取り始めた。
{ヌ?!コレハイカン!}急いで魔力を高めて再度の統率を図るネクロマンサー。
そしてこの行動はイリスの影から周囲を見ている魔王バルドルの索敵に引っかかる。
《イリスよ、ネクロマンサーを見つけたぞ》
「え?!本当?!でかしたよ!バルドルさん!」
《死霊使役の術式も見えた、解読するから少し待っておれ》
「了解したよ!」
《イリス?誰と話しているの?》
「誰とも話して無いよ?」
《え~?「バルドルさん」って聞こえたんだけどなぁ?》
一応、魔王バルドルの「影見」の事は秘密事項なので誰にも話していないイリス。
スキルを使えば他国の重要会議など覗きたい放題なのは問題しか無いからだ。
もっとも中ランクの光系統の結界で「影見」は簡単に遮断出来るので相手にバレると使えなく技ではある。
そしてイリスの様に便利な索敵装置として使う手もある。
索敵の協力を魔王バルドルと契約した際に、
「お風呂とか覗かないでよ?」たまには女の子らしい事を言うイリスに・・・
《儂は妻にしか発情せんから安心せい》と答えたバルドル。
ちなみにイリスから契約の証として「イリスダンジョンレストラン1年間無料券」なる物を差し出した。
完全に職権濫用である。
そして魔王バルドルも奥さんとの食事でレストランを使用しまくっている。
こちらも職権濫用である。
しかし実際に魔王バルドルは「影見」を悪用して相手のプライベート空間を覗いた事は無い。
バレると奥さんに捨てられるからなのは言うまでもない。
《それに影見の力の根源の「月の精霊王」は女性だからのう。
妙な使い方をすれば即座に影見は切られるであろうな》
「へー、月の精霊王?」
《うむ、「月の精霊王」は、この世界の出産も司っておるからイリスもいずれ世話になる事もあるだろうな》
「私が出産?・・・うーん?全然想像付かないけど月の精霊王様に「その時はよろしくお願いします」って伝えておいて下さい」
《うむ、・・・なんなら良い男を紹介するか?》
実はバルドルはお見合いの魔王様でもあるのだ、仲人は一種の趣味なのだ。
「え?!真魔族の男性?・・・うーん?興味は有るけど、まだ恋愛とか分かんないや」
《そうか、その気になったらいつでも言うが良い》
この時の魔王バルドルは、まさかイリスがこの後1000年以上も男性と付き合う事が無いとは夢にも思っていなかったのだ。
さて、話しを戦闘に戻そう。
投下した25発の爆弾の内、信管不良で1発は不発だったが24発は見事に爆発した。
「うーん?爆弾毎に威力に結構ムラが有る?」
《多分、硫黄と硝石の配合の問題じゃ無いかな?
・・・それよりイリス、皆んな爆弾を落としたがっているよ?》
イリスが後ろを見ると後続の龍騎士達の「早く爆弾を落とさせろ~」の声が聞こえそうな圧力を感じた。
そんな龍騎士達を見てイリスはニヤリと笑い。
「総員全力爆撃開始!!狙いは各員に任せる!!」
「持って来た爆弾を全部落としちゃいな」命令を下した。
《ちょーーーーー?!》イリスの命令にエリカが待ったをかけようとするも・・・
「了解!!行くぞおおおおおおお!!!」
ウオオオオオオオーーーー!!!と雄叫びを上げる龍騎士達。
もうマッドサイエンティスト共の事を誰にも止められないのだ。
《ああーーーー?!480発!!1億2千万円(相当)の予算がぁーーーー?!》
ここまで爆弾を集める予算繰りにめっちゃ苦労したエリカが悲鳴を上げる!
予算確保にまた各省庁巡業マラソンが確定したエリカ。
「うおおおお!!ここだぁーー投下!!」
日々の訓練で誤差5m以内まで投下ポイントを絞れる様になった龍騎士達は見事に爆弾を投下して行く。
ゴオオオオオオンン!!!ドオオオオオオオンンン!!!
各小隊毎にゾンビ密集地点への爆撃が開始された。
{エエイ?!コノ攻撃ハ一体何ナンダ?!魔法障壁ガ全ク効カンデハナイカ!!}
残念ネクロマンサー、そこは「対物理障壁」が必要なのだよ。
そしてネクロマンシーの術式の解析を終えた魔王バルドル。
ズドオオオオオオンンン!!ゴオオン!!ゴオオオオオオンン!!!
《イリスよ!聞こえるか?!術式の解析が終わった!
ネクロマンサーを倒せば術は解ける!遠慮なく奴を倒してしまえ!
しかしゾンビ達は全て始末せんと猛毒がこの地を汚染するぞ!》
「猛毒って何?!どう言う事さ?!」
ドン!ドオオオオオオオンンン!!ゴオオンン!!!
《ネクロマンサーの奴、ゾンビ達を瘴気の発生源にして、この地を猛毒で汚染させて魂の狩場にしようと企んでおる!
ゾンビから出ている液体はその為の魔法の薬物じゃ》
バルドルから説明でイリスの中で何かが切れた・・・
「・・・・・・・・ほう?大地の汚染・・・ねぇ」
何をすればハイエルフの逆鱗に触れるか?それは大地と森を穢す事だ。
ハイエルフとしての本能によりイリスの中で憤怒の炎が点火された。
ネクロマンサーは怒らせてはならない奴を本気で激怒させてしまったのだ。
爆弾で吹っ飛ばすのは良いの?と聞かれると「焼き畑」にもなるからOKなのだ。
「うふふふ・・・バルドルさん・・・ネクロマンサーの位置を教えて?
変な物ばら撒いてくれたお礼に極大魔法をプレゼントするわ」
《イリス?!なんか背中に凄い魔力の渦を感じるんですけど?!》
バゴオオオンンン!!ズドオオオンン!!ゴオオオオンンン!!
《ネクロマンサーの奴はまた「隠蔽」を使って隠れおったが、正面右に有る林の中じゃ》
「聞こえたエリカ?林に向かうよ」
ズドガアアアアンン!!ゴオオオオオオンン!!ゴオオオオオオンン!!
イリスとバルドルがそんな会話をしている間も龍騎士達の猛爆は続いていた。
《OK~、でも爆弾を全部、ゾンビ達に落としてからね?》
割り切りの良いエリカは既に予算を度外視する事にしたのだ。
どうせなら華麗に爆撃しようそうしようと気合いが入る。
「じゃあ広範囲にばら撒いちゃってエリカ!」
エリカはゾンビ密集率が高い場所を見つけると、
《お試しで少し魔法で手を加えちゃおうかな?》そう言って翼を大きく開いてホバリングを始める。
「何をするの?」
《爆風を風の魔法で更に拡散させると効果が上がるかも?と思ってね》
エリカは試し撃ちに爆弾を一個投下させる。
《あれを「突風」の魔法で包むと?》落下中の爆弾が緑色の魔力オーラを放つ。
ズドン!!爆弾が地面に突き刺さり信管が作動して・・・
ズドオオオオオオオオンンン!!!ゴオオオオオオオオオオオ!!!!!
爆風が「突風」の魔法と一体化して炎の竜巻を起こした?!
その竜巻の爆心地にいたゾンビ達が竜巻に巻き込まれて蓋を開けて作動させてしまったミキサーの様に周囲にばら撒かれて、黒煙を吹きながら周囲の岩や地面に激突してバラバラになった?!
《これ・・・ヤバくね?》自分でやっておいてドン引きするエリカ。
今回はゾンビ相手だから良いが人間相手だと相当エグい絵面が展開されただろう。
「ま・・・まあ・・・対人戦の時は最後の手段、切り札として残しておこうよ?
でも今回はめっちゃ有効だから全部やっちゃって!」
エリカの科学と魔法が融合した必殺技、「ファイヤー・トルネード」の完成だ!
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