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第二部 家庭編
最終話 その後
しおりを挟むスタンピードが終息してから数日後、俺と子供たちの表彰式が執り行われた。
「此度のお主達の活躍、過去に例を見ないものじゃ! よって王宮とギルドの協議の結果、ネロを史上初のSSランクに任じるものとする! 同様にハイドール、ビアンカ、フローラをSランクに、レオンをAランクに任じるものとする!」
「ありがたき幸せにございます」
「「「「ありがたき幸せ!!」」」」
「領地もくれる予定だったからもらえば良かったのに‥‥‥」
「前にも言っただろ? シャル。俺はお前たちと暮らしていければ良いんだって」
「そういう欲はないよねぇ? 食欲と性欲は人並み以上にあるけどねぇ?」
「マリア、やめて。子供の前だし‥‥‥」
「今回の件でさらに資産も増えてるし、屋敷は増築した方が良いかも? ネロくん」
「やっぱり? その辺はナタリーに任せるよ!」
「もう、そればっかり‥‥‥」
「ネロは本当にすごいニャー。だから、うちはネロの子供が欲しいニャ」
「あちしも旦那の子が欲しいよ。発情期が近そうなんだよ。頼むよ」
「だから、ここで言う事じゃないだろ!?」
「でも出来にくいんじゃなかった?」
「あ、多分大丈夫だよ。この間進化したボクの実を食べてるから他種族交配が上手くいくようになるみたいだよ!」
「ニャー!!!! それを早く言えニャ!! ネロ、来てニャ!!」
「旦那はしばらく借りるからな!!」
「なんと!! では我も‥‥‥?」
「妾も参るぞ!! こりゃ! 待ちゃあ!!」
ものすごい剣幕で猫二人に別部屋に連行された。魔物娘二人も走ってついてきた。
さすがに猫二人と言えどもその場でおっ始める事はなかった。
ーーーーしばらくお待ち下さいーーーー
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いつもより声が大きかったらしく別部屋に行った意味がなかったと妻たちから苦情をいただいた。その件に関しては身体で支払う事で決着がついた。
ーーーーーーーーーーーー
数日後、ローズ、サラ、リヴィア、ヨウコちゃんの妊娠が発覚し、約半年後無事に出産。それぞれ男女2人ずつだった。
ローズの男の子「ハリー」、サラの女の子「アン」にシャルが夢中になってしまったのは言うまでもない。
リヴィアは元の家に卵を抱えて帰って子育てをしているようだ。たまに来るけど。
ヨウコちゃんは我家で子育てしている。こっちも尻尾がもふもふで可愛い。
「はぁ~、かわいいわぁ! ネロ、あと二、三人産ませなさいよ」
「言い方ぁ!! なんて言い方してんの、シャル。子供に示しがつかないよ」
「何年も家空けてたアナタにだけは言われたくないけど‥‥‥?」
「あ、ハイ、スミマセン」
うん、でも獣人の赤ちゃんは可愛い。ヒューマンの赤ちゃんの可愛さと動物の赤ちゃんの可愛さをそのまんま足した可愛らしさだ。シャルじゃなくても夢中になる気持ちはわかる。
「みんな手伝ってくれるから、本当に楽だニャ」
「本当に旦那のとこに来て良かったよ」
ハイド達は今は学院生だ。それぞれ寮暮らしで楽しくやっているらしく、ほとんど帰って来ない。
今まで一番下だったレオンは下の兄弟が出来て嬉しそうだ。弓の技術は更に上がり、今度武術大会に出場するそうだ。今日もジャンヌと狩りに出掛けている。
「お茶を淹れたので抱っこ代わるわ、ネロくん」
「ありがとう、ナタリー。やっぱりずっと抱っこしてると腕がね‥‥‥」
ナタリーの淹れてくれたお茶をいただく。
うーん。実に美味しい。
「zzz‥‥‥」
マリアはお昼寝中だ。日向ぼっこしながらだと日焼けしちゃうぞ。ポーション軟膏で治るだろうけど。
「ネロ様、やっと娘が寝付いたのじゃ」
「お疲れさん。ヨウコちゃんも一息ついて」
「ありがたく頂戴しよう」
うーん。充実しているなぁ。
本当に素晴らしい!!
俺こっちの世界に来て良かったよ。
思わず呟く。
「ありがとうございます、水神様」
「呼んだ?」と聞こえた気がした。
ーーー完ーーー
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