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第二部 家庭編
任務完了報告
しおりを挟むそれから一週間作業を続けた。サンドワームはもう見つからないかなぁ。
「おおよそ砂ミミズの駆除は出来たのではありますまいか? ネロ様」
「うん、サラ、どうだ? いなさそうか?」
「うん、臭いもしないし。大丈夫じゃないか?」
「よし、もし出てきたらコレを撒いて対処してもらおう」
サンドワーム用の駆除水を作ってみた。聖水を薄めたものだが、コレが効果があった。とりあえず魔術ギルドに100本ほど置いてきた。
「ネロ、ありがとう。本当によくやってくれた。報酬は冒険者ギルド経由で支払われるからそちらで受け取ってくれ」
「わかりました」
「うちらは一足先に王都に帰ってて良いかニャ? あそこ行きたくないニャ」
「そうだな、報酬受け取るだけだから俺一人でいいよ」
「妾は共に参ります!」
冒険者ギルドは大騒ぎだった。なんの騒ぎだ? 受付に聞いてみる。
「Sランクパーティー『クロノス』のメンバーが任務中に失踪してしまって‥‥‥。何かご存知ありませんか?」
Sランクパーティーのクロノス‥‥‥?
知らないなぁ、元々冒険者情報とか詳しく無いんだけど。
しかし、任務中に失踪なんて何が起きているんだ?
任務放棄したなら無責任にも程がある。冒険者の風上にも置けないな。
「すみません、わかりませんね」
「そうですか、こちらが報酬になります。今後もよろしくお願いします」
「待ってくれ!」
帰ろうとしたら、呼び止められた。
「私はここの責任者のオーガストです。ネロさん、Sランクパーティー『クロノス』の行方、わかりませんか? 同じくサンドワームの討伐をしてたパーティーなんですが‥‥‥」
何かと思えば、同じ質問じゃないか。
知らないっつーの。
「さっきも言ったけど、知りませんね」
「この間、猫獣人の冒険者と揉めていた奴らなんですけど‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥ん?」
「猫獣人の冒険者‥‥‥、あなたの仲間では無いのですか?」
ローズとサラの事ですか? 仲間ですけど。
この間、揉めてた‥‥‥?
まさか‥‥‥
「ネロ様、もしやこの間の三人では?」
「‥‥‥‥‥‥かなぁ?」
亜空間から三人を出す。運悪く頭から落ちてきた。まぁ、頑丈そうだから平気だろ‥‥‥。
「!!!!!!!! サイラス! お前ら、どこから!?」
亜空間送りにした冒険者がクロノスのメンバーだったのかぁ、すっかり何日も忘れてたよ。
「「「ネロ様!!!! 申し訳ございませんでした!!!!」」」
三人は綺麗に土下座した。
ん? いや、謝るならギルマスの方に。アンタら任務放棄したんだから。半分くらい俺のせいだけど。
「俺たちが間違っておりました」
「私達、心を入れ替えてやり直します」
「どうかご容赦を‥‥‥」
「ネロさん、コレはどういう‥‥‥」
ギルマスからの当然の質問に
「俺たちが悪いんです!!」
「すべての責任は私達が‥‥‥!」
「‥‥‥‥‥‥」
三人はギルマスの方に向き直り、土下座。
「‥‥‥‥‥‥?」
ギルマスは声も出なかった。俺と三人を交互に見ては首を傾げていた。
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