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第二部 家庭編

Sランクのサイラス

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「あいつら、タダじゃおかんぞ‥‥‥」
 帝都の冒険者ギルドの最強パーティー「クロノス」のサイラス、リーネ、グレンの三人はサンドワームの討伐の為、付近を周っていた。

「切り替えて、とりあえず任務をこなしましょ、サイラス。私だってあいつらを許せない‥‥‥、いたわ!あそこよ!」
「‥‥‥‥‥‥俺が行く」

 寡黙なグレンは大剣使いだ。大柄な身体で大きな両手剣を最大限振り切る。サンドワームを一撃で屠る。
 
「俺も行くぜぇー!! オラァ!!!!」
サイラスは魔法剣士、使える属性は四つ。そのままテトラマジシャンとしても活躍出来るが、彼の特筆すべき点は、剣術も一流でありそれを合わせる魔法剣が使えるという稀有な能力を有している事である。
 リーネは索敵と回復役だ。この程度では回復の出番はないだろうが、帝国でもトップクラスのヒーラーである。

「コレで五匹目ね。もうそろそろいないんじゃないの?」
「かもな‥‥‥。じゃあそろそろ奴らを見つけてぶっ殺してやるか」
「‥‥‥同意」

 三人はその場を後にした。


「いたわ、あいつらよ。なんか一人増えてるけど‥‥‥」
「狐の獣人か? 珍しい服を着ているな。高値で売れそうじゃないか?」
「‥‥‥‥‥‥」

 ネロのパーティー「スサノオ」の偵察を行う「クロノス」のメンバー。実は逆に補足されている事に全く気付いていなかった。


ーーネロ視点ーー

「ウォーターバインド!」

 固形化した水の手で三人の手足を縛る。

「な‥‥‥なんだ? 動けない‥‥‥」
「‥‥‥!?」
「何よコレ! くっ!!」

 リーダーっぽい奴に話しかける。
「なんかつけて来た様だけど、何か用か?」

「くっ! テメェ舐めたマネしてくれたなぁ? クッソ、コレを外しやがれ!!」

「やだよ、なんでせっかく捕らえたのに外す必要があるんだ? というか、そもそもお前ら誰だよ?」
「あっ! コイツら昨日ののギルドの奴らニャ!」

 ほう、昨日のあいつらか。
 さっきは流してやったけど、この二人に手を出しそうになった事でかなりムカついてんだよね。

「ローズ、サラ、コイツらどうしようか? このまま放置しておくか?」
「砂ミミズが食ってくれるニャ」
「骨も残んねーだろうな」

 三人の顔が青褪めてきた。
「それとも苦しくないように俺が眉間に穴を開けてやろうか? あっという間に死ねるぞ? どっちか選ばせてやるよ」


「‥‥‥‥‥‥すみませんでした」
「ごめんなさい、もうしません」
「‥‥‥‥‥‥申し訳なかった」

 さて、どうしようかなと思ってところで、ヨウコちゃんが提案してくれた。

「ネロ様を害そうとした罪、この程度の謝罪で済むと思うてか? ネロ様、亜空間送りはいかがかや?」
「あぁ、ちょうど良いかもな。そうするか‥‥‥」

 ミストドアを三人の足元に展開して突っ込んでやった。しばらく入れておけば反省するだろう。
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