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第二部 家庭編

不思議果物について

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 シャルの症状を改善するべく、その果実を取りに行くことにした。ただ、名前も場所もわからない。知ってそうなのはナタリーかな?

「それは、世界樹の実のことかもしれないわね。でも世界樹の場所まではわからないわ」
「誰か知ってそうな人はいないかな?」

「そうね、伝説の木だし‥‥‥。昔の御伽話レベルの話だから。昔の話に詳しい人なら‥‥‥」


 昔の話に詳しい人‥‥‥。
 つまり長生きしている人か‥‥‥。
 うーん‥‥‥
 定食屋の女将さんか?
 串焼きのおっちゃんか?
 あまり老人って知り合いにいないなぁ。


「お? ネロじゃん。久しぶり~。元気してた?」
「あ、お久しぶりです、クロエさん。元気ですよ。クロエさんはいかがですか?」


「アタシはチョー元気よ。なんか考え事してたの?」
「そうなんですよ、昔のことをよく知っている人って‥‥‥‥‥‥。すみません、クロエさん。昔の話ってお詳しいですか?」

「アタシ? まぁそこそこは‥‥‥。どれくらい昔の話? アタシじゃあ思い出せるかはわかんないよ?」

 クロエさん、エルフじゃん。多分この国で一番の長生きしてるよな?
「ネロ? アンタなんか変な事考えてない?」
「いえ、クロエさんはいつまでも美しいなぁ、と」

「まぁ、エルフだし、見た目は変化ないからね。少し前に肌が褐色の女性がいたのよ。あの人とかチョー憧れ! だって可愛いっしょ?」
「‥‥‥はい、そっすね」
 うん、よくわかんねぇっす。


「で、何が聞きたいの?」
「シャルがつわりなのか体調が優れなくて。聞いたら世界樹の実? が、そういうのに良いらしいので。その辺の話、ご存知かなぁって‥‥‥」

「世界樹の実かぁ。あんまり思い出したくはないんだよね。昔住んでた集落の話なんだけどさ」
「なんかあったんですね?」

「アタシ、集落がつまんなくてさぁ、色々やらかして追い出されたみたいな?まぁ色々あるよねー。あはは~」
 
 暗い話なのに明るいなぁ‥‥‥。エルフの感覚ってわかんないなぁ。

「でも、良いよ。手紙書いてあげる。場所も教えるね」
「あ、ありがとうございます」

「隣の国の帝都にいる魔術ギルドに行ってみて。そこの知り合いが詳しい場所教えてくれるから」
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