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冒険者 編
結婚式
しおりを挟む忘れてた、忘れていたよ。
結婚式の主役は目立つんだよ。
何てこった。
「ネロ、もう諦めなさいな」
「シャル~、どうしよう~」
シャルに大きなため息をつかれる。
だってしょうがないじゃないか、緊張するんだもの。
「ネロ、ニコニコしてれば、終わるから大丈夫だよ」
「マリア、そんなんで良いの?」
「ネロくん、三人も花嫁がいるのに一言も無いの?」
「え?あ‥‥‥」
三人ともウェディングドレスに身を包んで居た。神話や物語から出て来たかのように美しい。
「みんなすごく綺麗だよ、俺は幸せ者だよ」
「ネロ・ヴァッサー、其方は病めるときも健やかなる時もかの者達を愛し敬い、生涯を共に過ごす事を誓うか?」
「誓います」
「シャルロット・ヤーパニー、其方は‥‥‥」
「ネロ、おめでとう。三人をしっかり守るんだぞ」
「ありがとうございます、父様。ちゃんと護ります」
「ネロ、みんなもおめでとう。娘がこんなに増えて嬉しいわ」
「母様、ありがとうございます。今後も色々と教えてください」
「おめでとう、ネロ。おめでとう、シャルロット、マリア、ナタリー」
「陛下、ありがとうございます」
「お父様、お母様、シャルは幸せですわ。今までありがとうございました」
「おめでとう。ネロくん、マリアを頼んだよ」
「辺境伯閣下、ありがとうございます」
「いや、そうじゃないな、今日からは私も君の義父になるのだからな」
「そうですね、今後ともよろしくお願いします、お義父様」
「ネロ様、この度はご結婚おめでとうございます。ナタリーは私達にとって娘の様なものです。大切にしてあげてください」
「施設長、ありがとうございます。挨拶もロクに出来ませんで申し訳ありませんでした」
ナタリーの親代わりの孤児院の施設長さんだ。孤児院の最終的トップは教皇になる、今回は教皇からの特別な計らいで結婚式に列席する事になったそうだ。ただ、王族、貴族が沢山いるので、心から楽しめてはいないだろうな。
挙式の後は披露宴だ。この流れは前世と変わらないな。転生者先輩が拡めたのだろうな。
「本日は誠におめでとう、ネロが我が息子となったのは非常に嬉しく思う。それとマリア嬢、ナタリー嬢も我が娘、シャルロットをよろしく頼む。本日は新郎たっての希望もあり、無礼講とする。それでは若い夫婦の将来が明るいものとなる事を祈念して、乾杯!」
「「「乾杯!!!!」」」
次から次へと酒を注がれて呑んで‥‥‥。だいぶ酒が回ってきたら、こっそり解毒ポーションでアルコールを分解する。前世で二日酔いで酷い目にあった事が有ったからな、二度とゴメンだ。
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