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冒険者 編
王家に挨拶
しおりを挟むシャルもマリアもまだいいと言っていたが俺が落ち着かないので挨拶するためのアポイントメントを取ってもらった。
先方もどちらも畏まらなくてもいいと言われたそうだがこういうのはしっかりしておいた方がいいと思う。
まず王家訪問だ、相変わらず宮殿はデカイ。
デカイ門の所の衛兵さん達も今日はスルーだ、そりゃそうだ、隣に王女がいるのだから。
馬車で入れるところまで行ってあとは歩きだ。かなり遠いが仕方ない。
ミストドアで行けばすぐなんだがとりあえず秘密にしておくってのと王家からお迎えの馬車が来てしまったので乗らざるを得なかったのだ。
やっとこさ王様のいるところまで着いた、遠かった。部屋に入って跪く。
「陛下、ご無沙汰しております」
「おお、シャルとネロくん。よく来たな。そのような事はせんで良い。どうせ家族になるのだからな、ははは。シャルの母は少し体調が悪くてな、今日は休ませておる。喜んでおったから問題ないぞ」
確かに王妃様には会ったことないな、体調が悪いのか。立ち上がって改めて挨拶をする。
「陛下、この度はシャルロット殿下と結婚させていただきたく参りました。何卒お聞き入れいただきたく存じます」
「ネロ・ヴァッサーと第八王女シャルロットの結婚を認めよう」
「ありがたき幸せ」
「もうええじゃろ、堅苦しいのは謁見の時だけで充分じゃて」
随分とフランクな王様もいたものだ、畏まらなくて良いならそれに越した事は無いが。
「ただお披露目はもう少し先が良いだろう。伯爵以上か冒険者ランクでSランクにでもならないと体裁が悪くての。爵位ならすぐでもやれるが‥‥‥」
「いりません」
「‥‥‥じゃろ。今のランクはBじゃったか?Sランクまでは一年半くらいてとこかの?」
「結構かかるんですね」
「何を言うか、お主だからそれくらいじゃ、他の者では十年かかるわい、それでもなれるかわからんがの」
そうか、そうだよな。ほんの一握りの人だけがなれるのがSランク冒険者だ。
「王家からも指名依頼を出すようにするので優先的に受けて貰いたい。それでランクが上がっていくじゃろう」
「わかりました。喜んでお受け致します」
「よろしくの、話は変わるがあのトイレはクセになるのう、もうアレが無いトイレには入れなそうじゃよ、貴族連中もこぞって頼みに来て儲かっておるよ」
王家も貴族もみんな温水洗浄便座にハマっているんだな、まだまだ特許料は入って来そうだな。
とりあえず陛下の許可は貰ったからシャルの方は大丈夫だろう。次はマリアの実家か。
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