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王都学院 編

表彰②

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 翌朝から俺は憂鬱だった。学院集会で表彰されるらしい。人前に出るのが嫌いな俺にとってはただの罰ゲームにしかならない。全くもって迷惑なイベントだ。しかもその臨時集会のために今日は授業のない俺が学院に行かないといけないのだ。全く面倒な話だ。

「ネロ、聞いたわよ。表彰おめでとう」
「シャル、代わってくれない?」
「ダメよ、本人が受けてこその表彰なんだから、すぐ終わるから大丈夫よ」

 確かにそんなに時間はかからないだろう。だがあの人前に出る時のなんとも言えない緊張感が、とてつもなく不安にさせられるのだ。
 謁見の時は隣にゲオルグが居たから大丈夫だったが、今回は一人だ、ソロだ。

「ネロ•ヴァッサーくん、前へ!」
 司会進行のジェラルド先生に呼ばれる、なんかアイツ、ニヤニヤしてないか?

 錆びついたロボットよろしくガッチガチの動きで前に出る、舞台の階段で躓く。
 クッソ、何でこんな事させるんだ。

 「ネロ・ヴァッサー殿、貴殿のダンジョンクリアの功績は過去に例を見ない好成績であり‥‥」
 緊張して聞こえてこない、でもクスクス笑われているのは聞こえる。クッソ。

「おめでとう」
「あ、あり‥‥ます」
 声が出ない、あり‥‥ますってなんだよ、何が有るんだよ。

 席に戻る時もガチガチだった、とっとと終わらせてさっさと帰らせてくれ。

 集会終了後全力でダッシュで帰寮した。
 今日はもう何もしたくない。
 布団被って寝よう。
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