52 / 171
王都学院 編
偉業
しおりを挟む次の日学院に行くと騒がしかった。
何事かと思っていると
「あっ、来たぞ!」
と囲まれてしまった。なんか知らない大人が沢山いる。
「何事ですか?」
「キミがダンジョン実習初日でクリアしたネロ=ヴァッサーくんだね?」
「はい、そうですけど」
「キミは将来どう言う進路に進もうとしているの?」
「クリアした時の感想は?」
「キミは一人で攻略したの?」
「キミは‥‥」
うざったい、何だコレ?マスコミの囲み取材かよ!ん?マスコミの囲み取材なのか?
「あー、すんません。通してもらえますか?」
「あぁ?キミは質問に答えないつもりかね?」
「早く答えろよ!」
なんだ、コイツら⁉︎答えるも答えないも俺の自由だろ?ムカつく!
(スコール!!!!)
スコールを降らしてやった。ビショビショになって帰れ!
俺の服だけ乾かして歩き出す。そもそも学院に許可取ったのか?俺が何したってんだ。何で俺の登校の邪魔をするんだ。
教室に入るとクリフが寄ってきた。あの大人達は何だったのかと聞いてみる。
「ネロの偉業を嗅ぎつけて取材に来たみたいだよ」
「いきなり囲まれて何かされるのかと思ったよ。失礼な言葉もぶつけられたし」
「なんかしちゃった?」
「スコールを降らせてずぶ濡れにしてやった」
クリフが顔に手を当てて上を向く。あれ?ソレ、あちゃーのやつじゃない?え、またやっちまった?のやつ?
「新聞とか週刊誌に色々書かれそうだよ」
「あぁ、なんだ。見ないからどうでもいいよ。退学になるとかだと嫌だけど」
「ネロはそう言うところも強いよね?」
それで俺の偉業とやらがどれくらい凄い事なのか、クラスのゴシップ好きそうな奴が教えてくれた。
学院の歴史150年で初めての事。あの天才と称された白い魔導士ですら初回クリアは出来なかったとか全然分からん。誰だよ、白い魔導士?白魔導士じゃねーのかよ。
ちなみにトップ10には、ピーター兄が入っているらしい。
うん、それはすごい、さすがピーター兄。つーか150年も前からずっとそんな調査やってんのかよ。
あとあのミノ太は倒さなくてもいいらしい。ある程度良い勝負が出来たら満足して単位をくれるらしい。倒す奴もあまりいないらしい。
学院長からの呼び出しだ。この状況で研究バイトじゃないだろうけど。
「朝のマスコミどもの件さ、すまなかった」
「でしょうね。アルバイトの呼び出しなら良かったんですけど」
「はは、この状況でそれはないよ。しかしキミの偉業は本当に偉業なんだ。何かの機会に表彰しようと考えていてな」
「えーめんどいからいいです」
「いや、ダメだ。こっちの気持ちも汲んでくれ。表彰も何もなかったら学院が叩かれる」
「えー、あ、あのミノ太は先生なんですか?」
「ミノ太って。アレは私の従魔だよ。アレは戦いが好きでな、あそこで戦いを挑み続ける事を選んでそういう契約を交わしたんだ。どうせだから実習の役に立つ様他の契約も組み込んだ。説明してくれただろう」
「不意打ちすんなって言われましたね」
「実戦においては不意打ちは有効だけどな。不意打ちはあいつが楽しくないからだろうな。戦うのが好きで勝つのは好きじゃないみたいだ」
なんか逆の事言ってた炎と氷がくっついた敵キャラいたなぁ。
3
お気に入りに追加
2,502
あなたにおすすめの小説
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
天使の行きつく場所を幸せになった彼女は知らない。
ぷり
恋愛
孤児院で育った茶髪茶瞳の『ミューラ』は11歳になる頃、両親が見つかった。
しかし、迎えにきた両親は、自分を見て喜ぶ様子もなく、連れて行かれた男爵家の屋敷には金髪碧眼の天使のような姉『エレナ』がいた。
エレナとミューラは赤子のときに産院で取り違えられたという。エレナは男爵家の血は一滴も入っていない赤の他人の子にも関わらず、両親に溺愛され、男爵家の跡目も彼女が継ぐという。
両親が見つかったその日から――ミューラの耐え忍ぶ日々が始まった。
■※※R15範囲内かとは思いますが、残酷な表現や腐った男女関係の表現が有りますので苦手な方はご注意下さい。※※■
※なろう小説で完結済です。
※IFルートは、33話からのルート分岐で、ほぼギャグとなっております。
前世は大聖女でした。今世では普通の令嬢として泣き虫騎士と幸せな結婚をしたい!
月(ユエ)/久瀬まりか
ファンタジー
伯爵令嬢アイリス・ホールデンには前世の記憶があった。ロラン王国伝説の大聖女、アデリンだった記憶が。三歳の時にそれを思い出して以来、聖女のオーラを消して生きることに全力を注いでいた。だって、聖女だとバレたら恋も出来ない一生を再び送ることになるんだもの!
一目惚れしたエドガーと婚約を取り付け、あとは来年結婚式を挙げるだけ。そんな時、魔物討伐に出発するエドガーに加護を与えたことから聖女だということがバレてしまい、、、。
今度こそキスから先を知りたいアイリスの願いは叶うのだろうか?
※第14回ファンタジー大賞エントリー中。投票、よろしくお願いいたします!!
前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います
八神 凪
ファンタジー
平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。
いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――
そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……
「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」
悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?
八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!
※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!
婚約者の地位? 天才な妹に勝てない私は婚約破棄して自由に生きます
名無しの夜
恋愛
旧題:婚約者の地位? そんなものは天才な妹に譲りますので私は平民として自由に生きていきます
「私、王子との婚約はアリアに譲って平民として生きようと思うんです」
魔法貴族として名高いドロテア家に生まれたドロシーは事あるごとに千年に一度の天才と謳われる妹と比較され続けてきた。
「どうしてお前はこの程度のことも出来ないのだ? 妹を見習え。アリアならこの程度のこと簡単にこなすぞ」
「何故王子である俺の婚約者がお前のような二流の女なのだ? お前ではなく妹のアリアの方が俺の婚約者に相応しい」
権力欲しさに王子と結婚させようとする父や、妹と比較して事あるごとにドロシーを二流女と嘲笑う王子。
努力して、努力して、それでも認められないドロシーは決意する。貴族の地位を捨てて平民として自由に生きて行くことを。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる