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王都学院 編
模擬戦
しおりを挟む昨日は良い買い物をした。杖が本当に良い出会いだった。今日明日授業に出て明後日は休みになる。風呂桶を取りに行こう。ダンカンさんに要望を伝えたら面白そうだとノリノリだった。どんな出来になるのか楽しみだ。
クリフと一緒に授業を受ける。算術の授業は前世の中学レベルだ。理系だった俺は覚えるというより思い出すという感じだ。数学は毎日やらないと計算力が落ちるからな。
「ネロ、あれわかるの?」
「まぁ何とか」
「夜に教えて」
「いいよ」
次の授業は魔法実技だ、この授業は結界館という建物内で行う。文字通り結界が張ってあるので暴れても大丈夫らしい。万が一ドラゴン等が来たらここに避難するらしい。
「おい、ネロ。お前は本気出すなよ」
ジェラルド先生にこっそり注意される、入試時の建物と同じ結界らしいので苦笑いで了承する。
魔法実技は自分の装備を身に付ける。実際に冒険に出る心持ちで挑むようにとの事だ、学生が装備をつけて全力を出しても結界館が壊れる事はない、俺以外は。
せっかく昨日買った杖がお披露目出来ない。 仕方ない、アレはやばいからな。寮の部屋で装備した状態で、鑑定してみたら魔力が28+6 素早さが22+1となっていた。魔力は約20%増しだ。
因みに結界内ではHPが0になる事はない。魔法の技術により残り10%になった瞬間に結界外に飛ばされるらしい。しかも結界内で減った分は回復、というか無かったことになっている親切設計。うーむ、魔法便利。
「じゃあ二人一組になって模擬戦だ」
「よし、おい!水!お前俺とやろうぜ!」
ダニ某がなんか言ってる。とりあえず無視。
「おい!聞いてんのか?よし、お前クリフとやれ。」
近くにいた取り巻きに命令する。
「はい、クリフ、俺とやろうぜ、ダニエル様は水とやるんだとさ」
「えぇ?」
急に言われて断れないクリフ。
結局俺はダニ某とやることになってしまった。決まってしまったものは仕方がない、さっさと終わらせよう。
「おい、水。俺が勝ったらお前俺の奴隷な」
「なんでそうなる?」
「水一種だから俺には勝てないってか?」
「そうは言ってない。負ける事はないし」
「言ってくれたな。じゃあ勝負しろや、負けないんだろ?」
「俺が勝ったら?」
「なんでも言うこと聞いてやるよ!」
なんか乗せられている気がする、あいつ誘導上手いな。どうしよう、本気出しちゃダメみたいだし。
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