上 下
20 / 171
第一部 祝福の儀編

トレーニング

しおりを挟む

 このところは同じ事を繰り返している。以前は朝起きて井戸で水汲みをしていたが俺の魔法ですぐに水瓶を満タンに出来る。今はウォーターボール10個くらいだな。

 水汲みが終われば朝食だ、ママンのご飯は美味しい。残さず食べる、前世のご飯が恋しい時もあるが現在のところは仕方ない。

 朝食が終わって晴れならば狩りの時間だ。ママンの弁当を持ってダッシュ。ソロ狩りもピーター兄さんの口添えがありママンの許可が出た。
 ゲオルグは割と放任主義だ、他人に迷惑をかけなければ自由にして良いと言われている。

 平原のモンスター狩りは飽きてきたので今は森がブームだ。以前検討していたミストサーチに鑑定を取り込む事に成功したので察知したらいきなり敵のステータスや弱点まで把握出来るようになっている。
 ただ大抵の場合ウォーターバレットかレーザーで眉間、首、心臓に当てて瞬殺だ。水の触手、名付けて「水の手」で魔石やドロップ品を拾い上げる。

 そして最近は無詠唱で魔法が使えるようになっている。正直言って精神的には50歳の俺が魔法名をいちいち叫ぶのはきつかったのだ。ソロの場合は無詠唱の方が狩りの効率も良くなるし。
 
 だいたいMP①が二割付近で狩りを切り上げる。いつも昼を少し過ぎたくらいになる。

 今度は街に戻って魔道具屋に行く。魔石を売って金にする、こんなに毎日持ってきて大丈夫なのか聞いたらかなりの儲けになっているらしくツンデレ主人のフレッドはかなり態度が軟化している、口調は相変わらず丁寧ではないが。まぁ俺外見は12歳だしな。

「おう、ボウズ。今日も買取か?」
「うん、よろしく大将」
 いつも通り挨拶して魔石を出す。以前は極小が多かったのが今は小が一番多い。森の中はフォレストウルフやフォレストディアーが出てくる。基本的に身体の大きいモンスターの方が強いし魔石もデカイ。

「今日もよく稼いだな。ホレ」
「あんがと、大将」
 今日のアガリは4600Cだ。半日で約46000円と考えたら前世の収入を遥かに超える。
 素晴らしやエウロパ‼︎ありがとう水神様‼︎

  夕方近くなったら夕飯の準備を手伝う。ママンにアガリの半分を渡す。狩りに行ってアガリが出たら半分家に入れるルールだ、全部渡そうとしたのだが半分で残りは自分のために使うようゲオルグに言われてしまった。
 12歳がそんな大金を持っていても良いのかわからないが学校に行くようになるとお金もかかるし小遣いとかも考えたらこれでいいのかもしれないな。当主の判断なのでそのまま流されるとしよう。

 夕飯を食べたらお勉強だ。明るいうちに勉強した方が光熱費やらでいいのかもしれないが狩りによるトレーニングの方が重要なのでこうしている。雨の日は一日中勉強しているしな。
 水神様がインストールしてくれたので読み書きは大丈夫だ。試験科目は読み書き、算術、魔法理論、体育という感じらしい。
 読み書きは文章が書ければ読めれば、算術は四則計算が出来れば免除になり、魔法理論と体育がその分増えるらしい。 なので俺はもっぱら魔法理論ばっかり自習している。わからないところは首席のピーター兄に聞けば丁寧に教えてくれる。
 
 自習時間が終われば魔力訓練をしてお休みなさいだ。ポーションを作る作る。MP①が減ってきたらMP②で「身体強化」を使いまくる。すると魔力切れで倒れるように眠れる、というわけだ。最近は魔力切れで怠さを感じることもないし翌朝にはスッキリ起きられる、魔力も増えるしいい事尽くめだ。

 こんな感じで毎日を過ごして王都学院の試験が近づいてきたのでステータスを確認してみた。
 
 ネロ•ヴァッサー 12歳
HP         370/370
MP①  15885/15885
MP②      1015/1015
腕力  7
器用  15
素早さ 22
体力  12
魔力  28
魅力  19

水魔法LV5
水神の祝福

ヤベェ、やり過ぎたか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜

楠ノ木雫
恋愛
 病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。  病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。  元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!  でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る

拓海のり
ファンタジー
 階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。  頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。  破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。  ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。  タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。 完結しました。ありがとうございました。

天使の行きつく場所を幸せになった彼女は知らない。

ぷり
恋愛
孤児院で育った茶髪茶瞳の『ミューラ』は11歳になる頃、両親が見つかった。 しかし、迎えにきた両親は、自分を見て喜ぶ様子もなく、連れて行かれた男爵家の屋敷には金髪碧眼の天使のような姉『エレナ』がいた。 エレナとミューラは赤子のときに産院で取り違えられたという。エレナは男爵家の血は一滴も入っていない赤の他人の子にも関わらず、両親に溺愛され、男爵家の跡目も彼女が継ぐという。 両親が見つかったその日から――ミューラの耐え忍ぶ日々が始まった。 ■※※R15範囲内かとは思いますが、残酷な表現や腐った男女関係の表現が有りますので苦手な方はご注意下さい。※※■ ※なろう小説で完結済です。 ※IFルートは、33話からのルート分岐で、ほぼギャグとなっております。

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

婚約者の地位? 天才な妹に勝てない私は婚約破棄して自由に生きます

名無しの夜
恋愛
旧題:婚約者の地位? そんなものは天才な妹に譲りますので私は平民として自由に生きていきます 「私、王子との婚約はアリアに譲って平民として生きようと思うんです」 魔法貴族として名高いドロテア家に生まれたドロシーは事あるごとに千年に一度の天才と謳われる妹と比較され続けてきた。 「どうしてお前はこの程度のことも出来ないのだ? 妹を見習え。アリアならこの程度のこと簡単にこなすぞ」 「何故王子である俺の婚約者がお前のような二流の女なのだ? お前ではなく妹のアリアの方が俺の婚約者に相応しい」 権力欲しさに王子と結婚させようとする父や、妹と比較して事あるごとにドロシーを二流女と嘲笑う王子。 努力して、努力して、それでも認められないドロシーは決意する。貴族の地位を捨てて平民として自由に生きて行くことを。

前世は大聖女でした。今世では普通の令嬢として泣き虫騎士と幸せな結婚をしたい!

月(ユエ)/久瀬まりか
ファンタジー
伯爵令嬢アイリス・ホールデンには前世の記憶があった。ロラン王国伝説の大聖女、アデリンだった記憶が。三歳の時にそれを思い出して以来、聖女のオーラを消して生きることに全力を注いでいた。だって、聖女だとバレたら恋も出来ない一生を再び送ることになるんだもの! 一目惚れしたエドガーと婚約を取り付け、あとは来年結婚式を挙げるだけ。そんな時、魔物討伐に出発するエドガーに加護を与えたことから聖女だということがバレてしまい、、、。 今度こそキスから先を知りたいアイリスの願いは叶うのだろうか? ※第14回ファンタジー大賞エントリー中。投票、よろしくお願いいたします!!

前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います

八神 凪
ファンタジー
 平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。  いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――  そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……  「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」  悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?  八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!  ※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!

【完結】五度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、六度目の転生で幸せを掴みたい!

アノマロカリス
ファンタジー
「ノワール・エルティナス! 貴様とは婚約破棄だ!」 ノワール・エルティナス伯爵令嬢は、アクード・ベリヤル第三王子に婚約破棄を言い渡される。 理由を聞いたら、真実の相手は私では無く妹のメルティだという。 すると、アクードの背後からメルティが現れて、アクードに肩を抱かれてメルティが不敵な笑みを浮かべた。 「お姉様ったら可哀想! まぁ、お姉様より私の方が王子に相応しいという事よ!」 ノワールは、アクードの婚約者に相応しくする為に、様々な事を犠牲にして尽くしたというのに、こんな形で裏切られるとは思っていなくて、ショックで立ち崩れていた。 その時、頭の中にビジョンが浮かんできた。 最初の人生では、日本という国で淵東 黒樹(えんどう くろき)という女子高生で、ゲームやアニメ、ファンタジー小説好きなオタクだったが、学校の帰り道にトラックに刎ねられて死んだ人生。 2度目の人生は、異世界に転生して日本の知識を駆使して…魔女となって魔法や薬学を発展させたが、最後は魔女狩りによって命を落とした。 3度目の人生は、王国に使える女騎士だった。 幾度も国を救い、活躍をして行ったが…最後は王族によって魔物侵攻の盾に使われて死亡した。 4度目の人生は、聖女として国を守る為に活動したが… 魔王の供物として生贄にされて命を落とした。 5度目の人生は、城で王族に使えるメイドだった。 炊事・洗濯などを完璧にこなして様々な能力を駆使して、更には貴族の妻に抜擢されそうになったのだが…同期のメイドの嫉妬により捏造の罪をなすりつけられて処刑された。 そして6度目の現在、全ての前世での記憶が甦り… 「そうですか、では婚約破棄を快く受け入れます!」 そう言って、ノワールは城から出て行った。 5度による浮いた話もなく死んでしまった人生… 6度目には絶対に幸せになってみせる! そう誓って、家に帰ったのだが…? 一応恋愛として話を完結する予定ですが… 作品の内容が、思いっ切りファンタジー路線に行ってしまったので、ジャンルを恋愛からファンタジーに変更します。 今回はHOTランキングは最高9位でした。 皆様、有り難う御座います!

処理中です...