30 / 143
ミスリルを使って
しおりを挟む
町に戻ると門が閉まる直前だった。
「お二人さん、ギリギリセーフだったな。閉まってたら野宿するところだったぞ」
「いや、良かった。間に合って」
「本当ですわね」
宿に戻る、何日か連泊予約済みだったので良かった。下の食堂で軽く食べて上に上がった。
「さて、目的のミスリルが手に入った。例の物を作ろうと思う」
「簡単に言うけど、大丈夫なの?」
『主殿、何を作るのじゃ?』
「ミスリルの服だ」
『服? 鎧では無くてか?』
「鎧は例え軽くても動きづらいだろう? なら服にしようと思ったのさ」
『服にミスリル箔でも貼り付けるのかや?』
「チッチッチ、まだまだだな。ルーよ。ミスリルで『布』を作るのさ」
『なんじゃと? そのような事が可能なのか?』
「まずはミスリルで糸を作ってだな‥‥‥」
ミスリルのインゴットから細く細く糸状にしていく。ある程度ミスリル糸を作ったら今度はそれを布にしていく、縦糸ミスリル、横糸ミスリルで織っていく。なかなか集中力のいる作業だ。
「あぁ、これはなかなか疲れる‥‥‥」
「ほら、頑張って! アウルム」
シルヴィアが肩を揉み始めた。
「おっ? なんか気持ちいいぞ、シルヴィア‥‥‥」
「ふふーん、上手でしょう?」
シルヴィアの肩揉みで頑張れて、とりあえず服二着分くらいの布は出来た。あとは明日だな。
「疲れた‥‥‥、先に休むわ」
「お疲れ様、アウルム」
『主殿、お疲れ様でございました』
俺はその後、ほぼノータイムで眠りについた。
翌朝、ミスリル布を裁断していく。
本当は型紙とか用意したりするんだろうけど。
ミスリル布を糸と針で縫うわけではない。接合してしまえばそれっぽくなってきた。
よし、完成だ。ローブっぽいマントっぽい服だ。まぁ、ミスリルローブでいいか。
とにかく軽い。普通の布ローブと変わりない。
少しミスリルが余った。塊にするとピンポン玉くらいだ。何かに使えるだろうし、鉄球の代わりに使ってもいいな。軽くて小さいからより速く飛ばせる。それでもって鉄より硬いからな。
「うふふ、似合う?」
「ピッタリだな。似合ってるよ。このマントが仲間の印だな」
「‥‥‥うん!!」
ーーーーーーーーーーーー
『主殿、我も何かおかしいのじゃ。鞘から抜いてくれんかの?』
当然のように手に触れずにルーを抜く。と、光り出して人の形に変わっていった。10歳くらいのショートカットの小さい女の子だ。
「おぉ!! まさかこの姿になれるとは!!」
「‥‥‥ルーなのか?」
「主殿、この姿になれるとは思いませなんだ。ありがとうございます」
「ルーちゃん? 可愛い!!」
「何で人みたいに変形したんだ?」
「我のように人に変形する武器は『魔神器』と呼ばれておりまする。魔力を相当溜めねばなれないのですが‥‥‥」
「ルーちゃんの他にも武器になる子がいますの?」
「我が妹たちも『魔神器』です。戦力の増強になりますので是非収集されてはいかがですか?」
「いいわね! アウルム、是非集めましょ!」
「そう‥‥‥だな。ルー、他のはどこにあるのか判るのか?」
「申し訳ございません、詳しくは判りかねまする。数千年は会っておりませぬ故」
「そうか、まぁそのうち会えるだろう! 剣にも戻れるのか?」
「もちろんです」
「宿では剣に戻った方が良さそうね」
「誰だって思われるしな」
「それもだけど、この子の分の宿代が浮くわ!」
まぁ、しっかりしてらっしゃること‥‥‥。
「お二人さん、ギリギリセーフだったな。閉まってたら野宿するところだったぞ」
「いや、良かった。間に合って」
「本当ですわね」
宿に戻る、何日か連泊予約済みだったので良かった。下の食堂で軽く食べて上に上がった。
「さて、目的のミスリルが手に入った。例の物を作ろうと思う」
「簡単に言うけど、大丈夫なの?」
『主殿、何を作るのじゃ?』
「ミスリルの服だ」
『服? 鎧では無くてか?』
「鎧は例え軽くても動きづらいだろう? なら服にしようと思ったのさ」
『服にミスリル箔でも貼り付けるのかや?』
「チッチッチ、まだまだだな。ルーよ。ミスリルで『布』を作るのさ」
『なんじゃと? そのような事が可能なのか?』
「まずはミスリルで糸を作ってだな‥‥‥」
ミスリルのインゴットから細く細く糸状にしていく。ある程度ミスリル糸を作ったら今度はそれを布にしていく、縦糸ミスリル、横糸ミスリルで織っていく。なかなか集中力のいる作業だ。
「あぁ、これはなかなか疲れる‥‥‥」
「ほら、頑張って! アウルム」
シルヴィアが肩を揉み始めた。
「おっ? なんか気持ちいいぞ、シルヴィア‥‥‥」
「ふふーん、上手でしょう?」
シルヴィアの肩揉みで頑張れて、とりあえず服二着分くらいの布は出来た。あとは明日だな。
「疲れた‥‥‥、先に休むわ」
「お疲れ様、アウルム」
『主殿、お疲れ様でございました』
俺はその後、ほぼノータイムで眠りについた。
翌朝、ミスリル布を裁断していく。
本当は型紙とか用意したりするんだろうけど。
ミスリル布を糸と針で縫うわけではない。接合してしまえばそれっぽくなってきた。
よし、完成だ。ローブっぽいマントっぽい服だ。まぁ、ミスリルローブでいいか。
とにかく軽い。普通の布ローブと変わりない。
少しミスリルが余った。塊にするとピンポン玉くらいだ。何かに使えるだろうし、鉄球の代わりに使ってもいいな。軽くて小さいからより速く飛ばせる。それでもって鉄より硬いからな。
「うふふ、似合う?」
「ピッタリだな。似合ってるよ。このマントが仲間の印だな」
「‥‥‥うん!!」
ーーーーーーーーーーーー
『主殿、我も何かおかしいのじゃ。鞘から抜いてくれんかの?』
当然のように手に触れずにルーを抜く。と、光り出して人の形に変わっていった。10歳くらいのショートカットの小さい女の子だ。
「おぉ!! まさかこの姿になれるとは!!」
「‥‥‥ルーなのか?」
「主殿、この姿になれるとは思いませなんだ。ありがとうございます」
「ルーちゃん? 可愛い!!」
「何で人みたいに変形したんだ?」
「我のように人に変形する武器は『魔神器』と呼ばれておりまする。魔力を相当溜めねばなれないのですが‥‥‥」
「ルーちゃんの他にも武器になる子がいますの?」
「我が妹たちも『魔神器』です。戦力の増強になりますので是非収集されてはいかがですか?」
「いいわね! アウルム、是非集めましょ!」
「そう‥‥‥だな。ルー、他のはどこにあるのか判るのか?」
「申し訳ございません、詳しくは判りかねまする。数千年は会っておりませぬ故」
「そうか、まぁそのうち会えるだろう! 剣にも戻れるのか?」
「もちろんです」
「宿では剣に戻った方が良さそうね」
「誰だって思われるしな」
「それもだけど、この子の分の宿代が浮くわ!」
まぁ、しっかりしてらっしゃること‥‥‥。
2
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる