53 / 55
第2章
第一次沖縄侵攻前夜
しおりを挟む
2040年に入り、龍国は日本に対しての侵攻準備を開始した。
この知らせはアメリカ政府(国防相)やCIA、龍国に潜ませておいたヒューミット(スパイ)から次々と日本政府と日海軍に対してもたらされた。
龍国内での動きとしては、まず龍国政府の幹部たちが龍国各地に出かけ、各軍区の幹部たちと密会しているという情報があった。
特に動きが活発なのは上海を拠点とする東部軍区で、アメリカの偵察衛星などからも東部軍区に所属する東洋艦隊の多くがエンジンに火が入っていることを赤外線映像にて確認した。
数日後の2月初旬には東部軍区の東洋艦隊の大規模演習なども実施され報道されていた。
また、同様にして龍国南部の漁港に多数分散して停泊していた装甲板や重火器などを装備した武装漁船の動きも活発になったとの報告があった。
3つもの空母打撃陣を持つ東洋艦隊のうち、実際に行動を開始したのは空母打撃陣の一つの第十五艦隊で、侵攻の主力は3000隻とも5000隻とも言われている多数の武装漁船であった。
ヒューミットの中にはこれら武装漁船に乗組む予定の民兵も多数含まれていて、彼らの多くは明石大佐率いる日海軍情報部に大金で買収されていた。
彼らからもたらされる情報によると「2040年の夏頃に大規模な出動があるかも」とのことであった。
また、東南アジアなどに多数派遣されていた武装漁船と思しき船も多く龍国本土に呼び戻され、武装や装甲が強化される改造が施されていた。
特に今回、日本にとって脅威だと思われていたのが、舷側や船首に追加装備された多数の角材で、中には鋭利に加工された角材を外向きに配置している船や、古代ギリシャ時代の軍船のように船首にラム(衝角)を装着し、体当たりすると相手に多大な被害を及ぼす可能性の高い装備を施す船が多数確認された。
それらの画像を入手した明石大佐などは「まるでMADMAXの世界だな」と評した。
実際、武装漁船の中には重機関銃の他にもRPG-7(69式火箭筒)などの対戦車擲弾発射器、長さが5mほどもありそうな槍などを多数装備していたり操縦席を鉄網などで防御している船などが多数存在していた。
日本の海上自衛隊や巡視艇なども、これらの装備に対して防御する必要が迫られ、応急措置として舷側にタイヤを並べて武装漁船からの体当たりに対して防御したりRPG-7に対応するため、バイタルパート付近には鉄網などを並べ、防御力を高める工夫が施された。
(ほとんど焼け石に水、程度の効果しか期待出来ないのだが)
これらの応急処置は日本国内の施設では反社会勢力により妨害工作が入る可能性があるので密かに南海新都市の工場で行われた。
これらの施設は川北重工などの浮きドックが使われ、屋根もあるので監視衛星からも隠す事が可能なものだった。
そのような中、2040年2月、沖縄地方政府が独立宣言をし琉球自治区を立ち上げると発表した。
日本マスコミもそれを応援する。
テレビのニュースや昼のバラエティ番組などでは評論家のほぼ全てが沖縄独立を支持するコメントを出した。
中には少数の独立反対派がいたが、ほとんどの番組ではそのような反対派を多数の賛成派が集中攻撃する図式であった。
北海道でもアイヌ独立派が同様の動きを活発化した。
北海道の地方政府は随分前から「独立」を標榜する政党が担っていたし、札幌の繁華街は随分前から龍国資本にほぼ占領されていた。
そこで北海道でアイヌ自治区を作ると一部勢力が発表しても北海道政府は表立って反対しなかった。
当然、北海道のマスコミはこぞってアイヌ独立に賛成。
北海道道庁の前ではアイヌ独立に賛成する独立派が大規模デモを行い、世界中にアピールを開始。
その動きは龍国やロシアで好意的に報道され、さらに世界へと拡散される。
この動きに対し、保守派の一部が反独立デモを起こすが、謎の暴力集団によりボコボコにされてしまう。
日海軍はゼロ戦と月光、イ400KAIを動ける機体を全て戦闘準備を開始する。
戦略空母赤城も沖縄沖に移動開始。
海自と海保も対馬や北海道を除き沖縄に集結を開始する。
警察と機動隊も沖縄で不審団体や人物を抑えるために集結。
それを妨害する日本のマスコミと沖縄政府。
沖縄県警に明らかに龍国の軍人?と思われる人物たちが入り込んでいて、日本本土の警察と小競り合いを始める。
本土から派遣された警官隊に対して那覇空港で受け入れ拒否の妨害工作に出る。
それらを報道しているのは南海新都市のネットメディア(コンサバチューブ等)のみという有様だった。
沖縄の繁華街で無差別殺傷テロ発生、また沖縄各所で爆弾テロと思しき爆発事件が発生。
そのテロに対しマスコミは日本本土の保守派の犯行だと断定した報道を繰り返す。
龍国政府はこの事態に対し、日本政府に対し復旧援助隊の派遣を申し込みをする。
日本の野党と与党の一部はこの提案に対し歓迎の意向を表明。
マスコミも全面的に賛成し、受け入れるよう日本政府に圧力をかけた。
沖縄政府は龍国からの支援受け入れを表明。
デモ隊も那覇港辺りで大規模受け入れデモを開始した。
ロシアが国境付近で戦闘機を展開し、度々 領空侵犯を繰り返した。
それに対して空自もスクランブルで対応。
そのロシアの動きに対し、明確な批判と対抗措置を行ったのはアメリカとインド。
インドはロシアに対して「ロシアが日本に侵略を開始した場合、国益や被害を無視してでもロシアに対して反撃を加える」と発表した。
ロシアはこのインドの発表に対し猛反発するが、直接的な行動は起こさなかった。
米軍第七艦隊は五島列島沖まで進出、対馬方面へも睨みを効かせる。
だが、米軍の動きに反してアメリカ政府はこの龍国の動きに対し、基本的に静観の構えをとると発表。
このアメリカ政府の弱腰の姿勢に日本政府の一部からも非難の声が上がった。
中村首相は非常事態宣言を発動。
その宣言に対し、日本のマスコミと龍国マスコミは大反発した。
「日本政府は世界を危機に陥れるつもりなのか?」とか「日本政府の過剰な反応は龍国と日本との関係にとって良くないことだ」などと主張。
日本政府はそのような妨害に対し、非常事態宣言に伴い「報道と集会の制限」を宣言し、マスコミや沖縄に集結するデモ隊と対決する姿勢を明確にする。
この動きに日本のマスコミは大反発、
「政治的に偏った報道を慎むよう」に要請する日本政府に対し「報道の自由」を盾に偏向報道を続ける日本のマスコミたち。
特にひどいのが公共放送を騙るNHKであった。
NHKといっても現実社会に日本に存在する日本放送局ではなく、「日本偏向放送局」の略で全くの別組織のことである。
実は2030年頃から、南海新都市とNHKは関係が悪化していて、NHKはネットユーザーに対しても課金を(ほぼ強引に)開始していて、当然のように南海新都市の企業や個人に対しても課金を要求してきていた。
それに対し、川北重工のトップ(ついでに日海軍トップ)の川北耕三が激怒。
彼は「南海企業連合の総意としてNHKのネットユーザーに対する強制課金は許さない」という発表をしていた。
その動きに対してNHKは猛反発、川北重工など数十社に対し、訴えを起こすことまでしていたのだ。
NHKは渋谷の本社家屋に龍国の国営テレビを入居させていて、龍国に対しNHKは情報を横流ししている疑惑が長年囁かれていた。
NHKに龍国の大使館員が頻繁に出入りしている映像が日本のマスコミによりすっぱ抜かれ、その報道が本土では全く取り上げられなかったのだが、その情報と映像は南海新都市のネット放送局に持ち込まれ、大々的に報道したことがあった。
そのネット放送局はNHKに対し、正式に説明と釈明を求めたがNHKは完全に無視。
川北耕三もこの事態に対し、ネット放送局を通じてNHKに正式に抗議し、場合によったら受信料の支払いを一斉に停止し、南海新都市は日本のテレビ網から離脱すると発表していたという経緯があったのだ。
NHKはこの南海新都市の動きに猛反発し、連日、川北重工の脱税疑惑(実際は疑惑ではなく真実だが)や、川北耕三の独裁体質などについて猛烈な批判を繰り返していた。
実際、川北を始めとした南海の企業連合の多くは日本政府との密約で、防衛の一部を肩代わりする代わりに税金を納めていなかった。
年間の国防費が相変わらず5兆円代の日本に代わり、年間10兆円以上の軍事費?を投じ続けている南海新都市の企業連合は日本にとって随分前から「防壁」の役割を陰ながら行っていたのだ。
NHKはその事実を正確に嗅ぎつけたわけではない。
これまでは膨大な資金力と政治力を持つ川北重工に遠慮していたのだが、川北がNHKに対して公然と非難を始めたので、NHKも反撃を開始したわけだ。
龍国の侵攻が目前に迫ったこの時期、日本政府は自由済民党の中村が首相として率いていたのだが、彼は外見こそ良いものの「二世議員で日和見主義」と保守派からも悪口を言われる始末の議員だった。
今回の危機も「なるべく龍国を刺激しないようにする」というのが内閣と外務省の方針で、後ろでは自由済民党の親龍派議員が内閣が反龍的な動きをしないよう散々、策動していた。
特に龍国に進出している企業のトップなどを引き連れ、首相や側近などに面接させ、龍国へ強硬手段を採らないよう圧力をかけていた。
龍国政府も裏では龍国に出た日本企業を人質にするような発言を日本政府に対して行っていたので、日本政府は板挟みになっていたのだ。
その中での非常事態宣言はある意味画期的とも言える事だったのだ。
だが、この時期、龍国へ進出していた日本企業は凄い数居たので発言力は非常に強いものがあり、個人的には比較的保守的で常識的な考えを持っていると言われている中村首相も彼らの発言を無視するわけにはいかなかった。
非常事態宣言を出した中村内閣に対して与党内でも非常に数多くの反対の声が上がった。
だが、防衛省と国交省の海上保安庁は沖縄の防衛に対し、全力で出動することに決定するのであった。
この知らせはアメリカ政府(国防相)やCIA、龍国に潜ませておいたヒューミット(スパイ)から次々と日本政府と日海軍に対してもたらされた。
龍国内での動きとしては、まず龍国政府の幹部たちが龍国各地に出かけ、各軍区の幹部たちと密会しているという情報があった。
特に動きが活発なのは上海を拠点とする東部軍区で、アメリカの偵察衛星などからも東部軍区に所属する東洋艦隊の多くがエンジンに火が入っていることを赤外線映像にて確認した。
数日後の2月初旬には東部軍区の東洋艦隊の大規模演習なども実施され報道されていた。
また、同様にして龍国南部の漁港に多数分散して停泊していた装甲板や重火器などを装備した武装漁船の動きも活発になったとの報告があった。
3つもの空母打撃陣を持つ東洋艦隊のうち、実際に行動を開始したのは空母打撃陣の一つの第十五艦隊で、侵攻の主力は3000隻とも5000隻とも言われている多数の武装漁船であった。
ヒューミットの中にはこれら武装漁船に乗組む予定の民兵も多数含まれていて、彼らの多くは明石大佐率いる日海軍情報部に大金で買収されていた。
彼らからもたらされる情報によると「2040年の夏頃に大規模な出動があるかも」とのことであった。
また、東南アジアなどに多数派遣されていた武装漁船と思しき船も多く龍国本土に呼び戻され、武装や装甲が強化される改造が施されていた。
特に今回、日本にとって脅威だと思われていたのが、舷側や船首に追加装備された多数の角材で、中には鋭利に加工された角材を外向きに配置している船や、古代ギリシャ時代の軍船のように船首にラム(衝角)を装着し、体当たりすると相手に多大な被害を及ぼす可能性の高い装備を施す船が多数確認された。
それらの画像を入手した明石大佐などは「まるでMADMAXの世界だな」と評した。
実際、武装漁船の中には重機関銃の他にもRPG-7(69式火箭筒)などの対戦車擲弾発射器、長さが5mほどもありそうな槍などを多数装備していたり操縦席を鉄網などで防御している船などが多数存在していた。
日本の海上自衛隊や巡視艇なども、これらの装備に対して防御する必要が迫られ、応急措置として舷側にタイヤを並べて武装漁船からの体当たりに対して防御したりRPG-7に対応するため、バイタルパート付近には鉄網などを並べ、防御力を高める工夫が施された。
(ほとんど焼け石に水、程度の効果しか期待出来ないのだが)
これらの応急処置は日本国内の施設では反社会勢力により妨害工作が入る可能性があるので密かに南海新都市の工場で行われた。
これらの施設は川北重工などの浮きドックが使われ、屋根もあるので監視衛星からも隠す事が可能なものだった。
そのような中、2040年2月、沖縄地方政府が独立宣言をし琉球自治区を立ち上げると発表した。
日本マスコミもそれを応援する。
テレビのニュースや昼のバラエティ番組などでは評論家のほぼ全てが沖縄独立を支持するコメントを出した。
中には少数の独立反対派がいたが、ほとんどの番組ではそのような反対派を多数の賛成派が集中攻撃する図式であった。
北海道でもアイヌ独立派が同様の動きを活発化した。
北海道の地方政府は随分前から「独立」を標榜する政党が担っていたし、札幌の繁華街は随分前から龍国資本にほぼ占領されていた。
そこで北海道でアイヌ自治区を作ると一部勢力が発表しても北海道政府は表立って反対しなかった。
当然、北海道のマスコミはこぞってアイヌ独立に賛成。
北海道道庁の前ではアイヌ独立に賛成する独立派が大規模デモを行い、世界中にアピールを開始。
その動きは龍国やロシアで好意的に報道され、さらに世界へと拡散される。
この動きに対し、保守派の一部が反独立デモを起こすが、謎の暴力集団によりボコボコにされてしまう。
日海軍はゼロ戦と月光、イ400KAIを動ける機体を全て戦闘準備を開始する。
戦略空母赤城も沖縄沖に移動開始。
海自と海保も対馬や北海道を除き沖縄に集結を開始する。
警察と機動隊も沖縄で不審団体や人物を抑えるために集結。
それを妨害する日本のマスコミと沖縄政府。
沖縄県警に明らかに龍国の軍人?と思われる人物たちが入り込んでいて、日本本土の警察と小競り合いを始める。
本土から派遣された警官隊に対して那覇空港で受け入れ拒否の妨害工作に出る。
それらを報道しているのは南海新都市のネットメディア(コンサバチューブ等)のみという有様だった。
沖縄の繁華街で無差別殺傷テロ発生、また沖縄各所で爆弾テロと思しき爆発事件が発生。
そのテロに対しマスコミは日本本土の保守派の犯行だと断定した報道を繰り返す。
龍国政府はこの事態に対し、日本政府に対し復旧援助隊の派遣を申し込みをする。
日本の野党と与党の一部はこの提案に対し歓迎の意向を表明。
マスコミも全面的に賛成し、受け入れるよう日本政府に圧力をかけた。
沖縄政府は龍国からの支援受け入れを表明。
デモ隊も那覇港辺りで大規模受け入れデモを開始した。
ロシアが国境付近で戦闘機を展開し、度々 領空侵犯を繰り返した。
それに対して空自もスクランブルで対応。
そのロシアの動きに対し、明確な批判と対抗措置を行ったのはアメリカとインド。
インドはロシアに対して「ロシアが日本に侵略を開始した場合、国益や被害を無視してでもロシアに対して反撃を加える」と発表した。
ロシアはこのインドの発表に対し猛反発するが、直接的な行動は起こさなかった。
米軍第七艦隊は五島列島沖まで進出、対馬方面へも睨みを効かせる。
だが、米軍の動きに反してアメリカ政府はこの龍国の動きに対し、基本的に静観の構えをとると発表。
このアメリカ政府の弱腰の姿勢に日本政府の一部からも非難の声が上がった。
中村首相は非常事態宣言を発動。
その宣言に対し、日本のマスコミと龍国マスコミは大反発した。
「日本政府は世界を危機に陥れるつもりなのか?」とか「日本政府の過剰な反応は龍国と日本との関係にとって良くないことだ」などと主張。
日本政府はそのような妨害に対し、非常事態宣言に伴い「報道と集会の制限」を宣言し、マスコミや沖縄に集結するデモ隊と対決する姿勢を明確にする。
この動きに日本のマスコミは大反発、
「政治的に偏った報道を慎むよう」に要請する日本政府に対し「報道の自由」を盾に偏向報道を続ける日本のマスコミたち。
特にひどいのが公共放送を騙るNHKであった。
NHKといっても現実社会に日本に存在する日本放送局ではなく、「日本偏向放送局」の略で全くの別組織のことである。
実は2030年頃から、南海新都市とNHKは関係が悪化していて、NHKはネットユーザーに対しても課金を(ほぼ強引に)開始していて、当然のように南海新都市の企業や個人に対しても課金を要求してきていた。
それに対し、川北重工のトップ(ついでに日海軍トップ)の川北耕三が激怒。
彼は「南海企業連合の総意としてNHKのネットユーザーに対する強制課金は許さない」という発表をしていた。
その動きに対してNHKは猛反発、川北重工など数十社に対し、訴えを起こすことまでしていたのだ。
NHKは渋谷の本社家屋に龍国の国営テレビを入居させていて、龍国に対しNHKは情報を横流ししている疑惑が長年囁かれていた。
NHKに龍国の大使館員が頻繁に出入りしている映像が日本のマスコミによりすっぱ抜かれ、その報道が本土では全く取り上げられなかったのだが、その情報と映像は南海新都市のネット放送局に持ち込まれ、大々的に報道したことがあった。
そのネット放送局はNHKに対し、正式に説明と釈明を求めたがNHKは完全に無視。
川北耕三もこの事態に対し、ネット放送局を通じてNHKに正式に抗議し、場合によったら受信料の支払いを一斉に停止し、南海新都市は日本のテレビ網から離脱すると発表していたという経緯があったのだ。
NHKはこの南海新都市の動きに猛反発し、連日、川北重工の脱税疑惑(実際は疑惑ではなく真実だが)や、川北耕三の独裁体質などについて猛烈な批判を繰り返していた。
実際、川北を始めとした南海の企業連合の多くは日本政府との密約で、防衛の一部を肩代わりする代わりに税金を納めていなかった。
年間の国防費が相変わらず5兆円代の日本に代わり、年間10兆円以上の軍事費?を投じ続けている南海新都市の企業連合は日本にとって随分前から「防壁」の役割を陰ながら行っていたのだ。
NHKはその事実を正確に嗅ぎつけたわけではない。
これまでは膨大な資金力と政治力を持つ川北重工に遠慮していたのだが、川北がNHKに対して公然と非難を始めたので、NHKも反撃を開始したわけだ。
龍国の侵攻が目前に迫ったこの時期、日本政府は自由済民党の中村が首相として率いていたのだが、彼は外見こそ良いものの「二世議員で日和見主義」と保守派からも悪口を言われる始末の議員だった。
今回の危機も「なるべく龍国を刺激しないようにする」というのが内閣と外務省の方針で、後ろでは自由済民党の親龍派議員が内閣が反龍的な動きをしないよう散々、策動していた。
特に龍国に進出している企業のトップなどを引き連れ、首相や側近などに面接させ、龍国へ強硬手段を採らないよう圧力をかけていた。
龍国政府も裏では龍国に出た日本企業を人質にするような発言を日本政府に対して行っていたので、日本政府は板挟みになっていたのだ。
その中での非常事態宣言はある意味画期的とも言える事だったのだ。
だが、この時期、龍国へ進出していた日本企業は凄い数居たので発言力は非常に強いものがあり、個人的には比較的保守的で常識的な考えを持っていると言われている中村首相も彼らの発言を無視するわけにはいかなかった。
非常事態宣言を出した中村内閣に対して与党内でも非常に数多くの反対の声が上がった。
だが、防衛省と国交省の海上保安庁は沖縄の防衛に対し、全力で出動することに決定するのであった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
銀河文芸部伝説~UFOに攫われてアンドロメダに連れて行かれたら寝ている間に銀河最強になっていました~
まきノ助
SF
高校の文芸部が夏キャンプ中にUFOに攫われてアンドロメダ星雲の大宇宙帝国に連れて行かれてしまうが、そこは魔物が支配する星と成っていた。
8分間のパピリオ
横田コネクタ
SF
人間の血管内に寄生する謎の有機構造体”ソレウス構造体”により、人類はその尊厳を脅かされていた。
蒲生里大学「ソレウス・キラー操縦研究会」のメンバーは、20マイクロメートルのマイクロマシーンを操りソレウス構造体を倒すことに青春を捧げるーー。
というSFです。
セルリアン
吉谷新次
SF
銀河連邦軍の上官と拗れたことをキッカケに銀河連邦から離れて、
賞金稼ぎをすることとなったセルリアン・リップルは、
希少な資源を手に入れることに成功する。
しかし、突如として現れたカッツィ団という
魔界から独立を試みる団体によって襲撃を受け、資源の強奪をされたうえ、
賞金稼ぎの相棒を暗殺されてしまう。
人界の銀河連邦と魔界が一触即発となっている時代。
各星団から独立を試みる団体が増える傾向にあり、
無所属の団体や個人が無法地帯で衝突する事件も多発し始めていた。
リップルは強靭な身体と念力を持ち合わせていたため、
生きたままカッツィ団のゴミと一緒に魔界の惑星に捨てられてしまう。
その惑星で出会ったランスという見習い魔術師の少女に助けられ、
次第に会話が弾み、意気投合する。
だが、またしても、
カッツィ団の襲撃とランスの誘拐を目の当たりにしてしまう。
リップルにとってカッツィ団に対する敵対心が強まり、
賞金稼ぎとしてではなく、一個人として、
カッツィ団の頭首ジャンに会いに行くことを決意する。
カッツィ団のいる惑星に侵入するためには、
ブーチという女性操縦士がいる輸送船が必要となり、
彼女を説得することから始まる。
また、その輸送船は、
魔術師から見つからないように隠す迷彩妖術が必要となるため、
妖精の住む惑星で同行ができる妖精を募集する。
加えて、魔界が人界科学の真似事をしている、ということで、
警備システムを弱体化できるハッキング技術の習得者を探すことになる。
リップルは強引な手段を使ってでも、
ランスの救出とカッツィ団の頭首に会うことを目的に行動を起こす。
CREATED WORLD
猫手水晶
SF
惑星アケラは、大気汚染や森林伐採により、いずれ人類が住み続けることができなくなってしまう事がわかった。
惑星アケラに住む人類は絶滅を免れる為に、安全に生活を送れる場所を探す事が必要となった。
宇宙に人間が住める惑星を探そうという提案もあったが、惑星アケラの周りに人が住めるような環境の星はなく、見つける前に人類が絶滅してしまうだろうという理由で、現実性に欠けるものだった。
「人間が住めるような場所を自分で作ろう」という提案もあったが、資材や重力の方向の問題により、それも現実性に欠ける。
そこで科学者は「自分達で世界を構築するのなら、世界をそのまま宇宙に作るのではなく、自分達で『宇宙』にあたる空間を新たに作り出し、その空間で人間が生活できるようにすれば良いのではないか。」と。
基本中の基本
黒はんぺん
SF
ここは未来のテーマパーク。ギリシャ神話 を模した世界で、冒険やチャンバラを楽し めます。観光客でもある勇者は暴風雨のな か、アンドロメダ姫を救出に向かいます。
もちろんこの暴風雨も機械じかけのトリッ クなんだけど、だからといって楽じゃない ですよ。………………というお話を語るよう要請さ れ、あたしは召喚されました。あたしは違 うお話の作中人物なんですが、なんであた しが指名されたんですかね。
ポイントセンサー
岡智 みみか
SF
人格の全てを数値で表される世界
個人の人格を総合的に評価し、数値で現す時代。そのポイントの管理・運営を司るパーソナルポイント管理運営事務局、略してPP局に勤める主人公の明穂は、同じ部署の仲間と共に日々自己のPPアップと局の仕事に邁進していた。
元SPの横田や、医師の資格を持つさくら、中性的な男の子の市山など、様々な個性あふれるメンバーとの交流を重ねながら、明穂はPPという制度の利点と矛盾に悩みつつも、やがて大きな事件へと巻き込まれてゆくーー。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる