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第2章
馬場中尉の登場
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馬場 信次(ばばしんじ) 52歳。
日海軍に入隊したのは2024年で、それ以前は旅客機のパイロットであった経験がある。
彼が南海新都市に来たのは元々、そのパイロットとして来る機会が多かったので戦闘機パイロットとして武田にスカウトされたという経緯がある。
馬場は戦闘機隊の隊長である武田少佐より年上だったのだが、武田が集めた戦闘機乗りたちは山県を筆頭に「武闘派」がやたらと多かったということもあり、それら脛に傷のある暴れん坊達を統制出来る人材としても馬場は期待されていたのだ。
新型のゼロ戦のテストパイロットは主に山県大尉が務めていたのだが、ゼロ戦がひとまず量産化される一歩手前のプリプロ(工場試作)になった時点で、「月光」というエンジンやパワーセルユニットやアビオニクスなどをほぼ共通化で開発が進められていた複座型双発戦闘機のテストパイロットを馬場がしていた。
元々の月光は夜間戦闘機として有名だったが、新型の月光は格闘戦の性能を犠牲にし、その分を大量の兵装や電子戦に対応した装備を積むことで後方からゼロ戦の支援をする「支援戦闘攻撃機」として開発されていた。
新型のゼロ戦を使った空戦技術のブラッシュアップなどは山県が行なっていたのだが、これはいわゆる「空戦技術(マニューバースキル)」であって、ゼロ戦隊と月光隊、潜水艦などとの連携をどうするかとか、数々のドローンに対応する戦術の確立など「戦術」面での担当をすることが馬場大尉の役割とされた。
武田少佐率いる日海軍航空隊では馬場中尉は副官として抜擢され、主に地上で指揮を執る武田に代わり、前線後方で飛行隊の指揮を直接執り、必要ならば自らも敵に攻撃を加えるという役割をもっていた。
この時点ではまだ戦闘は起こっていなかったので主に山県大尉その他のパイロットを相手に模擬空戦をしていたり、装備品のテスト、月光という新たなマルチロールファイターの量産に向けての最終チェックなどを精力的に行っていた。
だが、隊長の武田を始め、全部隊中最高齢だったため、隊内ではお爺ちゃん扱いされることも多かったのだが、見た感じとぼけた雰囲気なのに反し頭脳明晰、百戦錬磨な馬場に口で勝てれるものは誰もいなく、隊の暴れん坊どもも馬場の前では比較的大人しくなるのだった。
山県「その機体は実際、どのくらい機動出来るんだい?」
馬場「零戦とは違い、空戦フラップは無いし鈍重だからクルクルと格闘戦するのは考えてないね。まあ旧型よりは圧倒的にエンジンがいいからそこそこ戦えるだろうけどな」
山県「サイドワインダーくらいは躱せるのか?」
馬場「フレアは零戦の倍積んでるからある意味、零戦より対ミサイル防御は強いぜ」
山県「フレアだけじゃ防げないだろ?限界テストしたのか?」
馬場「データ取り用のPP(プリプロ)機だからねぇ。またそのうち限界テストでもするんじゃないの?」
山県「で、今日はフル装備した場合、どのくらいの距離で離陸出来るかのテストだっけ?」
馬場「そうだねぇ~、こういう限界テストは何も俺じゃなくても適任者は別にいるんじゃないの?って思うよな」
山県「しょげるなよ、俺も散々やらされたんだからさ。で何トン載せてるんだっけ?」
馬場「10tほどだっけな」
山県「10t?!零戦の3倍以上か」
馬場「それでも最近のジェット戦闘機の半分以下だぜ。こちとら零戦とは違い機動性は劣るから遠距離からシコシコ敵戦力を削っていくか、敵の攻撃を電気的に防ぐしか手がないんだよ」
山県「性に合わないな、俺はこっち(ゼロ戦)がいいわ」
馬場「そもそも老人を最前線に連れて行くなよってことだよな。俺は君たちを後ろからサポートさせてもらうよ」
山県「その割にはテストでこき使われてるよな、今回それで飛べるのか?」
馬場「さぁどうだろうな?2000mもあれば飛べるんじゃないか?タキシングでの動きはやたらと鈍いけどな」
山県「ほんじゃ、先に出てるぞ」
今回、空自機との模擬空戦以外にはすることがない山県機は早々に赤城から飛び立っていってしまった。
ちなみに今、赤城が居るのは南海新都市南方100kmの太平洋海上。
この近辺は商船や漁船なども滅多に飛んでいないので多少、目立つようなことをしていても民間人の目に入ることは滅多になく、敵国のスパイの目からも隠しやすいポイントとして日海軍は演習などに使っていた。
前にも書いたが、空自所属のF-4EJファントムは本来なら早々に退役させたれていたのだが、日海軍と自衛隊などの「つなぎ」の役目として複座機のF-4EJは何かと非常に都合がよく、日海軍側の希望でこうして退役を延長してもらっていたわけだ。
日海軍は独自のアビオニクスを採用しているので、米軍や自衛隊が使っている敵味方識別装置(IFF)は双方で使えない。
日海軍はレーダーによる索敵が出来なくなることを想定して従来のレーダーによる敵味方識別法以外にも、目視による敵味方識別法をあれこれ試していたのだが、空自のF-4EJや日海軍のゼロ戦にも同様の細工が施されていて、それらがマトモに使えるかどうかをこうしてテストしていたわけだ。
人間の肉眼による目視にはおのずと限界があるので日海軍は早い段階から機械とAIを組み合わせた自動索敵装置を開発し戦闘機等に載せていたが、問題は夜間で、自動索敵装置に装備された暗視カメラで捉えることが可能な距離は日中より遥かに短く、さらに色の識別なども困難であったため、精度が極めて悪かった。
そこで機体の一部に戦闘識別パネル(Combat Identification Panel , CIP)と呼ばれる輻射熱を低下させるテープを貼り、サーモグラフィーで観るとそのテープを貼った処だけが暗く写るので敵味方の識別をし易くしていた。
(同様の装備は2003年のイラク戦争で米軍地上部隊で実際に導入されている)
戦闘識別パネルをそれぞれの部隊の認識形状で貼り付けておくことで部隊間の認識もやり易くし、さらに自衛隊機などにも同様に貼ってもらうことで、日海軍機同士、日海軍と自衛隊、双方で「フレンドリーファイヤー」をしないようにしていた。
余談だが「月光」という双発戦闘機について少し説明する。
元々の月光は紆余曲折の末、夜間戦闘機として大東亜戦争を戦った戦闘機であったが、今回の「新型月光」ではパワーセルユニット、電動モーター、機体を制御しているアビオニクスなどを新型ゼロ戦で使われているものをほぼそのまま活用し、開発費と時間を節約したモデルとなっている。
そういうわけで「夜間戦専用」で開発されたわけではない。
戦場では「同じモーター」「同じパワーセルユニット」など、部品が共用していると補給や補修の面でもかなり有利となる。
新型ゼロ戦は軽快な機動性と強力な武装で戦う制空戦闘機だが、新型月光は(プロペラ機の双発戦闘機としては)大量の兵装を搭載出来ることと、強力なレーダー、通信装置、迎撃用の後方対空機銃の搭載など、新型ゼロ戦の後方支援をしつつ、前線で展開している部隊を指揮する目的でも使用可能である。
通常使用時は乗員2名で運用するが、真ん中にもう一席あるので部隊の指揮を執る者がそこに乗り、指揮に専念する指揮統率機としての使用方法も可能である。
「戦闘機相手の格闘戦」「戦闘機相手の遠距離攻撃」「敵艦相手の対艦攻撃」「地上目標相手の対地攻撃」「大量のドローンに対しての大量ソフトターゲットに対しての攻撃」「前線での部隊指揮」などを一機でそこそここなせるマルチロール機として開発された。
まぁ、詰め込み過ぎたことによる開発の遅れがかなり深刻であったため、こうやって毎日、テストに次ぐテストに励まされているわけだ。
ただ、馬場にはこのような緻密な情報収集をするテストパイロットとしての才能があった。
山県はどちらかというとラフな性格をしているので、限界付近まで使い倒すようなことは得意としていたのだが、少しでも機器を使いやすく調整したり、場合によっては設計そのものの手直しまで要求するような事は、あまり向いていなかった。
その点、馬場中尉は細かい処まで目が届く男なので、開発の坂本大佐も馬場大尉に新型兵器の改良だとか問題点の炙り出しを積極的にさせていたのだ。
最近の改良点としては、コクピットのメインモニターの形状と配置の変更。
後方から光を受ける時、現行のメインモニターの配置だとモニターに光が反射して画面が非常に見難くなるので、反射を防ぐ特殊フィルムの導入やモニター自体を大型のタブレットに変更し、更に設置する角度をやや下向きにすることで光が反射しないようにした。
また、月光は後部座席が基本的に対空機銃をリモートコントロールして対空防御を担当したり、ドローンの遠隔操作、偵察情報の部隊内共有や赤城のCICとの情報共有などなど飛行機の操縦以外の役割を一括して行うのであったが、それらの操作機器の最終調整やテストなどを行なっていた。
とりあえずテストする項目はバカみたいに多く、テスト出来るパイロットもほとんどいないため年中無休で馬車馬のようにコキ使われていたのだが、
「やれやれ、やるしかないよなぁ」と愚痴をこぼしながら今日も月光で飛び立つ馬場中尉なのであった。
日海軍に入隊したのは2024年で、それ以前は旅客機のパイロットであった経験がある。
彼が南海新都市に来たのは元々、そのパイロットとして来る機会が多かったので戦闘機パイロットとして武田にスカウトされたという経緯がある。
馬場は戦闘機隊の隊長である武田少佐より年上だったのだが、武田が集めた戦闘機乗りたちは山県を筆頭に「武闘派」がやたらと多かったということもあり、それら脛に傷のある暴れん坊達を統制出来る人材としても馬場は期待されていたのだ。
新型のゼロ戦のテストパイロットは主に山県大尉が務めていたのだが、ゼロ戦がひとまず量産化される一歩手前のプリプロ(工場試作)になった時点で、「月光」というエンジンやパワーセルユニットやアビオニクスなどをほぼ共通化で開発が進められていた複座型双発戦闘機のテストパイロットを馬場がしていた。
元々の月光は夜間戦闘機として有名だったが、新型の月光は格闘戦の性能を犠牲にし、その分を大量の兵装や電子戦に対応した装備を積むことで後方からゼロ戦の支援をする「支援戦闘攻撃機」として開発されていた。
新型のゼロ戦を使った空戦技術のブラッシュアップなどは山県が行なっていたのだが、これはいわゆる「空戦技術(マニューバースキル)」であって、ゼロ戦隊と月光隊、潜水艦などとの連携をどうするかとか、数々のドローンに対応する戦術の確立など「戦術」面での担当をすることが馬場大尉の役割とされた。
武田少佐率いる日海軍航空隊では馬場中尉は副官として抜擢され、主に地上で指揮を執る武田に代わり、前線後方で飛行隊の指揮を直接執り、必要ならば自らも敵に攻撃を加えるという役割をもっていた。
この時点ではまだ戦闘は起こっていなかったので主に山県大尉その他のパイロットを相手に模擬空戦をしていたり、装備品のテスト、月光という新たなマルチロールファイターの量産に向けての最終チェックなどを精力的に行っていた。
だが、隊長の武田を始め、全部隊中最高齢だったため、隊内ではお爺ちゃん扱いされることも多かったのだが、見た感じとぼけた雰囲気なのに反し頭脳明晰、百戦錬磨な馬場に口で勝てれるものは誰もいなく、隊の暴れん坊どもも馬場の前では比較的大人しくなるのだった。
山県「その機体は実際、どのくらい機動出来るんだい?」
馬場「零戦とは違い、空戦フラップは無いし鈍重だからクルクルと格闘戦するのは考えてないね。まあ旧型よりは圧倒的にエンジンがいいからそこそこ戦えるだろうけどな」
山県「サイドワインダーくらいは躱せるのか?」
馬場「フレアは零戦の倍積んでるからある意味、零戦より対ミサイル防御は強いぜ」
山県「フレアだけじゃ防げないだろ?限界テストしたのか?」
馬場「データ取り用のPP(プリプロ)機だからねぇ。またそのうち限界テストでもするんじゃないの?」
山県「で、今日はフル装備した場合、どのくらいの距離で離陸出来るかのテストだっけ?」
馬場「そうだねぇ~、こういう限界テストは何も俺じゃなくても適任者は別にいるんじゃないの?って思うよな」
山県「しょげるなよ、俺も散々やらされたんだからさ。で何トン載せてるんだっけ?」
馬場「10tほどだっけな」
山県「10t?!零戦の3倍以上か」
馬場「それでも最近のジェット戦闘機の半分以下だぜ。こちとら零戦とは違い機動性は劣るから遠距離からシコシコ敵戦力を削っていくか、敵の攻撃を電気的に防ぐしか手がないんだよ」
山県「性に合わないな、俺はこっち(ゼロ戦)がいいわ」
馬場「そもそも老人を最前線に連れて行くなよってことだよな。俺は君たちを後ろからサポートさせてもらうよ」
山県「その割にはテストでこき使われてるよな、今回それで飛べるのか?」
馬場「さぁどうだろうな?2000mもあれば飛べるんじゃないか?タキシングでの動きはやたらと鈍いけどな」
山県「ほんじゃ、先に出てるぞ」
今回、空自機との模擬空戦以外にはすることがない山県機は早々に赤城から飛び立っていってしまった。
ちなみに今、赤城が居るのは南海新都市南方100kmの太平洋海上。
この近辺は商船や漁船なども滅多に飛んでいないので多少、目立つようなことをしていても民間人の目に入ることは滅多になく、敵国のスパイの目からも隠しやすいポイントとして日海軍は演習などに使っていた。
前にも書いたが、空自所属のF-4EJファントムは本来なら早々に退役させたれていたのだが、日海軍と自衛隊などの「つなぎ」の役目として複座機のF-4EJは何かと非常に都合がよく、日海軍側の希望でこうして退役を延長してもらっていたわけだ。
日海軍は独自のアビオニクスを採用しているので、米軍や自衛隊が使っている敵味方識別装置(IFF)は双方で使えない。
日海軍はレーダーによる索敵が出来なくなることを想定して従来のレーダーによる敵味方識別法以外にも、目視による敵味方識別法をあれこれ試していたのだが、空自のF-4EJや日海軍のゼロ戦にも同様の細工が施されていて、それらがマトモに使えるかどうかをこうしてテストしていたわけだ。
人間の肉眼による目視にはおのずと限界があるので日海軍は早い段階から機械とAIを組み合わせた自動索敵装置を開発し戦闘機等に載せていたが、問題は夜間で、自動索敵装置に装備された暗視カメラで捉えることが可能な距離は日中より遥かに短く、さらに色の識別なども困難であったため、精度が極めて悪かった。
そこで機体の一部に戦闘識別パネル(Combat Identification Panel , CIP)と呼ばれる輻射熱を低下させるテープを貼り、サーモグラフィーで観るとそのテープを貼った処だけが暗く写るので敵味方の識別をし易くしていた。
(同様の装備は2003年のイラク戦争で米軍地上部隊で実際に導入されている)
戦闘識別パネルをそれぞれの部隊の認識形状で貼り付けておくことで部隊間の認識もやり易くし、さらに自衛隊機などにも同様に貼ってもらうことで、日海軍機同士、日海軍と自衛隊、双方で「フレンドリーファイヤー」をしないようにしていた。
余談だが「月光」という双発戦闘機について少し説明する。
元々の月光は紆余曲折の末、夜間戦闘機として大東亜戦争を戦った戦闘機であったが、今回の「新型月光」ではパワーセルユニット、電動モーター、機体を制御しているアビオニクスなどを新型ゼロ戦で使われているものをほぼそのまま活用し、開発費と時間を節約したモデルとなっている。
そういうわけで「夜間戦専用」で開発されたわけではない。
戦場では「同じモーター」「同じパワーセルユニット」など、部品が共用していると補給や補修の面でもかなり有利となる。
新型ゼロ戦は軽快な機動性と強力な武装で戦う制空戦闘機だが、新型月光は(プロペラ機の双発戦闘機としては)大量の兵装を搭載出来ることと、強力なレーダー、通信装置、迎撃用の後方対空機銃の搭載など、新型ゼロ戦の後方支援をしつつ、前線で展開している部隊を指揮する目的でも使用可能である。
通常使用時は乗員2名で運用するが、真ん中にもう一席あるので部隊の指揮を執る者がそこに乗り、指揮に専念する指揮統率機としての使用方法も可能である。
「戦闘機相手の格闘戦」「戦闘機相手の遠距離攻撃」「敵艦相手の対艦攻撃」「地上目標相手の対地攻撃」「大量のドローンに対しての大量ソフトターゲットに対しての攻撃」「前線での部隊指揮」などを一機でそこそここなせるマルチロール機として開発された。
まぁ、詰め込み過ぎたことによる開発の遅れがかなり深刻であったため、こうやって毎日、テストに次ぐテストに励まされているわけだ。
ただ、馬場にはこのような緻密な情報収集をするテストパイロットとしての才能があった。
山県はどちらかというとラフな性格をしているので、限界付近まで使い倒すようなことは得意としていたのだが、少しでも機器を使いやすく調整したり、場合によっては設計そのものの手直しまで要求するような事は、あまり向いていなかった。
その点、馬場中尉は細かい処まで目が届く男なので、開発の坂本大佐も馬場大尉に新型兵器の改良だとか問題点の炙り出しを積極的にさせていたのだ。
最近の改良点としては、コクピットのメインモニターの形状と配置の変更。
後方から光を受ける時、現行のメインモニターの配置だとモニターに光が反射して画面が非常に見難くなるので、反射を防ぐ特殊フィルムの導入やモニター自体を大型のタブレットに変更し、更に設置する角度をやや下向きにすることで光が反射しないようにした。
また、月光は後部座席が基本的に対空機銃をリモートコントロールして対空防御を担当したり、ドローンの遠隔操作、偵察情報の部隊内共有や赤城のCICとの情報共有などなど飛行機の操縦以外の役割を一括して行うのであったが、それらの操作機器の最終調整やテストなどを行なっていた。
とりあえずテストする項目はバカみたいに多く、テスト出来るパイロットもほとんどいないため年中無休で馬車馬のようにコキ使われていたのだが、
「やれやれ、やるしかないよなぁ」と愚痴をこぼしながら今日も月光で飛び立つ馬場中尉なのであった。
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