38 / 55
第2章
羊の皮を被った龍を地上の楽園だと思う人々
しおりを挟む
2012年の冬、旧瀋陽軍による支那全土同時多発蜂起に端を発した4年間の内乱に突入した支那であったが、「大量の民間人を巻き込んだ戦い」ではなく、主に「政府内部での同士討ちに軍隊の一部も参加」という性格の内乱であったため、政権の混乱をよそに支那人民の多くはわりと呑気に生活していた。
少し余談であるが、この物語の中で支那の事を「中国」とか「支那」、「龍国」などと違う表記をすることがあるが、「支那」というのは元々の名称で歴史を通じて共通して使われる名称で、「中国」というのは中華民国や中華人民共和国の時代、支那大陸や支那人に対して使われていた名称。
「龍国」は2014年以降 支那大陸で成立した政権の名前のことだ。
中国人は日本人に「支那」と呼ばれることを「差別だ」などと言うことがあるが実際は違う。
「我々こそは世界の中心にいる国なのだ」という意味で「中国」という名称が使われているだけで、日本以外の国では「CHINA(支那)」である。
つまり我々が彼らを支那人と呼ぶのは別に差別でもなんでもない。
北京、上海、重慶などで武力衝突と思われる戦闘が散発的に起こったり、香港や珠海などで大規模デモが起こったが、武装警察を大量投入して鎮圧させたなどという報道は一部漏れてきた。
中央政府や軍は混乱していたし、武力衝突している場所は極めて限定的だったのて、他の街は普段とそれほど変わらない経済活動を行なっていた。
最も大きな被害を被ったのは支那本国ではなくお隣の北朝鮮と南朝鮮であった。
まず、南朝鮮だが、アメリカの黒人大統領ファルサーク政権の時に駐留米軍の撤退が決まり、2016年に正式に撤退したのだが、撤退完了の三ヶ月後に突如、龍国軍による朝鮮半島侵略が始まった。
支那の内乱が収まりはじめた2016年の夏、南朝鮮全土で同時に原因不明のインターネット回線の断絶、同時停電、軍のクーデター?などが起こり、情報遮断と外部との交通の遮断が起こった。
これはさすがに日本国内のメディアも連日、報道を繰り返したが、テレビなどに出てくるコメンテーターも話すことは想像に基づくものばかりで、要領を得ないものばかりだった。
中には対馬から南朝鮮を映した映像を流す放送局などもあったのだが、分かるのは軍艦が数隻いることと、数本の黒煙が立ち上っているものが確認出来る程度で、その軍艦がどこの所属なのかも分からないと伝える番組ばかりであった。
日本やアメリカなどのネットユーザーの中にはやたらと詳しい軍事オタクなどがいたわけだが、テレビに出てくる軍事評論家と言われる連中が口をそろえて分からないと言っているのに対し、軍事オタクたちは次々とその軍艦の所属を明らかにしていった。
最も多いのは韓国軍所属の軍艦で、驚くことに龍国海軍とロシア海軍の軍艦も混じっているということが明らかになった。
これらの事実はネットではあっという間に拡散されたのだが、新聞やテレビなどのオールドメディアでは一切、取り上げられなかった。
朝鮮半島の報道は早い段階で封じられ、情報が外に一切漏れないまま、あっという間に臨時政権が平壌(ピョンヤン)に樹立された。
国名は「統一朝鮮正当政府」を名乗っていたのだが、その代表が誰か、どういう人員で政権が構成されているのかなどの情報がほぼ全く分からない状態が続いた。
それまでそれぞれの国で政権を獲っていた者たちの消息は一切公表されず、統一朝鮮は厳重な入国規制と情報統制が敷かれ、無期限の戒厳令も敷かれた。
こうなると国内でどんなことが起こっているのかは外部からは全く分からず、日本政府や川北グループなど南海企業連合も情報が取れずに苦労していたのだが、アメリカの情報部門からいくらか情報が流れてくるようになった。
まず、アメリカや日本の偵察衛星の画像を精査してみると、ソウルの街中は多くの破壊の後があり、軍用車と思われる車両が相当数見られた。
また、南朝鮮の大統領府のある青瓦台(チョンワデ)は消滅していて、38度線は多くの車両の往来が確認された。
南朝鮮各地の軍の設備はことごとく破壊されていて、その代わり朝鮮半島南部には龍国の軍艦、旧南朝鮮軍の軍艦、ロシア軍の軍艦と思しき艦船が多数停泊していたのだった。
また、民間船と思われる船が多数、港で破壊されている跡が確認された。
龍国はこれらの動きについて「お隣の北朝鮮から北京への核攻撃の予兆があり、更に南朝鮮軍との連携の動きもあるので自衛のため軍による治安維持を行った」と表明があった。
元々政権を獲っていた中国共産党の残党による侵略であったと公表され、その軍の横暴を抑える為、龍国軍が平定する目的と北の核の暴発を抑えるために止むを得ず介入したと発表された。
龍国は更に国連軍を派遣することで朝鮮半島の安定化を図る案を安保理にかけたが、アメリカとイギリスの拒否権を発動させた。
代りに龍国は国連人権理事会の名前を冠した「国連軍」を新たに興し、龍国の北部軍区主体の鎮圧軍を国連軍の格好をさせ、朝鮮半島に多数侵入させた。
日本もこの頃には「悪夢そのもの」の民共党から自由済民党に代わり、多少まともな国会運営が出来るようになっていたが、国内のマスコミは龍国と統一朝鮮の支持一辺倒で、大声で龍国の侵略行為を非難するのは難しい状態だった。
龍国が興ったことで、支那はその4000年と自称している歴史で初めて「民主化」が実現された。
初代の総統には杜明傑(ドゥミンジェ)が成ったが、彼は元々、瀋陽軍区の幹部の一人であった。
龍国での政党は現在、昇竜党のみが存在していたが、これは共産党系の党の幹部だった者が多数所属していた。
この総選挙の様子は国内メディアを使い大々的に報道され、国を挙げてのお祭り騒ぎとなった。
とりあえず、世界最大の規模の経済と軍事、人口を抱える国が民主化されたことへの期待感は凄まじく、アメリカや日本、ヨーロッパなどからも多数の投資が龍国国内に一気に流れ込むことになった。
朝鮮平定はそのような「龍国フィーバー」の中で起こったのだが、龍国内に支部を置くマスコミは龍国に対して不利益となるような報道は一切行われず、龍国に好意的なニュースを中心に報道するのだった。
一方、2016年から2025年くらいにかけて龍国国内は二つに分断されていく。
選挙権を持ち、そこそこかそれ以上の所得を得ている都市戸籍の三億人と、教育もほぼ受けることがなく、外部との情報も遮断され、国内の移動の自由も大幅に制限され、選挙権もなく所得も極端に貧しい十億人とも呼ばれる農村戸籍の者達だ。
「民主化」とは言ったが、実際の処、言論の自由などは一切ないので、形ばかりの民主化であったのだが、民主化を対外的に見せかけ、法治が行われていると対外的に見せかけることで、外国から投資を呼び込み、企業を誘致し、龍国国内へと技術が入り込みやすい体制をとることが最優先課題とされていたのだ。
実際の処、最初の数年間はこれらが実際に行われ、対外的には「支那大陸にも開かれた民主主義の先進的な統一国家が生まれたのだ!」という印象を持たせることに成功していた。
日本を始め、アメリカ、ヨーロッパなど不況に喘ぐ先進国からは大規模な「龍国投資ブーム」が起こり、外国人が購入出来る地区の地価は暴騰した。
日本国内では、保守派と呼ばれる人々が、朝鮮半島が丸ごと龍国に飲み込まれたことによる危機感を持ち、国交は保ちつつ防衛力の強化をすべしという案を持つ派と、
積極的に龍国に投資や進出を加速させて最終的には安保面でも同盟関係にまで持っていこうとする派との二種類に分かれて論争をするようになった。
この様な動きは日本だけでなくアメリカなどでも起こり、国論は大きく「親龍派(パンダハガー)」と「反龍派(ドラゴンスレイヤー)」の二つに分かれるのだった。
ちなみにだが、南海新都市に進出していた者たちは、日本本土のドラゴンスレイヤーの考え方すら手ぬるいと考えていた。
なぜなら、支那本土に進出したり、龍国と経済的な関係を結べば、後々必ずしっぺ返しを喰らうということが彼らには分かっていたからだ。
今現在は確かに儲けのチャンスもありそうだし、裁判の公正や法治の徹底、そして民主化された安全でフェアな資本主義社会が実現され、非常に魅力のある社会に「見える」のだが、
それが10年後は?20年後は?その頃に龍国が今のままだと本当に思うのか?
南海新都市に出た彼らは、「支那」という国やそこに住む民族に対してそこまで甘い認識は持っていなかった。
現に、「ドラゴンスレイヤー」と保守層に呼ばれ支持されている岸政権と言えども、龍国との繋がりを太くしつつあるし、国防はどんどん疎かにされる傾向が強くなりつつあった。
「戦争の放棄」などという国の主権を放棄し、国民の保護の義務を投げ出したかのような異常な憲法の条項は残ったままだし、政権奪取時にはあれほど「憲法9条を改定します!」と訴えていた岸総理も最近では全くその様なことを言わなくなってきた。
また、与党内部からも「龍国から石油は輸入すればいいではないか?」とか、「海中にパイプラインを引いて直接、大陸から石油や天然ガスを輸入すればいいではないか」という案が出始めてくる有様だった。
後の世から見ればとんでもなく危険な状況に日本国内は置かれていて、国全体が「龍国という理想的な巨大国家」に対する幻想で浮かれていたということを後悔することになるのだか、この時点で深刻さを本当に理解していたのは、南海新都市に住んでいる一千万人強の住民とその他ごく僅かな人々のみであったのだ。
少し余談であるが、この物語の中で支那の事を「中国」とか「支那」、「龍国」などと違う表記をすることがあるが、「支那」というのは元々の名称で歴史を通じて共通して使われる名称で、「中国」というのは中華民国や中華人民共和国の時代、支那大陸や支那人に対して使われていた名称。
「龍国」は2014年以降 支那大陸で成立した政権の名前のことだ。
中国人は日本人に「支那」と呼ばれることを「差別だ」などと言うことがあるが実際は違う。
「我々こそは世界の中心にいる国なのだ」という意味で「中国」という名称が使われているだけで、日本以外の国では「CHINA(支那)」である。
つまり我々が彼らを支那人と呼ぶのは別に差別でもなんでもない。
北京、上海、重慶などで武力衝突と思われる戦闘が散発的に起こったり、香港や珠海などで大規模デモが起こったが、武装警察を大量投入して鎮圧させたなどという報道は一部漏れてきた。
中央政府や軍は混乱していたし、武力衝突している場所は極めて限定的だったのて、他の街は普段とそれほど変わらない経済活動を行なっていた。
最も大きな被害を被ったのは支那本国ではなくお隣の北朝鮮と南朝鮮であった。
まず、南朝鮮だが、アメリカの黒人大統領ファルサーク政権の時に駐留米軍の撤退が決まり、2016年に正式に撤退したのだが、撤退完了の三ヶ月後に突如、龍国軍による朝鮮半島侵略が始まった。
支那の内乱が収まりはじめた2016年の夏、南朝鮮全土で同時に原因不明のインターネット回線の断絶、同時停電、軍のクーデター?などが起こり、情報遮断と外部との交通の遮断が起こった。
これはさすがに日本国内のメディアも連日、報道を繰り返したが、テレビなどに出てくるコメンテーターも話すことは想像に基づくものばかりで、要領を得ないものばかりだった。
中には対馬から南朝鮮を映した映像を流す放送局などもあったのだが、分かるのは軍艦が数隻いることと、数本の黒煙が立ち上っているものが確認出来る程度で、その軍艦がどこの所属なのかも分からないと伝える番組ばかりであった。
日本やアメリカなどのネットユーザーの中にはやたらと詳しい軍事オタクなどがいたわけだが、テレビに出てくる軍事評論家と言われる連中が口をそろえて分からないと言っているのに対し、軍事オタクたちは次々とその軍艦の所属を明らかにしていった。
最も多いのは韓国軍所属の軍艦で、驚くことに龍国海軍とロシア海軍の軍艦も混じっているということが明らかになった。
これらの事実はネットではあっという間に拡散されたのだが、新聞やテレビなどのオールドメディアでは一切、取り上げられなかった。
朝鮮半島の報道は早い段階で封じられ、情報が外に一切漏れないまま、あっという間に臨時政権が平壌(ピョンヤン)に樹立された。
国名は「統一朝鮮正当政府」を名乗っていたのだが、その代表が誰か、どういう人員で政権が構成されているのかなどの情報がほぼ全く分からない状態が続いた。
それまでそれぞれの国で政権を獲っていた者たちの消息は一切公表されず、統一朝鮮は厳重な入国規制と情報統制が敷かれ、無期限の戒厳令も敷かれた。
こうなると国内でどんなことが起こっているのかは外部からは全く分からず、日本政府や川北グループなど南海企業連合も情報が取れずに苦労していたのだが、アメリカの情報部門からいくらか情報が流れてくるようになった。
まず、アメリカや日本の偵察衛星の画像を精査してみると、ソウルの街中は多くの破壊の後があり、軍用車と思われる車両が相当数見られた。
また、南朝鮮の大統領府のある青瓦台(チョンワデ)は消滅していて、38度線は多くの車両の往来が確認された。
南朝鮮各地の軍の設備はことごとく破壊されていて、その代わり朝鮮半島南部には龍国の軍艦、旧南朝鮮軍の軍艦、ロシア軍の軍艦と思しき艦船が多数停泊していたのだった。
また、民間船と思われる船が多数、港で破壊されている跡が確認された。
龍国はこれらの動きについて「お隣の北朝鮮から北京への核攻撃の予兆があり、更に南朝鮮軍との連携の動きもあるので自衛のため軍による治安維持を行った」と表明があった。
元々政権を獲っていた中国共産党の残党による侵略であったと公表され、その軍の横暴を抑える為、龍国軍が平定する目的と北の核の暴発を抑えるために止むを得ず介入したと発表された。
龍国は更に国連軍を派遣することで朝鮮半島の安定化を図る案を安保理にかけたが、アメリカとイギリスの拒否権を発動させた。
代りに龍国は国連人権理事会の名前を冠した「国連軍」を新たに興し、龍国の北部軍区主体の鎮圧軍を国連軍の格好をさせ、朝鮮半島に多数侵入させた。
日本もこの頃には「悪夢そのもの」の民共党から自由済民党に代わり、多少まともな国会運営が出来るようになっていたが、国内のマスコミは龍国と統一朝鮮の支持一辺倒で、大声で龍国の侵略行為を非難するのは難しい状態だった。
龍国が興ったことで、支那はその4000年と自称している歴史で初めて「民主化」が実現された。
初代の総統には杜明傑(ドゥミンジェ)が成ったが、彼は元々、瀋陽軍区の幹部の一人であった。
龍国での政党は現在、昇竜党のみが存在していたが、これは共産党系の党の幹部だった者が多数所属していた。
この総選挙の様子は国内メディアを使い大々的に報道され、国を挙げてのお祭り騒ぎとなった。
とりあえず、世界最大の規模の経済と軍事、人口を抱える国が民主化されたことへの期待感は凄まじく、アメリカや日本、ヨーロッパなどからも多数の投資が龍国国内に一気に流れ込むことになった。
朝鮮平定はそのような「龍国フィーバー」の中で起こったのだが、龍国内に支部を置くマスコミは龍国に対して不利益となるような報道は一切行われず、龍国に好意的なニュースを中心に報道するのだった。
一方、2016年から2025年くらいにかけて龍国国内は二つに分断されていく。
選挙権を持ち、そこそこかそれ以上の所得を得ている都市戸籍の三億人と、教育もほぼ受けることがなく、外部との情報も遮断され、国内の移動の自由も大幅に制限され、選挙権もなく所得も極端に貧しい十億人とも呼ばれる農村戸籍の者達だ。
「民主化」とは言ったが、実際の処、言論の自由などは一切ないので、形ばかりの民主化であったのだが、民主化を対外的に見せかけ、法治が行われていると対外的に見せかけることで、外国から投資を呼び込み、企業を誘致し、龍国国内へと技術が入り込みやすい体制をとることが最優先課題とされていたのだ。
実際の処、最初の数年間はこれらが実際に行われ、対外的には「支那大陸にも開かれた民主主義の先進的な統一国家が生まれたのだ!」という印象を持たせることに成功していた。
日本を始め、アメリカ、ヨーロッパなど不況に喘ぐ先進国からは大規模な「龍国投資ブーム」が起こり、外国人が購入出来る地区の地価は暴騰した。
日本国内では、保守派と呼ばれる人々が、朝鮮半島が丸ごと龍国に飲み込まれたことによる危機感を持ち、国交は保ちつつ防衛力の強化をすべしという案を持つ派と、
積極的に龍国に投資や進出を加速させて最終的には安保面でも同盟関係にまで持っていこうとする派との二種類に分かれて論争をするようになった。
この様な動きは日本だけでなくアメリカなどでも起こり、国論は大きく「親龍派(パンダハガー)」と「反龍派(ドラゴンスレイヤー)」の二つに分かれるのだった。
ちなみにだが、南海新都市に進出していた者たちは、日本本土のドラゴンスレイヤーの考え方すら手ぬるいと考えていた。
なぜなら、支那本土に進出したり、龍国と経済的な関係を結べば、後々必ずしっぺ返しを喰らうということが彼らには分かっていたからだ。
今現在は確かに儲けのチャンスもありそうだし、裁判の公正や法治の徹底、そして民主化された安全でフェアな資本主義社会が実現され、非常に魅力のある社会に「見える」のだが、
それが10年後は?20年後は?その頃に龍国が今のままだと本当に思うのか?
南海新都市に出た彼らは、「支那」という国やそこに住む民族に対してそこまで甘い認識は持っていなかった。
現に、「ドラゴンスレイヤー」と保守層に呼ばれ支持されている岸政権と言えども、龍国との繋がりを太くしつつあるし、国防はどんどん疎かにされる傾向が強くなりつつあった。
「戦争の放棄」などという国の主権を放棄し、国民の保護の義務を投げ出したかのような異常な憲法の条項は残ったままだし、政権奪取時にはあれほど「憲法9条を改定します!」と訴えていた岸総理も最近では全くその様なことを言わなくなってきた。
また、与党内部からも「龍国から石油は輸入すればいいではないか?」とか、「海中にパイプラインを引いて直接、大陸から石油や天然ガスを輸入すればいいではないか」という案が出始めてくる有様だった。
後の世から見ればとんでもなく危険な状況に日本国内は置かれていて、国全体が「龍国という理想的な巨大国家」に対する幻想で浮かれていたということを後悔することになるのだか、この時点で深刻さを本当に理解していたのは、南海新都市に住んでいる一千万人強の住民とその他ごく僅かな人々のみであったのだ。
2
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
DEADNIGHT
CrazyLight Novels
SF
総合 900 PV 達成!ありがとうございます!
Season 2 Ground 執筆中 全章執筆終了次第順次公開予定
1396年、5歳の主人公は村で「自由のために戦う」という言葉を耳にする。当時は意味を理解できなかった、16年後、その言葉の重みを知ることになる。
21歳で帝国軍事組織CTIQAに入隊した主人公は、すぐさまDeadNight(DN)という反乱組織との戦いに巻き込まれた。戦場で自身がDN支配地域の出身だと知り、衝撃を受けた。激しい戦闘の中で意識を失った主人公は、目覚めると2063年の未来世界にいた。
そこで主人公は、CTIQAが敗北し、新たな組織CREWが立ち上がったことを知る。DNはさらに強大化しており、CREWの隊長は主人公に協力を求めた。主人公は躊躇しながらも同意し、10年間新しい戦闘技術を学ぶ。
2073年、第21回DVC戦争が勃発。主人公は過去の経験と新しい技術を駆使して戦い、敵陣に単身で乗り込み、敵軍大将軍の代理者を倒した。この勝利により、両軍に退避命令が出された。主人公がCREW本部の総括官に呼び出され、主人公は自分の役割や、この終わりなき戦いの行方について考えを巡らせながら、総括官室へ向かう。それがはじまりだった。
セルリアン
吉谷新次
SF
銀河連邦軍の上官と拗れたことをキッカケに銀河連邦から離れて、
賞金稼ぎをすることとなったセルリアン・リップルは、
希少な資源を手に入れることに成功する。
しかし、突如として現れたカッツィ団という
魔界から独立を試みる団体によって襲撃を受け、資源の強奪をされたうえ、
賞金稼ぎの相棒を暗殺されてしまう。
人界の銀河連邦と魔界が一触即発となっている時代。
各星団から独立を試みる団体が増える傾向にあり、
無所属の団体や個人が無法地帯で衝突する事件も多発し始めていた。
リップルは強靭な身体と念力を持ち合わせていたため、
生きたままカッツィ団のゴミと一緒に魔界の惑星に捨てられてしまう。
その惑星で出会ったランスという見習い魔術師の少女に助けられ、
次第に会話が弾み、意気投合する。
だが、またしても、
カッツィ団の襲撃とランスの誘拐を目の当たりにしてしまう。
リップルにとってカッツィ団に対する敵対心が強まり、
賞金稼ぎとしてではなく、一個人として、
カッツィ団の頭首ジャンに会いに行くことを決意する。
カッツィ団のいる惑星に侵入するためには、
ブーチという女性操縦士がいる輸送船が必要となり、
彼女を説得することから始まる。
また、その輸送船は、
魔術師から見つからないように隠す迷彩妖術が必要となるため、
妖精の住む惑星で同行ができる妖精を募集する。
加えて、魔界が人界科学の真似事をしている、ということで、
警備システムを弱体化できるハッキング技術の習得者を探すことになる。
リップルは強引な手段を使ってでも、
ランスの救出とカッツィ団の頭首に会うことを目的に行動を起こす。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
乾坤一擲
響 恭也
SF
織田信長には片腕と頼む弟がいた。喜六郎秀隆である。事故死したはずの弟が目覚めたとき、この世にありえぬ知識も同時によみがえっていたのである。
これは兄弟二人が手を取り合って戦国の世を綱渡りのように歩いてゆく物語である。
思い付きのため不定期連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる