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第2章
「国連」という名の侵略ツール
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2035年を過ぎた辺りから、龍国による東南アジア諸国に対しての露骨な武力進出が目立ってきていた。
台湾が龍国の手に完全に陥ち、南シナ海は龍国の軍事拠点が多数生まれたことで、台湾の北方を通り、南シナ海を抜けるルートは龍国によってほぼ塞がれた形になってしまっていた。
このルートでは「海賊」が横行しており、略奪や暴行などが彼らによって行われていたが、龍国の海軍と海警局による取り締まりも行われていた。
そこを通行する艦船は彼らが要求する賄賂という名の通行税を支払わなければならないのであったが、タンカー1隻当たり1万ドル以上を要求するようになってきたので、ここを通過して輸入する石油の価格は暴騰した。
この「海賊」というのは中国共産党時代から各国で行われていた侵略の名残で、中共はそれぞれの国の中にいる宗教的少数派や少数民族、政治的少数派、地元マフィアなどに積極的に武器支援などを行なっていた。
これは中共だけでなく、国連からも行われていた。
最も国連はアメリカやイギリスがその影響力を落としてからは、ほぼ支那の私物状態なのだが。
国連は「弱者支援」や「少数派の人権保護」という美名の元、テロ組織の支援活動を展開させていた。
これにより、東南アジアや太平洋島嶼国の多くで政情不安が発生、至るところでテロが起こり、内戦状態に陥る国も出始めて来ていた。
これらは人種や宗教が元々雑多な国で起こる傾向が強く、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアなどに飛び火する。
国連の安全保障理事会はアメリカやイギリスなどの拒否権によって動かない為、龍国は国連人権理事会(UNHRC)を使い、自ら派遣する軍の一部を「国連軍」と標榜し、各国に入り込んだ。
この動きは龍国寄りのメディアにて大々的に世界各国に向けて配信され続けた。
龍国が東南アジア諸国と太平洋島嶼国の一部を合わせたアジア経済圏構想は「RCEP(東アジア包括的経済連携)」と呼ばれ、龍国が誕生した直後にはもうすでに動き始めていたのだが、20年過ぎた当たりから龍国を盟主国とした経済的・軍事的な支配体制を現す言葉となりつつあった。
別の言葉では「アジア経済圏」などとも呼ばれるようになっていた。
この時期には南海新都市で生産が進められてきたバイオマス燃料の生産が軌道に乗りつつあったので、日本国の需要の3割程度は賄うことが可能となっていたのだが、
それではまだ圧倒的に足りなかったため、オーストラリアやニュージーランド、アメリカなどでもバイオ燃料の生産拠点の建設が進められていた。
これらの動きはそれぞれの国で非常に歓迎され、国家を挙げたプロジェクトとして後押しされたので、2040年ごろには大規模生産が可能な状態にまでなっていた。
特にオーストラリア南部では海岸線から少し内陸に入った土地が非常に広大に使えたので、国家プロジェクトで海水を大量に内陸部に組み上げ、東京ドームに換算すると1万個分に相当する面積のプールを建造し、燃料の精製なども行う大規模プラントも構築したので、鉄やボーキサイト、牛肉などに並ぶ主要輸出品として急速に成長していたのだった。
このように<日本>⇄<オーストラリア・ニュージーランド>⇄<北アメリカ>⇄<イギリス>という太平洋と大西洋を繋げた巨大経済圏が構築されつつあったわけだが、逆に言うとそれ以外の場所はほぼ全てが龍国による大きな影響下に置かれていたか、もしくは侵略され人々は奴隷のような扱いを受けていたのだった。
まあ、言ってしまえば、「海洋国家群」と「大陸国家群」との争いに単純化されるのだが、細かい処を見ると一概にそうとは言えない地域もあった。
例えば東欧諸国やインドなどは未だに「反龍派(ドラゴンスレイヤー)」が主流で、特に日本との経済的な繋がりが大きかったし、龍国の影響力工作はに終わっていたが、南アメリカなどではチリやアルゼンチンなど昔から親龍派(パンダハガー)の多い地域など存在していた。
つまり世界は国の内部でもモザイク状にそれぞれの勢力に分かれていたわけだが、ハッキリと白黒二色に分かれていたわけではない。
特に複雑怪奇なのは中東やアフリカ諸国で、石油利権が相対的に低くなった中東は経済的な没落からテロや内部抗争があまりにも酷く、とても他国が容易に手を出せるような状況ではなかった。
そういう理由もあって、「中東の石油に依存しない新たなエネルギー政策」というのを日本は望んでいたということはあるのだが、情勢が複雑怪奇な中東の事情以外にも、「龍国の台頭とシーレーンへの干渉の強化」という二重の理由があり、日本は中東から手を引くようになったというのが本当の理由だろう。
川北など南海企業連合はこのような事態になることを2000年頃から既に予見していたので、日本本土を離れ南海に移転し、バイオマス燃料の開発と量産化の確率、さらには核融合炉の実用化を強力に推し進めていたわけだ。
それから40年経った2040年、遂に龍国と日海軍は沖縄沖で激突するわけだが、ギリギリなんとか間に合ったというのが実情だ。
さて、2035年に話を戻すが、台湾と香港を支配下に置き、「一つの龍国政策」を実現させた龍国政府は対外侵略行為を本格化させる決定をする。
そのターゲットは主に、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島などであった。
その中でも特に重点目標とされたのは、フィリピン ミンダナオ島のダバオ、インドネシア カリマンタン島のバルクパパン、パプアニューギニアのポートモレスビー、ビスマルク諸島 ニューブリテン島のラバウルであった。
少し戦史に詳しい人ならピン!と来るだろうが、これらは大東亜戦争当時、日本軍とアメリカ軍が激戦を繰り広げた場所でもある。
つまり、地政学的な重要拠点は100年経とうが変わらなかったということなのだ。
龍国は一帯一路政策(One-Belt One-Load)をインドを除きほぼ完成させ、支那と西ヨーロッパとを結ぶ巨大な経済圏をほぼ完成させていた。
これらはチベットやウイグル、朝鮮半島などで行われている激烈な「民族浄化政策」などではなく、経済的支配、情報統制、政治の支配程度だったわけだが、経済的な没落が進む西欧諸国も少しずつだが龍国の経済力に屈しつつあった。
龍国が行っていた侵略の方法は基本的にどこも全く同じだった。
まず、マスコミを金や暴力などを駆使して乗っ取る。
龍国に対して有利な報道、好意的に伝える報道を繰り返すことで国民に好印象を与え続けていく。
次に政治家を買収したり恐喝したり、龍国寄りの政党を新たに立ち上げさせながら政治の実権を握る。
次に教育界を牛耳り、龍国にとって不利な歴史は全て改竄し、敵国(日本やアメリカ、イギリス等)にとって不利な歴史をねつ造し国民に教え込む。
また法曹界も同様に乗っ取り、国内で自分たちにとって不利な行動を起こす者に対しては容赦なくSLAPP訴訟を起こさせ、経済的に痛めつけ、社会的地位も失墜させた。
検察や警察も同様に乗っ取り、龍国や他国からの移民に対して非常に甘い取り締まりを行う。
また、財務省にも圧力をかけ、軍事費は徹底して削減し、国防力を下げさせた。
代りに「人権保護」の観点から移民受け入れ政策を積極的に行わせる、各国で溢れた経済難民を他国に流出させ、ますますそれぞれの国々を混乱に陥れた。
龍国はその難民たちに武器や金を与え、入り込んだ国で違法活動を行う組織を作らせたりしたので、これらの混乱は各国で非常に深刻なものとなっていた。
また、国連への分担金は増額させ、その金は国連人権理事会という国連の外部団体へ流させ、龍国主体の「国連軍」を強化した。
更に各国には軍隊の一部を拠出させ、国連軍の一部に組み込んだ。
ちなみにだが、「国連」というものに貴方は何らかの幻想を抱いていないだろうか?
戦後、United Nationsのことを何故か「国連」と呼ぶようになったが、実態はWW2で日本やドイツと敵対して戦った国の「連合」なわけで、United Nationsの正しい訳は「連合国」なのだ。
戦後、日本もそのUNに加盟したのでその事実を知らない日本人も多くいるのだが、本来、国連というものは日本やドイツなど敵対していた枢軸国の力を削ぎ、二度と立ち向かえないように結成された組織なのだ。
これなども日本のマスコミや教育機関などは故意に日本人に伝えてこなかった疑惑がある。
国連というと、弱者救済をする何か良い機関、平和を実現する良い機関などと思っているかもしれないが、その活動実績は必ずしも良いものばかりではなく、弱者を救済したばかりに内戦が激化、その結果、犠牲者がうなぎのぼりになった事例は実は事欠かないのだ。
本来、「国」というものは自分たちのことは自分たちで決めるという自主権を与えられているのだが、「国連」はその上から覆い被さり、比較的弱い国を他の国が「影響力を及ぼすシステム」であるとも言い換えれるのだ。
例えば、日本などでもよく見かけるのが「LGBTなどの少数派が日本では差別されている!」とか「日本では女性の社会進出が未だに阻害されている!」などという報告が「国連の方から来た」と自称する人物などから国連の人権理事会を通じて世界各国に拡散されることなどが多々あるのだが、
その人権を大事にするとおっしゃる国連人権理事会様とやらは、人権弾圧の総本山の中国共産党を一度でも非難したことがあるか?
この一例だけでも彼らの正体がどういうものなのか分かるというものだ。
この世界では、国連は龍国によってほぼ乗っ取られた存在になってしまっていて、彼らの手先となって侵略と征服を行うためのツールとして機能しているのであった。
実は、日本もこのような状況なのにも関わらず、2035年頃まで国連に対して分担金を拠出し続けてきていた。
一位は圧倒的に龍国なのだが、日本は二位にいたわけだ。
アメリカは2020年に入る前に国連への分担金は出さなくなり、イギリスやファイブアイズの国々もその動きに同調していた。
国連への分担金を停止したのは当時政権を摂っていた中村政権だが、この動きを日本国内のメディアは一斉に非難し攻撃した。
また、同年、日本の龍国に対するODA(政府開発援助)も停止することで、日本と龍国との関係は急速に悪化し、日本国内でも暴力的なデモ活動が勃発することになるのだが、龍国はGDP世界一になっても「我々は発展途上国である」といい続け、発展国特権を受け続けていた。
これは特恵関税と呼ばれるもので、先進国による発展途上国への関税面での優遇措置のことなのだが、これを2035年の段階に至っても、日本政府は龍国に対して認めていたというのだから恐れ入る。
(ちなみにアメリカやEU諸国は2020年頃には撤廃していた)
それだけ日本国内も龍国による影響力工作にやられてしまっていたというわけなのだが、それを撤廃しようとするだけで政権打倒運動が起こるのだから、当時、どれだけ日本が酷い状態に置かれていたのかわかるというものだ。
龍国側の言い分は、「我々は国全体でみると確かにGDP世界一にはなっているが、都市部以外は貧困層が10億人以上もいるので実質的に発展途上国である」と言い張っていた。
その「発展途上国」とやらが、世界一の規模の軍隊を保有し、経済規模を持つのだが彼らにとってダブルスタンダードは至極当たり前の感覚で使うものなのだった。
台湾が龍国の手に完全に陥ち、南シナ海は龍国の軍事拠点が多数生まれたことで、台湾の北方を通り、南シナ海を抜けるルートは龍国によってほぼ塞がれた形になってしまっていた。
このルートでは「海賊」が横行しており、略奪や暴行などが彼らによって行われていたが、龍国の海軍と海警局による取り締まりも行われていた。
そこを通行する艦船は彼らが要求する賄賂という名の通行税を支払わなければならないのであったが、タンカー1隻当たり1万ドル以上を要求するようになってきたので、ここを通過して輸入する石油の価格は暴騰した。
この「海賊」というのは中国共産党時代から各国で行われていた侵略の名残で、中共はそれぞれの国の中にいる宗教的少数派や少数民族、政治的少数派、地元マフィアなどに積極的に武器支援などを行なっていた。
これは中共だけでなく、国連からも行われていた。
最も国連はアメリカやイギリスがその影響力を落としてからは、ほぼ支那の私物状態なのだが。
国連は「弱者支援」や「少数派の人権保護」という美名の元、テロ組織の支援活動を展開させていた。
これにより、東南アジアや太平洋島嶼国の多くで政情不安が発生、至るところでテロが起こり、内戦状態に陥る国も出始めて来ていた。
これらは人種や宗教が元々雑多な国で起こる傾向が強く、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアなどに飛び火する。
国連の安全保障理事会はアメリカやイギリスなどの拒否権によって動かない為、龍国は国連人権理事会(UNHRC)を使い、自ら派遣する軍の一部を「国連軍」と標榜し、各国に入り込んだ。
この動きは龍国寄りのメディアにて大々的に世界各国に向けて配信され続けた。
龍国が東南アジア諸国と太平洋島嶼国の一部を合わせたアジア経済圏構想は「RCEP(東アジア包括的経済連携)」と呼ばれ、龍国が誕生した直後にはもうすでに動き始めていたのだが、20年過ぎた当たりから龍国を盟主国とした経済的・軍事的な支配体制を現す言葉となりつつあった。
別の言葉では「アジア経済圏」などとも呼ばれるようになっていた。
この時期には南海新都市で生産が進められてきたバイオマス燃料の生産が軌道に乗りつつあったので、日本国の需要の3割程度は賄うことが可能となっていたのだが、
それではまだ圧倒的に足りなかったため、オーストラリアやニュージーランド、アメリカなどでもバイオ燃料の生産拠点の建設が進められていた。
これらの動きはそれぞれの国で非常に歓迎され、国家を挙げたプロジェクトとして後押しされたので、2040年ごろには大規模生産が可能な状態にまでなっていた。
特にオーストラリア南部では海岸線から少し内陸に入った土地が非常に広大に使えたので、国家プロジェクトで海水を大量に内陸部に組み上げ、東京ドームに換算すると1万個分に相当する面積のプールを建造し、燃料の精製なども行う大規模プラントも構築したので、鉄やボーキサイト、牛肉などに並ぶ主要輸出品として急速に成長していたのだった。
このように<日本>⇄<オーストラリア・ニュージーランド>⇄<北アメリカ>⇄<イギリス>という太平洋と大西洋を繋げた巨大経済圏が構築されつつあったわけだが、逆に言うとそれ以外の場所はほぼ全てが龍国による大きな影響下に置かれていたか、もしくは侵略され人々は奴隷のような扱いを受けていたのだった。
まあ、言ってしまえば、「海洋国家群」と「大陸国家群」との争いに単純化されるのだが、細かい処を見ると一概にそうとは言えない地域もあった。
例えば東欧諸国やインドなどは未だに「反龍派(ドラゴンスレイヤー)」が主流で、特に日本との経済的な繋がりが大きかったし、龍国の影響力工作はに終わっていたが、南アメリカなどではチリやアルゼンチンなど昔から親龍派(パンダハガー)の多い地域など存在していた。
つまり世界は国の内部でもモザイク状にそれぞれの勢力に分かれていたわけだが、ハッキリと白黒二色に分かれていたわけではない。
特に複雑怪奇なのは中東やアフリカ諸国で、石油利権が相対的に低くなった中東は経済的な没落からテロや内部抗争があまりにも酷く、とても他国が容易に手を出せるような状況ではなかった。
そういう理由もあって、「中東の石油に依存しない新たなエネルギー政策」というのを日本は望んでいたということはあるのだが、情勢が複雑怪奇な中東の事情以外にも、「龍国の台頭とシーレーンへの干渉の強化」という二重の理由があり、日本は中東から手を引くようになったというのが本当の理由だろう。
川北など南海企業連合はこのような事態になることを2000年頃から既に予見していたので、日本本土を離れ南海に移転し、バイオマス燃料の開発と量産化の確率、さらには核融合炉の実用化を強力に推し進めていたわけだ。
それから40年経った2040年、遂に龍国と日海軍は沖縄沖で激突するわけだが、ギリギリなんとか間に合ったというのが実情だ。
さて、2035年に話を戻すが、台湾と香港を支配下に置き、「一つの龍国政策」を実現させた龍国政府は対外侵略行為を本格化させる決定をする。
そのターゲットは主に、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島などであった。
その中でも特に重点目標とされたのは、フィリピン ミンダナオ島のダバオ、インドネシア カリマンタン島のバルクパパン、パプアニューギニアのポートモレスビー、ビスマルク諸島 ニューブリテン島のラバウルであった。
少し戦史に詳しい人ならピン!と来るだろうが、これらは大東亜戦争当時、日本軍とアメリカ軍が激戦を繰り広げた場所でもある。
つまり、地政学的な重要拠点は100年経とうが変わらなかったということなのだ。
龍国は一帯一路政策(One-Belt One-Load)をインドを除きほぼ完成させ、支那と西ヨーロッパとを結ぶ巨大な経済圏をほぼ完成させていた。
これらはチベットやウイグル、朝鮮半島などで行われている激烈な「民族浄化政策」などではなく、経済的支配、情報統制、政治の支配程度だったわけだが、経済的な没落が進む西欧諸国も少しずつだが龍国の経済力に屈しつつあった。
龍国が行っていた侵略の方法は基本的にどこも全く同じだった。
まず、マスコミを金や暴力などを駆使して乗っ取る。
龍国に対して有利な報道、好意的に伝える報道を繰り返すことで国民に好印象を与え続けていく。
次に政治家を買収したり恐喝したり、龍国寄りの政党を新たに立ち上げさせながら政治の実権を握る。
次に教育界を牛耳り、龍国にとって不利な歴史は全て改竄し、敵国(日本やアメリカ、イギリス等)にとって不利な歴史をねつ造し国民に教え込む。
また法曹界も同様に乗っ取り、国内で自分たちにとって不利な行動を起こす者に対しては容赦なくSLAPP訴訟を起こさせ、経済的に痛めつけ、社会的地位も失墜させた。
検察や警察も同様に乗っ取り、龍国や他国からの移民に対して非常に甘い取り締まりを行う。
また、財務省にも圧力をかけ、軍事費は徹底して削減し、国防力を下げさせた。
代りに「人権保護」の観点から移民受け入れ政策を積極的に行わせる、各国で溢れた経済難民を他国に流出させ、ますますそれぞれの国々を混乱に陥れた。
龍国はその難民たちに武器や金を与え、入り込んだ国で違法活動を行う組織を作らせたりしたので、これらの混乱は各国で非常に深刻なものとなっていた。
また、国連への分担金は増額させ、その金は国連人権理事会という国連の外部団体へ流させ、龍国主体の「国連軍」を強化した。
更に各国には軍隊の一部を拠出させ、国連軍の一部に組み込んだ。
ちなみにだが、「国連」というものに貴方は何らかの幻想を抱いていないだろうか?
戦後、United Nationsのことを何故か「国連」と呼ぶようになったが、実態はWW2で日本やドイツと敵対して戦った国の「連合」なわけで、United Nationsの正しい訳は「連合国」なのだ。
戦後、日本もそのUNに加盟したのでその事実を知らない日本人も多くいるのだが、本来、国連というものは日本やドイツなど敵対していた枢軸国の力を削ぎ、二度と立ち向かえないように結成された組織なのだ。
これなども日本のマスコミや教育機関などは故意に日本人に伝えてこなかった疑惑がある。
国連というと、弱者救済をする何か良い機関、平和を実現する良い機関などと思っているかもしれないが、その活動実績は必ずしも良いものばかりではなく、弱者を救済したばかりに内戦が激化、その結果、犠牲者がうなぎのぼりになった事例は実は事欠かないのだ。
本来、「国」というものは自分たちのことは自分たちで決めるという自主権を与えられているのだが、「国連」はその上から覆い被さり、比較的弱い国を他の国が「影響力を及ぼすシステム」であるとも言い換えれるのだ。
例えば、日本などでもよく見かけるのが「LGBTなどの少数派が日本では差別されている!」とか「日本では女性の社会進出が未だに阻害されている!」などという報告が「国連の方から来た」と自称する人物などから国連の人権理事会を通じて世界各国に拡散されることなどが多々あるのだが、
その人権を大事にするとおっしゃる国連人権理事会様とやらは、人権弾圧の総本山の中国共産党を一度でも非難したことがあるか?
この一例だけでも彼らの正体がどういうものなのか分かるというものだ。
この世界では、国連は龍国によってほぼ乗っ取られた存在になってしまっていて、彼らの手先となって侵略と征服を行うためのツールとして機能しているのであった。
実は、日本もこのような状況なのにも関わらず、2035年頃まで国連に対して分担金を拠出し続けてきていた。
一位は圧倒的に龍国なのだが、日本は二位にいたわけだ。
アメリカは2020年に入る前に国連への分担金は出さなくなり、イギリスやファイブアイズの国々もその動きに同調していた。
国連への分担金を停止したのは当時政権を摂っていた中村政権だが、この動きを日本国内のメディアは一斉に非難し攻撃した。
また、同年、日本の龍国に対するODA(政府開発援助)も停止することで、日本と龍国との関係は急速に悪化し、日本国内でも暴力的なデモ活動が勃発することになるのだが、龍国はGDP世界一になっても「我々は発展途上国である」といい続け、発展国特権を受け続けていた。
これは特恵関税と呼ばれるもので、先進国による発展途上国への関税面での優遇措置のことなのだが、これを2035年の段階に至っても、日本政府は龍国に対して認めていたというのだから恐れ入る。
(ちなみにアメリカやEU諸国は2020年頃には撤廃していた)
それだけ日本国内も龍国による影響力工作にやられてしまっていたというわけなのだが、それを撤廃しようとするだけで政権打倒運動が起こるのだから、当時、どれだけ日本が酷い状態に置かれていたのかわかるというものだ。
龍国側の言い分は、「我々は国全体でみると確かにGDP世界一にはなっているが、都市部以外は貧困層が10億人以上もいるので実質的に発展途上国である」と言い張っていた。
その「発展途上国」とやらが、世界一の規模の軍隊を保有し、経済規模を持つのだが彼らにとってダブルスタンダードは至極当たり前の感覚で使うものなのだった。
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