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第1章
現代に蘇る「ゼロ戦」
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この物語内に登場する国家、宗教、団体、個人等は全て架空のもので実在あるいは実在したものとは一切関係ありません 全てフィクションです。
ナレーション:
「日本人は増えすぎた人口を海上に移り住むようになって既に四半世紀が過ぎていた。
太平洋に浮かぶ巨大な人工島は日本人にとって第二の故郷となり、人々はそこで子を生み育て、そして暮らしていた。
西暦2012年、地球上でもっとも人口の多い地域を支配する中華系組織は「龍国」を名乗り、アメリカに代わる世界の覇権を握るため、周辺地域に対し侵略行為を開始した。
最初は移民や難民に化けた工作員を大量に送り込み、政治経済の支配を内部から徐々に行い、最後には軍事的にも侵略、支配し、30年余りで龍国は地球のほぼ半数を影響下におき、日本とロシア、インドを除く周辺地域を軍事的支配下に置くことに成功していた。
彼らはそこで恐るべき人権侵害行為、強権発動、虐殺、恐怖政治を行うに至った。
自由主義諸国は彼らの行為に恐怖した・・・。
龍国の侵攻は遂に日本にも及び、尖閣諸島は龍国海軍による占領下に置かれた。
「懲日遠征」
龍国は当初、日本への侵略をそのように呼んでいた。
「けしからん日本を龍国様が懲らしめる為のただの”遠征”だ」と龍国政府上層部は考えていたわけだ。
かなり上から目線で気分が悪いのだが、これは日本を必ずしも見くびっていたというわけではなく、自衛隊や日本国政府、法律や憲法などを徹底的に調べあげ、『仮に戦争を仕掛けたとしてもアメリカが引いた後の日本は憲法の制約もあって反撃することは不可能だ』と的確に判断した結果であった。
実際、対日工作は必ずしも成功したとはいえなかったが、「平和憲法」という名の自殺憲法の改憲の阻止は成功していたし、日本国内のメディア、政治家などへの懐柔も順調に進んでいたため、武力侵攻を始めても日本国政府にそれを食い止める手段はほとんどなかっただけでなく、最初の一撃で自衛隊の前衛部隊を一気に殲滅することは可能だと思われていた。
当時のアメリカは「反日・親龍」の政権で、龍国政府との裏取引で龍国が日本国に対して侵攻を始めてもある程度は容認するという取り決めが成されていた。
アメリカの親龍勢力(パンダハガー)は龍国が共産党政権から引き継いだ「一帯一路(one belt one road)」での権益を得られるようになっていた。
龍国はこのようにアメリカという最大の後顧の憂いも封じ込め、事実上有名無実と成り下がった国連からの黙認を得て、準備万端、大軍勢を率いて沖縄への侵略に着手したのだった。
2040年5月2日 尖閣列島周辺に集結していた龍国の武装漁船、その数およそ3000隻が東方に向かって移動を開始した。
当初は尖閣諸島のすぐ南にある宮古島や石垣島などに侵攻すると見られていたが、沖縄本土に向け一気に侵攻を開始したのだ。
それらの動きに対し、国内のマスコミはほぼ「報道しない自由」を発動、沖縄本土の主要マスコミですら「龍国には侵略の意思が見受けられない」「彼らの訪問の目的はあくまで平和的な親善目的だ」「台風の被害を避けるため漁船が移動しているに過ぎない」「日本が先に手を出さない限り龍国が攻撃してくることは考えられない」という主張を繰り返すのみであった。
また、ネット上でもツイッティーなどSNSでは特に若者を中心に「これは大規模な龍国による侵略の兆候だ!現に尖閣諸島は龍国によって実効支配されているではないか!」という主張が多くされたのだが、それらを主張するアカウントはことごとく「アカウント停止」にされた。
また同様な主張はマイテューブなど動画サイトにも多く寄せられたが、ほとんどがアカウント停止処分を食らい、それらの主張はかき消された。
日本国政府はこの事態に対し、正式に龍国政府に対し「遺憾の意」を伝えたが、政権内部の親龍派議員や大多数の野党の大反発と龍国政府による日本国政府批判を受け、沈黙。
内閣は単独で非常事態宣言を出したがそれに対してマスコミや野党だけでなく、与党内部からも多くの批判が寄れられた。
国内マスコミは沖縄で取材し、「多くの漁船がこちらに向かっているがどう思いますか?」とインタビューを行ったが、多くの人は「そう?近くで漁でもしたいんじゃない?」「まだ沖縄に向かっているかどうかはっきりしていないんじゃない?」というような声を多く放送した。
既に沖縄からは撤退していた米軍は横須賀から第七艦隊の一部が九州の坊ヶ崎沖に来ていた程度で今回の龍国の動きに対しては正式なコメントや動きはされなかった。
翌、5月3日、沖縄本島の西方に浮かぶ久米島のさらに西方100キロの地点に龍国の漁船 約3000隻が現れたのを海上自衛隊のP3C哨戒機が発見、佐世保から派遣された第5護衛隊(こんごう、あけぼの、ありあけ、あきづき)、第2護衛隊(いせ、あしがら、はるさめ、あさひ)、第8護衛隊(しまかぜ、ちょうかい、きりさめ、すずつき)、第13護衛隊(あさゆき、さわぎり、じんつう)、さらに沖縄から第十一管区から、巡視艇りゅうきゅう、てるま、おきなわ、いしがき、うるま が展開し、警戒に当たった。
水平線を埋め尽くす龍国の武装漁船の数々。
護衛艦隊は横一文字に単縦陣を敷き、前衛は巡視艇が散開して待ち受ける日本に対し、龍国の武装漁船群は10個ほどのグループに分かれて徐々に押し寄せてくる。
沖縄や九州から駆けつけたスクランブルのF-15Jは僅か10機程度。空には龍国の武装漁船から発進したと思われる大型ドローンが100機程度もいるので全く抑止出来ているとは思えない。
一言で言うと「絶望的状況」。
巡視艇からは拡声器で「ここは日本の領海内です。直ちに退去して下さい!」というアナウンスがあちこちで流されるが、押し寄せてくる漁船の群れは引き揚げる様子は一切ない。
上空のF-15Jも低空に居座る多数のドローンの為に近寄ることすらできない。
遂に前線の巡視艇は漁船の群れに飲み込まれた。
体当たりされ大きく態勢を崩される船や投石を受け機材が破壊される船、乗員に負傷者が多数発生してしまう。
「投石や体当たりによって被害が多数発生しています!至急、支援を求む!」
巡視艇りゅうきゅうから悲鳴にも似た無線が海自の各艦艇や自衛隊の上層部、日本国政府の緊急対策本部へ届く。
第5護衛艦隊こんごうからは、「巡視艇の被害多数発生!乗員の負傷者も多数発生している模様!救助に伴う射撃の可否を問う!」という暗号通信が自衛隊上層部を介して官邸緊急対策本部に飛ぶ。
だが発砲許可を含めた防衛措置の判断を下せない官邸。
上空で旋回している日本の報道のヘリコプターから送られてくる映像を解説するワイドショーでは「自衛隊は迂闊に反撃すべきではないですね。冷静な対処が求められます。」「これは明らかに漁船ですね、軍ではないので自衛隊は退去すべきです。」などと言うコメンテーターが出てくる。
また、沖縄の様子もライブで映される。
そこでは「龍国歓迎!」「自衛隊は沖縄からでていけ!」などと書かれたノボリやプラカードを持ったデモ隊が映される。
侵略してくる龍国を非難するものは全く報道されない。
手をこまねいている護衛艦に対しても容赦ない投石や体当たりが行われる。
・・・そこに突如として沖縄本島側から低空飛行してくる『飛行機』が現れた。
驚くことにその『飛行機』はひどく旧式なプロペラ機、もっと言えば、日本人なら誰もが知る有名な『あの機体』だった。
あの機体とは、そう『ゼロ戦』。
正式名称は『零式艦上戦闘機』。
唖然として空を見上げる龍国の武装漁船の兵士と日本の護衛艦の乗員たち。
そのゼロ戦という、いかにも古めかしい機体に取り付けられたスピーカーから龍国語で、
『諸君らは我々の重要な施設に対して重大な脅威を及ぼしている。直ちに龍国に帰れ。戻らない場合は攻撃を行う。龍国人は龍国に帰れ。繰り返す、龍国に帰れ。』
しばらく唖然とした後、数名の武装漁民たちは笑い出したり、怒り出す者が出始める。
中にはこの警告に怒った数名の龍国の武装漁民が手持ちの自動小銃や拳銃などで上空のゼロ戦に向けて発砲し始める。
最初はまばらな発砲だったが、次第にエスカレートして、数名から数十名、数百名へと増え、漁船に取り付けられた50口径の機関銃まで撃ち始める者も出てきた。
上空に待機していたゼロ戦からは更に『我々への攻撃は明確な先制攻撃とみなす。直ちにこの場を離れ、日本の領海から立ち去れ。立ち去らない場合は正当な自衛権を行使し、反撃を開始する。繰り返す、直ちに発砲をやめ日本の領海から立ち去れ。』
ここで龍国の偽装民兵たちは取り返しのつかない大きなミスを犯す。
『どうせ日本人は腰抜けで汚いことしか出来ない奴らだ。口ばかりで反撃出来ない腰抜けどもだ!』
武装民兵たちは上空に向けてありとあらゆる兵器を発砲し始める。
中には携帯式対空ミサイルのHN-6まで発射する者が現れる。
(HNー6:赤外線誘導が可能な個人携行可能な対空ミサイル)
しかしこのHN-6の弾は全く明後日の方向に飛んでいってしまう。
異変に気付いた武装民兵たちは、ここで初めてザワつき始める。
すると、滞空していたゼロ戦が急降下を始め、左右の翼下に吊り下げた30mmガンポットを発射、次々と武装漁船を破壊し始めた。
数十カ所で火の手が上がり、大きな爆発が起こった。
パニックに陥る龍国の武装漁船たち、我先にと踵を返して逃げようとする者が多く現れ、大混乱と化した。
後方に控えていた龍国の軍艦も慌てて反撃を開始するが、その弾はゼロ戦にはほとんど当たらない。
逆にどこからか航跡を描いて襲いかかってくる魚雷や、ミサイルによって巨大な火柱を上げる龍国軍艦。
地獄の様な光景が繰り広げられたのだった。
ナレーション:
「日本人は増えすぎた人口を海上に移り住むようになって既に四半世紀が過ぎていた。
太平洋に浮かぶ巨大な人工島は日本人にとって第二の故郷となり、人々はそこで子を生み育て、そして暮らしていた。
西暦2012年、地球上でもっとも人口の多い地域を支配する中華系組織は「龍国」を名乗り、アメリカに代わる世界の覇権を握るため、周辺地域に対し侵略行為を開始した。
最初は移民や難民に化けた工作員を大量に送り込み、政治経済の支配を内部から徐々に行い、最後には軍事的にも侵略、支配し、30年余りで龍国は地球のほぼ半数を影響下におき、日本とロシア、インドを除く周辺地域を軍事的支配下に置くことに成功していた。
彼らはそこで恐るべき人権侵害行為、強権発動、虐殺、恐怖政治を行うに至った。
自由主義諸国は彼らの行為に恐怖した・・・。
龍国の侵攻は遂に日本にも及び、尖閣諸島は龍国海軍による占領下に置かれた。
「懲日遠征」
龍国は当初、日本への侵略をそのように呼んでいた。
「けしからん日本を龍国様が懲らしめる為のただの”遠征”だ」と龍国政府上層部は考えていたわけだ。
かなり上から目線で気分が悪いのだが、これは日本を必ずしも見くびっていたというわけではなく、自衛隊や日本国政府、法律や憲法などを徹底的に調べあげ、『仮に戦争を仕掛けたとしてもアメリカが引いた後の日本は憲法の制約もあって反撃することは不可能だ』と的確に判断した結果であった。
実際、対日工作は必ずしも成功したとはいえなかったが、「平和憲法」という名の自殺憲法の改憲の阻止は成功していたし、日本国内のメディア、政治家などへの懐柔も順調に進んでいたため、武力侵攻を始めても日本国政府にそれを食い止める手段はほとんどなかっただけでなく、最初の一撃で自衛隊の前衛部隊を一気に殲滅することは可能だと思われていた。
当時のアメリカは「反日・親龍」の政権で、龍国政府との裏取引で龍国が日本国に対して侵攻を始めてもある程度は容認するという取り決めが成されていた。
アメリカの親龍勢力(パンダハガー)は龍国が共産党政権から引き継いだ「一帯一路(one belt one road)」での権益を得られるようになっていた。
龍国はこのようにアメリカという最大の後顧の憂いも封じ込め、事実上有名無実と成り下がった国連からの黙認を得て、準備万端、大軍勢を率いて沖縄への侵略に着手したのだった。
2040年5月2日 尖閣列島周辺に集結していた龍国の武装漁船、その数およそ3000隻が東方に向かって移動を開始した。
当初は尖閣諸島のすぐ南にある宮古島や石垣島などに侵攻すると見られていたが、沖縄本土に向け一気に侵攻を開始したのだ。
それらの動きに対し、国内のマスコミはほぼ「報道しない自由」を発動、沖縄本土の主要マスコミですら「龍国には侵略の意思が見受けられない」「彼らの訪問の目的はあくまで平和的な親善目的だ」「台風の被害を避けるため漁船が移動しているに過ぎない」「日本が先に手を出さない限り龍国が攻撃してくることは考えられない」という主張を繰り返すのみであった。
また、ネット上でもツイッティーなどSNSでは特に若者を中心に「これは大規模な龍国による侵略の兆候だ!現に尖閣諸島は龍国によって実効支配されているではないか!」という主張が多くされたのだが、それらを主張するアカウントはことごとく「アカウント停止」にされた。
また同様な主張はマイテューブなど動画サイトにも多く寄せられたが、ほとんどがアカウント停止処分を食らい、それらの主張はかき消された。
日本国政府はこの事態に対し、正式に龍国政府に対し「遺憾の意」を伝えたが、政権内部の親龍派議員や大多数の野党の大反発と龍国政府による日本国政府批判を受け、沈黙。
内閣は単独で非常事態宣言を出したがそれに対してマスコミや野党だけでなく、与党内部からも多くの批判が寄れられた。
国内マスコミは沖縄で取材し、「多くの漁船がこちらに向かっているがどう思いますか?」とインタビューを行ったが、多くの人は「そう?近くで漁でもしたいんじゃない?」「まだ沖縄に向かっているかどうかはっきりしていないんじゃない?」というような声を多く放送した。
既に沖縄からは撤退していた米軍は横須賀から第七艦隊の一部が九州の坊ヶ崎沖に来ていた程度で今回の龍国の動きに対しては正式なコメントや動きはされなかった。
翌、5月3日、沖縄本島の西方に浮かぶ久米島のさらに西方100キロの地点に龍国の漁船 約3000隻が現れたのを海上自衛隊のP3C哨戒機が発見、佐世保から派遣された第5護衛隊(こんごう、あけぼの、ありあけ、あきづき)、第2護衛隊(いせ、あしがら、はるさめ、あさひ)、第8護衛隊(しまかぜ、ちょうかい、きりさめ、すずつき)、第13護衛隊(あさゆき、さわぎり、じんつう)、さらに沖縄から第十一管区から、巡視艇りゅうきゅう、てるま、おきなわ、いしがき、うるま が展開し、警戒に当たった。
水平線を埋め尽くす龍国の武装漁船の数々。
護衛艦隊は横一文字に単縦陣を敷き、前衛は巡視艇が散開して待ち受ける日本に対し、龍国の武装漁船群は10個ほどのグループに分かれて徐々に押し寄せてくる。
沖縄や九州から駆けつけたスクランブルのF-15Jは僅か10機程度。空には龍国の武装漁船から発進したと思われる大型ドローンが100機程度もいるので全く抑止出来ているとは思えない。
一言で言うと「絶望的状況」。
巡視艇からは拡声器で「ここは日本の領海内です。直ちに退去して下さい!」というアナウンスがあちこちで流されるが、押し寄せてくる漁船の群れは引き揚げる様子は一切ない。
上空のF-15Jも低空に居座る多数のドローンの為に近寄ることすらできない。
遂に前線の巡視艇は漁船の群れに飲み込まれた。
体当たりされ大きく態勢を崩される船や投石を受け機材が破壊される船、乗員に負傷者が多数発生してしまう。
「投石や体当たりによって被害が多数発生しています!至急、支援を求む!」
巡視艇りゅうきゅうから悲鳴にも似た無線が海自の各艦艇や自衛隊の上層部、日本国政府の緊急対策本部へ届く。
第5護衛艦隊こんごうからは、「巡視艇の被害多数発生!乗員の負傷者も多数発生している模様!救助に伴う射撃の可否を問う!」という暗号通信が自衛隊上層部を介して官邸緊急対策本部に飛ぶ。
だが発砲許可を含めた防衛措置の判断を下せない官邸。
上空で旋回している日本の報道のヘリコプターから送られてくる映像を解説するワイドショーでは「自衛隊は迂闊に反撃すべきではないですね。冷静な対処が求められます。」「これは明らかに漁船ですね、軍ではないので自衛隊は退去すべきです。」などと言うコメンテーターが出てくる。
また、沖縄の様子もライブで映される。
そこでは「龍国歓迎!」「自衛隊は沖縄からでていけ!」などと書かれたノボリやプラカードを持ったデモ隊が映される。
侵略してくる龍国を非難するものは全く報道されない。
手をこまねいている護衛艦に対しても容赦ない投石や体当たりが行われる。
・・・そこに突如として沖縄本島側から低空飛行してくる『飛行機』が現れた。
驚くことにその『飛行機』はひどく旧式なプロペラ機、もっと言えば、日本人なら誰もが知る有名な『あの機体』だった。
あの機体とは、そう『ゼロ戦』。
正式名称は『零式艦上戦闘機』。
唖然として空を見上げる龍国の武装漁船の兵士と日本の護衛艦の乗員たち。
そのゼロ戦という、いかにも古めかしい機体に取り付けられたスピーカーから龍国語で、
『諸君らは我々の重要な施設に対して重大な脅威を及ぼしている。直ちに龍国に帰れ。戻らない場合は攻撃を行う。龍国人は龍国に帰れ。繰り返す、龍国に帰れ。』
しばらく唖然とした後、数名の武装漁民たちは笑い出したり、怒り出す者が出始める。
中にはこの警告に怒った数名の龍国の武装漁民が手持ちの自動小銃や拳銃などで上空のゼロ戦に向けて発砲し始める。
最初はまばらな発砲だったが、次第にエスカレートして、数名から数十名、数百名へと増え、漁船に取り付けられた50口径の機関銃まで撃ち始める者も出てきた。
上空に待機していたゼロ戦からは更に『我々への攻撃は明確な先制攻撃とみなす。直ちにこの場を離れ、日本の領海から立ち去れ。立ち去らない場合は正当な自衛権を行使し、反撃を開始する。繰り返す、直ちに発砲をやめ日本の領海から立ち去れ。』
ここで龍国の偽装民兵たちは取り返しのつかない大きなミスを犯す。
『どうせ日本人は腰抜けで汚いことしか出来ない奴らだ。口ばかりで反撃出来ない腰抜けどもだ!』
武装民兵たちは上空に向けてありとあらゆる兵器を発砲し始める。
中には携帯式対空ミサイルのHN-6まで発射する者が現れる。
(HNー6:赤外線誘導が可能な個人携行可能な対空ミサイル)
しかしこのHN-6の弾は全く明後日の方向に飛んでいってしまう。
異変に気付いた武装民兵たちは、ここで初めてザワつき始める。
すると、滞空していたゼロ戦が急降下を始め、左右の翼下に吊り下げた30mmガンポットを発射、次々と武装漁船を破壊し始めた。
数十カ所で火の手が上がり、大きな爆発が起こった。
パニックに陥る龍国の武装漁船たち、我先にと踵を返して逃げようとする者が多く現れ、大混乱と化した。
後方に控えていた龍国の軍艦も慌てて反撃を開始するが、その弾はゼロ戦にはほとんど当たらない。
逆にどこからか航跡を描いて襲いかかってくる魚雷や、ミサイルによって巨大な火柱を上げる龍国軍艦。
地獄の様な光景が繰り広げられたのだった。
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