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第2章 生活
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しおりを挟む広場に来た。
たくさん人がいてお店も出ていた。
美味しそうな匂いがする。
「あ!アルフレッド様っ今夜暇ですかぁ」
「クラウス様~、私に似合う服選んでー!」
「イヴァン様!あ、あああの今日、これから時間あるでしょうかっ!」
そして現在、ふくよかな女性達に囲まれて動けないのである。
私はと言うと、広場には人が集まるだろうから流石に恥ずかしいので下ろしてくださいとアルフレッドさんにお願いしたのが5分前。
その案は仇となり、結果近づくことが出来なくなった。
「おいおい、レディ達?今日はちょっと用事があるんだよ。」
「また今度選んであげるわよぉ。今日は無理なのっ」
「悪いが無理だ。今日はこれから用事が…」
困っているようだが、笑っている。
楽しいのだろうか?なら、私は邪魔をしないように、大人しく待っていよう。
私は近くの木の下にあるベンチに座った。
そこから周りをよく見渡す。
黄色い地区がアズーロの地区。なので街全体、家や屋根、道のレンガ、お店にベンチも全てが黄色に染まっている。そこに緑の木や草が生え、色とりどりの花が咲く。
とても綺麗な街並みだった。
周りを見ていると隣に誰かが座る。
横目で見ると銀髪の少年だった。目が合いニコッと笑う。会釈をしておいた。
「君、この辺りの子?」
とても自然に話してくるが、この国の公用語ではなく、隣の国の言葉だった。
まぁ、勉強(前のアレで教育としてどこにでも売れるように多言語を勉強)したので話せるのだが。
「そうですね、」
とても最近というか、昨日なったばかりだが
私が返すと相手は目を見開く
「………っ!僕の言葉、分かるの?」
「はい、不自由のないくらいなら。」
すると、彼は感極まったように私に抱きついてきた。
「僕、こっちに来てから初めて言葉が通じたよ!!」
「わっ……そうなのですか」
突然抱きつかれてびっくりしたが慣れだろうか?別に叫ぶほどではない。
「僕はニール。君の名前は?」
「私はエレナといいます。」
「エレナ!綺麗な名前だね!あ…僕そろそろ行かなくちゃ…またね!」
ニール君はお母さんに呼ばれたようだ、お母さんの元へ駆けていく。
ふと、思った。私にも母は居たのだろうか。
でもこの世に生を受けているのだからいるだろう。
なんとも言えない気持ちになった。
なにか、こう人肌に触れたい?誰かにぎゅっとされたい。
すると、向こうから聞き慣れた声が私の名前を読んでいるのが聞こえる。
「おーい、エレナー?」
「ちょっと!どこいったのよぉー!」
「エレナ?どこですか?」
ぱっとベンチを降りて彼らに駆け寄る。
彼らは私を見つけたようでどこかホットしたように息を吐いた。
そして、1番近づいたイヴァンさんにバンザイをしながら駆け寄った。
すると、流れるような動作で抱っこしてくれる。
「エレナ、良かった。近くに居たんですね。すいません、1人にしてしまって…」
イヴァンさんは安心したように私の頭を撫でてくれる。私はイヴァンさんにぎゅっと抱きついた。
「いえ…大丈夫です。」
「おいおい、嘘だろ。なんで初抱っこのおねだりしたのがイヴァンなんだ?そこは俺だろ?俺が1番抱っこしてんだろ?」
「アンタが1番危ないってエレナちゃんも勘で分かってんのよ。」
「はぁー!?ありえねぇ!納得出来ねぇ!
よし、エレナ。もう一度だ。あそこまで行って駆け寄ってこい。バンザイしながら。そしたら、俺が抱っこしてやるから。な?な??」
アルフレッドさんはもう一度やらせようと私の腕を引っ張るが、イヴァンさんが腕を緩めずまったくもって降りられない。
そんなやり取りが続く。
今の私には、アルフレッドさんもクラウスさんもイヴァンさんもいる。
そう思うとさっきまでのなんとも言えない気持ちは気づいたらなくなっていた。
また、イヴァンさんにぎゅっと抱きつく。
「エレナー?エレナさーん?え、なに?もしかして俺よりイヴァンが好きなの?えっ、ねぇちょっと!?エレナ?」
「イヴァンの次はアタシよねー?むしろ、アタシもイヴァンと同じくらい好きよねー?」
「黙れ、オカマ」
「ああ"ん?何か言った?」
「まぁまぁ、2人ともいったん落ち着いて…」
「「おめぇは黙ってろ!!」」
埒が明かないと思い、私はアルフレッドさんの裾をつんつんと引っ張って目を見つめ、心から思ったことを言う。
「お腹が空きました。」
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