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第1章 出会い
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「ほーら見えて来たぞー嬢ちゃん。
ここが俺らの縄張りだ」
「なわばり?ですか」
「そーだ。あそこの辺は全部黄色いだろ?黄色いところは全部俺らアズーロファミリーの統治地区だ。」
指をさされた方向は確かに、道路や家の屋根までもが全て黄色いのレンガやらで作られていた。
黄色いところはこの人達の住んでいる所らしい。
「で、隣の水色の町があるだろ?あれがフィルスファミリーっていう違うやつらが収める地区だ。あんまりあっちに一人でいっちゃダメだからなー」
なんとなく理解は出来たが、まだ分からないことがたくさんある。
まず、大事なことを質問しようとしたら遮られた。
「おっ!ほら、あれあれ。あれが俺らの家な!1番デカくて黄色い家!てか屋敷!」
大きな門を潜り中庭に入ってオートモービルが止まる。
そのタイミングで男の人はまたもや私を抱っこしたまま立ち上がり屋敷に入った。
重たそうなドアを開けると真っ黒な絨毯に大きなシャンデリアのあるホールに入る。
と、そこで怒りでワナワナと震えているメガネをつけた男の人が腕を組んで立っていた。
「ちょっとぉ!アンタ何考えてんのよぉ!
せっかくアタシが策をねってフィルスファミリーに多大な貸しができるいい方法を提案したのに!台無しにしてくれちゃって!!
もぉーーーー!!!って誰その子?」
男の人なのに不思議な話方をするメガネの人は怒りをぶつけた後私を見て目を点にした。
「ヤツは殺したけど身柄確保出来たから貸しにはなっただろー?
で、コイツは……説明めんどいわー、帰ってきたらリックに聞いとけ。それよりメシなんだよ。」
「は!?ちょっと!」
「イヴァンーメシー」
「はい、直ちに作ります。」
颯爽と歩きだした男の人は黄色いドアを開けて部屋に入る。そこは厨房で、隣にはテーブルとイスが置いてあった。
イヴァンという人は早速作り出し、男の人は私を膝に乗せて椅子に座った。
……そろそろ言ってもいいだろうか。
「あの…すいません。いくつか質問させていただきます。」
「お?なんだ?」
「まず、お兄さん?のお名前はなんでしょうか。私はこれからどうなりますか?あと、お兄さん?達は何者ですか?
これは質問ではないですが、1人で座らせてください。下ろしてください。」
名前がわからないし、
しゃちょうさんが死んじゃったいま、たぶんあそこに戻ることはできないからこれからどうすればいいかわからないし、お兄さん達が何者かもわからない。私が知識として持ってないだけかもしれないが。
そして、私は1人で椅子に座れるし歩ける。別に嫌だという訳では無いが居心地が悪い。
私の話を聞くとお兄さんは隣の椅子に私を座らせた。
「俺はアルフレッド、25歳だ。いいな?25歳だからお兄さんで合ってる。疑問形にしなくていいからな?
嬢ちゃんのことは少し未定だ。ひとまず預かって一緒にメシを食おう。ただそれだけだからまだあんまり考えるなよ。
それで俺らはマフィアだ。」
「マフィア?」
マフィア。本で読んだ事がある。世の中を秩序を乱す犯罪組織と記されていた?あの、マフィア?
「おっと、ちょっとまてまて」
色々と考え出した私をアルフレッドさんは止めた。
「たぶん、嬢ちゃんが知ってるマフィアとは違う。この国での"マフィア"は犯罪組織とか暴行集団じゃねぇ。
そうだなぁ、まぁ簡単に言えば領主だ。」
「りょうしゅ?」
「そう、この国の3つに分けられた地区の1つを統治する。それが仕事。ただ、俺らの地区、所謂、縄張りで悪さをしたり犯罪をしたら捕まえたり懲らしめたりするけどな。
ここまで分かるか?」
「そう…ですね。はい。」
なんとかここまでなら分かる。かな…
ここが俺らの縄張りだ」
「なわばり?ですか」
「そーだ。あそこの辺は全部黄色いだろ?黄色いところは全部俺らアズーロファミリーの統治地区だ。」
指をさされた方向は確かに、道路や家の屋根までもが全て黄色いのレンガやらで作られていた。
黄色いところはこの人達の住んでいる所らしい。
「で、隣の水色の町があるだろ?あれがフィルスファミリーっていう違うやつらが収める地区だ。あんまりあっちに一人でいっちゃダメだからなー」
なんとなく理解は出来たが、まだ分からないことがたくさんある。
まず、大事なことを質問しようとしたら遮られた。
「おっ!ほら、あれあれ。あれが俺らの家な!1番デカくて黄色い家!てか屋敷!」
大きな門を潜り中庭に入ってオートモービルが止まる。
そのタイミングで男の人はまたもや私を抱っこしたまま立ち上がり屋敷に入った。
重たそうなドアを開けると真っ黒な絨毯に大きなシャンデリアのあるホールに入る。
と、そこで怒りでワナワナと震えているメガネをつけた男の人が腕を組んで立っていた。
「ちょっとぉ!アンタ何考えてんのよぉ!
せっかくアタシが策をねってフィルスファミリーに多大な貸しができるいい方法を提案したのに!台無しにしてくれちゃって!!
もぉーーーー!!!って誰その子?」
男の人なのに不思議な話方をするメガネの人は怒りをぶつけた後私を見て目を点にした。
「ヤツは殺したけど身柄確保出来たから貸しにはなっただろー?
で、コイツは……説明めんどいわー、帰ってきたらリックに聞いとけ。それよりメシなんだよ。」
「は!?ちょっと!」
「イヴァンーメシー」
「はい、直ちに作ります。」
颯爽と歩きだした男の人は黄色いドアを開けて部屋に入る。そこは厨房で、隣にはテーブルとイスが置いてあった。
イヴァンという人は早速作り出し、男の人は私を膝に乗せて椅子に座った。
……そろそろ言ってもいいだろうか。
「あの…すいません。いくつか質問させていただきます。」
「お?なんだ?」
「まず、お兄さん?のお名前はなんでしょうか。私はこれからどうなりますか?あと、お兄さん?達は何者ですか?
これは質問ではないですが、1人で座らせてください。下ろしてください。」
名前がわからないし、
しゃちょうさんが死んじゃったいま、たぶんあそこに戻ることはできないからこれからどうすればいいかわからないし、お兄さん達が何者かもわからない。私が知識として持ってないだけかもしれないが。
そして、私は1人で椅子に座れるし歩ける。別に嫌だという訳では無いが居心地が悪い。
私の話を聞くとお兄さんは隣の椅子に私を座らせた。
「俺はアルフレッド、25歳だ。いいな?25歳だからお兄さんで合ってる。疑問形にしなくていいからな?
嬢ちゃんのことは少し未定だ。ひとまず預かって一緒にメシを食おう。ただそれだけだからまだあんまり考えるなよ。
それで俺らはマフィアだ。」
「マフィア?」
マフィア。本で読んだ事がある。世の中を秩序を乱す犯罪組織と記されていた?あの、マフィア?
「おっと、ちょっとまてまて」
色々と考え出した私をアルフレッドさんは止めた。
「たぶん、嬢ちゃんが知ってるマフィアとは違う。この国での"マフィア"は犯罪組織とか暴行集団じゃねぇ。
そうだなぁ、まぁ簡単に言えば領主だ。」
「りょうしゅ?」
「そう、この国の3つに分けられた地区の1つを統治する。それが仕事。ただ、俺らの地区、所謂、縄張りで悪さをしたり犯罪をしたら捕まえたり懲らしめたりするけどな。
ここまで分かるか?」
「そう…ですね。はい。」
なんとかここまでなら分かる。かな…
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