3 / 40
第1章 出会い
3
しおりを挟む
「ほーら見えて来たぞー嬢ちゃん。
ここが俺らの縄張りだ」
「なわばり?ですか」
「そーだ。あそこの辺は全部黄色いだろ?黄色いところは全部俺らアズーロファミリーの統治地区だ。」
指をさされた方向は確かに、道路や家の屋根までもが全て黄色いのレンガやらで作られていた。
黄色いところはこの人達の住んでいる所らしい。
「で、隣の水色の町があるだろ?あれがフィルスファミリーっていう違うやつらが収める地区だ。あんまりあっちに一人でいっちゃダメだからなー」
なんとなく理解は出来たが、まだ分からないことがたくさんある。
まず、大事なことを質問しようとしたら遮られた。
「おっ!ほら、あれあれ。あれが俺らの家な!1番デカくて黄色い家!てか屋敷!」
大きな門を潜り中庭に入ってオートモービルが止まる。
そのタイミングで男の人はまたもや私を抱っこしたまま立ち上がり屋敷に入った。
重たそうなドアを開けると真っ黒な絨毯に大きなシャンデリアのあるホールに入る。
と、そこで怒りでワナワナと震えているメガネをつけた男の人が腕を組んで立っていた。
「ちょっとぉ!アンタ何考えてんのよぉ!
せっかくアタシが策をねってフィルスファミリーに多大な貸しができるいい方法を提案したのに!台無しにしてくれちゃって!!
もぉーーーー!!!って誰その子?」
男の人なのに不思議な話方をするメガネの人は怒りをぶつけた後私を見て目を点にした。
「ヤツは殺したけど身柄確保出来たから貸しにはなっただろー?
で、コイツは……説明めんどいわー、帰ってきたらリックに聞いとけ。それよりメシなんだよ。」
「は!?ちょっと!」
「イヴァンーメシー」
「はい、直ちに作ります。」
颯爽と歩きだした男の人は黄色いドアを開けて部屋に入る。そこは厨房で、隣にはテーブルとイスが置いてあった。
イヴァンという人は早速作り出し、男の人は私を膝に乗せて椅子に座った。
……そろそろ言ってもいいだろうか。
「あの…すいません。いくつか質問させていただきます。」
「お?なんだ?」
「まず、お兄さん?のお名前はなんでしょうか。私はこれからどうなりますか?あと、お兄さん?達は何者ですか?
これは質問ではないですが、1人で座らせてください。下ろしてください。」
名前がわからないし、
しゃちょうさんが死んじゃったいま、たぶんあそこに戻ることはできないからこれからどうすればいいかわからないし、お兄さん達が何者かもわからない。私が知識として持ってないだけかもしれないが。
そして、私は1人で椅子に座れるし歩ける。別に嫌だという訳では無いが居心地が悪い。
私の話を聞くとお兄さんは隣の椅子に私を座らせた。
「俺はアルフレッド、25歳だ。いいな?25歳だからお兄さんで合ってる。疑問形にしなくていいからな?
嬢ちゃんのことは少し未定だ。ひとまず預かって一緒にメシを食おう。ただそれだけだからまだあんまり考えるなよ。
それで俺らはマフィアだ。」
「マフィア?」
マフィア。本で読んだ事がある。世の中を秩序を乱す犯罪組織と記されていた?あの、マフィア?
「おっと、ちょっとまてまて」
色々と考え出した私をアルフレッドさんは止めた。
「たぶん、嬢ちゃんが知ってるマフィアとは違う。この国での"マフィア"は犯罪組織とか暴行集団じゃねぇ。
そうだなぁ、まぁ簡単に言えば領主だ。」
「りょうしゅ?」
「そう、この国の3つに分けられた地区の1つを統治する。それが仕事。ただ、俺らの地区、所謂、縄張りで悪さをしたり犯罪をしたら捕まえたり懲らしめたりするけどな。
ここまで分かるか?」
「そう…ですね。はい。」
なんとかここまでなら分かる。かな…
ここが俺らの縄張りだ」
「なわばり?ですか」
「そーだ。あそこの辺は全部黄色いだろ?黄色いところは全部俺らアズーロファミリーの統治地区だ。」
指をさされた方向は確かに、道路や家の屋根までもが全て黄色いのレンガやらで作られていた。
黄色いところはこの人達の住んでいる所らしい。
「で、隣の水色の町があるだろ?あれがフィルスファミリーっていう違うやつらが収める地区だ。あんまりあっちに一人でいっちゃダメだからなー」
なんとなく理解は出来たが、まだ分からないことがたくさんある。
まず、大事なことを質問しようとしたら遮られた。
「おっ!ほら、あれあれ。あれが俺らの家な!1番デカくて黄色い家!てか屋敷!」
大きな門を潜り中庭に入ってオートモービルが止まる。
そのタイミングで男の人はまたもや私を抱っこしたまま立ち上がり屋敷に入った。
重たそうなドアを開けると真っ黒な絨毯に大きなシャンデリアのあるホールに入る。
と、そこで怒りでワナワナと震えているメガネをつけた男の人が腕を組んで立っていた。
「ちょっとぉ!アンタ何考えてんのよぉ!
せっかくアタシが策をねってフィルスファミリーに多大な貸しができるいい方法を提案したのに!台無しにしてくれちゃって!!
もぉーーーー!!!って誰その子?」
男の人なのに不思議な話方をするメガネの人は怒りをぶつけた後私を見て目を点にした。
「ヤツは殺したけど身柄確保出来たから貸しにはなっただろー?
で、コイツは……説明めんどいわー、帰ってきたらリックに聞いとけ。それよりメシなんだよ。」
「は!?ちょっと!」
「イヴァンーメシー」
「はい、直ちに作ります。」
颯爽と歩きだした男の人は黄色いドアを開けて部屋に入る。そこは厨房で、隣にはテーブルとイスが置いてあった。
イヴァンという人は早速作り出し、男の人は私を膝に乗せて椅子に座った。
……そろそろ言ってもいいだろうか。
「あの…すいません。いくつか質問させていただきます。」
「お?なんだ?」
「まず、お兄さん?のお名前はなんでしょうか。私はこれからどうなりますか?あと、お兄さん?達は何者ですか?
これは質問ではないですが、1人で座らせてください。下ろしてください。」
名前がわからないし、
しゃちょうさんが死んじゃったいま、たぶんあそこに戻ることはできないからこれからどうすればいいかわからないし、お兄さん達が何者かもわからない。私が知識として持ってないだけかもしれないが。
そして、私は1人で椅子に座れるし歩ける。別に嫌だという訳では無いが居心地が悪い。
私の話を聞くとお兄さんは隣の椅子に私を座らせた。
「俺はアルフレッド、25歳だ。いいな?25歳だからお兄さんで合ってる。疑問形にしなくていいからな?
嬢ちゃんのことは少し未定だ。ひとまず預かって一緒にメシを食おう。ただそれだけだからまだあんまり考えるなよ。
それで俺らはマフィアだ。」
「マフィア?」
マフィア。本で読んだ事がある。世の中を秩序を乱す犯罪組織と記されていた?あの、マフィア?
「おっと、ちょっとまてまて」
色々と考え出した私をアルフレッドさんは止めた。
「たぶん、嬢ちゃんが知ってるマフィアとは違う。この国での"マフィア"は犯罪組織とか暴行集団じゃねぇ。
そうだなぁ、まぁ簡単に言えば領主だ。」
「りょうしゅ?」
「そう、この国の3つに分けられた地区の1つを統治する。それが仕事。ただ、俺らの地区、所謂、縄張りで悪さをしたり犯罪をしたら捕まえたり懲らしめたりするけどな。
ここまで分かるか?」
「そう…ですね。はい。」
なんとかここまでなら分かる。かな…
16
お気に入りに追加
2,053
あなたにおすすめの小説
『番外編』イケメン彼氏は警察官!初めてのお酒に私の記憶はどこに!?
すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の身は持たない!?の番外編です。
ある日、美都の元に届いた『同窓会』のご案内。もう目が治ってる美都は参加することに決めた。
要「これ・・・酒が出ると思うけど飲むなよ?」
そう要に言われてたけど、渡されたグラスに口をつける美都。それが『酒』だと気づいたころにはもうだいぶ廻っていて・・・。
要「今日はやたら素直だな・・・。」
美都「早くっ・・入れて欲しいっ・・!あぁっ・・!」
いつもとは違う、乱れた夜に・・・・・。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんら関係ありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ヤクザと私と。~養子じゃなく嫁でした
瀬名。
恋愛
大学1年生の冬。母子家庭の私は、母に逃げられました。
家も取り押さえられ、帰る場所もない。
まず、借金返済をしてないから、私も逃げないとやばい。
…そんな時、借金取りにきた私を買ってくれたのは。
ヤクザの若頭でした。
*この話はフィクションです
現実ではあり得ませんが、物語の過程としてむちゃくちゃしてます
ツッコミたくてイラつく人はお帰りください
またこの話を鵜呑みにする読者がいたとしても私は一切の責任を負いませんのでご了承ください*
夫に離縁が切り出せません
えんどう
恋愛
初めて会った時から無口で無愛想な上に、夫婦となってからもまともな会話は無く身体を重ねてもそれは変わらない。挙げ句の果てに外に女までいるらしい。
妊娠した日にお腹の子供が産まれたら離縁して好きなことをしようと思っていたのだが──。
男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました
かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。
「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね?
周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。
※この作品の人物および設定は完全フィクションです
※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。
※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。)
※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。
※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
4人の王子に囲まれて
*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。
4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって……
4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー!
鈴木結衣(Yui Suzuki)
高1 156cm 39kg
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。
母の再婚によって4人の義兄ができる。
矢神 琉生(Ryusei yagami)
26歳 178cm
結衣の義兄の長男。
面倒見がよく優しい。
近くのクリニックの先生をしている。
矢神 秀(Shu yagami)
24歳 172cm
結衣の義兄の次男。
優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。
結衣と大雅が通うS高の数学教師。
矢神 瑛斗(Eito yagami)
22歳 177cm
結衣の義兄の三男。
優しいけどちょっぴりSな一面も!?
今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。
矢神 大雅(Taiga yagami)
高3 182cm
結衣の義兄の四男。
学校からも目をつけられているヤンキー。
結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。
*注 医療の知識等はございません。
ご了承くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる