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一章

ここはいったいどこなんだ!?

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 目を覚ますと俺は大草原の中にいた。


「ああ、頭が痛い」


 いきなり襲ってきた激しい頭痛に思わず頭に手を添える。
 ガンガンと頭の中で何かが暴れまわっているかのような痛み。
 クソっ! なんだってんだ、まったく。


「おい、人が倒れてるぞ!! ちょっとこっちに来てくれ」

 どこか遠いような近いような位置から声が聞こえる。
 ドタドタドタという何人かの足音が………………………。





「う、ううん。………………ここは?」


 目が覚めると俺は少しかための布団の上で寝ていた。
 ああ、体が重い。それにここはどこだ!?



 俺は重たい体を起こし、あたりを見渡す。
 古めかしい床それに壁。
 部屋は暗い。部屋を灯しているのは天井からつるされているろうそくだけだ。


「体調はいかがかな、旅人殿よ」


 立て付けの悪そうな障子を開けて老人が姿を現す。


「あなたは?」
「わしは道端で倒れているおぬしを保護したものじゃよ。一体何があったのじゃ?」
「…………………………俺はなんで道端に倒れていたんだ。そもそもここはどこだ。日本か?」
「ニビョン? はて、聞き及ばない名じゃな。きっと頭を強くうったのじゃろ。今日はこれでも食べてしっかりと体力をつけるがよい」


 老人はおぼんの上にのった器を降ろし、ゆっくりとでもどこかぎこちないような動きで俺の前からいなくなった。


 俺は老人の降ろした器の中をのぞき込む。
 白飯、それに見たことのないスープ。うす灰色をしていて、お世辞にもおいしそうとはいえないような代物。



 ここはいったいどこなんだ!?
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