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第一章 あやかしのいる美容室
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「それで、龍之介」
ややあって、僕はセット面の一席へと通され薄い桃色のカットクロスを着せられていた。どうやら、カルテを渡されて名前なり住所なりアレルギーの有無を書いたりする美容室ではないらしい。それはいいとして、いきなりの呼び捨てとは大胆に出たものだ。予想出来なかったわけではありませんがね。
「お前、どんくらい切るんだよ。やけに長いが、このキモロン毛は全部切り落としていいんだよな」
キモロン毛……事実だけども、その言い方はあんまりだ。言っても仕方ないのだろうが。
「こだわりとかはないんで、とりあえず短くしてくれたらそれで」
僕がそう言えば、大吾は黙ったまま頷きスプレイヤー(霧吹き)で僕の髪を濡らし始めた。
「歳はいくつだ?」
「今年で26歳になりました」
「じゃあ、俺の一つ上か。だったら俺のことは大吾でいいぜ」
それはさすがに予想外だ。
「ほら、呼んでみろ。だ、い、ご。ほら」
いいのかな……それにちょっとだけ、恥ずかしい。
「えーと、うん。じゃあ……大吾?」
恐る恐る言って、大吾の反応を伺う。もしかしたら、単なる冗談だったという懸念も捨てきれない。でもそんなものは、僕の心配性に過ぎなかったらしい。
「それでいいんだよ、龍之介」
彼はわずかに白い歯を覗かせ笑う。なんだろう、一気に距離が縮まった気がした。こういった接客は一度もされたことがなかったから、どこか新鮮でもる。
「うんうん、大吾と龍ちゃん。なかなかに良いコンビじゃのう」
鏡越しに、玉ちゃんが僕らの会話を楽しそうに眺めている。それが気に障ったのか、大吾は「うぜぇ」と嫌そうに顔をしかめた。
そう言えばだが、二人はどんな関係なんだろうか。恋人? 夫婦? いや、そんな感じには見えないけど──
「龍ちゃんよ、乙女のあれこれを詮索してはならんぞ。安心するのじゃ。わっちと大吾はただの友人、言ったら腐れ縁じゃ」
「あ、すみません。ですよね……って、」
あれ? 僕いま、なにも言ってないよね?
「龍之介、玉藻の言うことなんか一々気にすんな」
首を傾げている僕の頭を大吾が掴む。そのまま首を元の位置まで戻してくれた。
「あいつはちょっと変わってるから、関わるとろくなことにならないぜ」
「う、うん……」
言っている意味はよく分からないけど、とりあえず頷くことにした。触らぬ神に祟りなしってやつだ。
「その前に……龍之介、なんか読むか?」
「えーと、じゃあ、雑誌でも」
「雑誌はない」
「(えぇ……)じゃあ、なにがあるの?」
僕がそう尋ねれば、大吾は少し考えた素振りを見せた。だがその直後にも、なにか妙案でも浮かんだらしく、
「とっておきがあるぜ?」
にやりと笑う大吾は、店内の隅にある本棚へと向かう。一体どんな読み物を持ってくるのだろうか? 僕は20代の中盤だから、大体はメンズファッション雑誌やグルメ本などの雑誌類が無難なとこなんだけど──
「ほらよ」
大吾が手に持って返ってきたそれは、
「ほら、『君に届く』だ。名作だぜ」
それは少し前に流行った少女漫画『君に届く』であった。話の内容としてはよくある純愛漫画のようでこれが結構奥が深い話なのだと、昔なな姉が熱く語ってきたからなんとなくは知っている。
「どうせ読んだことねぇだろうから、良い機会だ。読んでみろよ。この俺がどハマりしたぐらいだから、絶対ハマるぜ。黒髪爽子と風髪翔太のもどかしいやり取りが、マジでエモいんだよ」
そんな勇ましい顔して少女漫画好きって、どういった感性してるのやら……もういろんなことがカオス! 世界中探したって、ここまでギャップの激しい美容師はいないんじゃないのかな……大体、彼は本当に僕の髪を切れるのだろうか?
と、不安。ただそんな不安は、次の瞬間にも一瞬にして吹き飛んでいた。
「じゃあ、切ってくぜ」
大吾の目つきが、がらり変わる。それは、これまでの仏頂面とは真逆の、実に凛々しい表情だ。とにかく、カット中の大吾は男らしかった。そのギャップが凄すぎて、僕は少し圧倒されてしまった。
「(それに……)」
手さばきが、早い。ものの五分もかからず、僕のあんなに長かった髪は顎の下くらいまで短くなっていた。迷いのない正確なカット。経験者だから分かる。ここまで思い切りの良いカットができるのは、ある程度の実績と経験と、なにより血の滲むような練習を重ねなければ到達できない領域だ。
「(すごいじゃないか、大吾)」
結局、大吾はその後も口を閉ざしたままだった。ハサミの軽やかな音だけが室内に木霊する。うん、こういう雰囲気も嫌いじゃない。鏡に映る大吾のカットさばきを眺めているのも、なんだか楽しかった。
その後の展開については、語るまでもないくらいのスムーズさだった。ほんの15分間で僕の長かった髪はばっさり切り落とされ、そのままシャンプー台へ。彼のシャンプーは……うん、荒々しい。これぞ男という感じの、なかなかに力強い手つきのシャンプーであった。でも、これが妙に心地よい。
シャンプー後はセット面に戻りドライヤーで乾かされる。ドライヤーから発せられる温風と、大吾の豪快ながらもリズミカルなドライ(髪を乾かす手順)がこれまた気持ち良くて、ついウトウトしてしまう。
そして、
「おい龍之介、目を開けろ」
大吾はカットクロスを外してくれる。どうやら施術が終わったみたいだ。
僕は重たい瞼を開いて、驚愕した。
「(すごく、いいかも)」
鏡には、見違えた僕がそこにいた。重ための、黒髪ボブ。だが僕の髪は癖毛だから、パーマがかかったみたいになって良い感じに毛先がうねっている。
「触って、いい?」
「おう」
自分の髪に触れてみる……うん、軽い。セニング(すきバサミ)はあまり入ってないみたいだけど、もともとあまり毛量の多い方ではなかったからちょうど良く感じた。
「大吾。君、凄く上手なんだね。うん、気に入ったよ……すごく、いいと思う」
「そ、そうか?」
大吾は顔を赤らめ照れていた。なんだよ、可愛いとこもあるじゃないかって、なに目線だよ僕は。
そういうことが言いたいんじゃなくて、
「ありがとう大吾」
僕はにこりと笑って会釈する。すると大吾はお次に耳を真っ赤にさせ、「おう」とこれまた恥ずかしそうに俯いた。うん、どうやら照れ屋みたいだ。
「(まあいいけどさ、なんだって)」
美容室へ訪れる目的とは、髪を綺麗にしてもらうことが第一である。そういう意味では、大吾は僕の髪を実に良い仕上がりにまとめてくれた。大満足である。
そうして席を立とうした、その時だった。
「あびゃぁあああああッ! 龍ちゃん! 龍ちゃん!」
いきなり、奇声を発した玉ちゃんが後ろから抱きついてきた。
「む~ん、龍ちゃんは本当にわっち好みじゃ~」
激しいスキンシップ。すごく、苦しい……
「おい玉藻! バカ、やめろ!」
「ええい大吾! お主も少しは龍ちゃんを見習って髪を伸ばすのじゃ! なんじゃそのボサボサなボンバーヘアーは!? 少しは美少年としての誇りはないのか!?」
「うぜぇ! いいから、離れろバカ!」
「嫌じゃ嫌じゃ! 龍ちゃんはわっちがお持ち帰りするんじゃ! わっちのものなんじゃああ!」
「知るかこのド変態きつねが!」
「ちょちょ、苦しい……」
なにこれ……なにこれ……なにこれぇええええええええっ!
そんな心の叫びが、喉の底までその叫びが出かけた時。
「あのー、すみません。予約していた、座敷原ですけど……」
店に入ってきた30代くらいの大人の女性が一人。と、その背後に。
「……」
よく見れば、彼女の後ろに人影がもう一つ。小学一年生くらいの、長い黒髪を後ろで一つに結った少女が、そこにいた。
ややあって、僕はセット面の一席へと通され薄い桃色のカットクロスを着せられていた。どうやら、カルテを渡されて名前なり住所なりアレルギーの有無を書いたりする美容室ではないらしい。それはいいとして、いきなりの呼び捨てとは大胆に出たものだ。予想出来なかったわけではありませんがね。
「お前、どんくらい切るんだよ。やけに長いが、このキモロン毛は全部切り落としていいんだよな」
キモロン毛……事実だけども、その言い方はあんまりだ。言っても仕方ないのだろうが。
「こだわりとかはないんで、とりあえず短くしてくれたらそれで」
僕がそう言えば、大吾は黙ったまま頷きスプレイヤー(霧吹き)で僕の髪を濡らし始めた。
「歳はいくつだ?」
「今年で26歳になりました」
「じゃあ、俺の一つ上か。だったら俺のことは大吾でいいぜ」
それはさすがに予想外だ。
「ほら、呼んでみろ。だ、い、ご。ほら」
いいのかな……それにちょっとだけ、恥ずかしい。
「えーと、うん。じゃあ……大吾?」
恐る恐る言って、大吾の反応を伺う。もしかしたら、単なる冗談だったという懸念も捨てきれない。でもそんなものは、僕の心配性に過ぎなかったらしい。
「それでいいんだよ、龍之介」
彼はわずかに白い歯を覗かせ笑う。なんだろう、一気に距離が縮まった気がした。こういった接客は一度もされたことがなかったから、どこか新鮮でもる。
「うんうん、大吾と龍ちゃん。なかなかに良いコンビじゃのう」
鏡越しに、玉ちゃんが僕らの会話を楽しそうに眺めている。それが気に障ったのか、大吾は「うぜぇ」と嫌そうに顔をしかめた。
そう言えばだが、二人はどんな関係なんだろうか。恋人? 夫婦? いや、そんな感じには見えないけど──
「龍ちゃんよ、乙女のあれこれを詮索してはならんぞ。安心するのじゃ。わっちと大吾はただの友人、言ったら腐れ縁じゃ」
「あ、すみません。ですよね……って、」
あれ? 僕いま、なにも言ってないよね?
「龍之介、玉藻の言うことなんか一々気にすんな」
首を傾げている僕の頭を大吾が掴む。そのまま首を元の位置まで戻してくれた。
「あいつはちょっと変わってるから、関わるとろくなことにならないぜ」
「う、うん……」
言っている意味はよく分からないけど、とりあえず頷くことにした。触らぬ神に祟りなしってやつだ。
「その前に……龍之介、なんか読むか?」
「えーと、じゃあ、雑誌でも」
「雑誌はない」
「(えぇ……)じゃあ、なにがあるの?」
僕がそう尋ねれば、大吾は少し考えた素振りを見せた。だがその直後にも、なにか妙案でも浮かんだらしく、
「とっておきがあるぜ?」
にやりと笑う大吾は、店内の隅にある本棚へと向かう。一体どんな読み物を持ってくるのだろうか? 僕は20代の中盤だから、大体はメンズファッション雑誌やグルメ本などの雑誌類が無難なとこなんだけど──
「ほらよ」
大吾が手に持って返ってきたそれは、
「ほら、『君に届く』だ。名作だぜ」
それは少し前に流行った少女漫画『君に届く』であった。話の内容としてはよくある純愛漫画のようでこれが結構奥が深い話なのだと、昔なな姉が熱く語ってきたからなんとなくは知っている。
「どうせ読んだことねぇだろうから、良い機会だ。読んでみろよ。この俺がどハマりしたぐらいだから、絶対ハマるぜ。黒髪爽子と風髪翔太のもどかしいやり取りが、マジでエモいんだよ」
そんな勇ましい顔して少女漫画好きって、どういった感性してるのやら……もういろんなことがカオス! 世界中探したって、ここまでギャップの激しい美容師はいないんじゃないのかな……大体、彼は本当に僕の髪を切れるのだろうか?
と、不安。ただそんな不安は、次の瞬間にも一瞬にして吹き飛んでいた。
「じゃあ、切ってくぜ」
大吾の目つきが、がらり変わる。それは、これまでの仏頂面とは真逆の、実に凛々しい表情だ。とにかく、カット中の大吾は男らしかった。そのギャップが凄すぎて、僕は少し圧倒されてしまった。
「(それに……)」
手さばきが、早い。ものの五分もかからず、僕のあんなに長かった髪は顎の下くらいまで短くなっていた。迷いのない正確なカット。経験者だから分かる。ここまで思い切りの良いカットができるのは、ある程度の実績と経験と、なにより血の滲むような練習を重ねなければ到達できない領域だ。
「(すごいじゃないか、大吾)」
結局、大吾はその後も口を閉ざしたままだった。ハサミの軽やかな音だけが室内に木霊する。うん、こういう雰囲気も嫌いじゃない。鏡に映る大吾のカットさばきを眺めているのも、なんだか楽しかった。
その後の展開については、語るまでもないくらいのスムーズさだった。ほんの15分間で僕の長かった髪はばっさり切り落とされ、そのままシャンプー台へ。彼のシャンプーは……うん、荒々しい。これぞ男という感じの、なかなかに力強い手つきのシャンプーであった。でも、これが妙に心地よい。
シャンプー後はセット面に戻りドライヤーで乾かされる。ドライヤーから発せられる温風と、大吾の豪快ながらもリズミカルなドライ(髪を乾かす手順)がこれまた気持ち良くて、ついウトウトしてしまう。
そして、
「おい龍之介、目を開けろ」
大吾はカットクロスを外してくれる。どうやら施術が終わったみたいだ。
僕は重たい瞼を開いて、驚愕した。
「(すごく、いいかも)」
鏡には、見違えた僕がそこにいた。重ための、黒髪ボブ。だが僕の髪は癖毛だから、パーマがかかったみたいになって良い感じに毛先がうねっている。
「触って、いい?」
「おう」
自分の髪に触れてみる……うん、軽い。セニング(すきバサミ)はあまり入ってないみたいだけど、もともとあまり毛量の多い方ではなかったからちょうど良く感じた。
「大吾。君、凄く上手なんだね。うん、気に入ったよ……すごく、いいと思う」
「そ、そうか?」
大吾は顔を赤らめ照れていた。なんだよ、可愛いとこもあるじゃないかって、なに目線だよ僕は。
そういうことが言いたいんじゃなくて、
「ありがとう大吾」
僕はにこりと笑って会釈する。すると大吾はお次に耳を真っ赤にさせ、「おう」とこれまた恥ずかしそうに俯いた。うん、どうやら照れ屋みたいだ。
「(まあいいけどさ、なんだって)」
美容室へ訪れる目的とは、髪を綺麗にしてもらうことが第一である。そういう意味では、大吾は僕の髪を実に良い仕上がりにまとめてくれた。大満足である。
そうして席を立とうした、その時だった。
「あびゃぁあああああッ! 龍ちゃん! 龍ちゃん!」
いきなり、奇声を発した玉ちゃんが後ろから抱きついてきた。
「む~ん、龍ちゃんは本当にわっち好みじゃ~」
激しいスキンシップ。すごく、苦しい……
「おい玉藻! バカ、やめろ!」
「ええい大吾! お主も少しは龍ちゃんを見習って髪を伸ばすのじゃ! なんじゃそのボサボサなボンバーヘアーは!? 少しは美少年としての誇りはないのか!?」
「うぜぇ! いいから、離れろバカ!」
「嫌じゃ嫌じゃ! 龍ちゃんはわっちがお持ち帰りするんじゃ! わっちのものなんじゃああ!」
「知るかこのド変態きつねが!」
「ちょちょ、苦しい……」
なにこれ……なにこれ……なにこれぇええええええええっ!
そんな心の叫びが、喉の底までその叫びが出かけた時。
「あのー、すみません。予約していた、座敷原ですけど……」
店に入ってきた30代くらいの大人の女性が一人。と、その背後に。
「……」
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