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番外編3 一番の●●
関係?(1)
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「なるほど。ライト様がとてもかわいいことがよく解った」
魔王の体調も良くなってきたので、ずっとライト様の話を聞いていた。
ライト様がこの世界に来る前のことから、召喚後のこと、なるべく事細かに全部。
「そうだろう? ライトはとてもかわいいんだ」
魔王の自慢げな言葉も……仕方がない。
「……ずっと、お前は人間に対して不誠実だと思っていた」
「そういう部分もあった」
「結果的にそうかもしれないが、お前が……人間を大切にして自分は我慢していたのだと解った。これなら、ライト様を任せられる」
「そんなに信用が無かったんだな」
「あぁ」
「まぁ、当然か。俺は導王が羨ましかった。お前のペットはどのペットもお前のことを心から尊敬して、一生添い遂げることを当然と思っている子ばかりで……それが上手くできない自分と比べて、悔しかった」
「私は、幸運だっただけだ」
人間に対する知識は、魔王と同じで少ない。それでも、元気に過ごしてくれる丈夫な子たち、マティオラが下地を作ってくれた私を畏怖することなく敬愛してくれる人間の意識。
幸運だったとしか言えない。
「それに、お前は契約書媒体の保護魔法までかけて……あのような面倒な魔法、よく三年ごとに使っていたな?」
「ペットの守り方がこれしか思いつかなかったんだ。結果として、ペットを閉じ込めてしまうことになって後悔しているが……。それに、今はもうライトが一生一緒にいてくれるので、新に契約を結ぶこともない。楽なものだ」
「そうだが……」
私だって黒髪だから使えなくはないが、複雑な術式で手間も時間もかかって魔力消費量も多い、契約書媒体の保護魔法。
確かにかけてやる方が安全かもしれないが、導王の国は国内治安が良いし、ペットの行動を制限するということもあり、私はかけていなかった。
かけてやるべきなのか?
いや……国外に出る時には魔法石も付けさせるし大丈夫だろう。
魔王は真面目過ぎる。
「それにしても専属化か。思い切ったな」
「あぁ……」
魔王は先ほどまでの謙遜した声ではなく、あからさまに照れた声になる。
原始の姿で表情が解りにくくて良かった。
こいつのデレ顔なんて間近で見たくはない。
「ライトは、とても、とても、特別で、大切で、手放せないと思った」
「まぁ、そうだな。あんな奇跡のような方、私たちの寿命の間にもう一人でも現れるとは思えない」
新聞での報道や、魔王のこの言葉だけで納得できた。
それだけライト様は特別にかわいい。
しかし……魔王の口は止まらなかった。
「ライトは、俺に『愛』を教えてくれた」
「愛?」
良い子ちゃんのお前は国民から充分愛されていただろう? 今更?
「お前もわかるだろう? 黒髪の俺たちには親も、子も、恋人も、配偶者も持てない」
「そうだな」
「国民も、歴代のペットも、皆、俺を尊敬してくれるが、愛してくれているのかは……解らなかった」
傍目には充分愛されているように見えたが……一番も言っていたか? 自分のことや自分の周囲はよく見えない奴だと。
「ライトが、俺がどれだけ愛されていたか教えてくれた。それに、愛し方も教えてくれた。愛してくれた。ライトが来てくれてから、俺は……幸せだ」
……愛、か。
先代の導王様からは本当の息子のように愛してもらった。
国民たちは、人工魔法石のこともあってか私のことを妄信的に愛してくれている。
歴代のペットは、皆、敬愛してくれていた。
導王様のことも、国民のことも、ペットのことも、もらった愛と同じだけ、愛していると思う。
愛に関していえば、こいつよりも私の方が恵まれた境遇だったのかもしれないな。
魔王の体調も良くなってきたので、ずっとライト様の話を聞いていた。
ライト様がこの世界に来る前のことから、召喚後のこと、なるべく事細かに全部。
「そうだろう? ライトはとてもかわいいんだ」
魔王の自慢げな言葉も……仕方がない。
「……ずっと、お前は人間に対して不誠実だと思っていた」
「そういう部分もあった」
「結果的にそうかもしれないが、お前が……人間を大切にして自分は我慢していたのだと解った。これなら、ライト様を任せられる」
「そんなに信用が無かったんだな」
「あぁ」
「まぁ、当然か。俺は導王が羨ましかった。お前のペットはどのペットもお前のことを心から尊敬して、一生添い遂げることを当然と思っている子ばかりで……それが上手くできない自分と比べて、悔しかった」
「私は、幸運だっただけだ」
人間に対する知識は、魔王と同じで少ない。それでも、元気に過ごしてくれる丈夫な子たち、マティオラが下地を作ってくれた私を畏怖することなく敬愛してくれる人間の意識。
幸運だったとしか言えない。
「それに、お前は契約書媒体の保護魔法までかけて……あのような面倒な魔法、よく三年ごとに使っていたな?」
「ペットの守り方がこれしか思いつかなかったんだ。結果として、ペットを閉じ込めてしまうことになって後悔しているが……。それに、今はもうライトが一生一緒にいてくれるので、新に契約を結ぶこともない。楽なものだ」
「そうだが……」
私だって黒髪だから使えなくはないが、複雑な術式で手間も時間もかかって魔力消費量も多い、契約書媒体の保護魔法。
確かにかけてやる方が安全かもしれないが、導王の国は国内治安が良いし、ペットの行動を制限するということもあり、私はかけていなかった。
かけてやるべきなのか?
いや……国外に出る時には魔法石も付けさせるし大丈夫だろう。
魔王は真面目過ぎる。
「それにしても専属化か。思い切ったな」
「あぁ……」
魔王は先ほどまでの謙遜した声ではなく、あからさまに照れた声になる。
原始の姿で表情が解りにくくて良かった。
こいつのデレ顔なんて間近で見たくはない。
「ライトは、とても、とても、特別で、大切で、手放せないと思った」
「まぁ、そうだな。あんな奇跡のような方、私たちの寿命の間にもう一人でも現れるとは思えない」
新聞での報道や、魔王のこの言葉だけで納得できた。
それだけライト様は特別にかわいい。
しかし……魔王の口は止まらなかった。
「ライトは、俺に『愛』を教えてくれた」
「愛?」
良い子ちゃんのお前は国民から充分愛されていただろう? 今更?
「お前もわかるだろう? 黒髪の俺たちには親も、子も、恋人も、配偶者も持てない」
「そうだな」
「国民も、歴代のペットも、皆、俺を尊敬してくれるが、愛してくれているのかは……解らなかった」
傍目には充分愛されているように見えたが……一番も言っていたか? 自分のことや自分の周囲はよく見えない奴だと。
「ライトが、俺がどれだけ愛されていたか教えてくれた。それに、愛し方も教えてくれた。愛してくれた。ライトが来てくれてから、俺は……幸せだ」
……愛、か。
先代の導王様からは本当の息子のように愛してもらった。
国民たちは、人工魔法石のこともあってか私のことを妄信的に愛してくれている。
歴代のペットは、皆、敬愛してくれていた。
導王様のことも、国民のことも、ペットのことも、もらった愛と同じだけ、愛していると思う。
愛に関していえば、こいつよりも私の方が恵まれた境遇だったのかもしれないな。
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