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第4章 日常と過去とこれからの話
第79話 頑張って癒す(1)
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このお城で魔王さんのペットになってもうすぐ一年。
ずっとやってみたいことがあった。
でも、なかなかそれをする環境が整わなくて、チャンスが無くて、できないでいたんだけど……。
「ライト様、今夜は魔王様は会食なのでお夕食は一人で召し上がっていただきます」
「本当!?」
昼食の時にローズウェルさんに言われた言葉に、思わず喜んでしまった。
「え、あ、はい……」
ローズウェルさんが戸惑いながら頷く。
そうだよね、いつもなら「夕食は一人」って聞くと残念がるよね、俺。
「夕食が一人なのは寂しいけど……実は、ちょっとサプライズしたくて」
「サプライズ、ですか?」
「そう。少し前に契約を変更して、この部屋から出られるようになって……魔王さんの部屋にも出入り自由になったから」
「あぁ、魔王様のお部屋で待ち伏せをされるんですね」
ローズウェルさんが「微笑ましいなぁ」と心の声が聞こえてきそうな顔を向けてくれる。
半分正解だけど……。
「だいたいそういうことかな。ね、魔王さんには『ライト様が寂しがっていたので会食後はライト様のお部屋に直行してあげてください』って言っておいて」
「なるほど。ライト様のお部屋にいないと思ったら……ということですね? お伝えしておきます」
「よろしくね」
よし、昼食後に魔王さんの部屋に行って準備しないと。
ちょうどいいの、あるといいな……。
◆
夕食後、シャワーを浴びて体を拭いた後、ちょっと行儀は悪いけど全裸で部屋に戻る。
「この辺りから、かな……」
部屋の真ん中あたりに靴を片方置く。
そこから数歩歩いて、もう片方。更に歩いて靴下を片方、もう片方。
ここで魔王さんの部屋に繋がるドアだ。
「お邪魔しまーす」
魔王さんの部屋に入って一歩進んだところにベルト、もう少し先にズボン、寝室の入り口にシャツ、最後に、ベッドの横にパンツ。
この世界のパンツ、白いトランクスとボクサーパンツの中間みたいなパンツしかないのはそのうちどうにかしたいよね。まぁ、今日はとりあえずこれで……
「昼に選んでおいたやつ……これだったかな?」
寝室奥のウォークインクローゼットに入ってすぐ、沢山ぶら下がっている魔王さんのシャツから一枚選んで全裸の上に羽織る。
魔王さんがいつも黒い詰襟の軍服風のジャケットの下に着ている、白いスタンドカラーの長袖シャツは、俺と魔王さんの体格差を考えれば……ほら、想像通り。
裾は俺の尻のふくらみやペニスがすっぽり隠れる長さ。
袖は指先まで。
肩も落ちているし、全体的にぶかぶか。
「絵にかいたような彼シャツだな」
俺の身長でここまでみごとな彼シャツができるなんて。
魔王さんが大きいお陰だ。
「魔王さん、喜んでくれるかな……」
最近エッチできてなかったし、たまらなくなって襲ってくれるかも?
シャツの前、閉めたけど……胸元もう少し開けておく方がエロい?
寝転んで……仰向けかうつ伏せか横向きか……横向きかな?
あ、枕持っておこう。
「……あ」
ベッドに横になって魔王さんの大きな枕に抱き着くと……これは、ちょっとクる。
魔王さんの匂いがして……っていうか、このベッドが魔王さんの匂いする。
「ん……」
抱き着いた枕に顔を埋めると、更に魔王さんの匂いを感じるし、このシャツも、ベッドも、魔王さんのだと思うと……。
「ふっ……んー……」
これはちょっと……。
「魔王さん……」
声に出すとまた……やばい。
「魔王さん……ん……魔王さん……」
顔が熱い。下半身が重い。
これだけで?
魔王さんを喜ばせるつもりのはずが、俺の方が……たったこれだけで、なんか……。
あれ?
魔王さんが好きな自覚はあるし、ずっと一緒にいられることになってからは、家族みたいな気持ちでもあるんだけど……俺、ちょっと思ったよりも……エッチな意味でも……。
「魔王さん……好き……」
呟きながら、もどかしい腰をくねらせ、枕を一層強く抱きしめる。
「ん、魔王さん……っ、好き……魔王さん……」
好き。
だから魔王さんが欲しくてたまらない。
早くエッチしたい。
このままじゃオナニーしちゃいそう。
……枕に股間を押し当ててしまっている時点で、ほぼオナニーなのかもしれないけど……。
「魔王さん……ん、好き……はやく……魔王さん、欲しい……」
「ライト?」
………………!?
寝室とリビングの境目辺りから魔王さんの声が聞こえて……枕から手を離しながら恐る恐る体を起こすと、声がしたんだから当然だけど……魔王さんが立っていた。
「あ……ま、魔王さん……?」
ずっとやってみたいことがあった。
でも、なかなかそれをする環境が整わなくて、チャンスが無くて、できないでいたんだけど……。
「ライト様、今夜は魔王様は会食なのでお夕食は一人で召し上がっていただきます」
「本当!?」
昼食の時にローズウェルさんに言われた言葉に、思わず喜んでしまった。
「え、あ、はい……」
ローズウェルさんが戸惑いながら頷く。
そうだよね、いつもなら「夕食は一人」って聞くと残念がるよね、俺。
「夕食が一人なのは寂しいけど……実は、ちょっとサプライズしたくて」
「サプライズ、ですか?」
「そう。少し前に契約を変更して、この部屋から出られるようになって……魔王さんの部屋にも出入り自由になったから」
「あぁ、魔王様のお部屋で待ち伏せをされるんですね」
ローズウェルさんが「微笑ましいなぁ」と心の声が聞こえてきそうな顔を向けてくれる。
半分正解だけど……。
「だいたいそういうことかな。ね、魔王さんには『ライト様が寂しがっていたので会食後はライト様のお部屋に直行してあげてください』って言っておいて」
「なるほど。ライト様のお部屋にいないと思ったら……ということですね? お伝えしておきます」
「よろしくね」
よし、昼食後に魔王さんの部屋に行って準備しないと。
ちょうどいいの、あるといいな……。
◆
夕食後、シャワーを浴びて体を拭いた後、ちょっと行儀は悪いけど全裸で部屋に戻る。
「この辺りから、かな……」
部屋の真ん中あたりに靴を片方置く。
そこから数歩歩いて、もう片方。更に歩いて靴下を片方、もう片方。
ここで魔王さんの部屋に繋がるドアだ。
「お邪魔しまーす」
魔王さんの部屋に入って一歩進んだところにベルト、もう少し先にズボン、寝室の入り口にシャツ、最後に、ベッドの横にパンツ。
この世界のパンツ、白いトランクスとボクサーパンツの中間みたいなパンツしかないのはそのうちどうにかしたいよね。まぁ、今日はとりあえずこれで……
「昼に選んでおいたやつ……これだったかな?」
寝室奥のウォークインクローゼットに入ってすぐ、沢山ぶら下がっている魔王さんのシャツから一枚選んで全裸の上に羽織る。
魔王さんがいつも黒い詰襟の軍服風のジャケットの下に着ている、白いスタンドカラーの長袖シャツは、俺と魔王さんの体格差を考えれば……ほら、想像通り。
裾は俺の尻のふくらみやペニスがすっぽり隠れる長さ。
袖は指先まで。
肩も落ちているし、全体的にぶかぶか。
「絵にかいたような彼シャツだな」
俺の身長でここまでみごとな彼シャツができるなんて。
魔王さんが大きいお陰だ。
「魔王さん、喜んでくれるかな……」
最近エッチできてなかったし、たまらなくなって襲ってくれるかも?
シャツの前、閉めたけど……胸元もう少し開けておく方がエロい?
寝転んで……仰向けかうつ伏せか横向きか……横向きかな?
あ、枕持っておこう。
「……あ」
ベッドに横になって魔王さんの大きな枕に抱き着くと……これは、ちょっとクる。
魔王さんの匂いがして……っていうか、このベッドが魔王さんの匂いする。
「ん……」
抱き着いた枕に顔を埋めると、更に魔王さんの匂いを感じるし、このシャツも、ベッドも、魔王さんのだと思うと……。
「ふっ……んー……」
これはちょっと……。
「魔王さん……」
声に出すとまた……やばい。
「魔王さん……ん……魔王さん……」
顔が熱い。下半身が重い。
これだけで?
魔王さんを喜ばせるつもりのはずが、俺の方が……たったこれだけで、なんか……。
あれ?
魔王さんが好きな自覚はあるし、ずっと一緒にいられることになってからは、家族みたいな気持ちでもあるんだけど……俺、ちょっと思ったよりも……エッチな意味でも……。
「魔王さん……好き……」
呟きながら、もどかしい腰をくねらせ、枕を一層強く抱きしめる。
「ん、魔王さん……っ、好き……魔王さん……」
好き。
だから魔王さんが欲しくてたまらない。
早くエッチしたい。
このままじゃオナニーしちゃいそう。
……枕に股間を押し当ててしまっている時点で、ほぼオナニーなのかもしれないけど……。
「魔王さん……ん、好き……はやく……魔王さん、欲しい……」
「ライト?」
………………!?
寝室とリビングの境目辺りから魔王さんの声が聞こえて……枕から手を離しながら恐る恐る体を起こすと、声がしたんだから当然だけど……魔王さんが立っていた。
「あ……ま、魔王さん……?」
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