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第1話 ヒート
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この世界に「男女」に加えてもう一つある性別「バース性」。
アルファ、ベータ、オメガに分かれるバース性の中で、俺はオメガだ。
オメガは男でも妊娠でき、三ヶ月に一度ヒートと呼ばれる発情期が来てアルファを誘惑する「子孫を残す」ことに秀でた性。
だから……
オメガに生まれたから、いつかはその瞬間が訪れると覚悟はできていた。
でも、実際に「運命の番」のアルファに出会ってしまうと……
人生が一瞬で「幸せ」一色になった。
◆
俺はオメガの中でもかなりオメガらしいオメガだ。
まずは見た目。
自分で言うのはちょっと恥ずかしいけど、「美人」だと思う。
それも、アルファのモデルに多いギリシャ彫刻のような美形や美丈夫ではなくて、ベータのアイドルに多いカワイイ顔でもなくて、美人。
透き通った白い肌とか、左右対称の整った少し儚い感じの顔立ちとか、まつげが長く色っぽいと言われる目元とか、少し長めのサラサラで色素の薄い茶髪とか、一七三センチでやせ型の体形とか……本当は全然そんなこと無いのに、黙って立っているだけで「儚げな美少年」とか「ちょっと影がある感じ、近寄りがたい美しさ」とか「桜にさらわれそう」とか「絵画から出てきた女神かと思った」とか言われる。
……まぁ、気心の知れた友達からは「写真素材サイトでオメガって検索したら出てきそうなくらいど真ん中でオメガだよね!」と言われるし、オメガ専門の大学にいたころは「癖のない美人で印象に残りにくい顔」って言われたこともあった。
だから、オメガとしてはある意味平均で平凡な顔。
そして、見た目の次にオメガらしいのが……
ヒート。
三ヶ月に一回やってくる発情期だ。
◆
「ミチくん。大丈夫?」
「抑制剤と解熱鎮痛剤、両方飲んだ?」
今回のヒートも寝込んでしまった俺を心配して、一人暮らしをしているマンションの部屋に友達が駆けつけてくれた。
一人は小動物のように愛らしくてかわいくて表情がよく変わるオメガの男の子、モニくん。
もう一人は目尻の上がったネコ目が印象的なフランス人形のように美しいオメガの女の子、ヨナちゃん。
二人とも仕事帰りで疲れているはずなのに、わざわざ差し入れを買ってきてくれたり、寝込んでできていない家事をしてくれたり……感謝してもしきれない。
「飲んだ……」
俺は人一倍ヒートの症状が重くて、フェロモンの抑制剤を大量に飲まないとマンションの窓すら開けられない。
……一度、抑制剤を忘れたせいで、フェロモンが強すぎてマンションの下にアルファが一〇人も集まってしまったこともある。
だから抑制剤を大量に飲んでフェロモンを抑えるんだけど、その抑制剤の副作用で熱が出るし頭が痛いし気持ちが悪いし……今度は解熱鎮痛剤が大量に必要になる。
「ミチ、冷やすものいる?」
「冷蔵庫に入れている熱取りのシート、持って来て欲しい……」
「わかった」
ヨナちゃんがブロンドのロングヘアと黒いロングワンピースの裾を揺らしながら寝室の隣のキッチンへ向かってくれた。
薬を飲んでもこれだ。
だいたい発情期二日目と三日目は毎回ベッドから動けなくなってしまう。
「ミチくん、ご飯は? 冷やしたゼリー飲料だけでも飲んだほうがいいんじゃない?」
「うん。でも……今はだめかも。吐きそう」
ベッドの横の床に座ったモニくんは、俺の返事に困ったように笑う。
「そうだよね。俺も発情期重かったからわかるよ。でも、水分だけでも取らないと」
「……水ならなんとか」
「わかった。ヨナちゃーん! 水も持ってきて!」
「了解」
モニくんが引き戸の向こうへ声をかけるとすぐに、熱取りのシートと水のペットボトルを持ってヨナちゃんが帰ってきた。
「はい、ミチ。額に貼るよ?」
「ありがとう。ごめんね、毎回毎回……」
「謝らないで。友達が困っているのにほっとけないし」
「そうだよ。それに数が少ないオメガ同士、助け合わなきゃね!」
ヨナちゃんもモニくんも、本当に気にしていないみたいだけど……オメガが集まる大学で知り合ってから六年、三ヶ月に一回必ず二人の世話になっているから感謝はしてもしたりない。
「俺のヒートが重かった時も助けてもらったし」
「私がストーカーにあった時もミチが助けてくれたし、お互い様」
オメガはだいたい一万人に一人の割合で、日本全体で一万人ちょっとしかいない。
少数性の習性で同族に優しいのもあって、逆の立場なら俺も二人を助けるのに躊躇しない。
オメガ関係なく、優しくて一緒にいて楽しい大事な友達だし。
でも……
モニくんは少し前に運命の番に出会ったおかげでヒートが楽になった。
ヨナちゃんはヒートが軽い方だし、大学を卒業してからモデル活動を始めて最近はマネージャーさんが身の回りのこともストーカーとかヤバイことも対応してくれる。
俺が二人を助けられることってあんまりないよなぁ……。
「ほらほら、ヒート中はナーバスになりやすいんだから、変なこと考えずに寝ちゃいなよ」
「モニの言う通り。ヒート中のオメガは体を労わるのが仕事だから。しっかり休んで」
そう言われても、やっぱりヒート中は情緒が不安定で、また一つ嫌なことを思い出してしまった。
「休むのが仕事なのは解っているけど、今やってる仕事がすごく楽しいから会社休みたくなかったな……」
入社二年目でやっと面白い仕事ができるようになってきたのに……なんていう愚痴を言っても二人にはどうしようもなくて困った顔をさせてしまうだけなのに。
ヒート、嫌だな。
ヒート中の俺、友達にも、会社にも、見知らぬアルファにも迷惑かけるだけで全然いいところない。
本当にヒート、嫌だ。
ヒートが来るオメガなのが……嫌だ。
「ねぇミチくん。そろそろ番探したら?」
黙ってしまった俺を心配してか、モニくんが明るい口調で顔を覗き込む。
「え?」
番を探す?
それって……
「もう二十四歳だし、そろそろ登録する人、多いと思うよ」
登録、か……。
バース性の研究が進んだ現代では、フェロモンを採取して相性を調べることができる。
昔は奇跡的にしか出会えなかった「運命の番」に、システム的に出会うことが可能だ。
国が運営しているマッチングシステムに登録するだけ。
十八歳以上は登録できるから、確かに俺の周りでもすでに登録している人はいるけど……ベータの男女だってマッチングアプリで結婚する人も多いらしいけど……。
「うーん……いつかは番と一緒にとは思っているけど、俺まだ二十四歳だよ? モニくんみたいに運命的に偶然出会うならアリだけど、わざわざマッチングに登録は……」
「でも、番になったらフェロモンが安定するし、発情期が楽しくなるよ」
元々かわいい顔を満面の笑みにするモニくん。
番と出会ってからのモニくんは、確かに以前にも増してかわいいし幸せそうだし楽しそうだ。
「うーん……でも……」
「私はどっちでもいいと思うけど、ミチが毎回辛そうなのは見ていて苦しい。それに、抑制剤を使い過ぎると将来の不妊に繋がるとか怖い話も聞くから」
「そうだよね……」
処方されるとおりに飲めば安全な薬だけど、飲みすぎてフェロモン異常の事故は実際に起きている強い薬だ。
……俺も時々、あまりにフェロモンが強すぎて多めに飲んで医者に怒られている。危ないよなぁ。
でも、仕事が楽しいし、番って出会ったらもう、「絶対その人!」ってなっちゃって人生決まっちゃう感じが、二十四歳の俺にはまだ重い。
「あのさ、ミチくん」
熱や頭痛もあって苦い笑顔で言葉を濁していると、モニくんが少し真剣な顔で口を開いた。
「相手のアルファは、ミチくんが探してくれるのを待っているかもしれないよ?」
「え?」
相手のアルファが……待っている?
「もしかしたら、だけどね。十八歳からマッチングに登録して、ずーーーーっと運命のオメガであるミチくんが登録して見つけてくれるのを待っているかもしれないよ」
「あ……」
今までずっと自分の都合しか考えてなかったけど、そうか。
相手がいるんだ。相手のことも考えないといけないんだ。
運命の相手が俺を待っているとしたら……待たせてしまっているとしたら……
急にドキっとした。
「……俺、登録してみようかな」
「うん! 登録しよう!」
「登録してからすぐにみつかるとも限らないしね」
俺のことを待っているアルファ……発情期だからかな?
意識したとたん、元々高かった熱が、更に上がった気がした。
アルファ、ベータ、オメガに分かれるバース性の中で、俺はオメガだ。
オメガは男でも妊娠でき、三ヶ月に一度ヒートと呼ばれる発情期が来てアルファを誘惑する「子孫を残す」ことに秀でた性。
だから……
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でも、実際に「運命の番」のアルファに出会ってしまうと……
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◆
俺はオメガの中でもかなりオメガらしいオメガだ。
まずは見た目。
自分で言うのはちょっと恥ずかしいけど、「美人」だと思う。
それも、アルファのモデルに多いギリシャ彫刻のような美形や美丈夫ではなくて、ベータのアイドルに多いカワイイ顔でもなくて、美人。
透き通った白い肌とか、左右対称の整った少し儚い感じの顔立ちとか、まつげが長く色っぽいと言われる目元とか、少し長めのサラサラで色素の薄い茶髪とか、一七三センチでやせ型の体形とか……本当は全然そんなこと無いのに、黙って立っているだけで「儚げな美少年」とか「ちょっと影がある感じ、近寄りがたい美しさ」とか「桜にさらわれそう」とか「絵画から出てきた女神かと思った」とか言われる。
……まぁ、気心の知れた友達からは「写真素材サイトでオメガって検索したら出てきそうなくらいど真ん中でオメガだよね!」と言われるし、オメガ専門の大学にいたころは「癖のない美人で印象に残りにくい顔」って言われたこともあった。
だから、オメガとしてはある意味平均で平凡な顔。
そして、見た目の次にオメガらしいのが……
ヒート。
三ヶ月に一回やってくる発情期だ。
◆
「ミチくん。大丈夫?」
「抑制剤と解熱鎮痛剤、両方飲んだ?」
今回のヒートも寝込んでしまった俺を心配して、一人暮らしをしているマンションの部屋に友達が駆けつけてくれた。
一人は小動物のように愛らしくてかわいくて表情がよく変わるオメガの男の子、モニくん。
もう一人は目尻の上がったネコ目が印象的なフランス人形のように美しいオメガの女の子、ヨナちゃん。
二人とも仕事帰りで疲れているはずなのに、わざわざ差し入れを買ってきてくれたり、寝込んでできていない家事をしてくれたり……感謝してもしきれない。
「飲んだ……」
俺は人一倍ヒートの症状が重くて、フェロモンの抑制剤を大量に飲まないとマンションの窓すら開けられない。
……一度、抑制剤を忘れたせいで、フェロモンが強すぎてマンションの下にアルファが一〇人も集まってしまったこともある。
だから抑制剤を大量に飲んでフェロモンを抑えるんだけど、その抑制剤の副作用で熱が出るし頭が痛いし気持ちが悪いし……今度は解熱鎮痛剤が大量に必要になる。
「ミチ、冷やすものいる?」
「冷蔵庫に入れている熱取りのシート、持って来て欲しい……」
「わかった」
ヨナちゃんがブロンドのロングヘアと黒いロングワンピースの裾を揺らしながら寝室の隣のキッチンへ向かってくれた。
薬を飲んでもこれだ。
だいたい発情期二日目と三日目は毎回ベッドから動けなくなってしまう。
「ミチくん、ご飯は? 冷やしたゼリー飲料だけでも飲んだほうがいいんじゃない?」
「うん。でも……今はだめかも。吐きそう」
ベッドの横の床に座ったモニくんは、俺の返事に困ったように笑う。
「そうだよね。俺も発情期重かったからわかるよ。でも、水分だけでも取らないと」
「……水ならなんとか」
「わかった。ヨナちゃーん! 水も持ってきて!」
「了解」
モニくんが引き戸の向こうへ声をかけるとすぐに、熱取りのシートと水のペットボトルを持ってヨナちゃんが帰ってきた。
「はい、ミチ。額に貼るよ?」
「ありがとう。ごめんね、毎回毎回……」
「謝らないで。友達が困っているのにほっとけないし」
「そうだよ。それに数が少ないオメガ同士、助け合わなきゃね!」
ヨナちゃんもモニくんも、本当に気にしていないみたいだけど……オメガが集まる大学で知り合ってから六年、三ヶ月に一回必ず二人の世話になっているから感謝はしてもしたりない。
「俺のヒートが重かった時も助けてもらったし」
「私がストーカーにあった時もミチが助けてくれたし、お互い様」
オメガはだいたい一万人に一人の割合で、日本全体で一万人ちょっとしかいない。
少数性の習性で同族に優しいのもあって、逆の立場なら俺も二人を助けるのに躊躇しない。
オメガ関係なく、優しくて一緒にいて楽しい大事な友達だし。
でも……
モニくんは少し前に運命の番に出会ったおかげでヒートが楽になった。
ヨナちゃんはヒートが軽い方だし、大学を卒業してからモデル活動を始めて最近はマネージャーさんが身の回りのこともストーカーとかヤバイことも対応してくれる。
俺が二人を助けられることってあんまりないよなぁ……。
「ほらほら、ヒート中はナーバスになりやすいんだから、変なこと考えずに寝ちゃいなよ」
「モニの言う通り。ヒート中のオメガは体を労わるのが仕事だから。しっかり休んで」
そう言われても、やっぱりヒート中は情緒が不安定で、また一つ嫌なことを思い出してしまった。
「休むのが仕事なのは解っているけど、今やってる仕事がすごく楽しいから会社休みたくなかったな……」
入社二年目でやっと面白い仕事ができるようになってきたのに……なんていう愚痴を言っても二人にはどうしようもなくて困った顔をさせてしまうだけなのに。
ヒート、嫌だな。
ヒート中の俺、友達にも、会社にも、見知らぬアルファにも迷惑かけるだけで全然いいところない。
本当にヒート、嫌だ。
ヒートが来るオメガなのが……嫌だ。
「ねぇミチくん。そろそろ番探したら?」
黙ってしまった俺を心配してか、モニくんが明るい口調で顔を覗き込む。
「え?」
番を探す?
それって……
「もう二十四歳だし、そろそろ登録する人、多いと思うよ」
登録、か……。
バース性の研究が進んだ現代では、フェロモンを採取して相性を調べることができる。
昔は奇跡的にしか出会えなかった「運命の番」に、システム的に出会うことが可能だ。
国が運営しているマッチングシステムに登録するだけ。
十八歳以上は登録できるから、確かに俺の周りでもすでに登録している人はいるけど……ベータの男女だってマッチングアプリで結婚する人も多いらしいけど……。
「うーん……いつかは番と一緒にとは思っているけど、俺まだ二十四歳だよ? モニくんみたいに運命的に偶然出会うならアリだけど、わざわざマッチングに登録は……」
「でも、番になったらフェロモンが安定するし、発情期が楽しくなるよ」
元々かわいい顔を満面の笑みにするモニくん。
番と出会ってからのモニくんは、確かに以前にも増してかわいいし幸せそうだし楽しそうだ。
「うーん……でも……」
「私はどっちでもいいと思うけど、ミチが毎回辛そうなのは見ていて苦しい。それに、抑制剤を使い過ぎると将来の不妊に繋がるとか怖い話も聞くから」
「そうだよね……」
処方されるとおりに飲めば安全な薬だけど、飲みすぎてフェロモン異常の事故は実際に起きている強い薬だ。
……俺も時々、あまりにフェロモンが強すぎて多めに飲んで医者に怒られている。危ないよなぁ。
でも、仕事が楽しいし、番って出会ったらもう、「絶対その人!」ってなっちゃって人生決まっちゃう感じが、二十四歳の俺にはまだ重い。
「あのさ、ミチくん」
熱や頭痛もあって苦い笑顔で言葉を濁していると、モニくんが少し真剣な顔で口を開いた。
「相手のアルファは、ミチくんが探してくれるのを待っているかもしれないよ?」
「え?」
相手のアルファが……待っている?
「もしかしたら、だけどね。十八歳からマッチングに登録して、ずーーーーっと運命のオメガであるミチくんが登録して見つけてくれるのを待っているかもしれないよ」
「あ……」
今までずっと自分の都合しか考えてなかったけど、そうか。
相手がいるんだ。相手のことも考えないといけないんだ。
運命の相手が俺を待っているとしたら……待たせてしまっているとしたら……
急にドキっとした。
「……俺、登録してみようかな」
「うん! 登録しよう!」
「登録してからすぐにみつかるとも限らないしね」
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