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第8章 南部動乱編
テポレン山の戦い 11
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<ヴァーンベック視点>
「コーキ先生の考えた作戦ですよ。上手くいくに決まってます。ディアナさんもヴァーンも信じてたんでしょ」
いやいや、シアもさっきまで不安そうな顔してたじゃねえか。
「うむ、そうだな」
ディアナ、おまえ……。
「なので、ここからも作戦通り進めるだけです。そうですよね、セレス様、ルボルグ隊長!」
「……ええ、シアさんの言う通りだと思います」
「ですな。コーキ殿の指示に従いましょう」
セレスさんもルボルグ隊長も平然を装ってるけどよぉ。
ほんとは驚いてんだろ?
「……」
「……」
「……」
「……」
ディアナの隣にいるユーフィリアは表情が変わらねえ。
セレスさんとルボルグ隊長はすましたもの。
シアは当然って顔してやがる。
なもんで、驚いた顔をしている俺とアルが目立っちまう。
「ヴァーン、アル、しっかりしろ」
「はあ?」
ディアナ、お前が言うかよ。
「分かってるって、ディアナさん」
っとに。
「ふたりとも、先生が戻って来るわ」
「ん?」
終わったのか?
「コーキさん、怪我なんて全くなさそうだな」
「それはそうよ。あの状況で先生とノワールが出たんだから」
ノワールと共にこっちに駆けてくるコーキ。
颯爽としてやがるぜ。
「先生、お疲れ様です」
「……シア、ヴァーン、こっちに問題はないか?」
「大丈夫です」
「おまえが出て行く前と何も変わってねえよ」
「そうか。なら、次の段階だな」
「……」
次の段階。
強烈な先制攻撃を受けたあいつらが後退した後に、再度この道を上って来るという想定に基づく作戦だ。
「あいつら、もう一度正面から攻めてくんのか?」
「絶対とは言えないが……。あの大軍だからな。おそらく攻めてくるはず」
確かに、今の先制攻撃で倒した敵兵の数は知れている。
あっちは、一割も減っていない。
けどよ……。
「もし来なかったら?」
「さらに次の段階に移るだけだな」
さっきの魔道具攻撃に恐れをなした場合。
東側に開かれたこの山道ではなく、違う方向から攻めて来る可能性がある。
と言ってもだ。
北は切り立った断崖、南は人が入り込めないような密林の斜面。西はオルドウへと続く獣道という地形から考えると簡単なことじゃねえ。
そうすると、最も可能性が高いのはこの東側からの進軍。
ただし、さっきのような開けた山道からではなく、山道の左右にある樹林を通って来ることも。
もちろん、左右の樹林は大軍が動くには適していない。
生い茂る樹木によって視界は遮られ魔法や弓といった飛び道具も容易に使える場所じゃねえからな。
<北>
断崖
<西> ////////////////////// <東>
樹林
至オルドウ==獣道===ワディン===山道===== 王軍
エンノア===山道=====
樹林
//////////////////////
密林
とはいえ、それはこっちにも言えること。
あの樹林に魔法矢を放っても……。
だからこそだ。
魔法矢の効果減を狙って左右の樹林から上ってくる。
そして、隙を見て中央の山道を使って攻めてくる。
そういうことじゃねえのか?
「コーキ先生の考えた作戦ですよ。上手くいくに決まってます。ディアナさんもヴァーンも信じてたんでしょ」
いやいや、シアもさっきまで不安そうな顔してたじゃねえか。
「うむ、そうだな」
ディアナ、おまえ……。
「なので、ここからも作戦通り進めるだけです。そうですよね、セレス様、ルボルグ隊長!」
「……ええ、シアさんの言う通りだと思います」
「ですな。コーキ殿の指示に従いましょう」
セレスさんもルボルグ隊長も平然を装ってるけどよぉ。
ほんとは驚いてんだろ?
「……」
「……」
「……」
「……」
ディアナの隣にいるユーフィリアは表情が変わらねえ。
セレスさんとルボルグ隊長はすましたもの。
シアは当然って顔してやがる。
なもんで、驚いた顔をしている俺とアルが目立っちまう。
「ヴァーン、アル、しっかりしろ」
「はあ?」
ディアナ、お前が言うかよ。
「分かってるって、ディアナさん」
っとに。
「ふたりとも、先生が戻って来るわ」
「ん?」
終わったのか?
「コーキさん、怪我なんて全くなさそうだな」
「それはそうよ。あの状況で先生とノワールが出たんだから」
ノワールと共にこっちに駆けてくるコーキ。
颯爽としてやがるぜ。
「先生、お疲れ様です」
「……シア、ヴァーン、こっちに問題はないか?」
「大丈夫です」
「おまえが出て行く前と何も変わってねえよ」
「そうか。なら、次の段階だな」
「……」
次の段階。
強烈な先制攻撃を受けたあいつらが後退した後に、再度この道を上って来るという想定に基づく作戦だ。
「あいつら、もう一度正面から攻めてくんのか?」
「絶対とは言えないが……。あの大軍だからな。おそらく攻めてくるはず」
確かに、今の先制攻撃で倒した敵兵の数は知れている。
あっちは、一割も減っていない。
けどよ……。
「もし来なかったら?」
「さらに次の段階に移るだけだな」
さっきの魔道具攻撃に恐れをなした場合。
東側に開かれたこの山道ではなく、違う方向から攻めて来る可能性がある。
と言ってもだ。
北は切り立った断崖、南は人が入り込めないような密林の斜面。西はオルドウへと続く獣道という地形から考えると簡単なことじゃねえ。
そうすると、最も可能性が高いのはこの東側からの進軍。
ただし、さっきのような開けた山道からではなく、山道の左右にある樹林を通って来ることも。
もちろん、左右の樹林は大軍が動くには適していない。
生い茂る樹木によって視界は遮られ魔法や弓といった飛び道具も容易に使える場所じゃねえからな。
<北>
断崖
<西> ////////////////////// <東>
樹林
至オルドウ==獣道===ワディン===山道===== 王軍
エンノア===山道=====
樹林
//////////////////////
密林
とはいえ、それはこっちにも言えること。
あの樹林に魔法矢を放っても……。
だからこそだ。
魔法矢の効果減を狙って左右の樹林から上ってくる。
そして、隙を見て中央の山道を使って攻めてくる。
そういうことじゃねえのか?
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