40 / 46
神殿騎士ラルダスは決意する
しおりを挟む
王国兵の一団を挟撃した末に、妥協案として王国軍と共に登城することを提案した神殿騎士団長であったが、それで何もかもがよい方向に決着すると考えるほど楽天的でもなかった。
今回、精霊神殿への進軍を許可した者が高位の者であればあるほど、彼自身を含め、同道する者に危険が及ぶ可能性が高い。
最悪は、今回の件で神殿騎士団を悪者に仕立て上げ、主だった者たちを処刑して終わりにしてしまうかもしれないのだ。
愛する家族や自分たちが守るべきものの為にも、騎士団長は自衛を考える必要があった。
「ラルダス」
残される部下へ指示を出すという名目で時間を作った騎士団長は、堂々と王国軍の真ん中を突っ切り、門前を死守していたラルダスたちと合流した。
そして信頼する銀騎士ラルダスを呼ぶと、指示を伝える。
「お前、確か陛下の覚えめでたい近衛騎士と仲がよかったな。それに、第一王子とも知己と聞いた」
「・・・・・・剣の師が同じというだけの繋がりです」
「それはいい。同門と言えば兄弟も同じ、ちょいとその縁を今回のごたごたの解決のために頼ってくれ」
「どういうことです?」
ラルダスは、団長が己の力以外のものを頼りにしたことに、密かに驚きを覚えた。
この傷だらけの神殿騎士団長ガイストは、叩き上げも叩き上げ、己の力を頼りに今の地位に就いた完全実力主義者だ。
実家はそれなりに裕福ではあるが、平民の出で、貴族社会に対してあまりいい思いを抱いていないということは、若い頃に起こしたと噂されるさまざまな騒動から伺える。
間違っても、立場が苦しいから権力を頼る、と安易に口にするような人間ではないのだ。
「いいか今回の件は一つ対処を間違うと、神殿騎士団どころか、精霊神殿そのものが国と敵対する、という事態にもつれ込む可能性がある」
ラルダスは騎士団長の言葉に驚いた。
ラルダスとしては、今回の騒ぎは、国でも一、二を争う財力を持つザイス家と癒着していたつまらない貴族の暴走だろうと考えていて、彼ら自身も上に自分たちの勝手な行いがバレればただでは済まないことから、適当に話を濁して終わるだろうと予測していたのだ。
しかし身分なき騎士として若い頃からそれなりに苦労して来た神殿騎士団長ガイストは、貴族というものをよく理解していた。
「お前も貴族の端くれだから少しは理解できるだろうが・・・・・・いや、同じ貴族だからこそ理解できないかもしれないな。連中はな、体面をなによりも大事にする」
ラルダスはうなずく。
貴族にとって体面を失うということは、命を失うことよりも重い。
だからこそ、体面を守るためならば、財産はもとより、自他を犠牲にすることすら厭わないところがあった。
「しかし、今回の件の正義の在処は明らかでしょう」
「いや。民の目に触れる形で堂々と王国軍が精霊神殿に進軍した。これがたとえ上層部の知らない話であったとしても、それは間違いでしたとは言えないのが国の威信というものだ」
「なるほど」
ようやく、ラルダスも騎士団長の心配を共有する。
国の、というよりも、自分たちの体面のためならば、白いものも黒と言ってしまえるのが貴族というものだ。
特に歴史ある高位貴族は王以外の相手に下げる頭を持たない。
「そこで、お前が早馬で先に城に赴き。お前の顔の利く範囲で一番偉い相手に事後処理を相談しておいて欲しいんだ。城には賢い連中が多いだろ? 俺なんかがどんだけ考えても思い付かないような解決方法をなんか考えてくれるさ」
わりといい加減な策だった。
ラルダスは一瞬苦笑いを浮かべたものの、しかし、騎士団長に素直にうなずけない。
「団長、ご命令の主旨は理解いたしました。すぐに従いたい思いはあるのですが、私は、私個人の責任において、救わなければならない相手がいます。そしてその相手が、今窮地にあるやもしれないのです」
騎士団長ガイストは、ラルダスの返答に一瞬虚を突かれたような驚きの表情を見せたが、すぐに豪快に笑いだす。
「何事かっ!」
イライラしながら待っていた王国軍の隊長から怒鳴られるぐらい大きな笑い声であった。
「団長・・・・・・」
ラルダスは、自分の覚悟が笑い飛ばされたのか、と怒りをわずかに滲ませて非難の声を上げた。
「いやいや、頑固で真面目で融通のきかなかったあのラルダス坊やが、騎士団よりも私事を優先するとは! うんうん、我が子の成長を見る思いだなぁ・・・・・・なぁダハニア」
「・・・・・・おやめください。処分を覚悟で宣言した銀騎士ラルダス殿が、真っ赤な顔でいたたまれない様子になっているではありませんか。若者に意地悪をしてしまうのは老化の証拠です」
「くっそ、うちの副官殿が俺をジジイ扱いしやがるぜ」
「・・・・・・お二人共、いい加減に・・・・・・」
副官ダハニアの言葉通り、部下の前で子ども扱いされて恥辱で顔を真っ赤にしたラルダスは、それでも声を抑えて自分をいじる二人を止める。
「アイメリアさんですか?」
そんなラルダスに、ダハニアが告げた。
ラルダスはその言葉にハッと真顔に戻る。
そして事情をダハニアに説明した。
「そうです。王国軍が来る少し前、アイメリアが縄を打たれて上位信徒の方々に引き立てられて行くのを私の部下が見かけました。よもやこの精霊神殿内で暴力的な懲罰などが行われるとは思いませんが、アイメリアはザイス家の関係者だと名乗ったとのことなので、今回の件で揺れている神殿内部でどう扱われるか心配です。すぐに誤解を解いて解放してもらわないと」
焦り、勢い込んで説明するラルダスは、そのままの勢いで神殿内に突入しそうですらある。
ダハニアは、肩をすくめるとラルダスを落ち着かせた。
「騎士たる者、いかな苦難にあろうとも心乱すなかれ。銀騎士ラルダス、新入りすら暗唱できる騎士の誓いを忘れたのか? 心の乱れは剣の乱れ、剣の乱れはすなわち命の危うさとなる。そんな貴方に私の大事なお友だちを任せることはできなくってよ」
「えっ!」
ダハニアの言葉に、焦りのただなかに在ったラルダスも、さすがに気が抜けた顔となる。
「お友だち・・・・・・ですか?」
「年が釣り合わない、などと言うつもりなら、神速と謳われたこの剣で、その舌を切り落としてみせてもいいのだけど?」
「い、いえ! ご指導ありがとうございます!」
ラルダスの身体に染み付いた規律順守の精神が、上位者であるダハニア補佐官に礼をとらせた。
「騎士は自らを知り、敵を知る。今あなたが神殿に飛び込んだとて、追い出されて終わりでしょう。神殿は力を持って主張を通そうとする者を嫌う。その一方で弱者に道を譲らない者は精霊さまに嫌われると言われている。ならば答えは簡単だわ。貴族に顔が利く貴方は城へ、か弱き女である私は神殿へ、それが最適解よ」
「そ、それは、ダハニア補佐官殿がアイメリアを救ってくださるということでしょうか?」
「愛する者の英雄になれなくて不満?」
「いえ、・・・・・・彼女が、アイメリアが救われるならば、それ以上のことは求めません」
きっぱりと言い放ったラルダスを上官たちがニヤつきながら眺めていたのだが、当の本人はアイメリアのことで頭がいっぱいでそれどころではない。
そして、ダハニアの言葉の正しさを理解できないほどラルダスは無能ではなかった。
銀騎士ラルダスの決断は早い。
「ならば、俺は俺の役割を必ず果たしてみせましょう。それこそが大切な者を守る最良の方法なのですから」
決意を告げるラルダスの瞳には、これまでの彼にはついぞ見ることのできなかった熱のある輝きが灯っていたのだった。
今回、精霊神殿への進軍を許可した者が高位の者であればあるほど、彼自身を含め、同道する者に危険が及ぶ可能性が高い。
最悪は、今回の件で神殿騎士団を悪者に仕立て上げ、主だった者たちを処刑して終わりにしてしまうかもしれないのだ。
愛する家族や自分たちが守るべきものの為にも、騎士団長は自衛を考える必要があった。
「ラルダス」
残される部下へ指示を出すという名目で時間を作った騎士団長は、堂々と王国軍の真ん中を突っ切り、門前を死守していたラルダスたちと合流した。
そして信頼する銀騎士ラルダスを呼ぶと、指示を伝える。
「お前、確か陛下の覚えめでたい近衛騎士と仲がよかったな。それに、第一王子とも知己と聞いた」
「・・・・・・剣の師が同じというだけの繋がりです」
「それはいい。同門と言えば兄弟も同じ、ちょいとその縁を今回のごたごたの解決のために頼ってくれ」
「どういうことです?」
ラルダスは、団長が己の力以外のものを頼りにしたことに、密かに驚きを覚えた。
この傷だらけの神殿騎士団長ガイストは、叩き上げも叩き上げ、己の力を頼りに今の地位に就いた完全実力主義者だ。
実家はそれなりに裕福ではあるが、平民の出で、貴族社会に対してあまりいい思いを抱いていないということは、若い頃に起こしたと噂されるさまざまな騒動から伺える。
間違っても、立場が苦しいから権力を頼る、と安易に口にするような人間ではないのだ。
「いいか今回の件は一つ対処を間違うと、神殿騎士団どころか、精霊神殿そのものが国と敵対する、という事態にもつれ込む可能性がある」
ラルダスは騎士団長の言葉に驚いた。
ラルダスとしては、今回の騒ぎは、国でも一、二を争う財力を持つザイス家と癒着していたつまらない貴族の暴走だろうと考えていて、彼ら自身も上に自分たちの勝手な行いがバレればただでは済まないことから、適当に話を濁して終わるだろうと予測していたのだ。
しかし身分なき騎士として若い頃からそれなりに苦労して来た神殿騎士団長ガイストは、貴族というものをよく理解していた。
「お前も貴族の端くれだから少しは理解できるだろうが・・・・・・いや、同じ貴族だからこそ理解できないかもしれないな。連中はな、体面をなによりも大事にする」
ラルダスはうなずく。
貴族にとって体面を失うということは、命を失うことよりも重い。
だからこそ、体面を守るためならば、財産はもとより、自他を犠牲にすることすら厭わないところがあった。
「しかし、今回の件の正義の在処は明らかでしょう」
「いや。民の目に触れる形で堂々と王国軍が精霊神殿に進軍した。これがたとえ上層部の知らない話であったとしても、それは間違いでしたとは言えないのが国の威信というものだ」
「なるほど」
ようやく、ラルダスも騎士団長の心配を共有する。
国の、というよりも、自分たちの体面のためならば、白いものも黒と言ってしまえるのが貴族というものだ。
特に歴史ある高位貴族は王以外の相手に下げる頭を持たない。
「そこで、お前が早馬で先に城に赴き。お前の顔の利く範囲で一番偉い相手に事後処理を相談しておいて欲しいんだ。城には賢い連中が多いだろ? 俺なんかがどんだけ考えても思い付かないような解決方法をなんか考えてくれるさ」
わりといい加減な策だった。
ラルダスは一瞬苦笑いを浮かべたものの、しかし、騎士団長に素直にうなずけない。
「団長、ご命令の主旨は理解いたしました。すぐに従いたい思いはあるのですが、私は、私個人の責任において、救わなければならない相手がいます。そしてその相手が、今窮地にあるやもしれないのです」
騎士団長ガイストは、ラルダスの返答に一瞬虚を突かれたような驚きの表情を見せたが、すぐに豪快に笑いだす。
「何事かっ!」
イライラしながら待っていた王国軍の隊長から怒鳴られるぐらい大きな笑い声であった。
「団長・・・・・・」
ラルダスは、自分の覚悟が笑い飛ばされたのか、と怒りをわずかに滲ませて非難の声を上げた。
「いやいや、頑固で真面目で融通のきかなかったあのラルダス坊やが、騎士団よりも私事を優先するとは! うんうん、我が子の成長を見る思いだなぁ・・・・・・なぁダハニア」
「・・・・・・おやめください。処分を覚悟で宣言した銀騎士ラルダス殿が、真っ赤な顔でいたたまれない様子になっているではありませんか。若者に意地悪をしてしまうのは老化の証拠です」
「くっそ、うちの副官殿が俺をジジイ扱いしやがるぜ」
「・・・・・・お二人共、いい加減に・・・・・・」
副官ダハニアの言葉通り、部下の前で子ども扱いされて恥辱で顔を真っ赤にしたラルダスは、それでも声を抑えて自分をいじる二人を止める。
「アイメリアさんですか?」
そんなラルダスに、ダハニアが告げた。
ラルダスはその言葉にハッと真顔に戻る。
そして事情をダハニアに説明した。
「そうです。王国軍が来る少し前、アイメリアが縄を打たれて上位信徒の方々に引き立てられて行くのを私の部下が見かけました。よもやこの精霊神殿内で暴力的な懲罰などが行われるとは思いませんが、アイメリアはザイス家の関係者だと名乗ったとのことなので、今回の件で揺れている神殿内部でどう扱われるか心配です。すぐに誤解を解いて解放してもらわないと」
焦り、勢い込んで説明するラルダスは、そのままの勢いで神殿内に突入しそうですらある。
ダハニアは、肩をすくめるとラルダスを落ち着かせた。
「騎士たる者、いかな苦難にあろうとも心乱すなかれ。銀騎士ラルダス、新入りすら暗唱できる騎士の誓いを忘れたのか? 心の乱れは剣の乱れ、剣の乱れはすなわち命の危うさとなる。そんな貴方に私の大事なお友だちを任せることはできなくってよ」
「えっ!」
ダハニアの言葉に、焦りのただなかに在ったラルダスも、さすがに気が抜けた顔となる。
「お友だち・・・・・・ですか?」
「年が釣り合わない、などと言うつもりなら、神速と謳われたこの剣で、その舌を切り落としてみせてもいいのだけど?」
「い、いえ! ご指導ありがとうございます!」
ラルダスの身体に染み付いた規律順守の精神が、上位者であるダハニア補佐官に礼をとらせた。
「騎士は自らを知り、敵を知る。今あなたが神殿に飛び込んだとて、追い出されて終わりでしょう。神殿は力を持って主張を通そうとする者を嫌う。その一方で弱者に道を譲らない者は精霊さまに嫌われると言われている。ならば答えは簡単だわ。貴族に顔が利く貴方は城へ、か弱き女である私は神殿へ、それが最適解よ」
「そ、それは、ダハニア補佐官殿がアイメリアを救ってくださるということでしょうか?」
「愛する者の英雄になれなくて不満?」
「いえ、・・・・・・彼女が、アイメリアが救われるならば、それ以上のことは求めません」
きっぱりと言い放ったラルダスを上官たちがニヤつきながら眺めていたのだが、当の本人はアイメリアのことで頭がいっぱいでそれどころではない。
そして、ダハニアの言葉の正しさを理解できないほどラルダスは無能ではなかった。
銀騎士ラルダスの決断は早い。
「ならば、俺は俺の役割を必ず果たしてみせましょう。それこそが大切な者を守る最良の方法なのですから」
決意を告げるラルダスの瞳には、これまでの彼にはついぞ見ることのできなかった熱のある輝きが灯っていたのだった。
10
お気に入りに追加
1,182
あなたにおすすめの小説
事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
【完結】バッドエンドの落ちこぼれ令嬢、巻き戻りの人生は好きにさせて貰います!
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢エレノアは、容姿端麗で優秀な兄姉とは違い、容姿は平凡、
ピアノや刺繍も苦手で、得意な事といえば庭仕事だけ。
家族や周囲からは「出来損ない」と言われてきた。
十九歳を迎えたエレノアは、侯爵家の跡取り子息ネイサンと婚約した。
次期侯爵夫人という事で、厳しい教育を受ける事になったが、
両親の為、ネイサンの為にと、エレノアは自分を殺し耐えてきた。
だが、結婚式の日、ネイサンの浮気を目撃してしまう。
愚行を侯爵に知られたくないネイサンにより、エレノアは階段から突き落とされた___
『死んだ』と思ったエレノアだったが、目を覚ますと、十九歳の誕生日に戻っていた。
与えられたチャンス、次こそは自分らしく生きる!と誓うエレノアに、曾祖母の遺言が届く。
遺言に従い、オースグリーン館を相続したエレノアを、隣人は神・精霊と思っているらしく…??
異世界恋愛☆ ※元さやではありません。《完結しました》
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
辺境の獣医令嬢〜婚約者を妹に奪われた伯爵令嬢ですが、辺境で獣医になって可愛い神獣たちと楽しくやってます〜
津ヶ谷
恋愛
ラース・ナイゲールはローラン王国の伯爵令嬢である。
次期公爵との婚約も決まっていた。
しかし、突然に婚約破棄を言い渡される。
次期公爵の新たな婚約者は妹のミーシャだった。
そう、妹に婚約者を奪われたのである。
そんなラースだったが、気持ちを新たに次期辺境伯様との婚約が決まった。
そして、王国の辺境の地でラースは持ち前の医学知識と治癒魔法を活かし、獣医となるのだった。
次々と魔獣や神獣を治していくラースは、魔物たちに気に入られて楽しく過ごすこととなる。
これは、辺境の獣医令嬢と呼ばれるラースが新たな幸せを掴む物語。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。
木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。
それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。
誰にも信じてもらえず、罵倒される。
そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。
実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。
彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。
故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。
彼はミレイナを快く受け入れてくれた。
こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。
そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。
しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。
むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる