26 / 296
西の果ての街
癒しの場所
しおりを挟む
『もうすぐ夜明けだ。ここの世話人は夜明けと同時にやって来る。そろそろ起きた方がいいのではないかな?』
歌うように低い声が耳に響く。
ライカはその慣れた振動にもぞりと動くと、腕で巨大な足を押しのけた。
『また、兄貴ぶって偉そうに起こすのはやめなよ』
ぼんやりした口調で呟いた途端、ライカはばっと立ち上がり、自らの口を押さえて真っ赤になった。
数歩後ずさりながら上目使いで何かを確認するかのようにアルファルスを見る。
アルファルスは身をよじって体を細かく震わせていたが、こらえきれず低く地に響くような笑いを漏らした。
『くは、は、安心するがいい、名を呼んではいない、そうか兄弟がいたのか』
『う、あ、あの失礼します! また来ますね!』
真っ赤な顔のまま、ライカは慌しく挨拶をすると小さい入り口から飛び出した。その後ろからアルファルスの笑っていると思われる振動がびりびりと伝わってくる。
(うっかりしてた、寝るつもりは無かったのに)
そうは言っても竜舎へ来てからさほど時間が経った訳ではなさそうだった。寝ていたとしても、うたた寝程度の事だろうとライカは判断する。
外はまだ夜明け前の独特の暗さと冷え冷えとした空気に満ちていた。
だが、小さな鳥達の呼び交わす声が既に空に響いているし、夜明けが迫って来ている気配はある。
見張りの兵士達があくびをしながらなにやら同僚と話し、周囲への警戒は解かないまでも堅くなった体をほぐすように小さく足踏みをしていた。
その内一人がしきりに頭上を透かし見るような様子を見せている。その落ち着かないそぶりからすると、交代直前なのかもしれない。
さすがにそんなにそわそわした状態の相手の前を派手に移動して見破られない自信はないライカは、暗さを幸い、道を逸れると、建物に沿ったレンガの上を裸足でゆっくりと音もなく歩いて彼らの目をやり過ごした。
無価値のまじないは、普段変化のない、当たり前のものが当たり前にある事を無意識に受け入れて、新しい情報を入れないという人間の特性を利用している術であり、相手が普段と違う事をしている場合には効きにくいという弱点がある。
だからこそ使う側としては普段と違う状態をなるべく引き起こさないようにする配慮が必要だ。
そういう理屈は分かってはいても、実際に人に対して使うのはまだ二回目なので、微妙なさじ加減がライカには難しい。
なにしろぶっつけで使っているのだから失敗したらそれまでなのだ。
何千年も生きている竜王がコツコツ作り上げた、世の理自体に干渉する術なので、それなりに強力なのは確かだが、彼らの場合はこの術が破られようと、本来自身が持っている力でいかようにも切り抜けられる。
そんな裏ワザを持たないライカは、出来るだけ冒険を避けてひっそりと移動した。
その慎重さのせいで、ライカが治療所が見える場所まで辿り着いた頃には、既に夜明けの光が山間から差し込んで来ていたのである。
もう少しすれば、一日の最初の鐘である四点鐘も鳴る筈だ。
「そこに誰かおるのか?」
ライカはぎくりとして身を竦めた。
もはや周囲は暗闇ではない。
術を解いた訳ではないとしても、何かを見つけようとしている者に見つかる危険性は十分にあった。
仕方なく、そっと声の方を窺うと、そこにあったのは祖父の姿だった。
「あ、ジィジィ」
ライカは慌てて術を解くと祖父に駆け寄った。
自分が抜け出したベットを見て心配して探していたのだとすぐに思い至り、申し訳ない気持ちになったのである。
「なんじゃ、どこへ行っておった? ならず者どもに殴られて倒れたと聞いてワシがどれだけ心配したか分かっておるのか? 勝手に起き出してどっかでまた倒れておるんじゃないかと身も凍る思いじゃったわ」
早朝の辺りへの気遣いなどどこにもなく怒りにわめく祖父に、ライカは殊勝に頭を下げた。
「ごめんなさい、なんだか外の空気が吸いたかったんでつい」
「つい、じゃない! そういう時はわしを起こすもんじゃ」
「だってジィジィ寝てたし」
「寝てたから起こすんじゃろうが! ええか! たった一人の身内を心配するのはわしの権利じゃ! 起こされたら当然小言も言うし、説教もする。だが、知らない間に文句も言わせずに事を終わらせてしまえばその機会は失われてしまうじゃろうが。お前が勝手に考えてわしの権利を奪っちゃいかんのじゃ」
「ええっと……?」
ライカは叱られている内容に混乱して思わず祖父の顔を見た。
「分からんか? 心配して世話を焼くのが家族の権利よ、お前のようなひよっこには分からんかもしれんがの。ええか! 今後はわしに言ってから無茶はするんじゃ! 一度しこたま文句を言われてみると少しは懲りるじゃろうからな」
皺だらけのゴツゴツの手が、叱る言葉と裏腹に、ライカの顔を柔らかく包む。
その手に祖父の温もりを感じて、ライカはそのまま祖父に抱きついた。
「ごめんなさい、ジィジィ」
「お前は素直すぎて話にならん! もうちょっと、こう、腐れジジィ! とかカチカチ頭とか言って喧嘩ぐらいしてみせてもええんじゃぞ」
「それ、父さんの話?」
懐でクスクス笑い出した少年を、もう一度強い力で抱き寄せて、祖父はそうじゃ、と憮然とした口調で告げた。
「あの、おじいさん。感動の場面は終わりましたでしょうか?」
騒ぎに起こされたのだろう、気付けば治療所の療法師であるユーゼイックが近くに佇んでいる。
「なんじゃ! おまえさんにおじいさんなどと呼ばれる覚えはないぞ! この中身のない葦の葉っぱめ」
「ジィジィ、なに失礼な事言ってるんだよ。昨日お世話になったのに」
「だからじゃ、こやつがちゃんと治療出来てなかったからお前が倒れたんじゃろうが!」
ライカはその祖父の暴言に驚いて目を見張ると、ユーゼイックの方を見た。
基本的に穏やかな気質なのか、彼は困ったように苦笑しているのみで、別段腹を立てている風ではない。
おそらくそういう謗りを初めて受けた訳でもないのだろう。
「ジィジィ違うよ、怪我をして倒れた訳じゃないし、先生は悪くないよ」
「じゃあなんで倒れたんじゃ! 自分で分かっとるとでも言うのか!」
「え……? それはきっと、色々考え過ぎたからじゃないかと」
どう言っていいのか分らずにライカは口ごもる。
「そんな話、聞いた事もないわい」
当然祖父は納得しなかった。
「まぁまぁおじいさん」
「貴様のじいさんではないと言っておろうが!」
ユーゼイックはいきり立つ祖父を宥めるように微笑むと、ゆっくりと言った。
「とにかくちゃんと調べてみないと、ライカさんの体にまた障りがあるといけませんから。一度中へ入りませんか?」
「そうだよジィジィ、それにこんな朝っぱらから外で騒いだらお城の人に迷惑だろうし」
「こんな厚い石の壁の向こうに声が通るもんか!」
まぁまぁ、そう言わずにと、二人掛かりで引っ張られ、なんとか全員が移動して治療所に戻った。
「じゃあ、ちょっともう一度診させてもらいますね」
ゆったりとしたクッションの上に寝かせられて、繊細で柔らかい感触を再び感じ、ライカは心の中でユーゼイックに対する申し訳なさで頭を下げる。
彼の診立てに誤りがあったはずもない事をライカは知っていた。ひたすら自分が悪いのである。
「ふむ、やっぱり体の内部に問題はありませんね」
「ならなんで倒れたんじゃ」
「これは勝手な推測でしかありませんが、もしかすると精神的な痛手があったのかもしれません」
「なんじゃと、そういえば、坊主も考えすぎたとかなんとか言っておったな」
「大人から一方的な暴力を振るわれた事が初めてだったのではないでしょうか?」
「おのれ! 警備隊のやつらがボヤボヤしておるからじゃ!」
どちらにしろ誰かに怒りをぶつけなければいられないらしい祖父に、ライカは苦笑してふと思い出した。
アルファルスの話では祖父は警備隊の班長とこの調子で大喧嘩をしでかしたらしい。
「せんせい、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません」
色々な人に迷惑を掛けてしまったなと、ライカは意気消沈した。
「それは違いますよ。この街の人達が無事に元気に生活していけるようにするのが私たちの仕事ですし、私はそれに誇りも持っています。ですから、遠慮などされて体調を悪くされる方が私には辛い事なのですよ」
ユーゼイックはそう言うと、ライカの手首から掌へと二本の指でやや強めに圧迫を掛けた。その直後少し体が温かくなったのを感じて、ライカは問うように彼を見る。
「昨日午後から食事や水分を摂ってないので内臓が少し弱っているようですから、ちょっとだけ血の流れを良くしておきました。何か暖かくて消化の良いものを作らせますので、それまで苦くない香り茶で我慢しておいてくださいね」
「本当に色々ありがとうございます」
さりげない気遣いに心も温かくなると同時に、そういえばと自分が半日以上食事をしていない事に初めて気付く。
自分が気付かない体の状態を他人が察して癒してくれるというのは不思議な事だと、ライカはどこかくすぐったいような思いで感じていた。
歌うように低い声が耳に響く。
ライカはその慣れた振動にもぞりと動くと、腕で巨大な足を押しのけた。
『また、兄貴ぶって偉そうに起こすのはやめなよ』
ぼんやりした口調で呟いた途端、ライカはばっと立ち上がり、自らの口を押さえて真っ赤になった。
数歩後ずさりながら上目使いで何かを確認するかのようにアルファルスを見る。
アルファルスは身をよじって体を細かく震わせていたが、こらえきれず低く地に響くような笑いを漏らした。
『くは、は、安心するがいい、名を呼んではいない、そうか兄弟がいたのか』
『う、あ、あの失礼します! また来ますね!』
真っ赤な顔のまま、ライカは慌しく挨拶をすると小さい入り口から飛び出した。その後ろからアルファルスの笑っていると思われる振動がびりびりと伝わってくる。
(うっかりしてた、寝るつもりは無かったのに)
そうは言っても竜舎へ来てからさほど時間が経った訳ではなさそうだった。寝ていたとしても、うたた寝程度の事だろうとライカは判断する。
外はまだ夜明け前の独特の暗さと冷え冷えとした空気に満ちていた。
だが、小さな鳥達の呼び交わす声が既に空に響いているし、夜明けが迫って来ている気配はある。
見張りの兵士達があくびをしながらなにやら同僚と話し、周囲への警戒は解かないまでも堅くなった体をほぐすように小さく足踏みをしていた。
その内一人がしきりに頭上を透かし見るような様子を見せている。その落ち着かないそぶりからすると、交代直前なのかもしれない。
さすがにそんなにそわそわした状態の相手の前を派手に移動して見破られない自信はないライカは、暗さを幸い、道を逸れると、建物に沿ったレンガの上を裸足でゆっくりと音もなく歩いて彼らの目をやり過ごした。
無価値のまじないは、普段変化のない、当たり前のものが当たり前にある事を無意識に受け入れて、新しい情報を入れないという人間の特性を利用している術であり、相手が普段と違う事をしている場合には効きにくいという弱点がある。
だからこそ使う側としては普段と違う状態をなるべく引き起こさないようにする配慮が必要だ。
そういう理屈は分かってはいても、実際に人に対して使うのはまだ二回目なので、微妙なさじ加減がライカには難しい。
なにしろぶっつけで使っているのだから失敗したらそれまでなのだ。
何千年も生きている竜王がコツコツ作り上げた、世の理自体に干渉する術なので、それなりに強力なのは確かだが、彼らの場合はこの術が破られようと、本来自身が持っている力でいかようにも切り抜けられる。
そんな裏ワザを持たないライカは、出来るだけ冒険を避けてひっそりと移動した。
その慎重さのせいで、ライカが治療所が見える場所まで辿り着いた頃には、既に夜明けの光が山間から差し込んで来ていたのである。
もう少しすれば、一日の最初の鐘である四点鐘も鳴る筈だ。
「そこに誰かおるのか?」
ライカはぎくりとして身を竦めた。
もはや周囲は暗闇ではない。
術を解いた訳ではないとしても、何かを見つけようとしている者に見つかる危険性は十分にあった。
仕方なく、そっと声の方を窺うと、そこにあったのは祖父の姿だった。
「あ、ジィジィ」
ライカは慌てて術を解くと祖父に駆け寄った。
自分が抜け出したベットを見て心配して探していたのだとすぐに思い至り、申し訳ない気持ちになったのである。
「なんじゃ、どこへ行っておった? ならず者どもに殴られて倒れたと聞いてワシがどれだけ心配したか分かっておるのか? 勝手に起き出してどっかでまた倒れておるんじゃないかと身も凍る思いじゃったわ」
早朝の辺りへの気遣いなどどこにもなく怒りにわめく祖父に、ライカは殊勝に頭を下げた。
「ごめんなさい、なんだか外の空気が吸いたかったんでつい」
「つい、じゃない! そういう時はわしを起こすもんじゃ」
「だってジィジィ寝てたし」
「寝てたから起こすんじゃろうが! ええか! たった一人の身内を心配するのはわしの権利じゃ! 起こされたら当然小言も言うし、説教もする。だが、知らない間に文句も言わせずに事を終わらせてしまえばその機会は失われてしまうじゃろうが。お前が勝手に考えてわしの権利を奪っちゃいかんのじゃ」
「ええっと……?」
ライカは叱られている内容に混乱して思わず祖父の顔を見た。
「分からんか? 心配して世話を焼くのが家族の権利よ、お前のようなひよっこには分からんかもしれんがの。ええか! 今後はわしに言ってから無茶はするんじゃ! 一度しこたま文句を言われてみると少しは懲りるじゃろうからな」
皺だらけのゴツゴツの手が、叱る言葉と裏腹に、ライカの顔を柔らかく包む。
その手に祖父の温もりを感じて、ライカはそのまま祖父に抱きついた。
「ごめんなさい、ジィジィ」
「お前は素直すぎて話にならん! もうちょっと、こう、腐れジジィ! とかカチカチ頭とか言って喧嘩ぐらいしてみせてもええんじゃぞ」
「それ、父さんの話?」
懐でクスクス笑い出した少年を、もう一度強い力で抱き寄せて、祖父はそうじゃ、と憮然とした口調で告げた。
「あの、おじいさん。感動の場面は終わりましたでしょうか?」
騒ぎに起こされたのだろう、気付けば治療所の療法師であるユーゼイックが近くに佇んでいる。
「なんじゃ! おまえさんにおじいさんなどと呼ばれる覚えはないぞ! この中身のない葦の葉っぱめ」
「ジィジィ、なに失礼な事言ってるんだよ。昨日お世話になったのに」
「だからじゃ、こやつがちゃんと治療出来てなかったからお前が倒れたんじゃろうが!」
ライカはその祖父の暴言に驚いて目を見張ると、ユーゼイックの方を見た。
基本的に穏やかな気質なのか、彼は困ったように苦笑しているのみで、別段腹を立てている風ではない。
おそらくそういう謗りを初めて受けた訳でもないのだろう。
「ジィジィ違うよ、怪我をして倒れた訳じゃないし、先生は悪くないよ」
「じゃあなんで倒れたんじゃ! 自分で分かっとるとでも言うのか!」
「え……? それはきっと、色々考え過ぎたからじゃないかと」
どう言っていいのか分らずにライカは口ごもる。
「そんな話、聞いた事もないわい」
当然祖父は納得しなかった。
「まぁまぁおじいさん」
「貴様のじいさんではないと言っておろうが!」
ユーゼイックはいきり立つ祖父を宥めるように微笑むと、ゆっくりと言った。
「とにかくちゃんと調べてみないと、ライカさんの体にまた障りがあるといけませんから。一度中へ入りませんか?」
「そうだよジィジィ、それにこんな朝っぱらから外で騒いだらお城の人に迷惑だろうし」
「こんな厚い石の壁の向こうに声が通るもんか!」
まぁまぁ、そう言わずにと、二人掛かりで引っ張られ、なんとか全員が移動して治療所に戻った。
「じゃあ、ちょっともう一度診させてもらいますね」
ゆったりとしたクッションの上に寝かせられて、繊細で柔らかい感触を再び感じ、ライカは心の中でユーゼイックに対する申し訳なさで頭を下げる。
彼の診立てに誤りがあったはずもない事をライカは知っていた。ひたすら自分が悪いのである。
「ふむ、やっぱり体の内部に問題はありませんね」
「ならなんで倒れたんじゃ」
「これは勝手な推測でしかありませんが、もしかすると精神的な痛手があったのかもしれません」
「なんじゃと、そういえば、坊主も考えすぎたとかなんとか言っておったな」
「大人から一方的な暴力を振るわれた事が初めてだったのではないでしょうか?」
「おのれ! 警備隊のやつらがボヤボヤしておるからじゃ!」
どちらにしろ誰かに怒りをぶつけなければいられないらしい祖父に、ライカは苦笑してふと思い出した。
アルファルスの話では祖父は警備隊の班長とこの調子で大喧嘩をしでかしたらしい。
「せんせい、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません」
色々な人に迷惑を掛けてしまったなと、ライカは意気消沈した。
「それは違いますよ。この街の人達が無事に元気に生活していけるようにするのが私たちの仕事ですし、私はそれに誇りも持っています。ですから、遠慮などされて体調を悪くされる方が私には辛い事なのですよ」
ユーゼイックはそう言うと、ライカの手首から掌へと二本の指でやや強めに圧迫を掛けた。その直後少し体が温かくなったのを感じて、ライカは問うように彼を見る。
「昨日午後から食事や水分を摂ってないので内臓が少し弱っているようですから、ちょっとだけ血の流れを良くしておきました。何か暖かくて消化の良いものを作らせますので、それまで苦くない香り茶で我慢しておいてくださいね」
「本当に色々ありがとうございます」
さりげない気遣いに心も温かくなると同時に、そういえばと自分が半日以上食事をしていない事に初めて気付く。
自分が気付かない体の状態を他人が察して癒してくれるというのは不思議な事だと、ライカはどこかくすぐったいような思いで感じていた。
0
お気に入りに追加
317
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
【完結】似て非なる双子の結婚
野村にれ
恋愛
ウェーブ王国のグラーフ伯爵家のメルベールとユーリ、トスター侯爵家のキリアムとオーランド兄弟は共に双子だった。メルベールとユーリは一卵性で、キリアムとオーランドは二卵性で、兄弟という程度に似ていた。
隣り合った領地で、伯爵家と侯爵家爵位ということもあり、親同士も仲が良かった。幼い頃から、親たちはよく集まっては、双子同士が結婚すれば面白い、どちらが継いでもいいななどと、集まっては話していた。
そして、図らずも両家の願いは叶い、メルベールとキリアムは婚約をした。
ユーリもオーランドとの婚約を迫られるが、二組の双子は幸せになれるのだろうか。
政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。
婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる