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第八章 真なる聖剣
940 命を握る者
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慌てる必要もないので、俺達はゆっくりお茶の時間を過ごすと、気持ちも新たに再び庭へと出た。
そして、そこに意外なものを見る。
勇者は柄のすげ替えられた聖剣(仮)を携え、なんとも言えない表情で、再び立ち上がって踊っている鎧を睨んだ。
「なんで復活しているんだ?」
「そういう風に作ったからな」
勇者の聞きたいのは、とんでもない聖剣の威力で粉々に吹っ飛んだのに復活出来る理由だと思うのだが、アドミニス殿はごく当たり前のように答えた。
勇者は、ツッコミたいのにツッコめないジレンマを抱えつつ、聖剣を抜く。
今度は前のように痛そうな様子はなく、眉を一瞬ぴくりと動かしただけだった。
勇者の魔力は、まるでしおれた花が水を得て蘇るかのように吸い上げられて剣身に灯り、ふわふわと漂っている。
「……いくぞ?」
そう宣言した勇者が聖剣(仮)を振った。
まるで水を切った剣が飛沫を飛ばすように、ほの白い魔力がゆるやかなカーブを描いて鎧に触れる。
それは、前回とはまるで違った光景だった。
静かに、音もなく、鎧は縦に二つに分かれる。
「え?」
モンクが驚いたような声を上げたが、俺も気持ちは同じだ。
それは今までの勇者の魔法と全く違う印象だったのである。
静かで、どこか儚く優しい。
「おお、完全に断ったな」
二つに割れた鎧は、ガラガラと音を立てて崩れると、ほの白い、月光のような光を発しながら消えていく。
「どういうことだ?」
勇者が納得いかないと言うようにアドミニス殿に詰め寄った。
「うむ。あれはな、戦場で死んだ亡者の魂を元にした生ける鎧よ。怨念が消えない限り、何度でも復活するのだが、さすが勇者殿。見事怨念を斬って、死したる者の国へと送ってやれたようだ」
「ちょ、おい。本物の魔物じゃないか!」
勇者が抗議する。
そりゃあ、ルフもいる工房で魔物を作っているとか、さすがにまずいだろ。
そもそもそんなことが外にバレたら、この辺境領が取り潰されないとも限らないぞ。
まぁさすが元魔王と言うべきなのかもしれないが。
「アドミニス殿。これはさすがに俺もどうかと思いますよ?」
「いやいや、人に障りを為すようだったので、連れ帰って無害な状態にしておいただけだぞ? だがさすがにわしでは怨念を消してやることは出来なんだからな。ときの経過によって自然消滅するのを待っていたという訳だ。だがはるかに早く在るべき場所に戻れた。さすがは勇者殿よ」
勇者と俺の抗議もどこ吹く風と、再び勇者を称えるアドミニス殿。
しかしそう言われてしまうと、よかったのかな? とも思ってしまう。
酷い戦場となった場所は、怨念が渦巻いて、命の芽生えない荒れ地になってしまうことがある。
そういう場所をアドミニス殿が浄化した、と思えば、悪いこととも言えない。
「俺は騙されないぞ! それならその場で封印なりなんなりすればいいことだろ! 持って帰って魔物にするのは絶対に間違ってる」
「確かに」
勇者の言葉は正しい。
ただ、事実として、一つの怨念が早々に苦しみから解き放たれたのは間違いない。
評価の難しい問題だ。
まぁしかし、勇者の立場からしたら、糾弾するのは当然ではある。
「おじいさま。今度からそのような方がいらっしゃったら、わたくしにおっしゃってください。ちゃんと清めて、あるべき場所へとお送りいたします」
そこへ聖女が完璧な解決方法を提示してくれた。
正しいと言えば、これほど正しい対処方法はないだろう。
「うむ。あいわかった。ミュリアはやさしいのう」
アドミニス殿が目を細めて、聖女を見ながらうなずいた。
ここだけ見ると、まるで孫の優しさに目を細める普通の祖父という感じなんだがな。
ちょっと内容がヘビーだ。
「ミュリアも、あんまりこいつを甘やかすな。常識をきっちり教えないと、いつかとんでもないことをしでかすぞ!」
いや、それはもう千年前にやらかしたんだと思うぞ。
忠告は千年遅かったと言うべきか。
「まぁまぁ勇者殿、それよりも、よい剣筋であった。城に訪れた吟遊詩人の歌う勇者殿の戦いぶりを聞いてな、少々違和感があったのだよ」
「違和感、ですか?」
この人地下から出ないくせに、どうやって聞いたんだ?
まぁだが、独特の感覚をしているアドミニス殿の言葉は、ときに本質を突いて来る。
ぜひ聞いておくべきだろう。
「うむ、強大な威力の雷魔法や炎の剣を使うと歌われておった」
「そうですね。勇者のメイン戦闘スタイルは、雷を操る神罰魔法というものと、剣に炎をまとわせるものです」
「ありあまる魔力を使った、力任せの戦い方……ダスター殿もそう感じているのではないか?」
「師匠に聞くのはずるいだろ!」
アドミニス殿の指摘に、勇者が抗議した。
勇者は自分の戦い方が力任せであることを自覚しつつも、更にその力をアップさせる方向で進んでいる。
俺は師匠とは言っても、戦い方自体に口を出すつもりはないので、特にそのことについてどうこうは言わないが、もう少し幅広い選択が出来るようにと鍛錬を行って来た。
なるほど、【勇者】らしくない、ということか。
「確かに少々力任せなところはありますが、実際に膨大な魔力はアルフの持ち味でもあります。それを活かすのは悪くはないでしょう」
「もちろん、勇者殿がただの騎士や冒険者ならばそれでいいのだがな。勇者という存在には、導き手という役割もある。そういう意味ではただの破壊であってはならんのだ」
「なるほど」
アドミニス殿の指摘すること、それこそ、俺がなんとか勇者に気づかせようとしてなかなか上手くいかなかったこでもあった。
そういうことは他人から指摘されてそうする、というのでは身につかない。
自分からそうなりたいと思うのが大事なのだ。
少なくとも俺はそう思っている。
「だが、今の剣筋を見れば、勇者殿はちゃんと勇者であったわ。案ずることなどなかったな」
「そう……ですね。確かに、あの剣は美しかった」
まるで見えない水面を斬るような剣。
静謐で透き通った剣筋だった。
勇者とは? と問われて、正しき者と答えるなら、あの剣こそがその正しさだろう。
「どうだ? 勇者殿、その聖剣に命を感じたか?」
「……」
勇者は押し黙ったままだ。
しかし、聖剣を握る手に、常よりも力が込められているのが見えた。
なるほど、命を感じる聖剣、か。
勇者もいよいよ、過去の幻影から解き放たれるときが来たのかもしれないな。
そして、そこに意外なものを見る。
勇者は柄のすげ替えられた聖剣(仮)を携え、なんとも言えない表情で、再び立ち上がって踊っている鎧を睨んだ。
「なんで復活しているんだ?」
「そういう風に作ったからな」
勇者の聞きたいのは、とんでもない聖剣の威力で粉々に吹っ飛んだのに復活出来る理由だと思うのだが、アドミニス殿はごく当たり前のように答えた。
勇者は、ツッコミたいのにツッコめないジレンマを抱えつつ、聖剣を抜く。
今度は前のように痛そうな様子はなく、眉を一瞬ぴくりと動かしただけだった。
勇者の魔力は、まるでしおれた花が水を得て蘇るかのように吸い上げられて剣身に灯り、ふわふわと漂っている。
「……いくぞ?」
そう宣言した勇者が聖剣(仮)を振った。
まるで水を切った剣が飛沫を飛ばすように、ほの白い魔力がゆるやかなカーブを描いて鎧に触れる。
それは、前回とはまるで違った光景だった。
静かに、音もなく、鎧は縦に二つに分かれる。
「え?」
モンクが驚いたような声を上げたが、俺も気持ちは同じだ。
それは今までの勇者の魔法と全く違う印象だったのである。
静かで、どこか儚く優しい。
「おお、完全に断ったな」
二つに割れた鎧は、ガラガラと音を立てて崩れると、ほの白い、月光のような光を発しながら消えていく。
「どういうことだ?」
勇者が納得いかないと言うようにアドミニス殿に詰め寄った。
「うむ。あれはな、戦場で死んだ亡者の魂を元にした生ける鎧よ。怨念が消えない限り、何度でも復活するのだが、さすが勇者殿。見事怨念を斬って、死したる者の国へと送ってやれたようだ」
「ちょ、おい。本物の魔物じゃないか!」
勇者が抗議する。
そりゃあ、ルフもいる工房で魔物を作っているとか、さすがにまずいだろ。
そもそもそんなことが外にバレたら、この辺境領が取り潰されないとも限らないぞ。
まぁさすが元魔王と言うべきなのかもしれないが。
「アドミニス殿。これはさすがに俺もどうかと思いますよ?」
「いやいや、人に障りを為すようだったので、連れ帰って無害な状態にしておいただけだぞ? だがさすがにわしでは怨念を消してやることは出来なんだからな。ときの経過によって自然消滅するのを待っていたという訳だ。だがはるかに早く在るべき場所に戻れた。さすがは勇者殿よ」
勇者と俺の抗議もどこ吹く風と、再び勇者を称えるアドミニス殿。
しかしそう言われてしまうと、よかったのかな? とも思ってしまう。
酷い戦場となった場所は、怨念が渦巻いて、命の芽生えない荒れ地になってしまうことがある。
そういう場所をアドミニス殿が浄化した、と思えば、悪いこととも言えない。
「俺は騙されないぞ! それならその場で封印なりなんなりすればいいことだろ! 持って帰って魔物にするのは絶対に間違ってる」
「確かに」
勇者の言葉は正しい。
ただ、事実として、一つの怨念が早々に苦しみから解き放たれたのは間違いない。
評価の難しい問題だ。
まぁしかし、勇者の立場からしたら、糾弾するのは当然ではある。
「おじいさま。今度からそのような方がいらっしゃったら、わたくしにおっしゃってください。ちゃんと清めて、あるべき場所へとお送りいたします」
そこへ聖女が完璧な解決方法を提示してくれた。
正しいと言えば、これほど正しい対処方法はないだろう。
「うむ。あいわかった。ミュリアはやさしいのう」
アドミニス殿が目を細めて、聖女を見ながらうなずいた。
ここだけ見ると、まるで孫の優しさに目を細める普通の祖父という感じなんだがな。
ちょっと内容がヘビーだ。
「ミュリアも、あんまりこいつを甘やかすな。常識をきっちり教えないと、いつかとんでもないことをしでかすぞ!」
いや、それはもう千年前にやらかしたんだと思うぞ。
忠告は千年遅かったと言うべきか。
「まぁまぁ勇者殿、それよりも、よい剣筋であった。城に訪れた吟遊詩人の歌う勇者殿の戦いぶりを聞いてな、少々違和感があったのだよ」
「違和感、ですか?」
この人地下から出ないくせに、どうやって聞いたんだ?
まぁだが、独特の感覚をしているアドミニス殿の言葉は、ときに本質を突いて来る。
ぜひ聞いておくべきだろう。
「うむ、強大な威力の雷魔法や炎の剣を使うと歌われておった」
「そうですね。勇者のメイン戦闘スタイルは、雷を操る神罰魔法というものと、剣に炎をまとわせるものです」
「ありあまる魔力を使った、力任せの戦い方……ダスター殿もそう感じているのではないか?」
「師匠に聞くのはずるいだろ!」
アドミニス殿の指摘に、勇者が抗議した。
勇者は自分の戦い方が力任せであることを自覚しつつも、更にその力をアップさせる方向で進んでいる。
俺は師匠とは言っても、戦い方自体に口を出すつもりはないので、特にそのことについてどうこうは言わないが、もう少し幅広い選択が出来るようにと鍛錬を行って来た。
なるほど、【勇者】らしくない、ということか。
「確かに少々力任せなところはありますが、実際に膨大な魔力はアルフの持ち味でもあります。それを活かすのは悪くはないでしょう」
「もちろん、勇者殿がただの騎士や冒険者ならばそれでいいのだがな。勇者という存在には、導き手という役割もある。そういう意味ではただの破壊であってはならんのだ」
「なるほど」
アドミニス殿の指摘すること、それこそ、俺がなんとか勇者に気づかせようとしてなかなか上手くいかなかったこでもあった。
そういうことは他人から指摘されてそうする、というのでは身につかない。
自分からそうなりたいと思うのが大事なのだ。
少なくとも俺はそう思っている。
「だが、今の剣筋を見れば、勇者殿はちゃんと勇者であったわ。案ずることなどなかったな」
「そう……ですね。確かに、あの剣は美しかった」
まるで見えない水面を斬るような剣。
静謐で透き通った剣筋だった。
勇者とは? と問われて、正しき者と答えるなら、あの剣こそがその正しさだろう。
「どうだ? 勇者殿、その聖剣に命を感じたか?」
「……」
勇者は押し黙ったままだ。
しかし、聖剣を握る手に、常よりも力が込められているのが見えた。
なるほど、命を感じる聖剣、か。
勇者もいよいよ、過去の幻影から解き放たれるときが来たのかもしれないな。
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