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クラスメイトの友達

第7話 「Finally」

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お寿司を食べながら何を話していたのかは、正直よく覚えていない。
でも、彼の隣にいるだけで、胸が高鳴りながらも不思議と安心していたことは、鮮明に覚えている。
食べ終わると、彼が私の手を引いて台所へ連れて行ってくれた。
「何かお茶、飲む?」と彼が聞いてくれて、私はジンジャーレモンティーを選んだ。
お湯が沸くのを待つ間、彼がふいに私を抱き上げて台所のカウンターに乗せた。
照れながら彼の目をじっと見つめた。彼はふっと微笑み、軽くキスをしてきた。

少し照れて、目をそらし、また見つめてほほ笑んだ。
"Finally......"

そして、もう一度キスをした。
また、照れて、目をそらして、彼に微笑みかけた。
するとほっぺや鼻、顔中にキスをし始めた笑。
笑ってしまった。

お湯が沸き、リビングへ戻った私たち。

昨夜の出来事があったからだろうか、二人の距離がぐっと縮まっているのを感じる。
彼の近くに座ると、ふいに彼が手を広げて、
「おいで」
と言った。

そこに私は嬉しそうに行く。
彼の足の間にちょこんと座り、ゆっくりとした時間が流れる。

しばらく話していると、彼が立ち上がった。
私は壁に寄りかかりながら、彼を待つ。
戻ってきた彼は、私の正面に座り、じっと無言で見つめてきた。

「かわいい.....................本当に特別な気持ちを抱いている.....」
その言葉に心臓が一気に高鳴る。
そして、キスをした。

もう何も考えられないくらい、時間を忘れて彼とキスをし続けた。

そして、そのままベッドへ。



やっと繋がることができた喜びが、胸いっぱいに広がる。
これ以上ないくらい、幸せだった――。
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