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誇りある仕事
8.その視線に気をつけろ
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家庭用ロボット掃除機が、何でオフィスを掃除しているんだ?
オフィス内を掃除させるには、あまりにも小型な箱型ロボット掃除機。
伶桜は机の下へと進路を変えたロボット掃除機を警戒して、机の天板の底に黒影を貼り付かせた。
と、すぐさまロボット掃除機の、ある動作に違和感を抱き、黒影を移動させた。
ある違和感とは?
「オイオイ、何で家庭用ロボット掃除機のカメラが上に向こうとしているんだ?」
掃除機が掃除するのは、あくまでも床。
障害物を察知するにしても、上方を確認する必要は無いだろう。
なのに、何でわざわざカメラで認識したりするのか?
伶桜が直感的に導き出した答えは。
「コイツ、ただの掃除機じゃないな」
吸引音こそ発してはいるが、オフィスを掃除して回るには、あまりにも小型。あれではすぐに許容量に達してしまう。
だから吸引音はフェイクと見る。
アリエス社長に報告しておこう。
社長からは、些細な事でも連絡を入れるようにと言われているし、彼女は常に部屋にいる引きこもりだ。音信不通になる心配は一切無い。
「社長、美浜・慎一の会社に潜入しているんですが、やはりこの会社、普通の会社ではないようです」
「何か掴んだの?伶桜さん」
「会議室へ充電に立ち寄ったところ、部屋を回っているロボット掃除機のカメラが上を向いているんです。形こそロボット掃除機なんですが、どうも警備ロボットに思えてならないんです」
当然ながら、その程度の情報では『思い過ごし』と思われても仕方が無い。
彼女を納得させるには。
「そのロボット掃除機、オフィスを掃除しているくせに、家庭用の小型ロボット掃除機なんですよ」
アリエス=飛鳥の判断は早かった。
「伶桜さんの言う通り、これは匂うわね。他にも敵を油断させるような監視カメラがあるかもしれないから、行動は慎重にお願いね。それと忘れていないとは思うけど、黒影に持たせたUSBを美浜・慎一のPCに差し込ませて。あとは私が遠隔で操作するから」
外からのハッキングでは破れないセキュリティーを、ダイレクトにPCにコンピューターウィルスを打ち込んでアクセスして破るというのだ。
引きこもりの女子高生の行動とは思えない、スパイ映画を彷彿とさせる難解なミッションを押しつけてくれる。
??
文句の一つも言いたいところだが、伶桜は冷静にも、このロボット掃除機がどこから来たのか?気になった。
部屋に入った時にはいなかったはずなのに。
潜入捜査中なので、見落としていたなんて事は無いと断言できる。
「あれか」
伶桜の視線の先には、壁の床近くに開けられた猫窓、いわゆるペット用出入り口らしきものを発見!
ロボット掃除機専用の通り道だと、長方形の穴の形からして難なく察する事ができた。
と、同事に、あのロボット掃除機は複数の部屋を巡回しているものとうかがえる。
意外と早くチャンスは訪れた。
ロボット掃除機が穴から退出してゆく。
これでまずは一安心だ。
今の内にトイレを済ませておこう。
伶桜は、最悪ボトラー(*:空のペットボトルに用を足す人)になる危機を、何とか逃れる事ができた。
「ん?」
ふと思った事がひとつ。
アリエス社長は・・・いや、無粋な考えは止そう。
引きこもりとはいえ、彼女は女の子だ。
・・・。
夜になり、会社の社員たちが次々と帰宅してゆく。
PM7:25
意外にも、こんな早くに社員全員が退社した。
元々オフィスで仕事している社員の数は少なく、半数以上がテレワークで働いている。
果たして、ホワイトorブラック企業なのかはさておいて、伶桜がこの会社に抱いた印象は。
光熱費安ぅー。
ついでに、やっと仕事に取りかかれるぜ。
早速黒影を近くのPCに取り付かせて電源をON。
立ち上げ時にパスワードを求められるも、黒影の背中からUSBメモリを取り出してPCに差し込む。
パスワード画面が消えたと思えば、次々とウィンドウが開いてゆく。
あっという間にセキュリティーロックを解除したのだ。
さすがはハッカー様。
スマホが鳴り、伶桜は電話に出た。
アリエス社長からだ。
「お疲れ様、伶桜さん。USBメモリと黒影を回収して撤収して」
「何か掴んだのか?」
訊ねた。
「それは後のお・た・の・し・み!じゃあ、明日店で待ってるから。おやすみなさい」
随分とお早い"おやすみなさい”を言われたものだ。
今日日の幼稚園児だって夜の8時前には就寝しないよ。
通気ダクトをくぐって、黒影をビルの外へと脱出させた。
侵入した時と同じ手順を踏んで、近くのポストの影に黒影を忍ばせておいて、後で縁が直接回収に向かう。
誰も夜間にポストへ近づく事などしないだろう。全く良く頭が回るものだわ、ウチの社長様は。
ひたすら感心する。
「あった!」
縁はポスト裏に隠されていた黒影を回収!ポーチの中へと忍ばせた。
さりげなく腕時計を見やる。
「まだ宵の口ね。このまま帰るのも何だし、どこかで呑んで帰るかな」
峠・縁の情報源は、主に居酒屋巡りで出逢うオヤジ連中からのものだったりする。
だが、美浜・慎一が経営するイベントプランニング会社の社員たちは、居酒屋よりも小洒落た店を好むために接触&情報収集が叶わなかった。
当の縁にとっては。
そんな事はどうでも良い。
とにかく黒影を回収するという一仕事を終えたので、ここらで一杯引っ掛けて行こうかな。
明日は本名・飛鳥(アリエス)の部屋でミーティングだというのに。
・・・翌日。
案の定…縁は二日酔いに苦しみながらもミーティングに顔を出す事となった。
喫茶店「マリィ」に入って来るなり、マスターに水を要求する有様。
昨夜はしっかりとシャワーを浴びたはずなのに、口から体から、とにかく酒臭を漂わせる縁を、果たして娘の部屋に上げて良いのか?戸惑うも、当の娘が了承しているため、マスターは仕方無く縁を二階へと通した。
「黒影・・只今帰還致しました」
それだけ告げると、縁は飛鳥のベッドで寝入ってしまった。
女子高生の飛鳥はもちろん、とっくに成人を過ぎた伶桜でさえ、これほどまでに”だらしのない”女性を見るのは始めてであった。
このまま、そっとしておこう…。だが!
一応身だしなみだけはキッチリ整えてはいたものの、飛鳥は臭い物にフタをするかの如くベッドで横になる縁に布団を掛けた。
伶桜の視線が、縁のミニスカートから覗く太腿に向いたのを察しての咄嗟の行動だった。
「さて、酔っ払いは放っておいて、本題に入りましょう」
アリエス社長が、昨夜イベントプランニング会社から"盗んだ”情報を伶桜に報告した。
オフィス内を掃除させるには、あまりにも小型な箱型ロボット掃除機。
伶桜は机の下へと進路を変えたロボット掃除機を警戒して、机の天板の底に黒影を貼り付かせた。
と、すぐさまロボット掃除機の、ある動作に違和感を抱き、黒影を移動させた。
ある違和感とは?
「オイオイ、何で家庭用ロボット掃除機のカメラが上に向こうとしているんだ?」
掃除機が掃除するのは、あくまでも床。
障害物を察知するにしても、上方を確認する必要は無いだろう。
なのに、何でわざわざカメラで認識したりするのか?
伶桜が直感的に導き出した答えは。
「コイツ、ただの掃除機じゃないな」
吸引音こそ発してはいるが、オフィスを掃除して回るには、あまりにも小型。あれではすぐに許容量に達してしまう。
だから吸引音はフェイクと見る。
アリエス社長に報告しておこう。
社長からは、些細な事でも連絡を入れるようにと言われているし、彼女は常に部屋にいる引きこもりだ。音信不通になる心配は一切無い。
「社長、美浜・慎一の会社に潜入しているんですが、やはりこの会社、普通の会社ではないようです」
「何か掴んだの?伶桜さん」
「会議室へ充電に立ち寄ったところ、部屋を回っているロボット掃除機のカメラが上を向いているんです。形こそロボット掃除機なんですが、どうも警備ロボットに思えてならないんです」
当然ながら、その程度の情報では『思い過ごし』と思われても仕方が無い。
彼女を納得させるには。
「そのロボット掃除機、オフィスを掃除しているくせに、家庭用の小型ロボット掃除機なんですよ」
アリエス=飛鳥の判断は早かった。
「伶桜さんの言う通り、これは匂うわね。他にも敵を油断させるような監視カメラがあるかもしれないから、行動は慎重にお願いね。それと忘れていないとは思うけど、黒影に持たせたUSBを美浜・慎一のPCに差し込ませて。あとは私が遠隔で操作するから」
外からのハッキングでは破れないセキュリティーを、ダイレクトにPCにコンピューターウィルスを打ち込んでアクセスして破るというのだ。
引きこもりの女子高生の行動とは思えない、スパイ映画を彷彿とさせる難解なミッションを押しつけてくれる。
??
文句の一つも言いたいところだが、伶桜は冷静にも、このロボット掃除機がどこから来たのか?気になった。
部屋に入った時にはいなかったはずなのに。
潜入捜査中なので、見落としていたなんて事は無いと断言できる。
「あれか」
伶桜の視線の先には、壁の床近くに開けられた猫窓、いわゆるペット用出入り口らしきものを発見!
ロボット掃除機専用の通り道だと、長方形の穴の形からして難なく察する事ができた。
と、同事に、あのロボット掃除機は複数の部屋を巡回しているものとうかがえる。
意外と早くチャンスは訪れた。
ロボット掃除機が穴から退出してゆく。
これでまずは一安心だ。
今の内にトイレを済ませておこう。
伶桜は、最悪ボトラー(*:空のペットボトルに用を足す人)になる危機を、何とか逃れる事ができた。
「ん?」
ふと思った事がひとつ。
アリエス社長は・・・いや、無粋な考えは止そう。
引きこもりとはいえ、彼女は女の子だ。
・・・。
夜になり、会社の社員たちが次々と帰宅してゆく。
PM7:25
意外にも、こんな早くに社員全員が退社した。
元々オフィスで仕事している社員の数は少なく、半数以上がテレワークで働いている。
果たして、ホワイトorブラック企業なのかはさておいて、伶桜がこの会社に抱いた印象は。
光熱費安ぅー。
ついでに、やっと仕事に取りかかれるぜ。
早速黒影を近くのPCに取り付かせて電源をON。
立ち上げ時にパスワードを求められるも、黒影の背中からUSBメモリを取り出してPCに差し込む。
パスワード画面が消えたと思えば、次々とウィンドウが開いてゆく。
あっという間にセキュリティーロックを解除したのだ。
さすがはハッカー様。
スマホが鳴り、伶桜は電話に出た。
アリエス社長からだ。
「お疲れ様、伶桜さん。USBメモリと黒影を回収して撤収して」
「何か掴んだのか?」
訊ねた。
「それは後のお・た・の・し・み!じゃあ、明日店で待ってるから。おやすみなさい」
随分とお早い"おやすみなさい”を言われたものだ。
今日日の幼稚園児だって夜の8時前には就寝しないよ。
通気ダクトをくぐって、黒影をビルの外へと脱出させた。
侵入した時と同じ手順を踏んで、近くのポストの影に黒影を忍ばせておいて、後で縁が直接回収に向かう。
誰も夜間にポストへ近づく事などしないだろう。全く良く頭が回るものだわ、ウチの社長様は。
ひたすら感心する。
「あった!」
縁はポスト裏に隠されていた黒影を回収!ポーチの中へと忍ばせた。
さりげなく腕時計を見やる。
「まだ宵の口ね。このまま帰るのも何だし、どこかで呑んで帰るかな」
峠・縁の情報源は、主に居酒屋巡りで出逢うオヤジ連中からのものだったりする。
だが、美浜・慎一が経営するイベントプランニング会社の社員たちは、居酒屋よりも小洒落た店を好むために接触&情報収集が叶わなかった。
当の縁にとっては。
そんな事はどうでも良い。
とにかく黒影を回収するという一仕事を終えたので、ここらで一杯引っ掛けて行こうかな。
明日は本名・飛鳥(アリエス)の部屋でミーティングだというのに。
・・・翌日。
案の定…縁は二日酔いに苦しみながらもミーティングに顔を出す事となった。
喫茶店「マリィ」に入って来るなり、マスターに水を要求する有様。
昨夜はしっかりとシャワーを浴びたはずなのに、口から体から、とにかく酒臭を漂わせる縁を、果たして娘の部屋に上げて良いのか?戸惑うも、当の娘が了承しているため、マスターは仕方無く縁を二階へと通した。
「黒影・・只今帰還致しました」
それだけ告げると、縁は飛鳥のベッドで寝入ってしまった。
女子高生の飛鳥はもちろん、とっくに成人を過ぎた伶桜でさえ、これほどまでに”だらしのない”女性を見るのは始めてであった。
このまま、そっとしておこう…。だが!
一応身だしなみだけはキッチリ整えてはいたものの、飛鳥は臭い物にフタをするかの如くベッドで横になる縁に布団を掛けた。
伶桜の視線が、縁のミニスカートから覗く太腿に向いたのを察しての咄嗟の行動だった。
「さて、酔っ払いは放っておいて、本題に入りましょう」
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